個性派餃子は「変わり種」を超えた餃子のフロンティア
今回紹介されるのは、JAPAN餃子大賞の個性派餃子部門を受賞した5店舗です。
個性派と聞くと変わり種を思い浮かべる人も多いかもしれません。ですが小野寺さんは、この5店はその範疇を超えていると話します。
今回の5店舗はですね、変わり種という範疇を超えて、餃子のニューモダンというか、餃子の多様性を象徴するフロンティアと見た方がいいんじゃないかなと思います。
鶯谷「VEGAN GYOZA」美しく美味しいヴィーガン餃子
最初に紹介されるのは、鶯谷のヴィーガン餃子専門店「VEGAN GYOZA」です。
従来のヴィーガン餃子には物足りなさが感じられるものもあったと小野寺さんは振り返ります。一方でこの店の餃子は、とにかく美味しいと語られています。
店内はカフェのような雰囲気で、餃子は11個セットになっており、蒸しか焼きかを選べます。
餡も皮もすべて店内で一つずつ手作りされ、動物性の原料、化学調味料、添加物、保存料、着色料は使われていません。
着色料を使わないため、皮は野菜や果物で色付けされています。オレンジは人参、ピンクはドラゴンフルーツ、グリーンはほうれん草といった具合です。
餡も椎茸、セロリ、ピーマンなど種類が豊富で、ラー油、味噌、岩塩などの味付けにもこだわり、個性のある10種類を楽しめるセットがあります。しかもニンニクやニラも使っていません。
店主の近藤優衣さんは16年前にヴィーガンになり、自分たちが食べたい餃子を作りたいという思いから研究を重ね、2021年5月に店をオープンしたとのことです。
来店客はほとんどが外国人で、カフェのような空間を埋めていると言います。日本の餃子の象徴になり始めている店だと語られています。
10個は食べきれないという人は個別注文も可能です。小野寺さんの個人的なおすすめは味噌を使った餃子で、なかでも生姜味噌の餃子が好みに合ったそうです。
代田橋「餃子SUNSU」全粒粉100%と鯖のスパイス餃子
次に紹介されるのは、代田橋の「餃子SUNSU」です。ビルの3階にあり、看板を目印に階段を上っていくと、餃子屋なのかと思うような異空間が広がっていると言います。
一押しは、鯖と大葉のスパイス餃子です。
魚肉を使った餃子は珍しいものの、鯖の締まった食感と旨味をスパイスが膨らませていると語られます。豚肉や牛肉に比べても遜色なく、むしろこちらが美味しいという人もいるだろうと話します。
卓上の椎茸のお酢などと組み合わせても美味しく、噛むほどに彩りや味わいが膨らむ餃子だといいます。
この店の特徴は、季節限定の餡が次々と登場することです。
Instagramには、豚肉とオクラとチリトマトのジビエ餃子、鶏肉とアスパラとバジルの餃子、桜とザクロと餅の春餃子など、新作が続々と投稿されています。
小野寺さんは「餃子の命は皮」だと考えています。この店は全粒粉を100%使っており、その小麦粉へのこだわりが際立っていると評価します。
看板商品の三す餃子は、粗びきの豚肉にキャベツ、ニラ、ときにキクラゲ、さまざまなスパイスを加えたものです。多彩な餡を受け止める全粒粉の皮も美味しいと語られます。
店主の鈴木さんはもともと趣味でレゲエバンドをやっていたり、アパレル業界で服作りに関わっていたりと、店づくりも個性的だと紹介されています。
阿佐ヶ谷「豚八戒」個性派も焼きも絶品の人気店
続いて紹介されるのは、阿佐ヶ谷の「餃子房 豚八戒」です。ミシュランガイドのビブグルマンにも何度も掲載されている有名店です。
今回は個性派餃子部門としての紹介ですが、焼き餃子も絶品だと語られます。
個性派の一つが、四川風マーラー水餃子です。自家製のラー油の旨味があり、パクチーとの相性も抜群だといいます。パクチーは好みを聞いてかけてくれる形になっています。
プリプリのエビが丸ごと入ったエビ餃子もあります。作っているのは、店主の香山さんの妻でハルピン出身のチンさんです。
中国東北部は海産物をよく使うそうで、エビのプリンとした食感と椎茸の旨味が広がる餃子だと語られます。
ほかにも精進蒸し餃子、干しエビの旨味を効かせた八戒餃子、豆腐メインにひき肉を少々加えたテンポ餃子など、全部で5種類の個性派餃子があります。数人で全種類頼むのがおすすめだと話します。
