風邪と睡眠、AIに解決してほしい「寝る」という課題
冒頭は体調の話から始まります。ハヤカワさんは、風邪を引きそうなときに早めに寝ると悪化を防げると最近気づいたと話します。
風邪引きそうだなって時に寝ると風邪にならないわ。すごい当たり前のことに気づいた。
以前のハヤカワさんは、寝ても寝なくてもウイルスの減り方は時間経過でしか変わらないと考え、風邪で寝ることに意味を感じていなかったといいます。それが、鼻うがいをして早めに寝ればギリギリ持ちこたえられると実感に変わったそうです。
一方でusutakuさんは、睡眠が自分の唯一の弱点だと打ち明けます。大学3年のころから急に眠れなくなり、以来悩み続けてきたといいます。
自分の体の中で唯一悔しいなと思うのはそこですね。睡眠が苦手。
usutakuさんは、世の中で言われる不眠対策をほぼ試したと語ります。体を冷やすという文脈でナスやキュウリを食べる方法まで行き着いたそうです。
睡眠を本当にやろうとすると、多分その辺までたどり着くんですよね。
ハヤカワさんは、時差ボケ対策で飛行機に乗る前にAIへ相談するのが便利だと話します。眠れないときはTwitterではなくChatGPTを開くというのが、二人に共通する使い方でした。
今年一の衝撃、判断だけに特化したAI「Jev」
今週のトップニュースは、判断に特化した新しいAI「Jev」の登場です。ChatGPTの立ち上がり期に関わった人物が手がけたものだとハヤカワさんは紹介します。
もう昨日の深夜3時に使えるようになって、ずっと使ってるんですけど、今年一ですね。
usutakuさんは興奮を隠さず、この感動を伝えるために午後の予定を全部キャンセルすると宣言します。ここまでテンションが上がるのは久しぶりだといいます。
Jevが何かを、usutakuさんはこう説明します。今まで人間と喋る用だったAIを、完全に判断にだけ特化させて爆速にしたものだといいます。
たとえばカスタマーサポートに返品希望のメールが届いた場面を挙げます。従来のAIは内容を読み取り、人間に「これはクレームです、返信文を考えましょうか」と提案していました。Jevがするのは判断だけです。
Jevは、そのメールがクレームである確率を99%といった形で分岐させることだけに特化しています。人間向けの説明を省くことで、ありえないほど速く、ありえないほど安くなったというのがusutakuさんの見立てです。
(Jevは)もう人間向きじゃなくてAIだけにしてるんですね。もう世の中が変わるよっていう話ですね。
ハヤカワさんは、Jevのイメージを身近な例で言い換えます。「人参」と入力すれば「野菜」、「バナナ」と入力すれば「果物」というように、自然言語ではなく特定の形式だけで答えが返ってくる仕組みだと説明します。
トークンコストが「まずい」、Jevで7割の仕事はいける
Jevへの期待の背景には、ハヤカワさんが感じているトークンコストへの強い危機感があります。最近のコストは高すぎておかしいと繰り返します。
具体例として、ClaudeのProプランでFableを従量課金で使ったところ、たいしたことを聞いていないのに10ドルほど消費していて驚いたといいます。Fable ── 番組内でハヤカワさんとusutakuさんが呼んでいるAIモデルの通称。ClaudeのコーディングエージェントであるClaude Codeを指していると考えられます
(Fableを使うと)バイト雇った方が安すぎだろみたいな感じで。
ハヤカワさんは、コストを賄えるほどのパフォーマンスを多くの人は出せないと考えています。だからこそ、判断や特定の形式の出力に特化したJevで、多くの仕事が代替できると見ています。
正直7割くらいの仕事これでいけるんちゃうかなとちょっと思っちゃいましたね。
さらにハヤカワさんは、高度なものを除けばGeminiとJevの組み合わせでほとんどの仕事が回るのではないかと話します。特に企業でAI推進を担う立場の人は、Jevを無視できないだろうと結論づけます。
睡眠を「堀大輔」で数える、二人だけの単位遊び
話は脱線し、前週から二人の間で流行っている「堀大輔」の話題に移ります。二人はこれを睡眠時間の単位として使い始めます。
30分間睡眠を1堀大輔とした時に、なんか間違えて3日間ぐらい4堀大輔しちゃったんですよ。
4堀大輔、つまり合計2時間ほどしか眠らない日が続いた結果、usutakuさんは体調が最悪になり、12時間寝て回復したといいます。ハヤカワさんは寝すぎだとツッコミを入れます。
この単位遊びから、二人はJevの応用にも話をつなげます。テキストを入れると「何堀大輔か」を判定させることもJevでできるはずだと盛り上がります。
