なぜ経営者自身が発信し続けないといけないのか
この回のきっかけは、小平さんが先日公開したnoteでした。タイトルは「経営者の発信術。月3本のnoteと1日10本のX。なぜAIの下書きをあえて全部手で書き直すのか」というものです。
背景にあるのは、AIが検索を司るようになったという変化です。たとえば「鹿児島 面白い会社 採用」で検索したときに自分の会社がピックアップされなければ、アクセスされず採用力も弱くなる、と小平さんは話します。
小平さんの会社には専任の広報がいて投資もしていますが、それでも一番大事なのは経営者自身の発信だといいます。
一番大事なのが、経営者その人がどのような思想で動いていたり、どのようなことを大切にしているのかを、しっかりと発信し続けることが大切だと言われています。
採用を受ける人は「株式会社小平 社長」「株式会社小平 note」のように検索するので、社長と公式広報がnoteをストックとして積み上げ、Xで投稿し続ける必要がある。このポッドキャストもその一員だ、というのが小平さんの整理です。
ただ、経営者は忙しい。そこで「そんなに忙しいのに、どうやってこんなにアウトプットしているのか」とよく聞かれるので、そのやり方を書いたのが今回の記事だったといいます。
下書きを全部手で書き直すnote作成フロー
桺本さんが「下書きはあえて全部手で書き直しているのか」と尋ねると、小平さんは自身のnoteの書き方を具体的に説明します。
発端はふとした瞬間です。朝、歯磨きやシャワーを浴びていると仕事のことを考えてしまう。そこで浮かんだテーマを、出社までの車の中で音声入力していきます。
音声入力するときには、ある前提を自分に課しているといいます。
今自分が考えていることを全く知らない部下の誰かに、わかりやすく説明するという前提で話すと決めています。
5分から10分ほど話すと、Typelessが整形した下書きが一覧で出てきます。ただし文章的に読みにくいこともあるため、段落ごとの整合性をClaude Codeに校正し直してもらう、という2段階を踏みます。
ここで終わりではありません。校正済みの文章をそのまま貼り付けると面白くないので、それを見ながら全部自分の言葉で書き直すのが最近のやり方だといいます。
AIっぽさを消す「リズム」と語尾の工夫
Claudeには、小平さんの過去のnote100本を読み込ませてライティングスタイルを抽出したものと、note向けの基本的な書き方をまとめたファイルが登録されています。
そこには「結論を先に書いて、論拠を1、2、3と挙げ、段落ごとに肉付けする」「ですます調にする」といった構成ルールが含まれ、スキルとして通せるようにしてあります。
桺本さんは、これから発信を始める人には過去の蓄積がない点を指摘します。その場合の工夫として、自分が好きなnoteを書いている人の文章をスキルにしてもらい、そこから手直しして自分らしさを作っていくやり方を紹介しました。
小平さんは、AIが再現しにくい自分の癖にも触れます。ぶっきらぼうで、たまに汚い言葉を使うのが特徴なので、「ぶっちゃけ」「めっちゃ」「超」などをわざと自分で打ち直しながら仕上げるといいます。
そのうえで、手で書き直す一番の理由として「リズム」を挙げます。
桺本さんも同意し、語尾のリズムに自分らしさが出ると話します。言いたい内容はほぼAIと同じでも、語尾を関西弁にしたり、あえてですます調で書かなかったりすることで自分になる、というのが2人の共通した実感です。
この一手間で、noteのいいね数がなんか3倍ぐらい違うなと感じます。同じことを書いていても。
タイトルはAI、ネタは日常 発信テーマの探し方
仕上げのタイトルづけには、小平さんはnoteのAI機能を使っています。本文に合うバズりそうなタイトルを考えてもらうと、副題つきや疑問形のタイトルが増えたのはそのためだといいます。
