44歳の誕生日と、財布に優しいブリーの櫛
冒頭は明石ガクトさんの誕生日を祝う場面から始まります。9月7日に44歳になったガクトさんへ、横山昴さんがプレゼントを渡しました。
いつもプレゼントを贈る側のガクトさんですが、この日は珍しく贈られる側です。しかも横山さんは、事前に本人に欲しいものを聞き出す作戦を取っていました。
いきなり唐突に「今何だったら欲しい気分ですか」みたいな、身も蓋もない問いかけ。
選ばれたのは、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの櫛です。名入れができるフランス製で、横山さんは「FASHION VICTIM」の文字を入れてもらいました。
値段の割に、めちゃくちゃ高級感あるんですよね。で、ちゃんとアセテートで作ってる。
1万円以下という手頃な価格ながら質感が高く、ガクトさんはこれ、そのままグッズにしたいぐらいと喜んでいました。トラベル用の小さいサイズはポケットにも入れやすいと話しています。
FVFチケットの反響と、忘れられていたコメントテーマ
話題は、発売されたばかりのイベント「FVF」のチケットへ移ります。かなり好評で、リスナーがなだれ込むように購入したと語られました。
チケット販売サイトには投げ銭機能があり、Somaさんという人物がギフティングをしてくれたそうです。ただしガクトさんは、それを狙っていたわけではないと補足します。
別にみんなギフティングしてくれってことじゃないです。チケットを、欲しい人は早く買っていただいて。
チケットは3900円で、ドリンク付き。転売の懸念もあるため、早めの購入がすすめられました。
さらに前回、盛り上がった回でコメントテーマを言い忘れていたことを2人が反省します。感想は寄せられたものの、リスナーが何を書けばいいか迷ったのではないかという話でした。
半年前のスレが的中。Supreme×A.PRESSEの予言
この日の本題は、大きな話題になっているSupremeとA.PRESSEのコラボです。前回のコラボ買いの話に続く「ビッグウェーブ」だと2人は捉えます。
驚いたのは、ガクトさん自身が2月9日にSNSへ投稿した内容が、このコラボを予言していたかのようだった点です。
APRESSEはSupremeと合わせても良さそうで。でも小森とシュプリームはなんか合わせてはダメな気がして。
このブランド合わせの直感的な投稿を、スレの読者が「今回のA.PRESSE×Supremeを予言していたかのようだ」と評価しました。ガクトさん自身も昔の俺すげえなと振り返っています。
もっとも、その後A.PRESSEの熱は一度落ち着き、niceness へと関心が移っていた時期でもありました。そこへ突然このコラボが来て、2人は「大混乱している」と話します。
日本の服はこんなに高かったか。価格のインフレ
今回のコラボは、とにかく高額です。ガクトさんは革ジャンが100万円近くいくのではないかと話します。
同時期に注目されているコモリとTEN Cのコラボも40万円ほどとされ、2人は日本の秋冬の服の価格が跳ね上がっていることに驚きます。
日本の洋服こんな高かったっけっていうね。もうほんとゼロ一個違ってきてるみたいな。
かつては20万円握りしめればとんでもないものが買えた感覚だったと横山さんは振り返ります。だからこそ、記念買いというだけで踏み切れる金額ではなくなってしまったと2人は話します。
そこでこの回では、これまで番組で話してきた買い方の分類を総動員して、どのコラボをどう買うかを考えていくことになりました。
リアル買い・記念買いの分類でコラボを見る
2人がこれまで作ってきた買い物の分類を、ここで整理し直します。まずリアル買いと、その究極形である憧れ買い。
記念買いはさらに細かく、場所買い・コラボ買い・節目買いの3つに分かれると説明されました。
日常で実際に着るための買い方。究極形が「憧れ買い」
その場所で買ったこと自体が思い出になる買い方
コラボであること自体を記念とする買い方
人生の節目に合わせて買う買い方
Supreme×A.PRESSEはコラボ買いにあたりますが、場所や節目の要素は薄く、リアル買いの憧れ買いの側面もある、と2人は分解していきます。
何着る?白シャツとインナーノースリーブ
