世の中にある「協会」の種類
世の中には数多くの協会があります。ここで語られるのは、協力の「協」に会社の「会」で書く協会です。
有名なものには日本損害保険協会や日本冷凍食品協会などがあり、業界のキープレイヤーとなる企業が集まって共通の広告宣伝や連絡、研修を行うのが主な目的だと説明されています。
一方で、2008年に日本唐揚げ協会が立ち上がったのをきっかけに、おにぎり協会や焼売協会のような「何かを愛する個人が集まる協会」も増えてきたといいます。
焼き餃子協会もこの後者に当たります。ただし、個人だけで成り立つわけではなく、業界に関連する企業や自治体との連携も必要になると話されています。
企業が集まった協会でも、個人が集まった協会でも、最終的には業界全体を見通し、多くの人に知ってもらって愛されていくことを目指す点は共通していると考えられます。
協会を設立した目的と、当時感じたミスマッチ
焼き餃子協会を設立した目的は、焼き餃子が日本の食文化であることを多くの人に知ってもらうことにあります。
餃子は中国で生まれて世界に広がった料理ですが、中国では水餃子として主食に、日本では焼き餃子としておかずに愛されている、という違いがあると説明されています。
さらに、地元の特産品を包んだ全国各地のバリエーションがまだ知られていないことも、伝えたい思いの一つだといいます。宇都宮や浜松以外にも、熱心に餃子に向き合う人たちがいると語られています。
設立前の時期には、餃子への扱いの低さを感じることが多かったと振り返ります。
宇都宮か浜松で作られている餃子以外は認められない、餃子ってどれも同じ味なんでしょ、と思われたりして、大変に餃子に対して扱いが低いなと思うことをよく言われていました。
日本人は餃子が好きと言いながら、餃子への関心は低い。そのミスマッチが逆に面白く、団体を作る意味があると感じたそうです。
ブランドとファンが文化を育てる
ラーメンや日本酒も最初から今のようにブランドがあったわけではなく、何かしらのブレイクスルーを経て今の姿になった、と小野寺さんは考えます。
そのブレイクスルーとは、作っている人たちのブランドがきちんとできてきたことだと話されています。
ブランドが認知され、それを愛するファンが多くつくことで、食文化として認められていくという見立てです。
だからこそ、まず餃子の店やメーカーがブランドになり、そのファンとブランドが出会うコミュニティを作ることが、協会のなすべき使命だといいます。
消費者が特定の餃子のファンになるまでには、いくつかのステップがあると整理されています。
このステップを踏む人を増やすには、作る側の発信も欠かせないといいます。誰が、どんなこだわりで、どんな地元のつながりで作っているのかを伝えることが大切だと語られています。
作り手が情報を伝えると、消費者も「美味しかった」だけでなく、使っている豚肉や製法、冷凍方法といったこだわりまで一緒に伝えてくれるようになります。そうしてファンのブランドへの愛着が深まっていくと考えられます。
ポジティブフィードバックのループ
ファンが増えると、作る側ももっと喜んでもらおうと、さらに美味しい餃子を作る努力をするようになります。
その結果、消費者はもっと美味しい餃子を食べられるようになる。この好循環を小野寺さんは「ポジティブフィードバックのループ」と呼んでいます。
このループがいろんなところで起こるように、私自身もいろんなところに行って仕掛けております。
ゆくゆくは、焼き餃子協会の会員であること自体がブランドとして機能してほしい、とも語られています。
焼き餃子協会に入っているというお店の方が美味しい餃子だよね、焼き餃子協会の個人会員の方が説得力あるよね、というふうになっていくといいなと。
現時点では、法人賛助会員は餃子に向き合う姿勢を審査しているといいます。餃子作りへの向き合い方や、どう広めたいか、作り方のこだわりまで話を聞いた上で会員を審査しているそうです。
その結果、法人会員の餃子は一定のレベルで美味しいと本人は考えており、先日の展示会でも他の餃子と比べて断然美味しかったという評価を多く得たと話されています。
会員制度と、一品餃子頒布会
希望する会員には、毎月セレクトした餃子が届く「一品餃子頒布会」というサービスが提供されています。
届く餃子がどんな思いで作られ、どんなこだわりや特徴があるのかも紹介されるため、様々な餃子に触れるうちに、餃子ごとの違いへの意識が芽生えてくるといいます。
こうして特定の餃子への愛を発信する人たちが増えてきていると語られています。
活動の考え方として、アフリカのことわざが紹介されました。
早く行きたければ個人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け、ということわざがあるんです。
このポッドキャストや展示会のように、まず一人でできることは試してみる。一方で、焼き餃子文化を世の中に正しく知ってもらうという大きな目標は一人では成し得ないため、会員の力を借りたいと話されています。
会員制度の費用も具体的に語られました。
| 会員種別 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 法人賛助会員 | 年会費6万円 | 餃子に向き合う姿勢を審査 |
| 個人賛助会員 | 年5000円または月500円 | 寄付として受け取る |
| 一品餃子頒布会 | 月額3960円 | 送料込みの餃子代で利益はなし |
協会は非営利法人のため、会費は寄付として受け取る形です。会員に毎月届くのは会報のメールで、それ以外のリターンは頒布会くらいだといいます。
頒布会は3960円がそのまま送料込みの餃子代に使われ、利益は全くないとのこと。ただ、手間がかかるため増やそうとはしていないそうです。
ポッドキャストは会員への「お礼」
最後に、小野寺さんは本音を語ります。この番組は、焼き餃子協会を支援してくれている人たちの顔を思い浮かべながら作っているといいます。
会員の支援によってこのポッドキャストが成り立っている、という感謝の言葉で締めくくられました。
まとめ
焼き餃子協会は、焼き餃子を日本固有の食文化として広めるために2018年に設立されました。ブランドとファンの好循環を各地で起こし、みんなで大きな目標へ進むことを目指しています。
- 焼き餃子協会は「何かを愛する個人が集まる協会」で、焼き餃子を日本の食文化として広めることを目的としている。
- 餃子は中国では水餃子・主食、日本では焼き餃子・おかずとして愛される、という違いを伝えたいという思いがある。
- 作り手のブランドとファンが好循環を生み、食文化として根づいていくという見立てが設立の背景にある。
- 会員には法人賛助会員・個人賛助会員があり、希望者には一品餃子頒布会も提供されている。
- 番組「聴く餃子」は、支援してくれる会員への感謝の気持ちで作られている。
