そもそも二本取りとは何か
たかせさんによると、緊縛をする人はほぼ例外なく「二本取り」を行っています。観測している限りでは、ほぼ100パーセントだと話します。
縄を1本のままかけていく「一本取り」も呼び名としてはありますが、あえてそうする理由がない限り、基本的には二本取りが使われます。
本当にあえてそうする理由がない限りは、基本的には二本取りしてます。
緊縛を習う人は、縄は2つ折りで使うものだと教わります。ただ、何のためにそうするのかは、あまり深く語られてこなかったとたかせさんは指摘します。
いつ始まったのかわからない技法
二本取りが、いつどこで誰が始めたのか、そのルーツはわかっていないとたかせさんは言います。昔の文献を見ても、気づけばちらほら登場する程度だといいます。
最初の頃は二本取りはされていませんでした。今より太い縄を1本でぐるぐる巻きにしている様子が、昔の緊縛写真には見られると話します。
それがいつの間にかスタンダードになり、今では二本取りをしない意味がわからないほど当たり前になったといいます。
安全管理という一番大きなメリット
現代の観点から二本取りの意味を考えたとき、たかせさんが一番大きなメリットとして挙げるのが、リスクヘッジ、つまり安全管理上の効果です。
一本取りだと、どうしても受け手の体に深く食い込みやすくなります。縄1本でかけるのはリスクが高いと話します。
2本にすることで、縄が体に触れる状態を「線」ではなく「面」に変えられます。負荷を分散し、体への食い込みや負担を抑えることが、最大の機能だといいます。
受け手に縄をかけるときは、基本的に面を意識する必要があるとたかせさんは言います。
仮に一本取りで面を作ろうとすると、その分たくさん縄を巻きつけなければなりません。面にすることを前提にするなら、二本取りのほうが効率がよいわけです。
拘束「感」を高める体感上のメリット
たかせさんは、安全面に加えて、受け手の体感の上でもメリットがあると話します。
拘束の構造自体は、二本取りでも一本取りでも大きくは変わらず、一本取りでも脱出できない拘束は作れます。ただ、拘束「感」は大きく変わるといいます。
面になって体に圧迫がかかることで、体感的な拘束感が増すように感じるとたかせさんは話します。
一本取りだと痛いとかはあっても、圧迫がかからないので、拘束感みたいなものは比較的薄いのかなと思っています。
脱出できない構造という意味では同じでも、圧迫の有無で受け手に与える感覚が変わる、という理解です。
テンションを揃える難しさというデメリット
一方でデメリットもあります。まず、縄を2つにする作業そのものが手間になります。
たかせさんの教室では、縄を畳む段階で二本取りの状態に整えておくことが多いといいます。それでも、縄尻を揃えてセンターを出す作業はどうしても発生します。
もう一つが、テンションコントロールの難易度が上がる点です。2本ずつかけていくため、その2本のテンションが揃っていないと面としての機能が下がってしまいます。
わざわざ二本取りにして面を作っても、2本が斜めにかかってテンションが揃わなければ、負荷の分散と圧迫という効果が半減、あるいは激減してしまうとたかせさんは言います。
初心者の人は、二本取りした2本の縄のテンションを揃えながら運んでいくのが難しくて、ばらつきがちだったりします。
なぜそうするのかを理解して縄を運ぶ
メリットがあれば、往々にしてデメリットもあります。二本取りの恩恵を受けている分、難易度も乗っかっているとたかせさんはまとめます。
その点を意識して丁寧に縄をかけられるようになると、緊縛の精度は上がってくると話します。
理由を理解しているか否かで縄の扱いが変わる。二本取りという当たり前を、もう一度その意味から見つめ直そう、というのがこの回の結びです。
まとめ
二本取りは、負荷を分散して食い込みを抑え、圧迫によって拘束感を高める技法です。一方で手間やテンション調整の難しさもあり、なぜそうするのかを理解して縄を運ぶことが精度につながる、というのがこの回の内容でした。
- 緊縛では縄を2つ折りにする「二本取り」がほぼ100パーセント使われている
- 最大のメリットは、負荷を面で分散し体への食い込みを抑える安全管理上の効果
- 圧迫がかかることで体感的な拘束感も高まるという利点がある
- 2つにする手間と、2本のテンションを揃える難しさがデメリット
- なぜそうするのかを理解しているかで、縄の使い方や運び方が変わる






