下半期のマーケ戦略、毎年同じ罠にはまっていないか
番組はBtoB事業に特化した株式会社シャコウが送るビデオポッドキャストで、代表の太田翔葵さんとCOOの木戸堅斗さんが進行しています。
収録は8月前半で、9月や10月から下半期・新しい期に入る会社が多い時期です。太田さんは、この時期に戦略を考え直す会社が多く、シャコウの顧客でも年に2回ほどBtoBマーケ戦略を見直す話になりがちだと切り出します。
太田さんは、毎年同じことを話している感覚があるとし、施策の良し悪しではなく、そもそもどういうマインドセットが必要かを話したいと述べます。
そもそもその罠がどこにあるのかみたいな話とかを、今日できたらなと思っていて。ただ施策いい悪いみたいな話じゃなくて、そもそもどういうマインドセットが必要なんだっけみたいな。
AIO・LLMOに飛びつく前に問うべきこと
上半期の振り返りとして、太田さんはAIの登場でAIOやLLMOをやろうとする会社が増えている点を挙げます。AIO・LLMO ── AIやLLM(大規模言語モデル)による検索・回答の中で、自社が引用・言及されやすくするための最適化施策。従来のSEOよりさらに成果が見えにくいとされる
ただし太田さんは、新しい施策に飛びつくこと自体があまり良くないと指摘します。AIOやLLMOはやれることが少なく、変数のドライバーが少なすぎるため、売上に効きにくいという見方です。
対策してすぐそれがコンバージョン増えるかみたいな話でもないから、SEO以上にさらに遠い話になっちゃうし。ちょっとブランディング寄りとか、だいぶ遠い世界の話になっちゃうから。
太田さんは、こうした施策を新しい戦略として置いて下半期を突っ切るのは、一番やめた方がいいと話します。木戸さんも、費用対効果が見えにくい点に同意します。
ROIを見すぎると、取れる戦略がなくなる
続いて話題は、戦略にROIを組み込むことの落とし穴に移ります。太田さんは、戦略を考えるときにROIは当然考えるとしつつ、ROIを見すぎて結局取れる戦略がなくなっている会社が多いと指摘します。
ROI見すぎて結局その戦略がもうなんか、というかもう取れる戦略ないみたいな感じになってる会社が多いなっていうのも結構最近思うかな。
太田さんは、短期で回収しようとする施策がほとんどなくなっていると言います。コンテンツマーケなどは1年でも結果が出るかわからず、3年ほどかけてじわじわ効き、ブランドが形成されて問い合わせにつながることもあると説明します。
そうした成果を「3年後に取るためにコンテンツマーケをやります」と言っても、読みが立てられず普通は無理だと太田さんは話します。
その背景には、何年でどれだけの金を使ってどう回収するのかというPL的な思考が強すぎることがあると太田さんは指摘します。そこで戦おうとすると机上の空論のような資料になり、半年で結果を出す話に落ちてしまうといいます。
木戸さんは、数字遊びやパズルのように施策を埋めていく資料を作りがちだと重ねます。
なんか鉛筆舐めて描きましたみたいなのを作るために、施策埋めてくみたいな。なんかそれ本当にできると思ってんの?みたいなパターンが結構多いよね。
「答えありきの戦略」を、開戦前夜のシミュレーションになぞらえる
太田さんは脱線として、太平洋戦争前の日本を描いた映画『開戦前夜』を引き合いに出します。開戦前夜 ── 太田さんが観たと語る映画。太平洋戦争開戦前、日本のエリートを集めて対米戦の帰結を疑似的にシミュレーションする会議を描いたもの。ここでは番組内で語られた範囲の紹介にとどめる
その映画では、対米開戦の是非を判断するため、日本のエリートを集めて疑似内閣をつくり、フラットに戦争の帰結をシミュレーションして本当の閣僚に報告する、という設定だと太田さんは説明します。
シミュレーションの結果、鉄も石油も足りず、理論上は絶対に戦えないという詰み筋が明らかになります。ところが、本来はその答えを知るための会議なのに、「大和魂だから」といった発言で、勝てないという結論に向かわないようにする空気が生まれていたといいます。
もう明らかに詰み筋なのね。でもなんか詰み筋になっていた時に、これ詰み筋だよっていう答えを知るためにそれをやろうって偉い人たちは言ってるのに、いやでもなんか大和魂だからなみたいな。
