運転中にニヤニヤ?リスナーのコメントとAIの名前予想
本つまみぐいラジオの楽屋トークは、リスナーのコメント返しから始まります。最初に紹介されたのは、運転中に番組を聴いていて、面白さにニヤニヤしてしまい「対向車から見えるのではないかとドキドキしてしまいます」というコメントです。
嬉しいね。嬉しい。ぜひ対向車の方に歯を見せて笑ってあげてください。
威嚇みたいな。
続いて紹介されたのは、吉毛さんからのコメントです。AIにBlender ── 無料で使える3DCG制作ソフト。モデリングやアニメーション制作に広く使われていますを操作させ、お経をプロンプトにして極楽浄土を3Dで再現するプロジェクトを立ち上げたといいます。蓮や建造物の素材を1つずつ作り、最終的には誰でも散策できるVR空間にしたいそうです。
このコメントをきっかけに、幸あれこさんは「1か月前と比べてAIの使い方も変わっているはず」と2人に問いかけます。しゅうへいさんは、放送まで4週間ほどかかるため、その間にもAIのモデルはさらに新しくなっているだろうと話しました。
そこから、次に出るAIモデルの名前を予想する遊びが始まります。しゅうへいさんは、神話や作品にちなんだ名前と、宇宙系の名前の系統があると整理しました。幸あれこさんは「ヘラクレス」、しゅうへいさんは「アンドロメダ」や「オリオン」を挙げ、当たっても「当たったっていう感覚だけが宿ります」と笑い合っています。
日本史か世界史か、そこから美術とシャガールへ
次に紹介されたのは、過去の回「後悔するノンフィクション3冊」へのヒカさんからのコメントです。『闇金ウシジマくん』に北九州の事件をモデルにした話があり、元の事件を知ってトラウマになったという内容でした。しゅうへいさんは、怖くて北九州の事件は調べていないと話し、「調べない方がいい」と続けています。
さらに、30KMさんからは「周平さんの知的な説明力に聞き入るどころか、自身で日本史を学び直したくなりました」というコメントが届きました。これは怨霊になった天皇を取り上げた回への感想です。
このコメントを受けて、幸あれこさんは高校で日本史と世界史のどちらを選んだか、何を基準に選んだかを2人に尋ねます。返ってきた答えは「世界史」で、理由は網羅性でした。
なんか世界の方が広いから。だって概念的には世界史の中に日本史があるし、世界史の方が広いし。網羅的だから。
地理が好きだったので、各国の状況と歴史が結びつけば面白いと考えたという話も出ます。一方で、当時は世界史があまり好きではなく、大人になって哲学の本を読むと出てくる『自省録』などに触れ、ちゃんと勉強しておけばよかったと振り返る場面もありました。
美術史の話題では、しゅうへいさんが「一つの絵をゆっくり見るのが苦手」と打ち明け、イケハヤさんに絵をずっと見ていられるか尋ねます。イケハヤさんは、普段は調べながら勉強がてら見ることが多いものの、圧倒的な作品には完全に持っていかれると答えました。
ちょうど高知の、高知県立美術館かな、に[[シャガール]]があるんですよね。結構迫力ある絵で、あれは久しぶりに震えましたね。
イケハヤさんによると、シャガール ── 20世紀に活躍したロシア出身の画家。恋人や家族、故郷の村を幻想的な色彩で描いた作品で知られますは妻を深く愛していた画家で、妻を亡くした悲しみなどを知ったうえで見直すと、さらに感情が流れ込んでくるそうです。日本史と世界史の話から美術史まで話題が広がり、3人は「広がるね」と楽しんでいました。
これ全国区じゃなかったの?給食の当たり前
幸あれこさんが紹介した『隠れた脳』の回には、一平さんからコメントが届きました。帰国子女の一平さんは、欧米の人は日本人より自由で柔軟だというイメージを持っていたものの、外見については欧米の方が「男はこう、女はこう」という型に縛られていると感じるようになったといいます。
