比喩で技術を伝えることの難しさと可能性
今回のテーマは、緊縛の技術を何かに例えて伝えるという試みです。たかせさんは、教える立場として技術的なことを言葉で説明する中で、比喩の使い方を最近考えているといいます。
比喩は、わかりやすさにつながることもあれば、逆にわかりにくくすることもあると、たかせさんは前置きします。飲み込みやすい例えは人によって違い、その人が造詣の深いものや、普段からイメージしているものに左右されるといいます。
何かを伝えようとするときに、比喩やたとえを使うと、わかりやすかったり、逆にわかりにくくなったりということももちろんあります。
初心者がつまずく「縄の引く方向」
たかせさんが教えるのに苦心しているのが、縄の引く方向、運ぶ方向だといいます。このポッドキャストでも似た話は繰り返してきたテーマです。
初心者に対して「ここに気をつけてください」と何度も言っても、なかなかうまくできない部分がある。どうすれば、縄を安定して運ぶ方向を理解してもらえるかが課題だと語られます。
たかせさんが普段よく使う説明は、受け手さんから手を離さないでくださいというものです。縄を運んでいる手、つまり持ち手を、受け手からなるべく離さないようにという指導です。
理由は、縄は受け手の体に沿ってかけていくものだからです。持ち手が受け手から離れれば離れるほど、状態は不安定になると説明されます。
受け手さんの体に沿って縄っていうのはかけていくので、その手が受け手さんから離れれば離れるほど状態は不安定になります。
経験を積んだ人なら、手が離れていてもうまくコントロールできますが、初心者には難しい。持ち手が受け手から離れた瞬間に、縄が緩んでしまうことも多いといいます。
ただし、緊縛では他にも考えることが多く、いろいろなことを意識するうちに手元がおろそかになりがちです。だからこそ、どう伝えれば伝わるかを考えていると、たかせさんは話します。
持ち手を「衛星」、受け手を「惑星」として捉える
ここでたかせさんが提案するのが、収録の直前に思いついたという新しい例えです。持ち手を衛星として捉え、縄でその衛星の軌道を描いていくイメージを持ってはどうか、というものです。
たかせさん自身、月は地球の衛星で、地球の周りを回る軌道を衛星軌道と呼ぶはずだと、用語の正確さには自信がないと断りながら話しています。あくまでイメージ優先の説明です。
ちょっと衛星とか言いすぎると、言葉の使い方がもしかしたら正確ではないかもしれないですけど、そんなようなイメージでいます。
この例えでの役割分担はこうです。受け手さんが惑星にあたり、その周囲を回るのが持ち手、つまり縛り手の手です。
そして、その持ち手で縄を運んだ後に、受け手の体の周りに残されていくのが縄です。縄が衛星軌道のように受け手の体の周りに残っていくイメージで手を動かす、という提案です。
惑星
受け手さん。この周りを回る中心となる存在
衛星
縛り手の持ち手。受け手の周囲を回る手
軌道
運んだ後に受け手の体に残る縄そのもの
縄は宙に浮かない。軌道をその場に留める
この比喩の肝は、軌道が歪んではいけないという点です。持ち手から出てきた縄は、ずっとその位置に留まっていなければならないと、たかせさんは説明します。
なぜなら、縄は絶対に宙には浮かないからです。持ち手が受け手の体から離れてしまうと、縄はその位置に残っていられません。
縄は必ず、受け手の体、服を着ていれば服の上に、摩擦を伴って残っている必要があります。だからこそ、軌道がその場に留まるよう、受け手から離れずに縄をかけてほしいと語られます。
必ず受け手さんの体、服とか着てたら服の上ですけど、それも含めた受け手さんの身体に摩擦を伴って残ってないといけないわけですよね。
逆に、手が体から離れて宙に浮いた状態で縄のテンションをコントロールしようとすると、大抵まず縄がぐずぐずになってしまうといいます。
手は受け手さんの体を滑るように動かす
しっかりかけた縄は、その場で安定させる必要があります。安定した状態でかけていくには、縄を運んでいる手が基本的には受け手さんから離れない方がよい、というのが結論です。
意図的に離れてコントロールする場面もなくはないものの、基本は手が受け手さんの体の上を滑るように縄を運ぶべきだと、たかせさんは述べます。
自分の手が動いた軌道が、受け手さんの体の上に縄として残っている。その衛星軌道のイメージで手や縄をコントロールすると、安定するのではないかという提案です。
最後にたかせさんは、この回が思いつきのふわっとした話だったと振り返ります。言葉だけで技術を伝えるのは貧弱で難しく、それにあえて挑む意味でポッドキャストで説明していると語ります。
言葉だけでやっぱ伝えるって結構貧弱で難しいなっていうところに対しての、ある種挑戦的な意味合いで、ポッドキャストをあえて言葉で説明するということをやってます。
こうしたいろいろな例えを試して発信し、反応を見ていきたいというのが、この回を通しての姿勢です。
まとめ
今回は、初心者がつまずきやすい「縄の引く方向」を、持ち手を衛星と捉える比喩で伝え直す試みでした。核にあるのは、受け手から手を離さず、縄を体に沿って残していくという一貫した指導です。
- 初心者は持ち手が受け手から離れると縄が緩み、状態が不安定になりやすい
- 受け手を惑星、縛り手の持ち手を衛星、体に残る縄を軌道と捉えるイメージ
- 縄は宙に浮かないため、軌道をその場に留めるよう受け手から離さない
- 基本は手が受け手さんの体の上を滑るように縄を運ぶ
- 言葉だけで技術を伝える難しさに挑む一環として、例えを試している回