最終的に答えは決まっていて、シミュレーションもそこに合わせて作られていく。太田さんはこれを本末転倒だと表現します。フラットにやってねと言われていたのに、途中から「いらんことを言うな」という空気になったといいます。
太田さんは、これがマーケ戦略を立てるときと似ていると指摘します。シミュレーションは本来フラットであるべきなのに、そもそもフラットになっていないという構図です。
いかにやる理由だけを考えてる、戦争する理由だけを考えてて、なんかもう順序を逆転しちゃってるなーみたいなのがめっちゃある。
木戸さんは、みんなが楽観的に「こうあったらいいな」を強く持ちがちで、現場に落とし込めていない解像度の低いまま「まあいけるだろう」とねじ込むことがあると重ねます。
さらに映画では、シミュレーション会議で「絶対無理だ」と感情的に発言した若手エリートが、翌週ほど最前線に飛ばされたといいます。そうなればチームで誰も発言できず、イエスマンだけが残ると木戸さんは応じます。
それでハレーション起こって社内の空気悪くするのが本当は必要だけど、その人にとってそれやるメリットが別にない可能性が高かったりするとやんないじゃん、普通。
太田さんは、事業が伸びるかよりも自分の保身が入ると、その方向でシミュレーションを持ってきてほしくなり、鉛筆舐めの資料が戦略として通って全員が負けるシナリオになりがちだとまとめます。
The Modelが合理的に見える罠と、ABMとの違い
木戸さんは、The Modelを例に挙げます。リードから商談、受注へとステップを踏む中で、率の変数に下駄を履かせてROIに合わせていじってしまう一方、そもそも受注単価を上げないと成り立たないケースがあると指摘します。The Model ── マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった役割を分業し、リードから受注までを数値で管理していくBtoBの営業・マーケティングモデル
いや、そもそも受注単価もっと上げる努力しないと、その鉛筆舐めてるだけじゃそもそも無理なんだけど。そこで負けてるよねみたいなパターンがあるって感じだよね。
太田さんは、The Modelは管理会計的に管理しやすいと言います。リード数、アポ率、受注率が読めれば、広告投資を増やせばリードが増え、率が変わらなければ積み上がると読める、というシミュレーションのしやすさです。
ただしそれはお客さんの買う理由を無視した作り方になっているとも指摘します。高単価のソリューション営業商材なのにThe Modelに無理やり当てはめ、食い違ったものしか出てこない罠にはまる会社が多いといいます。ABM ── Account Based Marketing。狙う企業を絞り込み、1社ごとに深くアプローチする手法。高単価・少数の取引に向くとされ、多数のリードを率で管理するThe Modelと対比される
太田さんは、最終意思決定者が判断しきれないとき、The Model型の方がそれっぽく見えると言います。ABMは1社から1億という話がエクセル1行になり読みにくいのに対し、The Modelは10社で1000万というように「読めそうな気がしてくる」といいます。
十社で一千万、十社で一千万かけ十社でってなった時に、なんか読めそうな気はしてくるみたいな。まあ気はしてくるだけなんだけど。
木戸さんは、確率論の中での妥当性が自分たちを安心させてくれる面があると応じます。ABMで受注率70%を目指す戦略より、The Modelで10%ならいけるのではという感覚に安心してしまう、という見立てです。
太田さんは、ABMの受注率はそもそも難しいと補足します。提案書を出してからを案件化とすれば受注率は下がり、最初に会えただけでも価値とすれば大きく変わる。データの切り方に恣意性が強く、ロジック武装がいくらでもできてしまうといいます。
そこが純粋に事業伸びればいいっていうよりかは、いろんな自分の出世とか、これやったら自分の仕事なくなるからこっちを打ち消しとくかみたいなことを、やろうと思えば全然できるわけじゃん。
人事評価と保身が、正しい戦略を歪める
木戸さんは、仕事のための仕事がThe Modelのあるあるだと言います。SEO記事を作り続けていいのか疑問でも、やめると自分の役割がなくなるため、とりあえず継続してしまうという構図です。