うすたくか、うすたくじゃないかとかもできるね。
20件を5秒で分類、Sonnetの2倍・GPTの6倍の速さ
usutakuさんは、実際にJevで作ったデモを紹介します。カスタマーサポートのメール20件を、クレーム・お礼・問い合わせの3種類に分類するサイトを作ったといいます。
同じ20件を複数のモデルで分類し、速さを比べました。その結果が、二人が衝撃を受けた数字です。
(Jevは)Claude Sonnetの倍早くて、GPT Lunaの6倍早いんですよね。
usutakuさんは、今年AIが大きく進化するとしたら、それはコンピューターユーズが速くなるときだと考えていました。Jevは判断そのものなので、画面操作もそのまま速くなると期待を寄せます。コンピューターユーズ ── AIが人間の代わりにパソコン画面を見て操作すること。マウス操作やクリックなどをAI自身が行う仕組みを指します
一方でハヤカワさんは、速いモデルの精度に不満を持っていました。以前AIにボードゲームをやらせたとき、Sonnetでは話にならなかったといいます。速さと一定の精度を両立するJevに強く惹かれた理由がここにあります。
Grokbotの謎の速さと、粗大ゴミを片づけてくれるAI
速さの話題から、ハヤカワさんはGrokbotの異常な速さに前から疑問を持っていると話します。Grokbotが仮想PCの中で作業する様子は、集中していないときに人間がだらだらPCを触るくらいの速さだといいます。
usutakuさんは、Grokbotはパソコンを持っていない人にとって便利だと補足します。ハヤカワさんは、Grokbotがこれ以上どう進化するのか想像しづらいとまで話します。
ハヤカワさんが便利だと感じた具体例が、粗大ゴミの申し込みです。GoogleKeepの「スーツケースを粗大ゴミで出す」というメモをGrokbotが読み取り、スーツケースで申し込みを済ませてくれたそうです。
さらに前夜には、シールを買って貼り、今日中に出したほうがいいとGrokbot側からプッシュ通知が届いたといいます。ここにJevのような判断特化AIが組み合わされば、もっと速くなるとハヤカワさんは期待します。
二人は、AIの返答が「いいね」だけで済む場面も多いと話します。毎回ありがとうございましたと長文を返すのはトークンの無駄で、返答すべきか「いいね」で十分かをJevに判断させたいとハヤカワさんは言います。
そこに私の貴重なお金を使わないでほしい。
「わからない」と言えるAI、確率を出すJevの強み
usutakuさんは、Jevのもう一つの強みとして、明確に確率分布を出せる点を挙げます。「99%いいねすべき」といった形で、判断の確信度を数値で示せるといいます。
従来のAIは、いったん決めた答えをそのまま出してしまうとusutakuさんは説明します。トランスフォーマーの仕組み上、確率の高い候補を選んで出力し続けるためです。トランスフォーマー ── 現在の生成AIの多くが採用している仕組み。次に来る言葉の確率を計算しながら文章を生成していきます
これに対しJevは、毎回すべてに確率を出すため、曖昧なものには答えないという選択ができます。確信度の低いケースだけ人間にエスカレーションする運用が可能になるわけです。
曖昧なものがあったら人間に全部エスカレーションするみたいなことができるんですよね。なんでこれ世の中のカスタマーサポートの仕組みとかマジで変わると思うんですよ。
ハヤカワさんは、これまでのAIは入力が来た以上、何かしら答えなければならず「わからない」と言えないのがつらいところだったと指摘します。ハルシネーションが起きる背景にも、この構造があるとusutakuさんは補足します。ハルシネーション ── AIが事実と異なる内容を、もっともらしく出力してしまう現象。日本語では「幻覚」とも呼ばれます
さらにハヤカワさんは、カスタマーサポート以外の仕事にも視野を広げます。人間の仕事の多くは、Jev的な判断を何回か重ねたものではないかと考えます。
Jeb的なこの判断を3回くらい重ねると、一般の人が普段してる仕事になるんじゃないかな。最後だけGeminiみたいなそのテキストを出すやつ挟むとかさ。
なお、Jevは通常ウェイトリスト登録が必要ですが、二人とも前夜にリストへ登録したところ、翌朝には使えるようになっていたと共有します。
Claude Coworkが統合、「Codeか、それ以外か」でいい
次の話題は、ClaudeのCoworkとChatが統合されたニュースです。これまでタブで切り替える形が分かりにくかったのが、一本化されたとハヤカワさんは説明します。
(Coworkの切り替えは)ちょっとむずすぎるだろ、あれは。誰もわからないだろって思ってたんで良かったです。
