EWCの大逆転優勝と週販から始まる近況
本編の前に、直近のeスポーツと販売の話題が触れられます。
先週末に閉幕したEWCでは、中東のeスポーツチーム、ファルコンズが総合3連覇かと思われた展開になったと谷田さんは話します。
しかし最後の『トラックマニア』で中国のチームが1000ポイントを積み、大逆転で優勝したとのことです。
チーム全体のポイント順位にも大きな賞金がかかっており、チームで1位になった賞金は700万ドル、日本円でおよそ10億円規模にのぼると紹介されました。
ファミ通の週販では『リズム天国』が引き続き1位で、2週間で14万本、累計87万本とロングセラーになっていると触れられています。
Netflixがゲームスタジオを閉鎖した意味
1つ目のニュースは、Netflixが8月13日にゲームスタジオ2社の閉鎖を発表した件です。
Netflixは映像を見る合間にゲームのアイコンが表示される形でゲームを提供していて、親のアカウントを共有して子どもが遊ぶような使われ方も見かけた、と谷田さんは振り返ります。
閉鎖したのは、2021年に買収した『オクセンフリー』の開発元Night School Studioと、ヘルシンキでNetflixが自ら立ち上げたMoonlit Gamesの2社です。
2021年当時は、Netflixがエッジの効いた深いコンテンツを高いクオリティで作り、それが世の中に伝播していく強みをゲームにも持ち込むのではないか、という期待があったと語られます。
しかしこの5年で、今回の2社を含め計5社が閉鎖。残るはヘルシンキのNext Games1社だけという状況になっているとのことです。
巨大資本でも、100人から200人規模の開発を完成まで導くのは簡単ではない、と谷田さんは指摘します。
やっぱりNetflixでも難しい部分っていうのは、当然、専門外ってところからの参入だと思うけど、いい資本を入れてちゃんとした体制作ってるけど、まあ難しかったんじゃないかな。
個人開発の熱狂と、巨大資本の難しさ
一方で、少人数の個人開発が熱狂を生んでいる例が対比的に紹介されます。
海外のゲーム『ソウルズレムナント』は開発に10年、うち8年をほぼ1人で作り続けた作品で、レビューの8割が好評、同時接続は6000人を超えたとのことです。
前回話題に上がった『ビッグウォーク』も2人で100万本、今週話題になった『How to Fish』も2日で100万本ほどに達したと語られます。
自分が作りたいものを徹底的にこだわって作りきったゲームが、コアな層や「みんなでやったら面白い」という感覚にしっかり届き、熱狂を生んでいると谷田さんは見ています。
体制と有識者を揃えても、大規模開発を完成させるのが難しい
こだわりを貫いた作品が熱狂を生み、100万本規模のヒットも
「作る側」から「上映館」へシフトするNetflix
では、Netflixはゲーム事業をどう続けていくのか。谷田さんは調べた上で、方針の転換があったと見ています。
Netflixは、まもなく発売される『グランド・セフト・オート6』の新しい映像、Extended Lookを全世界独占でプレミア配信すると発表しました。
日本時間で8月28日の朝4時から最初の6時間は、YouTubeでもなくNetflixで最速公開され、Netflixアカウントがあれば世界で最初に見られるという形です。
つまりゲームを作る側ではなく、ゲームIPの最新トレンドを公開する「上映の場所」へと方針をシフトしたのではないか、というのが谷田さんの解釈です。
スタジオを買収・設立し、自らゲームを作る側に回る
大型IPの最新映像を先行配信する「上映館」的な役割へ
これまで新作情報はYouTubeで出すか、どこかのイベントで公開するくらいしかなかった、と谷田さんは言います。
そこに第三者の企業が入り、最初に公開するデバイスや媒体を選べること自体がビジネスとして成立するのは面白い、と評価しました。
TwitchのAI学習問題が集団訴訟へ
2つ目は、Twitchで配信したコンテンツが、Amazonの生成AIの学習に使われる設定になっていた件です。
直近のアップデートで、配信もアーカイブもクリップもチャットも、デフォルトで学習がオンになっており、8月20日頃に集団訴訟へと発展したと谷田さんは説明します。
急に言われても困る、という訴訟の是非そのものよりも、なぜAmazonがこれをやりたいのか、という背景に谷田さんは注目します。
ここからは仮説の範囲として、と前置きしたうえで、テキスト情報のAI学習はすでにかなり進んでいると語られます。
ウェブ上に存在する公開されてる情報の学習って、ほとんどもうAIが実は学習が進みすぎてて、テキスト情報のAIの学習って年内ぐらいにある程度こう完了する。
