Supreme×Apresse発売日、二日酔いで出遅れた朝
この回は、待望のSupreme×Apresseコラボ発売日を、明石ガクトさんと横山昴さんが実録で振り返る内容です。横山さんは自身の誕生日ウィークで連日飲み続け、金曜の夜についに飲みすぎたと話します。
横山さんによれば、飲みすぎた翌朝は二日酔いを通り越して、起きてもまだ酔っている状態だったといいます。
人間すごいですよ。飲みすぎると二日酔いとかじゃないですね。起きてもまだ酔ってるんですよ。
その「酒帯」の状態で会場に向かったものの、渋谷の抽選はすでに締め切り。明石さんたちは8時40分ごろから並び始めていて、その日は列の進みがいつもより格段に早かったと振り返ります。
俺行った時もさ、もう誰もいない。
横山さんが到着したときには、渋谷の抽選はもう終わっていました。慌ててタクシーで原宿へ向かい、そちらの抽選にはなんとか間に合ったといいます。
店員の半笑いの一言と、原宿では売らないという噂
原宿での抽選時、Supremeの抽選で毎回スタッフに挨拶する明石さんに、店員がある言葉を返してきたと横山さんは語ります。
今日APress Supremeは渋谷だよ。大丈夫?
この一言が半笑いで言われたため、明石さんたちは、単にからかわれているのか、本当に原宿では売らないのか判断がつかなかったといいます。
これが、だからToday(明石さん)がこのトーンで言ってるから、ちょっと。
公式アナウンスはなく、これまでそんなことはなかったため、二人も同行者も「からかわれているだけ」と受け止めていました。
ところが、スタバでSNSを確認すると、前日の段階で「Supreme×Apresseは渋谷店だけらしい」と書いている人が1人だけ見つかったといいます。ただ、その人以外は誰も書いていませんでした。
原宿でファッションスナップに声をかけられる
原宿で早い番号を引いた横山さんが並んでいると、ある若者が近づいてきました。ヴィクティムかと身構えた横山さんに、若者はファッションスナップドットコム編集部だと名乗ります。
購入された方にインタビューしたいんですけど、この後いいですか?
ファッションスナップには、目玉アイテムが出たときに並んで買った人にインタビューする名物コーナーがあると横山さんは説明します。
横山さんが「原宿では売らないという噂がある」と口にすると、前に並んでいた別のSupremeファンが、渋谷に行っている友人の話として、原宿では売らないと断言しました。
俺の友達も今渋谷の一行目行ってるから。原宿売らない。
これを聞いたファッションスナップの若者は、購入者にインタビューできないことに焦り始めます。横山さんは、心の中では「買えない」と悟りつつ、若者に渋谷へ行くよう促したと話します。
神引きの番号を持ちながら、原宿では何も買えない
横山さんは原宿で10番ほどの早い番号を引いていましたが、噂が確定したことで、その番号の意味を失いかけます。
そこで横山さんが狙っていたのが、Supremeロゴ入りのウエイトリフティング用ベルトでした。パワーリフト系の革ベルトで、アメリカでも完売が早かったアイテムだといいます。
横山さんは、Supremeの服はTodayこと明石さんと後輩に託し、自分はベルトを狙うことにします。階段を上りながらオンラインでもM65をチェックする「二宮金次郎」状態で臨んだと振り返ります。
しかし店内で色を確認しようとした瞬間、赤も黒も売り切れ。前に並んでいた人たちが的確に買っていったといいます。
え、じゃあ買うもんないんだけど。
ベルトは黒・赤、長短の2種類で、それぞれ1個ずつしかなかったようだと横山さんは語ります。前にいた出来上がった体の青年が短い方を貸してくれましたが、横山さんには巻けませんでした。
つまり、あの俺のボディメイクが足りてないと。
後輩の「全部買いました」と、日本での激渋の在庫
店を出た横山さんのもとに、先に入店した後輩から次々とメッセージが届きます。迷彩パーカー、キャップと手に入れていく報告に、横山さんはトルコアイスのように目の前でひょいひょい持っていかれる感覚だったと話します。
肝心のM65について尋ねると、後輩からは全色ないと返ってきました。ここで二人は、海外のほのぼのした空気とは違う事態に気づきます。
明石さんによれば、アメリカではLやXLが2時間経っても残っているという説があったといいます。横山さんは、そもそも渋谷でしか売らない時点で、今回の日本向けの数はかなり少ないと見ています。
絶対日本の数が少ないですよ、今回。そもそも渋谷でしか売らないっていう時点で。
明石さんは、Apresseの店には関係者がずっと立ち、どんな人が買うのかを見ていたと話します。ただ、明らかに着ないであろう転売目的の人が多く買っていた様子で、関係者も複雑そうだったといいます。
前日までのSNSでは「高いものだから焦る必要はない」「二次流通で定価割れもあり得る」という声すらあったと横山さんは指摘し、Apresseのベース価格の高さを踏まえて注意を促します。
皆さん目を覚ましてください。Apresseです。ベース高いんです。
そんな中、後輩から電話がかかってきます。「全部買いました」という報告に、横山さんは反射的に電話を切ったと語ります。
お前の全部は俺のゼロなんだから。
入店した明石が、先輩のためにMサイズを我慢するまで
後輩が舞い上がって購入品の写真を撮って送ってくる中、いよいよ明石さんが入店するタイミングになります。横山さんの望みは明石さんに託されていました。
そんな後輩に対し、横山さんは珍しく強い言葉を返したといいます。番組では、その言葉を明石さんの声で再現します。
(他のは)やめてもらっていい?