usutakuさんは自分はCoworkをあまり使わず、Claude Codeで済ませてしまうと話します。一方ハヤカワさんはCowork派で、会社の環境ならなおさら使うと語ります。
二人は、CoworkとClaude Codeの使い分けも分かりにくかったと振り返ります。ハヤカワさんは、コードを扱う人はCode、それ以外はCoworkという整理でいいと言い切ります。
その理由として、Claude Codeは実行の可否を判断できない人には危険だと指摘します。リスクの判断がつかない人は原則Coworkというのが、ハヤカワさんの結論です。
普通に全データぶっ飛ばすとか平気でありますからね。
ハヤカワさんは、Cowork自体には不満がないと話します。定期実行が便利で、最近のモデルならスキルを細かく書かなくてもある程度動いてくれるといいます。
Astra大幅修正でコスト激減、モデルが賢すぎて過去のやり方が古びる
三つ目のニュースは、Astraの大幅修正です。usutakuさんによれば、今週のアップデートで、無駄にトークンを使ってしまう致命的な不具合が直ったといいます。Astra ── 番組内でハヤカワさんとusutakuさんが呼んでいるAIモデルの通称。文脈からOpenAIのコーディングエージェントCodexを指していると考えられます
この修正は、Codexの責任者であるTiboの発言をきっかけに知ったそうです。実際に使ってみると確かにトークン消費が減ったとusutakuさんは報告します。
さらにusutakuさんは、既存のスキルがAstraには冗長になっている点にも触れます。Astra用に作り替えたところ、スキルが60%ほど短くなったといいます。
昔は「あなたはプロの編集者です」といった大量のプロンプトを書く文化がありました。モデルが賢くなった今、スキルやagents.md、cloud.mdは全体的に短くしてよいとusutakuさんは話します。
なんで一回全部ゼロにしちゃっていいと思ってますね。
ハヤカワさんは、この変化を分かりやすい比喩で表現します。モデルが良くなりすぎて、過去のやり方が使えなくなってくるという感覚だといいます。
usutakuさんは、こうした環境の見直しはハーネスエンジニアリングと呼ばれることもあると補足します。手元の環境を一度点検してみるとよいと勧めます。
3日で終わった原稿、AstraとJevが変える創作の現場
ハヤカワさんは、Astraの具体的な活用例を紹介します。ちょうど本を書いていて、iPad版Wordにペンで手書きの赤入れをした原稿を、PDFと一緒にAstraへ渡したそうです。
するとAstraは、手書きの修正をWord形式にすべて反映し、校正用のアカウント名で適切な場所にコメントまで入れてくれたといいます。以前は苦手とされていた作業だっただけに、ハヤカワさんは驚きます。
この本は、ハヤカワさんがAI時代に入ってから初めて書く一冊です。3か月ほど手こずっていた原稿が、最後はAstraのおかげで3日で終わったといいます。
もう全部もうAstraが正しいですって気持ちになってもうなんかそれでいきましょうしか言ってなかった、私は。
6万字ほどの原稿を渡し、全体で筋が通っているか、主張がぶれていないかを見てもらうと、的確なフィードバックが返ってきたそうです。トンチンカンではない指摘に、ハヤカワさんは信頼を寄せます。
usutakuさんは、こうした作業もJevを使えばさらに変わるだろうと話します。人間には、これほど速く判断することはできないと二人はうなずき合います。
もうAGIは達成されている?「人間を買いかぶりすぎ」
usutakuさんは、AstraはすでにAGIなのではないかという世間の声を紹介します。2024年に今のAstraやJevが出ていたら、AGIと呼ばれていただろうと語ります。AGI ── 汎用人工知能。特定の作業だけでなく、人間と同等かそれ以上に幅広い知的作業をこなせるAIを指す言葉です
毎日進歩が一歩ずつ階段になってきてるから、AGIって呼ばれてないだけで、まあもうすでにAGIって達成されてるんだろうなってなんとなく思いますね。
ハヤカワさんは、むしろ「人間と同等」という定義そのものが今のAIに失礼だと言います。すでに別の戦いが始まっているという感覚です。
人間を買いかぶりすぎてるよ、みんな。
ハヤカワさんは、人間の判断も意外とシンプルだと指摘します。目の前のコップを見て、金属でできていてと長文を出力するわけではなく、コップかどうかをパッと判断しているだけだといいます。だからこそ、Jevの切り口が鮮やかに映ったと振り返ります。