これ、例えばSEOの記事作り続けてていいんだっけ?って思いながらも、これやらなかったら自分何やるんだろうみたいな。だからとりあえず継続してやろうみたいな。
木戸さんは、本来は上が見直すべきだが、下から自分の役割を変える決断はしにくいと話します。太田さんも、戦地に飛ばされるくらいなら発言しない方がいいと思う普通の会社員の心理と同じだと応じます。
話題は人事評価に移ります。木戸さんは、既存のクロスセルを頑張った方が会社には良くても、評価が新規で決まるなら手を出す意味がなくなる、という例を挙げます。
太田さんは、直前の商談で聞いた例を紹介します。新規が増えればいい部署で、サービスの解約が増えても、解約した人が一定戻ると新規部署の売上として計上される、という構図でした。
解約増えて売上は下がるけど、解約した人が一定戻ってくるから、新規の部署の売上は増える可能性があるみたいな。
会社全体では行って来いで意味がないのに、部署としては得になり、評価も上がる。太田さんは、自分がその会社なら嫌だと感じたと話します。
木戸さんは、マーケなのにインサイドセールスをやる意欲的な人の評価に上司が困る例も挙げます。事業としてはやった方がいいが、評価軸に合わず、それを変える権限も一つ上にはないという構図です。
太田さんは、正しい戦略が作られない要因を、忖度と自己保身だとまとめます。
TAMと自社の強みから、戦う市場を決める
木戸さんは、単価が低ければThe Modelで戦わざるを得ないが、ソリューション商材ならABMで戦うべきで、そのためには自社の事業モデルを正しく理解しておく必要があると整理します。
太田さんは、人や組織の事情を一旦すべて横に置き、フラットにゼロから戦略を作る前提で考えます。BtoBではまずTAM、つまりそのサービスが対象とする会社が何社あるかを出し切れると言います。TAM ── Total Addressable Market。あるサービスが獲得しうる市場全体の規模。BtoBでは対象となりうる企業数として捉えやすい
太田さんは、法人約500万社のうち零細を除くと約100万社、業界や従業員30人以上などで切ると数万社になると具体化します。そのうち何分の何を取れるかという話になるという見立てです。
ただし、いきなり数万社を相手に広域戦を仕掛けても、自社のレベルが足りなければ戦えない。太田さんは、これを自社のレベルを5、必要なレベルを50にたとえ、戦える市場までセクションを切っていく必要があると説明します。
自分たちのレベルが五しかないのに、いきなり数万相手にして広域戦やろうとしても、本当はレベル五十必要だよってなったら全然戦えないから。
たとえば建設業や製造業に特化すればレベル10で戦えそうなら、レベル5でも勝ち筋がある。そのセクションを拠点に横へ広げていく発想です。従業員50人以上の建設業が5000社なら、広告を回すよりBDRで突破する方が合理的だと太田さんは言います。BDR ── Business Development Representative。まだ接点のないターゲット企業に、こちらから能動的にアプローチして商談機会をつくる新規開拓型のインサイドセールス
太田さんは、3万社に広域戦を一気に仕掛けるのか、アセットに合わせて小さく切って戦える範囲で戦うのか、そこにこそ意思決定が絡むと言います。速度の戦いと見定めれば、無理をしてお金をかけて先に攻略するのも一つの判断です。
その上側さえ決まれば、あとはやることは割と簡単だというのが2人の基本的な考え方です。上側を決めれば戦術はほぼ自動的に決まるという捉え方といえます。
改善する前に、前提そのものを疑う
太田さんは、この考え方と現場が食い違う点を指摘します。元から間違っている戦略は、直すというより一度破壊して作り変えるべきなのに、過去を引きずってしまうといいます。
元から間違ってるのに直すって、一旦全部破壊して作り変えるのと一緒なのに。なんか変えるとかの話じゃないです。
木戸さんは、「去年こうだったから」という話が出るが、去年と今では軸が違うのに去年の話を出しても意味がないと重ねます。
太田さんは、「改善」という言葉に安心してしまうと指摘します。改善のベースそのものが間違っている場合、進んではいても、その先には崖しかないという状態です。
