手首足首はなぜ「リスクの塊」なのか
たかせ秦之助さんは、緊縛では手首や足首に縄を掛けるケースが多いと話します。ただ、この箇所は「リスクの塊みたいな箇所」であり、注意して縄を掛ける必要があるといいます。
その理由として、まず筋肉が薄い点を挙げます。筋肉があまりないところにテンションをかけること自体が、大きなリスクの始まりだと考えていいそうです。
たかせ秦之助さんの教室では、縄は筋腹 ── 筋肉の中央のふくらんだ部分。骨に近い端よりも厚みがあり、圧力を分散しやすいとされます、つまり筋肉の厚みがある部分に掛けるよう指導しているといいます。
一方で手首足首のように筋肉が薄い部分は、触ると骨があるとわかる感覚になっていて、重要な血管や神経も近くを走っています。そこに強い圧力をかけると、何かしらの怪我をさせてしまうリスクが高いと説明します。
手首のところに不用意にグルグルと縄をかけてギュッと縛るだけでも、神経を傷つけてしまうということも簡単に起こってしまう箇所になってます。
複雑な構造にどう負荷をかけずに縄を掛けるか
たかせ秦之助さんは、緊縛の性質上、手首足首周りに縄をかけること自体は珍しくないといいます。だからこそ、どう縄をかけるかをちゃんとコントロールする必要があると強調します。
むやみに強いテンションのかかる縄をかけてしまうと、それだけで大きな事故になることもあるそうです。
特に手首足首は構造がかなり複雑だといいます。細かな骨に加え、腱や靭帯もあり、関節周りはどうしても複雑な構造になってしまうと説明します。
たかせ秦之助さんは、こうした箇所には強い負荷をかけないことが大切で、負荷をなるべくかけずに縄を掛ける方法を考える必要があると話します。
テンションをかけない大前提と、4本の縄のバランス
たかせ秦之助さんは、手首足首周りについて、そもそもテンションをかけない方がいいというのがまず大前提だと述べます。縄がそこにあっても、圧力はかかっていない状態を作るのが第一の手段だといいます。
ただ、緊縛の内容によっては、どうしてもそこに負荷をかけるタイプの縛りもあると認めます。その場合でも、どの位置にどの角度で縄をかけるか、負荷の掛け方が重要になると話します。
負荷の掛け方の具体例として、たかせ秦之助さんは4本の縄のテンションバランスを挙げます。縄を二本取り、二つ折りにしてさらに2巻きすると、そこには4本の縄があるといいます。
この4本のテンションバランスを、かなり精密に揃えないといけないといいます。少しでも崩れていると、その縄が深く食い込んで大きな怪我に至ることも起こると説明します。
縄跡で確認する、事後のチェック
たかせ秦之助さんは、事後の話として縄跡の確認を挙げます。もし機会があれば、縄を解いた後に縄跡をしっかり確認してほしいといいます。
縄跡を見れば、テンションのバランスが均一に掛かっていたか、どの位置にかかっていたかがはっきりわかるそうです。
チェックすべき箇所として、軟骨があるような弱いところや、くるぶし周りを挙げます。くるぶしに直接掛かっているような状態は避けたいといいます。
一方で、たかせ秦之助さんは自分が靭帯や医学の専門家ではないと断り、細かい話に言及するのは危険だとして、詳しくは自分で調べてほしいと話します。
語られにくいリスクと、慎重に向き合う姿勢
たかせ秦之助さんは、ちょっとしたテンションのずれや、縄が掛かる位置のずれ、かかり方一つで大きな怪我をさせてしまう場合があると繰り返します。手首足首にテンションをかける緊縛をする場合は、ちゃんと勉強してほしいといいます。
そのうえで、そうした事例をたくさん見てきたにもかかわらず、緊縛業界ではこのリスクが意外とあまり語られていないと指摘します。
比較的、緊縛において発生しやすい、事故が起こりやすい箇所であるので、手首足首周りはね。
たかせ秦之助さんは、まず第一に気をつけなければいけない箇所は関節周りだと考えているといいます。軽い気持ちで手首をぐるぐる巻いてギュッとする人もいますが、掛け方を間違えると本当にリスクが高いと注意を促します。
最後にたかせ秦之助さんは、具体的なケーススタディを示せないことを詫びつつ、それはここで「こうすればOK」と言えないほどリスクが高いからだと説明します。それくらい慎重に向き合わなきゃいけない箇所だと理解してほしいと締めくくりました。
まとめ
手首や足首は筋肉が薄く、骨・神経・血管が近いため、緊縛では事故が起こりやすい箇所です。テンションをかけない大前提を守り、どうしても負荷をかける場合は位置・角度・4本のバランスに細心の注意を払う必要があるとまとめられました。
- 手首足首は筋肉が薄く骨や神経が近いため、テンションをかけること自体がリスクになる
- 縄は基本、筋肉の厚みがある筋腹に掛け、関節周りには強い負荷をかけない
- どうしても負荷をかける場合は、位置・角度と4本の縄のテンションバランスを精密に揃える
- 縄を解いた後は縄跡を確認し、均一に掛かっていたか、くるぶしに直接かかっていないかを見る
- 業界で語られにくいリスクだからこそ、解剖図で手足の構造を調べたうえで慎重に向き合う

