受け手のフィードバックに頼れないとき、どこを見るか
緊縛をしていると、受け手にどんな負荷がかかっているか、どこに問題があるかを見極める必要があります。ただ、それは経験がないと気づくのがとても難しいとたかせさんは話します。
受け手が緊縛に慣れていて、的確なフィードバックを返してくれるタイプなら助けになります。けれど、必ずしもそういう相手ばかりではありません。
そこで客観的に問題点を見つける手段として挙げられるのが、縄痕と呼ばれるものです。
解いた後に、冷静な状態で「どこにかかったか」を確かめる
縄痕は、緊縛が終わって解いた後に確認するのがよい、とたかせさんは言います。まず、どこに縄がかかったのかを、後から冷静な状態で確かめられるからです。
本当にかけようと思っていたところに、縄がかかっていたのか。手縛りなら前腕や上腕、肩、首の横あたり。足縛りなら太ももや脛のあたりに縄痕がつきます。
その縄痕が、かけたい位置にかかっていたかどうかの証拠になるというわけです。
縄痕の濃淡・斜め・左右差から何がわかるか
縄痕から読み取れるのは、位置だけではありません。縄の濃淡も手がかりになります。
たとえば二本取りで一巻き、二巻きかけたとき、すべての縄痕が均一についているかどうか。グラデーションや強弱の跡が見られれば、縄のテンションを揃えられていないということがわかります。
もう一つは、斜めにかかっていないかどうかです。体の部位に対して、縄は基本的に水平・垂直で巻くべきだとたかせさんは説明します。
意図的に斜めにかけたのでなければ、明らかに斜めについた縄痕は問題のサインです。斜めにかかるということは、負荷が一定にかからないことを意味するからです。
そのほか、縄が割れていたり、ねじれや重なりがあれば、縄痕は均一にはつきません。
さらに、複数箇所の縄痕を比べたとき、ここだけ強くかかっている、左右同じ力でかかるべきところが右側だけやたら強い、といった圧迫の深さや強さも縄痕から見て取れます。
手癖に気づき、次の一手につなげる
こうした跡を見ると、自分の手癖にも気づけるようになります。「あれ、本当にこのかかり方でいいんだっけ」「ここだけすごく強くかかっている気がする」といった具合です。
縄をかけている最中は考えることが多く、一つ一つを冷静に見る余裕がないこともあります。だからこそ、解いた後に改めて体を確認することが大事だとたかせさんは強調します。
観察を重ねていくと、区別がつくようになります。毎回ここのバランスが悪いのか、今回はたまたま悪かっただけなのか。この2つは性質が違うと話します。
何回やっても直そうとして直らないところは、やり方そのものが間違っているか、変な縄の運び方をしているケースが多いといいます。当たりがつけば、次に縛るときそこを意識できます。
集中力を配分するための「根拠」として縄痕を使う
緊縛は手数が多く、すべてに最大の集中力で向き合うのはかなり難しい、とたかせさんは言います。熟練の縛り手やプロでも、全工程に百の集中力を注いでいるわけではありません。
経験を積むと、ここは問題が出やすい、ここはほぼ問題が出ないから多少粗くてもよい、といった選択と集中ができるようになります。
ただ、その経験則が養われる前の段階では、わかりやすい根拠がないと集中を持ってくるのも難しい。そこで縄痕という客観的な手がかりが役立ちます。
緊縛が終わったら、受け手の体に問題が出ていないかを確認するのは当然のこと。それと合わせて、縄痕の状態もしっかりチェックすることが勧められます。
まとめ
縄痕には、縄をかけた位置やテンション、斜めのかかり方、左右差など、思った以上に多くの情報が残っています。解いた後に冷静に観察することで、自分の手癖や問題点を客観的に見つけられます。
- 受け手のフィードバックに頼れない段階では、縄痕が客観的な手がかりになる
- 位置・濃淡・斜め・左右差の4点が、問題を読み取る主なポイント
- 毎回出る問題か今回だけの問題かを見分けると、手癖の修正につながる
- 緊縛後は受け手の状態確認と合わせて、縄痕もしっかりチェックするとよい