木戸さんは、ターゲットが5000社しかないのに、広告の訴求を磨く方向で今年も進めるのか、そもそも広告ではなくBDRで攻めると切り替えるのかという分岐を例に挙げます。広告の話を引きずるパターンが多いといいます。
ベンダー選びより先に、取りに行くゴールを決める
太田さんは、広告代理店は広告しか売るものがないため、自分たちを外す提案はしにくいと指摘します。問題は、5000社を狙うのか3万社を狙うのかという明確なマイルストーンを自社が持っていないことにあると言います。
自分たちが明確にここを取りに行くぞっていう、マイルストーンゴールみたいなの持ってないから、支援ベンダー側もなんか何でもかんでも言った時に何が正解かは自分たちでわかんなくなってるみたいな。
その結果、一番それっぽいものを選んでしまう罠に陥ると太田さんは言います。木戸さんも、自社が本当に価値提供できている顧客が誰かを理解できておらず、ベンダー側も理解しないまま施策を回せてしまう危うさを挙げます。
経営目標からKPI・施策へ逆算する
太田さんは、本来は経営課題の一番上から考えるべきだと整理します。まず、その事業が会社の中でどう位置づけられているか、ありたい姿と数字目標がどこにあるかという話が最初にあるべきだといいます。
上場していない中小企業なら必ずしも成長しなくてよいが、資本主義のゲームの中で成長を求められる会社なら、いつまでにいくらの売上・利益が必要かで初めて制約がつくと太田さんは説明します。
別に百年かけていいんだったら別に毎年一パーの成長でいいみたいな話になっちゃうわけじゃん。それを五年でやるってなったら結構ドラスティックな判断しないといけない。
5年で到達すると決めれば、1年目にいくら、2年目にいくらと逆算され、1年目に1億作るなら、それを1社で作るのか1000万を10社で作るのかという話になります。自社のサービスレベルや、使えるアセットの有無で戦い方が変わるといいます。
事業の位置づけと数字目標
会社の中でその事業がどこにあり、いつまでにいくら必要か
年ごとの中間目標
5年の目標から1年目・2年目…と逆算する
1億の作り方の選択
1社1億か、1000万を10社かなどを自社のレベルとアセットから決める
勝てるシナリオとKPI
一番勝てる道筋をストーリーにしてKPIに落とす
戦術とベンダー選定
KPI達成のためにどの施策・ベンダーを使うかを決める
ところが実際には、上流が見えないまま話がぶった切られ、途中の施策だけをやろうとして本末転倒になるケースが多いと太田さんは指摘します。
木戸さんは、なぜその数字を追うのかという動機づけが重要だと補足します。給料や投資額、損益分岐を踏まえた数字が腹落ちしているか、どこまで数値を開示して組織を追い込めるかが問われるといいます。
太田さんは、これは会社や上司のためにどれだけ頑張れるかという忠誠心や文化に依存する面があると応じます。木戸さんも、この事業がなくなるか続くかを一緒に腹をくくる話だと重ねます。
自社のアセットを理解できているか
話題は、経営者に人気の漫画『キングダム』にたとえた戦い方に移ります。太田さんは、100人のときと5000人のときで戦い方が違い、上に行くほどどこにリソースを割いて何を取りに行くかの広域戦になると言います。キングダム ── 原泰久による戦国時代・古代中国を舞台にした漫画。大軍勢の戦略や指揮が描かれ、経営者の間でも比喩として引かれることが多い
太田さんは、戦場の中だけの話ではなく、押し込まれても数日耐えれば援軍が来る可能性もあると言います。こうした全体の中で、自社が持っているアセットを正しく理解できていない会社が意外と多いという指摘です。
その典型が大手の新規事業だといいます。本来はアセットや資金、名刺、顧客管理基盤を使えるのが強みなのに、資金のないスタートアップのようなゼロイチのジリ貧の戦い方をしてしまうことがあるといいます。
大手の多分新規事業の強みって、もはやなんかその飛び地じゃなくて、持ってるアセット使えるっていう、お金も結構使えるし。なのに本当にゼロイチのスタートアップで金なくてジリ貧みたいな戦い方をわざわざしちゃうみたいな。
木戸さんは、他の領域を触りたくないという心理から自社の強みを理解していない会社が多いと言います。太田さんも、触りに行かないよう自己洗脳し、触れないものだと思い込んで止まるケースが支援先でも多いと応じます。