一平さんが例に挙げたのは女子サッカーです。白人選手はポニーテール以外の髪型を見つけるのが難しいほどなのに、アジアの選手の髪型は多様だといいます。コメントは「欧米イコール自由という自分の中のイメージ自体がまさに偏見だったのかもしれない」と締めくくられていました。
幸あれこさんはこのコメントから、「大人になってから、全国区じゃなかったと知ったもの」の話を持ち出します。福岡出身の幸あれこさんにとって、チョコでコーティングされたアイス「ブラックモンブラン」や、給食の緑色の「ほうれん草ムース」は、誰でも知っているものだと思っていたそうです。
え、ムースにするの?ほうれん草。しゃれてますね。
愛媛の島で育ったしゅうへいさんは、小学校の長い休み時間の終わりに、小さなポンジュースが出てきたと話します。ほかの2人は「出ないよそんなタイミングでジュース」と驚き、しゅうへいさんは「あの時のポンジュースが一番美味しかった」と振り返りました。
うちの娘の学校はやばいよ。給食で和牛が出るから。
高知に住むイケハヤさんの娘の学校では、すき焼き風の料理や和牛のカレーが給食に出るそうです。大人でも和牛と輸入牛の違いがわかる人は少ないかもしれないが、自分の子どもたちは全員わかると思うと話しています。しゅうへいさんも、瀬戸内の魚を食べて育ったため、東京の居酒屋の刺し盛りに驚いた経験を語りました。
クリスマスにケーキを選べる「エラボウ給食エラボウ」も、しゅうへいさんには覚えがあるものの、イケハヤさんは聞いたことがないといいます。3人は給食の地域差を「当たり前の偏り」として面白がり、リスナーにも地元の給食あるあるを教えてほしいと呼びかけました。
「成功は失敗の元」とは?『自分の中に毒を持て』を振り返る
ここから3冊の振り返りに入ります。最初はイケハヤさんが紹介した、岡本太郎の『自分の中に毒を持て』です。イケハヤさんは、本編で紹介しきれなかった章として「成功は失敗の元」を挙げました。
よく言われる「失敗は成功の元」とは逆の言い方です。イケハヤさんが読み上げた本文は、「失敗は成功の元」という合理的な計算ではなく、茨の道に挑むことが生きる喜びであり、通俗的な成功にいい気になってはならないという趣旨でした。
失敗を次の成功につなげるという、合理的な計算に基づく考え方
通俗的な成功にいい気になると、そこから落ちていくという戒め
しゅうへいさんは、この一節に強く共感します。世の中がよしとするお金や知名度、地位や名誉を一瞬手に入れると、それが自分の実力であるかのように錯覚してしまうという話です。
イケハヤさんは、この本には有名人の実話も多く載っていると紹介します。印象的だったのは、『上を向いて歩こう』の坂本九さんのエピソードです。人気の絶頂期に岡本太郎と酒を飲んだ際、岡本太郎が「有名になって大変そうだな」と声をかけると、坂本九さんが突然泣き出したといいます。
イケハヤさんは、坂本九さんが祭り上げられていくことと自分自身とのギャップに苦しんでいたのかもしれない、と想像しています。しゅうへいさんは、この話からやりたいことをやるのが資本主義的な成功と結びつけられすぎていると指摘し、目の前のことに純粋に打ち込めることこそ本当の幸せなのかもしれないと話しました。
目的は捨てるのか?『目的への抵抗』の塩梅
2冊目は、しゅうへいさんが紹介した『目的への抵抗』です。冒頭に「自由は目的を超える」と書かれている本で、やりたいことをやる自由を、目的を盲信する姿勢が邪魔しているという問題意識があります。ただしゅうへいさんは、目的も大事だと付け加えます。
排除できない、しないんだよね。抵抗しようと。
タイトルの「抵抗」という言葉について、3人は「いい言葉」だと話します。しゅうへいさんは、この本を目的と距離を置きながら付き合う塩梅を見つける本だと説明しました。幸あれこさんは、目的を意識しすぎる人は抵抗を強め、目的がなさすぎる人は目的も大事にする、という受け止め方をしています。
しゅうへいさんにとっての収穫は、当たり前だと疑っていなかった概念が、実は自分の手かせ足かせになっていると気づけたことです。目的以外にも、自分のやりたいことを遅らせている観念がありそうだと感じたといいます。