Jevみたいなことがあったらいいなっていうのは、出てきたらこれだなって思ったけど、自分からは出てこないから、やっぱね、自分の愚かさを感じますね。
usutakuは「AIソムリエ」か「AI王子」か
自分の役割を語る中で、usutakuさんは新しい肩書きの構想を打ち明けます。「AIソムリエ」を名乗りたいというのです。
その理由は、ワインソムリエになぞらえたものでした。開発者ではないけれど、大量のワインを吟味し、良し悪しを語れる存在だといいます。
毎日新しいAI触って、どういうユースケースがあるかを考えて、世の中にその違いとか差分とかを説明するみたいな仕事で、AIソムリエだなと思って。
一方で、以前は「AI王子」を名乗ろうかと考えていたことも明かします。ハヤカワさんはこちらにも賛成します。二人は、AIのテイスティングコメントをワインのように語る妄想でひとしきり盛り上がります。
usutakuの相棒、複数AIを束ねる「AGIコックピット」
usutakuさんの雑談コーナーでは、AI王子として国民に語りかける体で「AGIコックピット」を紹介します。友人でAGIラボを運営する石川さんが作っているツールだといいます。
AGIコックピットは、複数のAIを一つの操縦席から使えるツールです。usutakuさんはClaudeとCodexのアカウントを2つずつ、合計4つ持っており、これらを一箇所で切り替えられると説明します。
通常なら、それぞれのデスクトップアプリを開き、ログアウトとログインを繰り返す必要があります。AGIコックピットは使用量の多い順に並べたり、残量に応じて自動で振り分けたりしてくれるといいます。
ほんと何も考えずに使えて、便利っていう感じですね。
ただし、初心者向けのUIにはまだ課題があるとusutakuさんは正直に話します。自分でも分からない箇所が多く、石川さんにオンボーディングしてもらったといいます。
(僕がわからないなら)多分非エンジニア誰もわかんないですよ。
このあと二人は、王子や姫の肩書き、乗馬やダンスといった振る舞いの話で長く盛り上がります。usutakuさんの肩書きを「AIソムリエ」にするか「AI王子」にするかは、リスナーの投票にゆだねられました。
最後の警告、トークンコストで「使えなくなる」日が来る
ハヤカワさんの雑談コーナーの主題は、トークンコストへの危機感です。今のように自由に使える時代は、これが最後になるかもしれないと語ります。
コストが高い割に、全社で何百万、何千万、下手をすれば何億とかけて、それに見合う売上や利益が出ているかは微妙だとハヤカワさんは指摘します。
AI推進を始めた頃は、ROIを説明できなくても、まず使ってもらうために予算を確保していたといいます。しかし今は、当時想定していたコストやパフォーマンスを超える負担になっていると振り返ります。ROI ── 投資対効果。かけた費用に対して、どれだけの利益や成果が得られたかを示す指標です
上位プランの縮小も、この危機感を裏づける材料です。OpenAIはChatGPTの高額プランの新規受付を止めており、採算が合っていないのではないかと二人は見ています。
ハヤカワさんは、今後は月30ドルほどのサブスクに従量課金を組み合わせる形が主流になると予想します。そのとき今の使い方ではコスパが合わなくなると警告します。
- トークンコストをどう抑えるかを各自で考える
- JevやGeminiの新モデルに一部の仕事を代替させる
- AIで上がっているパフォーマンスを説明できるよう備える
ハヤカワさんは、コストの説明やパフォーマンスの証明を求められるタイミングが、年始や来年夏には必ず来ると予言します。ジャブジャブ使って可能性が見えた今こそ、使い方を絞る時期だと呼びかけます。
皆さんそろそろ考え直してくださいって話を一応予告だけしておきます。
まとめ
この回の中心は、判断だけに特化して爆速・低コストを実現した新AI「Jev」の登場です。速さと確率で答える強みが、カスタマーサポートをはじめ多くの仕事を変える可能性が語られました。同時に、膨らむトークンコストへの危機感という現実的なテーマも示されています。
- Jevは人間向けの説明を省き、判断だけに特化することで爆速・低コストを実現した新しいAI
- 20件のメール分類でJevは5.1秒。Claude Sonnetの2倍、GPT Lunaの6倍の速さだった
- Jevは確率分布を出せるため、曖昧なケースは答えず人間にエスカレーションできる
- Astraの修正でトークン消費が減り、モデルが賢くなったぶんスキルやプロンプトは短くしてよい
- トークンコストが膨らみ、自由に使える時代が終わる可能性がある。使い方を絞る備えが必要