太田さんは、相手に「無理なんです」と言われたら本当に無理になるため、どう説得しきるかも支援側の仕事になると話します。木戸さんも、その人にどう伝えればイエスと言ってもらえるかを一緒に考える伴走が、特に大手では必要だとまとめます。
PLではなくBS・複利でマーケを捉える
太田さんは、最後の論点としてPL脳とBS脳を挙げます。マーケ側は、成果を複利で積み上がるものとして捉えられるかがほぼすべてだといいます。PLとBS ── PL(損益計算書)は一定期間の売上と費用・利益を表し、短期の回収を捉えやすい。BS(貸借対照表)は資産や蓄積を表す。ここではマーケを短期回収ではなく、時間をかけて積み上がる資産のように捉える比喩として使われている
短期で回収できる突飛な飛び道具はほとんどなく、コンテンツマーケやこのYouTubeも、3年後に効いてくることがあると太田さんは言います。一方で、1年で投資回収しろと言われれば、やらない理由を作ることしかできなくなるといいます。
これを一年で投資回収しろと言われたら、多分やらない理由を作ることしかできないんだよね。
太田さんは、刈り取り施策とブランドを醸成する施策を同じROIで評価しだすと、すべてが焼き畑になってしまうと指摘します。そうならない考え方をインストールしてもらう必要があるといいます。
短期で成果を取りにいく施策。ROIで評価しやすいが、それだけだと焼き畑になりやすい
成果が出るまで時間がかかる。同じROIで測ると切られてしまうが、複利で効いてくる
木戸さんは、SEOやAIOについて「3年間、毎月30万を目をつぶってでも払い続けられますか」という感覚との違いだと表現します。太田さんも、無駄な投資は避けつつ、複利で積み上げるマラソンだと応じます。
BtoB営業も「積み上げ」で考える
木戸さんは、この発想は営業側にも当てはまると言います。BtoBは期末で事業が終わるわけではないため、今期は無理でも来期やリプレースの可能性に触れ続けておくことが重要だと話します。
インサイドセールスもアポ数を追うだけで「触って捨てて」を繰り返すのではなく、「いつだったらいけますか」という関係を残すことが必要だといいます。事業部としてPL思考とBS思考の両方が要るという整理です。
太田さんは、商談数だけを追い続けると3年後には商談先がなくなると応じます。失注が溜まり、スコープ外まで触りに行く泥仕合に巻き込まれるといいます。
触って捨てての商談数追い続けたら、多分三年後ぐらいに商談取る先なくなっちゃうんだよね。
太田さんは、10億を作るなら1億×10社という考え方もあり、極論その10社をずっと頑張れば実現の可能性はあると言います。同じ成果でも1万社を触ってのそれか、100社でのそれかで健康指標がまったく違うといいます。
一万やってたら「もうやることねえ」みたいな。九千九百社からはなんか「こいつらマジでゴミだ」って思われてるみたいなったらもう終わりじゃん、そうなったら。
木戸さんは、1社100万と1社1000万を取る営業工数は、金額では10倍違っても営業リソースでは10倍にはならないと指摘します。そこを見極めてリソースを転換できるかが重要だといいます。
太田さんは、高単価を取れるのはそれだけ価値を示している証で、いずれ商談が集まるためのブランド投資をマーケがずっと続けられているかが大事だとまとめます。飛びつく施策や「これがいい」というものは、長くやればほぼなく、やることは昔から変わらないという結論です。
まとめ
この回の議論は、施策やROIから戦略を考える前に、自社の強みとアセットを理解し、TAMと事業モデルから「どこで勝つか」を定めることが先だ、という一点に集約されます。組織を動かす前に、まず前提を疑うことが出発点になります。
- AIOやROIといった「何をやるか」から入ると、取れる戦略がなくなりやすい
- 答えありきの戦略は、開戦前夜の忖度シミュレーションのように機能しなくなる
- The Modelが合理的に見えるのは読みやすさゆえで、商材に合わなければ食い違う
- TAMと自社のレベル・アセットから戦う市場を切れば、戦術はほぼ自動的に決まる
- マーケも営業も、PLの短期回収ではなくBS・複利で積み上げると捉える