人気店のため、開店と同時にカウンター席は満席になります。数年前にできた離れの「天塾」にはテーブル席があり、予約していくのが確実だといいます。
2階の個室ではここでしか食べられない火鍋も楽しめますが、競争率が高く、取れたらラッキーだと語られます。
小野寺さんの一番のおすすめはカウンター席です。店主の香山健吾さんは朗らかで話しかけてくれる魅力的な人物で、紹興酒などと合わせて一人でゆっくり楽しめると紹介されています。
中野「Wing Village」皮にこだわる手延べ餃子バー
次に紹介されるのは、中野の手延べ餃子バー「Wing Village」です。
個性派の看板はコーンポタージュ餃子です。洋風コーンポタージュのようなまろやかな味わいで、じんわり溶けたバターがトウモロコシの甘い香りと重なり合うと語られます。
ほかにもマルゲリータ餃子やエビアボ餃子などがあります。ただ変わり種を作っているだけでなく、皮へのこだわりが強い点が個性派餃子部門の主流になっていると小野寺さんは見ています。
皮は水を少なめによく練り、寝かせて伸ばすなど、時間と手間をかけて作られています。
餡も手包みで、粗びきした豚肩ロースや角切りのとんとろ、大きめに切った野菜を使い、食感が感じられる仕上がりです。自家製麺ならではの餃子だと語られます。
店は地下にあり、実際にバーになっています。カウンターやテーブルで餃子とともに酒を楽しめます。
千葉・蘇我「恵泉」長芋焼き餃子という新食感
最後に紹介されるのは、千葉の蘇我にある中国小麦粉料理専門店「恵泉」です。千葉市のモノレールの下にあります。今回は一都三県が対象のため、千葉の店も含まれています。
個性派餃子部門の対象となったのは、長芋焼き餃子です。
芋と聞いて驚く人もいるかもしれませんが、シャキッとしてとろっとする食感だといいます。加熱された芋がホクホクになり、噛むとトロトロとしてくると語られます。
中には梅や大葉も入っており、酸味が広がります。一口ごとに芋の食感、梅の食感、大葉の風味が出てきて、味が広がる餃子だと紹介されています。
作っているのは中国から来た麺点師の方です。店は綺麗な中華料理店の雰囲気で、奥のガラス張りのオープンキッチンで料理の様子を見ることができます。
店名は中国小麦粉料理専門店ですが、実際には北海道産の小麦粉を100%使っています。野菜も可能な限り無農薬有機栽培のものを使うこだわりがあります。
長芋餃子のほか、棒餃子や、豚肉にエビ、イカ、ホタテなどの海鮮を使った餃子もあります。
戦後に進化した餃子の、次の時代へ
焼き餃子は戦後の日本で進化してきた料理です。そこにヴィーガン、魚肉、自家製麺といったさまざまな進化が起こっていると小野寺さんは語ります。
これはもう次の時代に向けた餃子が生まれてきてるっていう風にね、感じていただけるご店舗なんじゃないかなと思います。
個性派餃子部門を設けることで、新しい餃子の進化がさらに促進されればという考えから、この部門を立てているとのことです。
新しい餃子を知っている人は、特設ページ「gyoza.fm」のフォームやSNSから教えてほしいと呼びかけられています。
今日の一言本音では、7月15日発売の大人の週末8月号で第1回ジャパン餃子大賞の焼き餃子部門が発表されることが予告されました。しばらく休業していた飯田橋の人気店「お佳」に、その発売日に何かが起こると語られています。
まとめ
JAPAN餃子大賞「個性派餃子部門」を受賞した5店は、いずれも変わり種にとどまらず、皮や素材へのこだわりを通じて餃子の可能性を広げています。戦後に進化した焼き餃子の、次の時代を感じさせる紹介回でした。
- VEGAN GYOZAは動物性・添加物不使用で、野菜や果物で色付けした10種類の美しいヴィーガン餃子を提供する
- 餃子SUNSUは全粒粉100%の皮と鯖のスパイス餃子、季節限定の餡が特徴
- 豚八戒は四川風マーラー水餃子やエビ餃子など5種の個性派を持つ人気店
- Wing Villageのコーンポタージュ餃子や恵泉の長芋焼き餃子など、皮と食感へのこだわりが共通する
- 7月15日発売の大人の週末8月号で焼き餃子部門が発表され、飯田橋「お佳」の動きも予告された

