チャンスは「チャンスの顔」をしてやってこない
番組冒頭は、8月末で夏が終わる話から、ハヤカワ五味の多忙ぶりへと流れます。ロボット関連の予定を詰め込みすぎて「気が気でない」状態だと言います。
その理由として、五味は「チャンス」についての持論を語ります。チャンスは多くの人のところに来ているけれど、掴めないことが多い、という見方です。
チャンス側はチャンス同士でこう考慮して、「じゃあ○○さん先どうぞ」とか言ってくれるわけじゃないから、同時に来たりする
トラブルとチャンスは大体なんでそんな被んねんくらいの、同時に来たりするんで、一旦いろいろ来てるけどとりあえず全部拾おうかみたいな感じ
usutakuは、拡散されていたavex創業者・松浦氏のnoteを引き合いに出します。
五味は、チャンスを掴めるかどうかは人によって大きく分かれると話します。自分が誰かにチャンスを渡す側になっても、それを形にできる人は限られる、という実感です。
これはこの人にとって人生の転機になるチャンスだろうなと思って振った場合でも、拾える人は体感3、4割くらい
その流れで、この「ながらAI」自体も、五味が誘ったチャンスの一つだったと2人は振り返ります。ここからusutakuの「小ボケ」をめぐる掛け合いへと脱線していきます。
usutakuの「小ボケ」はなぜ拾われないのか
usutakuが「ソロで武道館や海外フェスにAI漫談で出ている」という大きなボケを繰り出しますが、話はそのボケ自体の分析へと転がっていきます。
今こそ僕は、ソロで武道館だったり、富士ロックだったり、サマソニ、海外だとコーチェラとかね、AI漫談一本で出させてもらってる
五味は、ABEMA PRIMEに出たいというusutakuに、以前かけた言葉を明かします。
うすたくの小ボケは誰も拾ってくれないぞ
なぜ拾われないのか。五味の分析は、芸人のボケとの「質の違い」に及びます。芸人のボケは鋭く短いのに対し、usutakuのボケは長くてボリュームがある、という指摘です。
鋭く短いボケの方が多くないですか、ボケって。うすたくのボケってちょっとボリュームあるよね
五味は、短いボケなら滑っても損失が少ないと続けます。長いボケは、前半で滑っているとわかっていても最後まで言うことになり、しらけてしまうという理屈です。
前半5文字くらいで滑ってるのわかってるのに、なんで言った、みたいになる瞬間が多分ある
この指摘に、usutakuは自分の傾向を重ねます。ボケだけでなく、AIへの指示文まで長くなりがちだと認めます。
僕AIへの指示文とかも結構長かったりしがちなんですよね。あらゆるものが長い
音声入力で「ミーティング中じゃありません」の付箋
話は五味の働き方に移ります。最近は各所で音声入力を多用していて、そのぶん話し言葉も冗長になっていると言います。
オフィスで音声入力していると、周囲からミーティング中だと勘違いされやすい。そこで五味は、コピー用紙を三角形に折った物理の「ポップ」を置くようにしていると話します。
今はミーティング中ではありません、みたいなポップ出してます。声をかけてOKですって書いとくとちょっと気楽でいい
メルカリはフリーアドレス制で、みんな相手が立て込んでいるように見えて声をかけづらい。付箋を出すことで、逆に用がなくても声をかけてもらえるのがいい、と五味は言います。
usutakuが「五味さんが出社しているのが想像つかない」と言うと、入社直後は元々のフォロワーの間で「ハヤカワ五味のアイコンを使った人がオフィスにいる」とざわついていた、というエピソードも飛び出します。
M6 Mac miniとM5 Ultra、512GBの衝撃
ここから今週のニュースに入ります。1つ目は、X上でも話題になったApple M6搭載Macの登場です。
五味によると、512GBのモデルもあり、ローカルLLMを動かせる規模のものが出てきています。カートに入れて眺める人が続出し、100万、200万という価格帯の話が飛び交っていたと言います。
usutakuが具体を補足します。今回登場したのはM6チップを積んだMac miniで、AppleによればLLM処理性能はM1チップの最大13倍だといいます。
Mチップ何でも一緒やろみたいに思ってたんですけど、M1から13倍で、M4からしても最大4.8倍とかになってるらしい
ただしusutakuは、Mac上でLLMを動かす人は多くなく、ほとんどはChatGPTのようなクラウドを使うと補足します。Mac miniは15万円ほどから買え、遊びや常時稼働のPC用途として選択肢になる、という位置づけです。
一方で、五味が「本気でローカルLLMを動かすなら、M6のMac Studioを待つべきか」と問うと、話は購入タイミングの真剣な検討へと変わります。
usutakuによると、10月後半にM5 Ultra搭載のMac Studioが出て、512GBのユニファイドメモリのモデルなら大きなLLMが動かせます。ただし価格は跳ね上がると言います。
昔は百万円台で512ギガ買えたんですよ。それが今回、512ギガで多分400万とか
初心者にはほぼ関係のない世界だとしつつ、usutakuはこの構成に手を伸ばそうか迷っていると打ち明けます。
「今買わないと買えなくなる」PCを家に置く時代
usutakuは、なぜこれほど高スペックなマシンに惹かれるのか、その背景にあるトレンドを語ります。ノートPCを広げて仕事をする必要がなくなるのでは、という見立てです。