一方、入店した明石さんは、まず頼まれたリストを店員に見せ、パーカー迷彩以外を確保します。パーカー迷彩はなかったものの、隣にはまだ黒・黄・赤のパーカーが掛かっていました。
明石さんはLがないと言われ、Mを試着します。その様子を横山さんに連絡したところ、横山さんの「やめてもらっていい?」が自分に向けられたのだと勘違いし、ヒヤッとしたといいます。
明石さんが着たMサイズのフーディは非常によく、店員にも似合うと言われて、明石さん自身が欲しくなってしまいます。
(Mを)欲しくなっちゃったんですよ。その鏡で。
明石さんは、本来欲しくなかったパーカーだからこそ、先輩が手に入れられないなら自分も手放そうと考えていたと振り返ります。それでも魔力に抗えず、罪悪感を抱えながらMだけ買って列に並んだといいます。
だから本来であればそのパーカーなんて欲しくなかったものなんで、GACKTさん(横山さん)が手に入れられなかったんだったら、俺も手に入れられなかったっていう風にしてリリースしようと思ったんです。
会計待ちで起きた事件と、明石が伸ばした手
会計待ちの列で、事件が起きます。明石さんの前に並んでいた客が、Lサイズのパーカーを店員に返したのです。
なんと目の前にいたおっさんがLパーカーを放出したんですよ。
明石さんはすかさず店員にLをもう一度頼み、試着します。自分には少し大きかったものの、これは横山さんが着たいはずだと考えます。
ここで明石さんは、自分の欲に負けていたらどうなっていたかを思い返します。Mを持っているのだから自分が買い、横山さんには我慢してもらうという選択もあり得たと語ります。
しかし、その場合に横山さんがどんな気持ちになるかが頭をよぎり、明石さんは手を伸ばしました。
その時に手を伸ばしましたね。「Lください」。
横山さんは、これを運命買いと呼びます。事前に何週間もコラボについて話し、自分の誕生日ウィークという節目に、後輩が一着を譲ってくれた。その全体を一つの買い方として名づけました。
商品画像ではわからない、手に取って初めてわかる作り込み
横山さんは以前、迷彩ではなく黒のパーカーを買う理由がわからないと話していました。迷彩には手仕事があるが、黒はただの黒に見えたからです。
ところが実物を見て、その考えは覆ります。明石さんは、商品画像ではわからないことが世の中にたくさんあると痛感したと語ります。
商品画像ではわからないことが世の中たくさんあるんだなと。
今回のパーカーは、ベースがApresseでありながらSupremeの身幅でオーバーサイズになっているといいます。
さらに、袖口やポケットのヴィンテージ加工、破れをあえて掛け剥ぎで直したディテール、洗いの掛け方、そして製品染めなど、細部に作り込みが詰まっていると横山さんは説明します。
明石さんは、40歳を超えるとフーディを着るのがきついと感じていたものの、これは大人が着られる一着だと評価します。
もう40超えたらフーディ着るのマジきついなとか、おじさんのパーカー問題だなとか言って、こんな大人のフーディないっすよ。
Supremeのタグがついた意味と、Apresseの設計思想
明石さんが特に食らったのが、Apresseの服にSupremeのタグがしっかり縫い付けられていた点です。Apresseは本来、自分たちのタグを外に出さないブランドだからです。
もともとやっぱアプレッセって自分たちのタグを絶対外に出さないっていう。
横山さんは、Apresseが過去のヴィンテージを再編集し、記名的でないアノニマスな服を作るブランドだと説明します。タグが取れやすいのも、将来どこの服かわからなくてよいという設計思想からだといいます。