桺本さんは普段Codexをよく使っていて、GPTでポッドキャストのタイトルなどを決めることもあると話します。残る文章については、AIに助けてもらうと制作が非常に早くなる、という点で2人は一致します。
ネタ探しについては少し温度差があります。小平さんはObsidianやメモに「最近私が何を考えているか」と質問してテーマを出してもらう手もあると紹介する一方、桺本さんは日常の中で組織のことを考えていると自然に思いつく感覚だといいます。
反応が良いテーマの話も出ました。小平さんによれば、今ニーズが高いのは奥さんとの話で、唐揚げやボトックスといった家庭の話題が伸びるといいます。
これはポッドキャストでも同じで、直接「聞きました」と言われるのは家庭回だといいます。一方で、再生数だけを見るとAI系の話が意外と伸びているという違いもあります。
Xの発信はツールとスキルで型を作る
Xの運用についても、小平さんは3つのパターンに分けています。
- 告知系は連ツイをスキル化し、リンクと画像を渡すと登録まで自動化
- 今この瞬間に書きたいことは自分で手打ちする
- 長文のアーティクルはTypelessの音声入力で一気に書く
告知系の連ツイは、リンクとスクリーンショットを渡せば自動で書いて登録ポストまでしてくれるようスキル化してあります。どうしても書きたいものだけ手で書き、日本語が変なときはGrokの文章校正を使うといいます。
Xのアーティクルについては、離脱率の観点から音声入力を選んでいると小平さんは説明します。
短い文章ってわかりにくいと離脱すると思っていて。開けた瞬間、日本語が合わないと思ってパッといなくなることもあるので。
だからこそ、誤字脱字がないこと、系統立っていること、校正がちゃんとされていることが大事だといいます。桺本さんも使っているツールはほぼ同じで、発信を続けるとこの形にたどり着くのではないか、と話します。
自動リツイート機能の価値にも触れます。3時間後、6時間後、24時間後などに再投稿することで、埋もれがちな投稿のインプレッションが1.5倍ほどになるといいます。月額1000円程度で、経営者がXで発信するなら入れて損はないツールだと2人は評価します。
発信は石垣 経営者の本気の仕事として続ける
音声入力が苦手な人向けの工夫として、桺本さんはGPTのライブ機能を挙げます。スマホで掛け合いながら話すとテキストにも残るので、車の中で話すだけで記事の内容ができる、といいます。
桺本さん自身は、「中小企業のDXについて書きたい」といった大きな入り口から、テーマを分解して複数出すスキルを作っているそうです。良さそうなものを選び、解像度を上げ、自分の考えを伝えながら記事を作っていくという流れです。
話題は発信の意義に戻ります。桺本さんは、内容だけでなく検索で引っかかるかどうかが重要だと指摘します。
会社名や社長名で調べて何も出てこない会社は、これから選ばれなくなる。いいねがつかなくても、定期的に発信しておくことは将来的に必ずプラスになる、というのが桺本さんの考えです。
小平さんは、副社長の言葉を引きながらこれを補強します。
いいねがつきやすい記事もつきにくい記事もあるが、それに関係なく全体像が見える記事群があることが大事だと小平さんは話します。ゆえに、へこたれずにやると決めて発信し続けることが答えだと締めくくりました。
まとめ
AIが検索の入り口になる時代に、経営者自身の発信が採用や選ばれる力に直結する、というのがこの回の起点でした。2人が共通して行き着いたのは、AIに下書きを任せて効率化しつつ、最後は自分の言葉とリズムで書き直すというワークフローです。
- AIが検索を司る時代、経営者本人の発信が採用力や信頼に直結する
- 音声入力で下書きし、AIで校正し、最後は全部自分の言葉で書き直す
- AIっぽさは語尾やリズムに出る。手で書き直すことでいいね数が変わる
- Xは告知の自動化・手打ち・音声入力の長文と、用途で書き方を使い分ける
- いいねの有無に関わらず、記事を石垣のように積み上げ発信し続けることが資産になる






