振り回してしまうことと、あえて振り回すことは何が違うのか
今回のテーマは、受け手を振り回さない縄運びを心がけることです。たかせさんは、緊縛は表現やコミュニケーションの手段であり、この配信では汎用的な技術を扱うと前置きしています。
緊縛では受け手に縄をかけていきますが、縄の捌きがうまくできていない段階では、受け手を突き飛ばすような動きや、縄越しに引っ張るような動きになってしまうことがあります。
そうなると、その都度受け手の姿勢が振り回され、転倒しないように受け手自身が踏ん張ることになってしまいます。
ただし、たかせさんは、意図的に振り回すことと、振り回してしまっていることは全く別だと区別します。
意図的に振り回すっていうことと、振り回してしまってるということは全く別の話なんで。
つまり、まず基本として振り回さずに縄を運べるかどうかが、最初に目指すべきことだと話します。振り回さないことが意図的にできて初めて、振り回すことも適切に、コントロールされた形でできるようになるという考え方です。
「俺はこういうスタイルだから」で片づけてはいけない
たかせさんは、無意識に振り回してしまう、あるいは振り回すことしかできない縛り手は、ただ雑なだけだと指摘します。
なかには「俺はこういうスタイルだから」と言ってしまう人もいますが、それは早く卒業したほうがよいと話します。
まず基本として大事なのは、受け手に無駄な負担をかけない緊縛です。縄をかけてテンションや圧迫を加えるという意味での負荷は当然かかりますが、それとは別の話だとしています。
縄を運んでいくプロセスにおいて、受け手自身が踏ん張ったり姿勢を崩したりしないように縛られること。まずは受け手に無駄な負担をかけない緊縛が土台になります。
テンションを入れた途端に荒くなるのはなぜか
たかせさんは、最初の手慣らしの作業として縄をかけていくだけなら、それほど難しくないと言います。問題はテンションを入れ始めた段階です。
テンションを入れ始めた段階になると、やっぱり急に荒くなってしまうと。
ここでたかせさんが繰り返し挙げるのが、押す力と引く力のバランスです。押す力をかけるなら、同じだけ引く力もかけないと、テンションは入っていかず、受け手の姿勢も安定させられないと説明します。
押すのであれば引かなきゃいけないし、引くのであれば押さなきゃいけない。
その押し引きのポイントと強さがきちんとバランスすることで、受け手は初めてその場に留まっていられます。何の力もかけずに、その姿勢のまま留まっていられる状態です。
縄をかけてテンションや圧迫を加える方向の力
押した分と同じだけ反対方向にかける力。これがそろって初めて姿勢が安定する
テンションをかけても姿勢が崩れない縄運びへ
たかせさんは、上達の順番を段階として整理します。最初はテンションをかけず、形として縄をかけていく作業から始めます。
受け手に無駄な摩擦をかけて振り回すことなく縄をかけられるようになったら、少しずつテンションを加えていきます。その縛り方に本来設定されているテンションをかけながら縄を運んでも、受け手の姿勢が崩れないようにするのが次の段階です。
振り回さないから、あえて振り回すことができる
崩さない縄運びが、強く意識しなくても自然にできるようになって初めて、たかせさんはあえて受け手を振り回しに行く段階に進めると話します。これは緊縛の表現としての荒々しさを伝えるためです。
淡々と縛るだけでは単調で作業的な緊縛になってしまうため、抑揚をつける目的で、ポイントごとにあえて荒い縄運びをするという使い方です。
それがコントロールした上でできるようになると、受け手にとっても先の展開が予測しにくくなり、より楽しめる緊縛につながるのではないかと、たかせさんはまとめています。
まとめ
たかせさんは、受け手を振り回さない縄運びを基本に据えるべきだと解説しました。押す力と引く力のバランスをそろえて姿勢を安定させ、段階を踏むことで、あえて振り回す表現も適切にコントロールできるようになると話します。
- 受け手を突き飛ばしたり縄越しに引っ張ったりして姿勢を崩させないことが基本
- 無意識に振り回すことしかできない縛りは、スタイルではなくただ雑なだけ
- 押す力をかけるなら同じだけ引く力もかけ、押し引きのバランスで姿勢を安定させる
- 形として縄をかける段階から、テンションを加えても崩さない段階へと順に進める
- 振り回さない技術があって初めて、表現としてあえて振り回すことができる