そのブランドがSupremeのピスネームを堂々とつけたことは、意味が変わってくると二人は解釈します。
まるでSupremeの昔のパーカーがヴィンテージ化したかのような、唯一無二。
つまり、将来ヴィンテージ化したSupremeのパーカーを、現代にあらかじめ模したような一着だという結論です。この文脈が、明石さんが自分でも欲しくなった「魔力」の正体でした。
キャップ・Tシャツ・パーカーで生産国が三カ国という驚き
横山さんは、今回のラインナップのうちTシャツとキャップが割安だったため、普通のSupremeボディだと思っていたと話します。しかし、実物は違いました。
まずキャップは、久々のメイドインUSAのボックスロゴキャップだったといいます。現在のキャップはベトナム製が多い中での、USA製の復活です。
Tシャツは、さらに意外なメイドインポルトガルでした。横山さんは、ポルトガル製のTシャツは見たことがないと驚きます。
だからTシャツでポルトガルメイドを持ってくる。Tでポルトガルメイドなんて見たことないよ。
そしてパーカーはメイドインジャパン。キャップ・Tシャツ・パーカーで生産国が三カ国にまたがっていたのです。
| アイテム | 生産国 | ポイント |
|---|---|---|
| キャップ | USA | 久々のメイドインUSAのボックスロゴ |
| Tシャツ | ポルトガル | Tシャツでは珍しいポルトガル製 |
| パーカー | 日本 | 製品染め・ヴィンテージ加工の作り込み |
横山さんは、Apresseが文脈を考えて産地を選んでいる点に感心したと語ります。明石さんも、こだわりが一点一点に詰まっており、手に取って初めてわかると同意します。
これらのアイテムは、ほとんど情報が出ないまま完売しました。横山さんの見立てでは、日本の在庫は50枚以内に収まる規模で、M65は30番以内でないと買えなかったといいます。
「心は誠、言葉は嘘」ファッションスナップ取材の顛末
話は原宿でのファッションスナップ取材に戻ります。あの若者は、渋谷ではセキュリティに制止され、原宿周辺で購入者を探して声をかけ続けていたと明石さんは語ります。
明石さんの観察では、若者はSupreme好きらしい人を避け、Apresseを買いそうな人に声をかけていました。しかし、そうした人はSupremeの格好をしておらず、声をかけると転売目的で顔出しを断られてばかりだったといいます。
途方に暮れる若者を見て、明石さんは自分がインタビューを受けると申し出ます。この日、明石さんは善行を積み重ねていました。
Supreme、Apresse、僕も買いました。僕だったら話受けられますよ。
ただし、明石さんは横山さんのために買ったパーカーを、あたかも自分が買ったかのように語ります。取材では、アイテムを一つずつ解説し、番組で話していたタグの並列の話などをそのまま披露しました。
最後に「パーカーを着てみてほしい」と頼まれ、明石さんは先輩に譲るはずの一着に袖を通します。オーバーサイズを選んだ理由まで聞かれ、答えたといいます。
横山さんは、その取材内容はTodayでありGAKUなのだと受け止めます。パーカーやTシャツ、キャップについて語った言葉は、横山さんの気持ちを憑依させたものだから、嘘ではないという理屈です。
GAKU(横山さん)の気持ちをこのパーカーを着て憑依させ、まあこのパーカーについて喋ったんだと。
昨日ビ・トレンビ・味ワビを超える「運命買い」
一方その頃、横山さんは連絡が返ってこない明石さんを心配していました。あまりに返信がないため、後輩との間で、明石さんが全アイテムを持って逃げたのではという疑惑まで出たといいます。
Today(明石)さん、もしかして全てのAPRESSを持って逃げた?