自身も128GBのMacBookを持っているが、出先で充電や電波に困る場面が多く、家に置きっぱなしにした方が楽なのでは、と感じていると言います。
2人は、これを不動産や株の「あの時買っておけば」という話になぞらえます。
3年後ぐらいに、あん時ってさ、512ギガバイトのやつ400万円で買えたのやばくない、みたいになる
AIリソースを持つ人だけが稼げる時代になったら、と半ば冗談交じりに語る2人ですが、五味はそこにヒューマノイド購入の話も重ねます。人生で一番の買い物になるかもしれない、と揺れます。
ヒューマノイドのK1が百三十万とか百四十万くらいで、この200に乗るとちょっと私、人生で一番の買い物になる可能性ある
そこへ、五味が決定的な事実に気づきます。M5 Ultraの256GBモデルが、すでに売り切れ、または納品がかなり先になっている様子だというのです。
こうやって悩んでる間に買えなくなっていくのか
チップそのものが足りなくなっているのではないか、と2人は話します。悩んでいる間に、売りたくても部材がなくて売れなくなる。この「買えなくなる」という感覚が、購入を後押しします。
最終的に、usutakuは「買います」と宣言し、五味も週末のワークショップが終わったら意思決定すると決めます。用途としては、400B〜600Bクラスの大きなモデルを動かすことなどが挙げられました。
大きなローカルLLM(400B〜600Bクラス)を動かせる。512GB構成で約400万円という試算。売り切れ・納期遅延も出始めている
価格は130万〜140万円ほど。5より小型で扱いやすいが、用途は限られるという話も出た
Grok BotがCursor Proでも使えるように
次のトピックは、番組が以前から取り上げてきたGrok Botの対象プラン拡大です。SuperGrokに加え、Cursor Proのプランでも使えるようになりました。
五味は、正直プランの仕組みがわかりづらく、自分がなぜ使えているのかも分かっていない、と率直に話します。
自分がなんで使えてるのかもよくわかってないし、なんで他の人が使えてないのかもよくわかってなかったりします
usutakuが整理します。これまでGrok Botは月200ドルほどの高額プランが中心でしたが、今回Cursor Proなどに拡大したことで、月20ドルからSuperGrokが使えるようになったと言います。
これで、ChatGPTのCodexやClaude Codeと同じ価格帯からGrok Botを使えるようになったわけです。
五味は、周囲でGrok Botにハマって課金している人の使い方を紹介します。開発ではなく「なりきりチャット」目的だといいます。
Botごとにキャラクターの画像をアイコンで当てれるんで、例えばちいかわを設定してた場合に、ちいかわから通知が来たみたいになる
さらに、複数のキャラBot同士が裏でやり取りしてくれる機能もあると言います。「これ、はちわれに言っといて」と伝えると、Bot同士がコミュニケーションを取っておいてくれる、という体験です。
usutakuは「それを開発に使いたい」と食い下がりますが、五味は現状の課題を挙げます。
全体的にいいんだけど、全体的に惜しいって感じで、今主力にするのはちょっと難しいんですけど、体験は好きです
usutaku自身も業務で使おうとしたものの、GitHubの認証がうまくいかず断念したと明かします。1PasswordやGitHubのコネクターをつなげられれば転用できるが、そこでつまずいていると言います。
GPT-5.6が2割値下げ、いまは「ボーナスタイム」
続いて、GPT-5.6が20%以上値下げされたというニュースです。もともと安めだったモデルが、さらに安くなります。
五味は、Grokをはじめ強いモデルが各所から出てきていることが背景にあるのでは、と見ます。ただしClaude系はそもそも高いので、それと比べればどこも安い、とも付け加えます。
usutakuは、この時代だからこそ各社がユーザーの獲得にしのぎを削っていると話します。少し前まではClaude Codeが一強でしたが、今はCodexと互角に戦う稀有な時期だといいます。
五味は、モデルの品質がある程度上がってきた結果、価格や速度が重視されるようになってきた、と整理します。usutakuがCodexを勧めやすい理由も、安さにあると言います。
2人は、1〜2ヶ月前に「利用量の上限」と戦っていたのが、もう懐かしく感じると笑い合います。そのうえでusutakuは、このニュースの受け取り方について念を押します。
一強になれば値上げされるだけになる可能性がある。今は競争による「ボーナスタイム」なのだ、という視点です。サービス開発やAPI利用を考えている人には、この時期は追い風になります。
Hugging FaceをNVIDIAが買収へ、その狙い
次のトピックは、Hugging FaceをNVIDIAが買収するのではないか、という話です。まだ確定ニュースではなく、そういう話になっているレベルだと断りつつ、五味は「これはびっくり」と反応します。
usutakuが補足します。NVIDIAはHugging Faceを約129億ドルで買収することで合意した、という内容で、1ドル150円換算でほぼ2兆円という規模です。
Hugging Faceの売上は約1億5000万ドル(約200億円)ほどで、2兆円という買収額はバリュエーションとしては非常に高い、とusutakuは言います。ではなぜNVIDIAが買うのか。