恒例の「Today、何着る?」のコーナーです。横山さんはブルックス・ブラザーズのヴィンテージの白シャツに、ブルーのモールスキンパンツという爽やかな装いでした。
一方のガクトさんは、一見普通に見えて実は初めての試みをしていました。COMOLIのセットアップのインナーに、ノースリーブを着ていたのです。
Tシャツの上に着ると、やっぱちょっともたつくじゃん。その肩がさ、ストンとこう。
Tシャツより肩まわりが軽く、湿気が抜ける感覚があると2人は盛り上がります。秋に羽織りものの中へノースリーブを合わせる「インナーノースリーブ」という概念を提案していました。
黒が手に入らない。番組タンクトップの現状報告
番組のオリジナルタンクトップの話に移ります。サイトの「これが欲しい」ボタンでは、4色のうち黒が断トツで人気でした。
ところが、その黒のボディ自体が手に入りにくいという問題があります。ガクトさんが持つ黒は、アメリカで白を仕入れる際にわずかに混ざっていた数枚しかありません。
やっぱUSのヘインズである理由がそこにやっぱあったんですね。
日本製のタンクトップは丈が短く、シャツの下に着ると裾が出てしまうという難点もあります。2人はリスナーに黒ボディの情報提供を呼びかけました。
M65が過去最高に熱い。価格の内訳を解剖する
いよいよSupreme×A.PRESSEの中身に入ります。ガクトさんは、アイテムごとの構造の違いを説明します。TシャツとキャップはSupremeの通常ボディ、それ以外はA.PRESSEが生産しているとのことです。
キャップとM65には黒と迷彩の2種があり、迷彩は手作業で染められています。横山さんは、本物のジャングルファティーグも手染めだった経験を語りました。
そして価格の内訳が明かされます。シャツが約9万円、スーツは約54万円、ジップアップフーディーは約12万5000円。2人は次々と面食らっていきます。
ガクトさんが特に驚いたのは、真っ黒のカーフスキンレザージャケットで、日本円でおよそ70万円でした。
四千四百九十八ドル。つまり日本円でおそらく七十万円です。
なぜここまで高いのか。世界価格に合わせる論理
高額の理由には、明確なロジックがあるとガクトさんは説明します。今回の価格は、海外のA.PRESSEの価格とほぼ同じなのです。
A.PRESSEは海外だと日本の1.5倍から2倍の価格で売られています。ガクトさん自身、ニューヨークのドーバーで2200ドルのL2Bを見て諦めた経験があると語ります。
Supremeは世界の価格を揃えるため、今回のコラボは海外価格に合わせて日本でも売られる形になっています。ガクトさんはここから重要な結論を導きます。
つまり価格の妥当性を日本の感覚で議論しても意味がなく、今回のコラボにはそういう前提で向き合わないといけないと2人は確認します。安さを求めるなら普段のA.PRESSEを買えばいい、という話です。
M65は割安に見える。憧れのコモリ×TEN C
驚くべきことに、そんな価格の中でM65は約20万円でした。A.PRESSEが単体でM65を出すと14〜15万円とされるため、5万円ほどしか乗っていない計算で、急にお得に感じられます。
さらに悩みを増やすのが、コモリとTEN Cのコラボ M65 です。普段のコモリの型紙にTEN Cの生地という組み合わせで、憧れ買いの対象になっています。
一方でガクトさんは、TEN C的なパリッとした生地を普段あまり着ていないことに気づきます。憧れ買いではあるものの、TEN Cへの思い入れが薄く、コラボ買いの理由としては弱いと自己分析しました。
迷彩か黒か。飾るための服と、着るための服
Supreme×A.PRESSEのM65に話を戻すと、原価もかかっており見栄えもする迷彩が魅力的です。しかしガクトさんは、その柄を実際に着るのかという疑問を口にします。
作る手間はめっちゃかかってると思うよ。けど、結局着るのって黒じゃねっていう。
横山さんは、迷彩は語るには最高だが、毎日手に取るかは別だと整理します。ここで2人は、以前話した「顔として着るか、土台として着るか」という観点を持ち出します。
迷彩は一目でコラボとわかり注目される反面、着回しが効きにくく、トレンド感が強すぎるという難点もあります。横山さんは、迷彩は飾るものとして最高でも、黒を買うべきだと主張しました。
