「生」とは加熱していないという意味
番組冒頭で、小野寺さんは「生」という言葉の意味を問いかけます。生餃子や生酒と聞くと新鮮な美味しさをイメージしますが、その本当の意味は「加熱をしていない」ことだと話されています。
たとえばビールやお酒は、加熱によって酵母を死滅させ、発酵を止める処理を行っています。その結果、長期保存ができ、味の変化も起こりにくくなります。
一方、加熱処理をしない生の状態では、賞味期限が短くなる代わりに、出来たての美味しさが味わえるというメリットがあります。
生と加熱済みにはそれぞれメリットとデメリットがあり、両方が愛されていると小野寺さんは整理します。餃子も同じで、生餃子とは加熱していないものを指すという考え方です。
生餃子とか生酒とか、生と言われると新鮮な美味しさっていうイメージがありますよね。この生という意味、ご存知ですか。答えは加熱をしていないっていう意味なんですね。
冷凍していても加熱していなければ生餃子
小野寺さんは、よくある誤解として「冷凍していないものが生餃子だと思われている」ことを挙げます。実際には、冷凍していても加熱していなければ生餃子だと説明します。
見分け方はパッケージにあります。餃子の裏面にある「凍結前加熱の有無」の欄に「加熱してあります」と書かれていれば、加熱済みの餃子です。
加熱済みの代表例として、味の素冷凍食品や大阪王将などの大手メーカーの冷凍餃子が挙げられます。大量に生産し、長期間スーパーに並ぶことを想定しているため、加熱する意味があると話されています。
具体的には、餡を皮で包んでから高温で蒸すような形で加熱し、殺菌します。菌が消えることで賞味期限が長くなる仕組みです。
急速冷凍がおいしさを左右する
加熱した餃子は、直後に急速冷凍されます。この設備は非常に高価で、大手メーカーだからこそ提供できるものだと小野寺さんは説明します。
大手の冷凍では、およそ90度からマイナス20度ほどまで一気に温度を落とすため、強い冷凍技術が必要になります。
もし冷凍がゆっくり行われると、肉や野菜の細胞が壊れ、水や油が皮に吸い込まれてしまいます。皮はぐちゃぐちゃになり、餡は生臭くなり、味もスカスカになると話されています。
しかし大手の冷凍技術は発展しているため、一気に冷やすことで、殺菌もされ、細胞もあまり壊れない状態で冷凍できます。この大規模な急速冷凍設備は非常にお金がかかるため、多くが大手メーカーに限られるといいます。
冷凍がゆっくり
肉や野菜の細胞が壊れる
水分・油が移動
皮に吸い込まれてしまう
結果
皮はぐちゃぐちゃ、餡は生臭く、味はスカスカに
冷凍餃子は美味しくないという印象の理由
かつては「冷凍餃子はお店の餃子より美味しくない」「生の方が美味しい」と思われていました。小野寺さんは、その理由を冷凍技術が今ほど発展していなかったためではないかと考えています。
冷凍技術が低いと、冷凍時に野菜や肉の細胞が壊れ、ぐちゃっとしたり臭かったりする餃子になりやすかったと話されています。
もう一つの理由として、家庭の冷凍庫で長期間保存すると、冷凍餃子でも劣化が進む点を挙げます。パッケージの中に氷や霜が出ている状態では、細胞膜が壊れてしまっているといいます。
そのため、長く冷凍した餃子を食べて美味しくないと感じるのは当然で、そうした経験が「冷凍餃子は美味しくない」という印象につながったのではないか、と整理しています。
皮の違いがわかる自家製麺のおすすめ3店
大手メーカーを除けば、多くは出来たての餃子を加熱せずにすぐ冷凍する生餃子です。加熱していない分、新鮮な食材がそのまま冷凍され、出来たてを焼いたような美味しさが感じられるのが魅力だと話されています。
小野寺さんは、生餃子で特に違いが出るのは皮の部分だと考えています。大手メーカーと食べ比べるなら、自家製麺の餃子がわかりやすいとして、3店を紹介します。
1つ目は、宮崎の餃子の聖地・高鍋町にある「餃子の馬渡」のもっちり餃子です。足で踏んでコシを出し、寝かせる製法で、皮のコシが特に強いといいます。
2つ目は、北海道千歳市の「天のびろく」のオリジナル餃子です。もとはガス会社で、餃子好きが高じてメーカーにもなったところで、北海道産の小麦粉「春よ来い」を練って使い、小麦粉の旨味がわかりやすいと話されています。
3つ目は、群馬県の「金星食品」の特選生餃子です。群馬には味の素冷凍食品と大阪王将の関東工場もあり、同じ群馬で比較しやすいとして挙げています。皮は薄めでバランスがよく、大手の餃子が好きな人にも合い、味の違いがはっきりわかりやすい一品だといいます。
| 店・メーカー | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 餃子の馬渡 もっちり餃子 | 宮崎県高鍋町 | 足で踏んでコシを出す製法で皮のコシが強い |
| 天のびろく オリジナル餃子 | 北海道千歳市 | 小麦粉「春よ来い」を使い小麦の旨味がわかる |
| 金星食品 特選生餃子 | 群馬県 | 皮が薄めでバランスがよく味の違いが比較しやすい |
大手ではない生餃子として、大手2社に迫ってきている「餃子計画」も紹介されます。スーパーに並び始めた「創業の味生餃子」は12個入りで、いわゆるコストコの餃子として人気の商品だといいます。皮も餡もスタンダードながら味わい深く、見かけたら手に取ってほしいと話されています。
さらに生な「生生餃子」と究極の一杯
冷凍しない冷蔵の餃子もあります。作ってそのまま出荷し、すぐ食べることを前提にした餃子で、小野寺さんはこれを「生生餃子」と呼んでいます。
冷凍していないため賞味期限はとても短く、1日か2日で食べる必要があります。その分、皮の食感や野菜のジューシーさが大きく変わってくるといいます。
有名なものとして、宮崎県の「餃子の丸岡」と、山口県の小さなメーカー「穂満」が挙げられます。この2店は通販で購入でき、東京より西に住んでいる人なら一度試してほしいと話されています。
通販以外では、都内のスーパーで買える「みまつ食品」や「丸上食品」もおすすめされています。安くはないものの、生餃子の旨味の違いを感じられるといいます。地元メーカーが地元スーパーに卸したり直売したりすることもあるため、見かけたらその日のうちに食べてほしいと呼びかけています。
最後の「今日の一言本音」では、究極の生餃子として、注文してから皮を練るお店が紹介されます。国領駅の近くにある「吉春」で、まるでお寿司屋さんに来たような気持ちになるといいます。
注文してから皮を練るというお店があります。これこそ究極の生餃子だと思っていまして、そのお店は国領駅の近くにある吉春さん。まるでお寿司屋さんに来たような気持ちになります。
まとめ
「生餃子」とは冷凍の有無ではなく、加熱をしていないことを指す言葉です。加熱と冷凍の仕組みを知ると、生餃子の美味しさと大手冷凍餃子の進化の両方が見えてきます。
- 「生」は加熱していないという意味で、冷凍していても加熱していなければ生餃子
- 見分け方はパッケージの「凍結前加熱の有無」の欄
- 急速冷凍技術の進化が、冷凍餃子の味を大きく向上させた
- 皮の違いを楽しむなら餃子の馬渡・天のびろく・金星食品などの自家製麺がおすすめ
- さらに生な冷蔵の「生生餃子」や、注文後に皮を練る吉春という選択肢もある