五味は、Hugging Faceに注目する理由として、同社がロボットのオープンソース化に力を入れている点を挙げます。ロボット関連が買収後どう扱われるかが気になる、と言います。
運営には大きなコストがかかっていたはずで、安定して運営できそうなNVIDIAに買収されること自体はいいことなのでは、と五味は評価します。
関連の雑談として、usutakuは五味の紹介で試したロボアーム「SO-101」もHugging Faceのプロジェクトだったと思い出します。やってみて良かった、と感想を述べます。
usutakuは、Hugging Faceの課金ポイントも紹介します。GitHubと同じく、個人利用は無料だが法人向けは有料というエンタープライズ向けのプランと、GPUやAI推論を提供する個人向けプランがあると言います。
GPUを時間貸しする仕組みなどもあり、「だからNVIDIAなのか」という納得感が生まれます。まだ公式発表ではないものの、この種の報道は大体当たる、と2人は話します。
五味の注目ロボット「Micro Duck」
ここからハヤカワ五味の雑談コーナーです。今週の注目は、Pollen RoboticsとHugging Faceの名義で出た小型ロボット「Micro Duck」です。
膝下ほどの大きさの二足歩行ロボットで、価格は約7万円。予約はすでに開始しており、クリスマス前には届くらしいと言います。五味は前日に注文したと明かします。
五味が「早めに予約した方がいい」と強調するのには理由があります。以前、同じPollen Roboticsの別のロボットは予約が遅れ、届くまで半年ほどかかったからです。この点はMac Studioと同じ構図だと言います。
五味がこのロボットを「良い」と感じたのは、やれることの多さです。
- 歩ける、座ったり立ったりできる
- キックができる
- 口で物を掴める
- 足元がローラースケーターで走れる
usutakuが「サッカーができるなら立つ・歩くもできるのでは」と問うと、五味はロボットの機構としては別の力だと説明します。
蹴るだけっていうのと、転んで復帰ができるってまたちょっと違う
25センチほどと小さく、1時間ほど動くといいます。五味の唯一の難点は、一つ目で顔がちょっと怖いこと。目を2つに増やすなど、自分で手を加える余地もありそうだと話します。
用途が不明なロボットも多い中で、Micro Duckは誰もがイメージするロボットらしい動きをするので勧めやすい、と五味はまとめます。
usutaku雑談:Cloudflare AI Gatewayが便利
最後はusutakuの雑談コーナーです。連日開発をしているusutakuは、Cloudflareが便利すぎると語ります。
以前はVercelとあまり変わらないと思っていたが、無料でできる範囲が広く、AI Agent系で使うと「何もしなくていい」のが良いと言います。
全部任せられるっていう点で、Supabase、Vercelよりも、かなり使いやすいなとは思います
中でも注目するのが「Cloudflare AI Gateway」です。OpenRouterのような仕組みで、これ経由で各社のAI APIを使えると言います。
Cloudflareと連携すれば、どのモデルでも組み込める。あるモデルでエラーが起きた時に別のモデルへフォールバックしたり、使用量をCloudflare上で一元管理したりもできると説明します。
ChatGPTのようなものを作るのは、これまで意外と大変でした。データのテーブルを作り、GitHubに載せ、Vercelで秘密鍵まで管理する、といった手間がかかっていたからです。それがCloudflare一つでできてしまうといいます。
usutakuは、フロントは作れてもバックエンドが苦手だった人こそ、Cloudflareで乗り越えられる部分があると勧めます。もちろん勉強は前提だ、とも付け加えます。
五味も「Cloudflareいいよね」という声はいろいろな所で聞くと応じ、個人開発をしている人にチェックを勧めて締めくくります。
まとめ
今回は、M6 Mac登場をきっかけにした高額マシンの購入判断を軸に、Grok Bot拡大、GPT値下げ、Hugging Face買収、注目ロボットまでを幅広く扱う週次回でした。ニュースの数字そのものよりも、いまが競争による「安く使える時期」であることや、部材不足で「今買わないと買えなくなる」感覚など、時代の空気ごと捉える視点が印象に残ります。
- M6 Mac miniはLLM処理性能がM1比で最大13倍。ただし本命は10月後半のM5 Ultra Mac Studioで、512GB構成は約400万円と試算された
- Grok BotがCursor Proなどに拡大し、月20ドルからSuperGrokが使えるように。体験は好評だが、コネクター周りは「惜しい」との評価
- GPT-5.6が2割超の値下げ。モデル品質が上がり、価格・速度の競争が焦点に。いまは競争によるボーナスタイムだという視点が語られた
- NVIDIAがHugging Faceを約129億ドルで買収合意との報道。無料利用者も結局NVIDIAを使う、という狙いが背景にある
- 注目ロボットは約7万円の「Micro Duck」、開発ではCloudflare AI Gatewayが便利と紹介された