トレンドを着る快感はあるか。ずっと同じ服を着る人
横山さんは、ガクトさんに「今年のトレンドの服を着ているぞ」と思いながら街を歩く欲望があるか尋ねます。ガクトさんの答えは「ないです」でした。
むしろ狩られそうで怖いとガクトさんは言います。フラグメントのトラビス・ジョーダンを履くと足元をめちゃくちゃ見られるそうです。
そのうえでガクトさんは、最近かっこいいと感じる人の姿を語ります。誕生日会で会った野村訓市さんが、洗いすぎて色落ちしたSupremeのシャツをピシッと着ていたことが強く印象に残っていました。
デニムを履き込むのは当たり前でも、Supremeのシャツでそれをやっているのがかっこいい、というのがガクトさんの見立てです。そこから、黒のM65じゃないと、フェードして育っていくような着方はできないという考えに至ります。
黒のM65対決。コモリ×TEN Cはベンタイルか
横山さんは「黒を買え」という意見でまとまり、次に黒のM65として、Supreme×A.PRESSEとコモリ×TEN Cのどちらかという対決になります。
コモリ×TEN Cの生地について、ガクトさんは画像を見ながらベンタイルコットンではないかと推測します。袖の付け根にパッカリングが出ていることが根拠でした。
これベンタイル当たり出てるもんだってパッカリングが。
ベンタイルコットンなら、洗える服が好きな2人にとって話が大きく変わってきます。パリッとした黒のM65なら、コモリ×TEN Cが最強かもしれないという流れになりました。
着回しとは階層をまたぐこと。SNSの投稿を補助線に
決めきれない2人の補助線として、ガクトさんはXで見つけたnanさんの投稿を紹介します。着回しについての新しい捉え方でした。
着回しが効く服とは、上の領域をまたぐことができる服。
一人で出かける、家族で出かける、コミュニティの行事に着ていく、といった領域をどれだけまたげるかで着回しを測る、という考え方です。ガクトさんはこれを「その服が生き残れる領域の階層の深さ」だと読み解きます。
投稿ではリック・オウエンスが例に挙げられ、PTAや子供会にはNGとされていました。ガクトさん自身も、渋谷公会堂ではリック・オウエンスで歌えても、授業参観には着ていかないと共感します。
この観点で見ると、オーラリー、コモリ、A.PRESSEはどの階層でも問題なく、niceness やマーティン・サンズは最も日常寄りの場面ではきつい、と投稿では整理されていました。
nicenessの発見とTPO。おしゃれをする場面
なぜ niceness を買ったのかという話にもつながります。コモリやA.PRESSEは抜け感で着回しが効く一方、派手に決めたい場面では主張が弱いとガクトさんは言います。
ここでガクトさんは、前澤友作さんの船「NAWSICAA」の内覧会の招待状を見せます。ドレスコードは「リゾートエレガント、スマートカジュアル」でした。
リゾートエレガントで連想するのって niceness。
周りが派手な場では、派手をぶつけに行く必要があり、そこで niceness が生きる、という整理です。ガクトさんは、niceness が今季人気なのは「URBAN」という着回しの効くアイテムがきっかけだと分析します。
着回しとは、コーディネートのバリエーションではなく、TPOの多さである。そういう服が結局いちばん長く付き合える、というのがこの回でたどり着いた見方です。
コモリかA.PRESSEか。時間軸としての「線」
コモリの小森さんが「自分の服は新宿のゴールデン街でもパークハイアットでもハマる」と語っていたことを、ガクトさんは引き合いに出します。階層を渡れる服という点で、コモリもA.PRESSEも当てはまるという話です。
ここでリスナーのショウタニオオヘイさんのコメントが読まれます。「買う」とは何かを問い続けてきたという内容で、ずっと残る記念買いには自分自身という「線」が必要だと述べられていました。
この「線」という言葉を、ガクトさんは自分の選択に応用します。コモリ×TEN CとSupreme×A.PRESSE、どちらが自分にとっての線になるのか、という問いです。
一貫した姿勢や生き様という点ではコモリに見えますが、Supremeは高校生で阿部くんのリュックを見て衝撃を受けて以来、時間軸としてはるかに長い付き合いがある、とガクトさんは悩みます。