しゅうへいさんは、哲学を「課題に対して新しい概念を打ち出して解決しようとする試み」だと捉え、引き続き哲学を勉強したいと話しました。著者の国分先生の長時間のYouTubeもよく聞き流していて、話しぶりに憧れているそうです。
ゴミ箱は嘘をつかない?『ふだんづかいの人類学』
3冊目は、幸あれこさんが紹介した『ふだんづかいの人類学 気づきと観察の力を磨く19の練習』です。幸あれこさんは、本編で話しきれなかったポイントとして「ゴミを見るとその人の生活がわかる」という話を挙げました。
この本によると、人類学では昔からゴミが観察対象になってきました。1933年の民族誌 ── 特定の集団や社会に入り込み、その暮らしや文化を観察して詳しく記述した記録。人類学の基本的な研究方法です調査では、空き缶は豪華な宝石や珍しい切手よりもその社会について多くを物語る、という趣旨の指示が研究者に出されていたそうです。
ゴミからは、何を食べ、何をよく使い、何を捨てているかといった生活の癖が見えてきます。本では、そのための実践ワークも紹介されています。
幸あれこさんがうなずいたのは、人間は言葉よりも痕跡の方が正直だという指摘です。家のゴミ箱や車の中から見たことのないお菓子の空き袋が出てくると、幸あれこさんが「しゅうちゃん?」と呼ぶだけで、しゅうへいさんが「ああー!」と声を上げるそうです。
外に捨てとけばよかった。
幸あれこさんは、他人のゴミ箱を漁ると嫌がられることもあるので、嫌がられない相手で試してみてほしいと呼びかけ、観察の大切さを伝えました。
3冊はどうつながる?次回はマーケティングへ
3冊の振り返りを終えて、幸あれこさんは全く違う3冊にもつながるところがあると話します。しゅうへいさんは、3冊の役割を次のように整理しました。
自分の中に毒を持て
マインド面、OSのような土台
目的への抵抗
そのOSをどう駆動させていくか
ふだんづかいの人類学
駆動させつつアップデートするための日頃の観察
幸あれこさんは、3冊に共通するのは内側に縮こまらず外へ広げていく姿勢であり、目的があると縮こまってしまうと話します。しゅうへいさんは、そうなると本来持っている「爆発」が不完全燃焼のまま終わってしまうと応じました。
一方でしゅうへいさんは、やりたいことをやるには生活をしていく必要もあると話し、その折り合いをつけるために次回のテーマとして「マーケティングがわかる本」を挙げます。イケハヤさんとしゅうへいさんはマーケティングを専門としていますが、正面からマーケティングを扱うのは番組で初めてだといいます。
マーケティングができるようになれば変な話何やっても稼げるから、やりたいことが仮に金にならないように見えても、マーケティング勉強したら別に金稼げるようになるみたいな、そういう順番だから。
イケハヤさんは、やりたいこととマーケティングはセットで考えようと話しました。しゅうへいさんは、マーケティングの本は大事なものが多すぎて選ぶのに悩むと語っています。最後に、ハッシュタグ「#本つま」での感想やリクエストを募って回は締めくくられました。
まとめ
楽屋トークでは、リスナーのコメントをきっかけに、歴史の選び方や美術の見方、給食の地域差へと話が広がりました。そのうえで3冊を振り返り、マインド、目的との付き合い方、日頃の観察が、やりたいことを見つけるうえでつながっていると整理されています。
- 『自分の中に毒を持て』の「成功は失敗の元」は、通俗的な成功に慢心することへの戒めとして語られた
- 『目的への抵抗』は、目的を排除するのではなく、距離を取る塩梅を探す本として振り返られた
- 『ふだんづかいの人類学』からは、言葉より痕跡の方が正直だという観察の視点が紹介された
- 給食やご当地アイスの話から、自分の当たり前が地域によって偏っていることが見えてきた
- 次回は、やりたいことと生活の折り合いをつけるために「マーケティングがわかる本」を持ち寄る