冗談とはいえ、そう疑いたくなるほどの「魔力」がパーカーにあったという話です。横山さん自身も、取材でオーバーサイズを褒められたとき、このまま着て帰りたいと思ってしまったと明かします。
そして横山さんは、今回の買い方をこれまでの分類の延長として整理します。番組ではこれまで、昨日ビ・トレンビ・味ワビと買い方を分けてきました。
これまでの回で語られてきた買い方の一つ
トレンドを追う買い方
これまでの回で語られてきた買い方の一つ
コラボ・憧れ・記念に加え、誕生日という節目と後輩が譲るという要素が重なった、この回で提唱された買い方
横山さんは、今回のパーカーはリアル買いであり憧れ買いでありコラボ買いでもあるとしつつ、誕生日という節目に後輩が譲ってくれたことを含めて運命買いと呼びたいと締めくくります。
これをね、総称して私はこれ運命買いと呼びたいと思います。
十年着たい服という問い、noteで届いたアンサー
番組では、前回のテーマ「十年着たい服」のコメントを引き続き募集しています。そこに、以前取り上げた書き手からnoteでアンサーが届いたと横山さんは紹介します。
その書き手は、十年着た服を「検証欲求が尽きて惰性化しても、たまたま競合が現れなかった服」と定義していました。一方で、十年着たい服は「いつまでも着る理由が尽きないでほしい」という願いだと区別しています。
書き手が挙げた一着は、アンステムのリネンシャツでした。去年まで夏はこの服しか着ないほど着倒し、惰性化していたといいます。
ところが今シーズン、京都の呉服系ブランド「ほそう」のヘンプニットを購入したことで、真夏の定番トップスに競合が生まれたと書き手は語ります。
書き手は、それでもアンステムのリネンシャツを十年着たいと語ります。競合が発生したことで、その服に対する新たな解釈が生まれることを期待しているからだといいます。
競合が生む新しい検証欲求という発見
横山さんは、この考え方を自身の体験に重ねます。COMOLIのウォレットチェーンを持っていれば、短いショートクリップはいらないと思っていた話です。
しかしCOMOLIの店で、パンツのループにショートクリップを下げる合わせを知り、ウォレットチェーンとは違う良さに気づいたといいます。手放さなくてよかったという発見でした。
大は小を兼ねるからチェーンでいいじゃんって言ってたんだけど、(ショートクリップを下げると)違う良さが生まれて。
横山さんは、この関係を長く連れ添ったパートナーと、魅力的に見える別の人にたとえます。競合が現れることで、かえってパートナーの良さに気づかされるという構図です。
すごいね、ずっと連れ添ったパートナーがいて、でもちょっと違う魅力的な人をちょっと見て、あ、いいなって一瞬思ってしまうんだけど、あ、でもそうやって考えると、でもこのパートナーのこういうところ素晴らしいよねって気づかされるみたいな。
明石さんは、番組でよく話す、コインランドリーで服を洗って風合いの変化を見る行為も、一つの検証だと補足します。競合との比較だけでなく、着方や進化を試すことも検証に含まれるという整理です。
この書き手のアンサーを、横山さんは「ヴィクティマー的に新しい見地」だと評価します。飽きない服の条件として、競合を通じて新たな検証欲求を生み出すという道筋が加わったからです。
運命買いの一着を、本当のヴィンテージにするまで
横山さんは、今日時点での自分の「十年着たい服」として、後輩が譲ってくれたSupreme×Apresseのパーカーを挙げます。これを着倒すことで、本当のヴィンテージにしていきたいと語ります。
明石さんは、これがApresse単体のパーカーだったら横山さんは十年着なかったかもしれないと指摘します。Supremeのタグが横についているという文脈こそが、この服を最高の一着にしていると解釈します。
そこにシュプリームのタグが横についているその文脈があるから、実はこの服はガクさん(横山さん)にとって最高の。
横山さんは、この一着がリアル買いであり、値段の高さゆえの憧れ買いでもあり、コラボ買いでもあると整理します。そのうえで、誕生日という節目に後輩が譲ってくれたことを含めて運命買いと呼びたいと締めます。
明石さんは、これは単なるトレンビではないと応じます。二人は、昨日ビ・トレンビ・味ワビを超える概念として、人の心の美しさを挙げました。
昨日ビでもトレンビでも味ワビでもないな。人の心の美しさ。
最後に、10月10日開催のFashion Victim Festivalの告知があり、この一着を着ていく予定だと横山さんは話します。M65が買えなかった悔しさは、次の戦場への意欲へとつながっていきました。
まとめ
Supreme×Apresseの発売日は、二日酔いの出遅れと激渋の在庫で苦戦の連続でしたが、後輩が自分の欲を抑えて先輩に一着を譲ったことで、二人は「運命買い」という新しい買い方にたどり着きました。実物を手に取って初めてわかる作り込みや生産国のこだわり、そして競合が生む新たな検証欲求という発見が、この回の芯になっています。
- 今回の日本向け在庫は激渋で、渋谷限定・少数販売のため多くのアイテムが買えなかった
- パーカーはApresseベースにSupremeの身幅・製品染め・ヴィンテージ加工が施され、Supremeのタグがつくことで文脈が変わっている
- キャップはUSA、Tシャツはポルトガル、パーカーは日本と、3アイテムで生産国が分かれている
- 後輩が先輩に一着を譲った買い方を、二人は「運命買い」と名づけた
- 十年着たい服には、競合の出現を通じて新たな検証欲求が生まれるという道筋もあると気づかされた