ずっとボーイでいたい。憧れとしてのA.PRESSE
横山さんは、男性のファッションの捉え方を「ずっとボーイ」という言葉で表現します。女性がガールからレディへと切り替わるのに対し、この番組を聴くような男性はずっとボーイのままだ、という話です。
ジェントルメンになりながらも、実は休日はボーイであるっていう人は、相当(多い)。
この観点から、横山さんはガクトさんがゆくゆくボーイ側、つまりSupreme×A.PRESSEを選ぶのではないかと予想します。
さらに2人は、A.PRESSEが「賢くまとまりすぎていて強さが弱い」と感じていた理由も整理します。今回はSupremeというパワー系と組むことで、A.PRESSEに足りなかったパワーが乗った服になっているという見立てです。
首裏にはA.PRESSEとSupremeのタグが同じ大きさで並び、タグが取れても何のブランドかわからなくなるよう、あえて外しやすくつけられているという話も出ました。10年後に価値を感じそうなディテールだと2人は盛り上がります。
一旦、買う。神引きに挑む土曜日
長い議論の末、ガクトさんは一つの決断を口にします。コモリ×TEN Cは詳細が読めず入手できるかもわからないため保留にし、いま向き合うべきSupreme×A.PRESSEを買う、という結論です。
その時にやっぱシュプA.PRESSE買っとくべきだったってなるの嫌だから買います。
もっとも最後は色で悩みます。ガクトさんは、過去にストーンアイランドで色のあるものを買っては着ずに手放した経験を思い出し、結局黒を買うべきかもしれないと揺れます。
この日だけで1時間47分喋っても決めきれず、会社の判断なら2分で終わることに悩み続けていると2人は笑います。それだけ自分自身を探る行為は難しい、という話でした。
そんぐらい、あの、難しいんですよね。自分自身を探っていくという行為ってのは。
結論として、土曜日にSupremeの抽選に並び、外れたら通販で覚悟を決めて買う、という方針になりました。後輩にも協力してもらい、再び店へ向かうことになります。
次回のテーマは「10年着たい服」
コメントを読む中で、次回のコメントテーマが固まっていきます。きっかけは、nanさんの「飽きがこない洋服を狙って買うことはできるか」というnoteでした。
そのnoteでは、良い素材や流行遅れにならないことと、着たいと思えるかは別問題で、着回しの効く服は着る回数が多いぶん飽きるのも早い、と論じられていました。
飽きない洋服を手にするためにできる最も効果的な方法は、一度持ったファッションへの関心を強制的に切断すること。
2人はこの結論に自分たちの買い方の近さを感じます。そのうえで、次回のテーマを「これから10年着ていきたいと思っている布の服」に設定しました。
条件は、金属と革を禁止して布で戦うこと。どんな場面で着ているか、あるいはあえて限定した場面でも良いから、愛着の理由を語ってほしいと呼びかけます。
- これから10年着ていきたい布の服を挙げる
- 金属・革は禁止で布に限定する
- どんなシチュエーションで着ているかを添える
ガクトさん自身の現時点の候補はパタゴニアのフリース、横山さんはクロムハーツのベイカーパンツだと明かして、この回は締めくくられます。
まとめ
高騰するM65コラボを前に、2人はリアル買い・記念買い・着回しという番組独自の視点を総動員して「どれを買うか」を悩み抜きました。価格の背景から自分自身という「線」まで話は及び、最終的にガクトさんは「一旦、買う」という決断に至ります。
- Supreme×A.PRESSEの高額さは、海外のA.PRESSE価格に合わせた世界基準の値付けが理由だと整理された
- 迷彩は語るには最高でも、毎日着てフェードさせられる黒のM65のほうが「線」になりやすいと考えられた
- 着回しとは、コーディネートの数ではなく「TPO=着ていける階層」の多さだという見方が示された
- 結局ガクトさんはコモリ×TEN Cを保留し、いま向き合うべきSupreme×A.PRESSEを買うと決めた
- 次回のコメントテーマは「これから10年着たい布の服」で、金属と革は禁止という条件が設定された