その次に学習が足りない領域として、大量に投下される動画やストリーミング、とりわけ映像が作られ続ける生放送があるのではないか、というのが谷田さんの見立てです。
日本でもゲーム配信の視聴時間はどんどん伸びており、人々が何に時間を使っているかを学習できるデータは、プラットフォーマーであるAmazonにとって大きな資産になり得ると指摘します。
クリエイターのデータは誰のものか
谷田さんは、この問題の論点はライセンス交渉や許諾の有無にとどまらないと整理します。
そもそものデータはプラットフォームが提供する場の中で生まれたコンテンツであり、クリエイターが作ったものは誰のものなのか、という難しさがあると話します。
一方で、タレントや事務所の側からすれば、規約変更を常にウォッチし、契約で守れるものは守る必要があると述べます。
日本の配信者も、嫌だと感じるなら設定を確認したほうがいい、と具体的な行動を促しています。
直感的にはこう勝手に取られてるのは嫌だよねっていうのはわかるって話ですかね。
KH4ミッキー参戦と、ディズニー×スクエニの本気
3つ目は明るいニュースとして、ゲームのショーケースとGamescomの話題に移ります。
今月中旬、アナハイムで『キングダムハーツ4』のトレーラーと拡張版の映像が公開されました。
ディレクターは、8割9割ではなく「100パーセント2027年末に出る」と語り、ファンの期待が高まったと谷田さんは伝えます。
これまでの『キングダムハーツ』は基本的に主人公しか操作できませんでしたが、今回はミッキーやドナルド、グーフィーも操作可能になるほか、『リメンバー・ミー』も作品に加わるとのことです。
さらに『キングダムハーツ』シリーズはディズニープラスと協力し、完全新規ストーリーのテレビアニメを配信することも発表されました。制作にはスクウェア・エニックスの野村さんたちのチームも関わります。
もともとディズニーのIPを借りてスクエニが作り出した『キングダムハーツ』が、逆にディズニープラスのアニメ制作を依頼される。これは映像IPとゲームIP双方の大手が手を組む、双方の本気の表れだと谷田さんは受け止めています。
前職でディズニーのスマホゲームを手伝った経験から、ディズニーの監修やガイドラインは非常に厳しく、「ディズニーっぽさ」を出すこと自体が相応に大変だと振り返ります。
Gamescom開幕と、現地からの中継予告
続いて、世界最大のゲームの祭典Gamescomの話題です。
前夜祭のオープニングナイトライブは、去年の視聴回数が7200万回に達し、その前年比では8割増したとのことです。収録時点では今年の数字がまだ出ておらず、後日改めて触れたいと谷田さんは話します。
『ファイナルファンタジーVII リベレーション』や『ウィッチャー3』、モンハン新作『アウトランダーズ』などの情報も挙げられました。
今年のGamescomは23万平米の出展スペースが史上初の完売。任天堂やXboxも出展し、Xboxには予想外の発表があるという噂もあると紹介されます。
注目すべきはタイトルよりも開発元だ、という噂だけを予想として置きつつ、視聴者にも予想のコメントを呼びかけています。
谷田さん自身も26日の朝の便で、初のドイツ・Gamescomへ現地参戦するとのことです。
ケルン周辺はホテルが埋まり、普段なら1、2万円ほどの宿が一泊十数万円しか空いていなかったため、郊外に宿を取って通うと語られます。
5日間ほど滞在し、Gamescomの熱狂やインディーの盛り上がり、新情報の噂や現地の空気を来週届けたいとのことです。
帰国後は、定点撮りだけでなく現地で撮った映像を挿し込むYouTubeらしい構成にも挑戦したいと予告しています。
まとめ
Netflixは自社スタジオを閉じる一方で、大型IPの最新映像を先行配信する「上映館」的な立ち位置へ舵を切りました。TwitchのAI学習問題は、ストリーミングが次の学習データの主戦場になりつつある流れを映し出しています。そしてGamescomの開幕と『キングダムハーツ4』の発表が、業界の熱狂を後押ししています。
- Netflixはゲームを作る側から、大型IPの最新映像を先行配信する側へと方針を転換した
- テキストのAI学習が一巡し、次はストリーミングや生放送の映像データが焦点になりつつある
- TwitchのAI学習設定はデフォルトでオンになり、集団訴訟へ発展。配信者は設定の確認が推奨される
- 『キングダムハーツ4』は2027年末発売予定で、ミッキーらの操作やディズニープラスでのアニメ化も発表された
- Gamescomが史上初の出展スペース完売で開幕。谷田さんが現地から次回レポートを届ける予定






