ひとりでフェスに行くのは、意外と普通のこと?
今回の雑談のきっかけは、伏見さんが収録の前の週末に、ひとりでフェスへ出かけたことです。伏見さんはそこで、初対面の人と友だちになったといいます。
私がね、すごい最近なんだけど、この収録の前の週末ぐらいのタイミングで、一人でフェスに行ったですよ。
で、そこではじめましての友達ができたという話をしようかなと思って。
イトウさんは「すごい」「羨ましい」と反応します。伏見さんによると、フェスにひとりで来る人は男女問わず意外と多く、会場に向かう道中でもひとりで歩く人をよく見かけるそうです。
伏見さん自身も、人と一緒に行くのを楽しみつつ、何度かひとりでフェスに参加してきました。椅子とピクニックシートがあれば、ぼーっとしたり、ステージを見に行ったり、ご飯を食べたりと、ひとりでも好き勝手に過ごせるといいます。
なんかそれはそれで、大勢の中に紛れるしね、別に。
一方で、若い頃はひとりで行くことを恥ずかしく感じたり、初めてだと「ひとりで大丈夫かな」と不安になったりするものだと、ふたりは振り返ります。Sense of…にはひとりで何かをする記事が多く、伏見さんのひとりフェスもその行動のひとつとして話されています。
第1回のフェス、シャトルバス乗り場はどこ?
伏見さんが今回行ったのは、記念すべき第1回のフェスでした。会場は人里離れたキャンプ場で、車で現地に入る人が多い場所だったといいます。
伏見さんは運営を批判する意図はないと何度も断ったうえで、最寄り駅に降り立ったとき、シャトルバスの乗り場の案内が見つからなかったことを話します。
私が行きたい会場のバスがどこから乗ればいいのか全然わからんって一人でちょっとパニックになってて。
駅員に出口を確かめてから降りたものの、ロータリーには地元のバスが入ってくるだけでした。時間は迫り、予定の時刻になってもバスは来ません。そのとき伏見さんは、同じように困っている人がいることに気づきます。
困った者同士が「パーティー」になるまで
伏見さんが最初に話したのは、小学校中学年くらいの子ども2人を連れたママさんでした。目が合って「もしかしてバス探してます?」と、どちらからともなく声をかけたといいます。
ひとりで悩んでたことが一気に、急になんか[ドラクエ](ドラゴンクエスト)のパーティーみたいな感じで仲間が増えたわけ。
伏見さんは、仲間が増えただけで心強く、ほっとしたと振り返ります。タクシーで20分ほどかかる距離だったため、もうひとりの大人が地元のバス会社に乗り場を尋ね、駅から少し離れた場所だとわかりました。
その乗り場には、もうひとり不安そうな女性が待っていました。伏見さんが「ここもしかしてバス待ってます?」と声をかけ、さらに仲間がひとり増えます。
話が込み入ったため、イトウさんが状況を確認する場面もありました。伏見さんの整理では、大人3人と子ども2人の一行になり、結局バスを1本逃して時間をかけて会場へ向かったそうです。
駅で迷う
シャトルバスの乗り場の案内が見つからず、伏見さんはひとりで焦る
ママさんと合流
目が合い、子ども2人を連れたママさんと声をかけ合う
乗り場を探す
ママさんが地元のバス会社に尋ね、駅から離れた乗り場がわかる
3人目と合流
乗り場で待っていた女性に声をかけ、大人3人・子ども2人に
バスを待つ小1時間で何が起きたのか?
バスを待つ時間と乗っている時間に、一行はたくさん話しました。見に行く推しアーティストが同じだったり、年齢も近そうだったりと、共通点が見えてきたといいます。子どもたちの無邪気さも、場を和ませてくれました。
なんか最初すごい不安だったのに、一気に力強いお友達ができたっていうか。
イトウさんは、みんなが困っていたからこそ団結したのではないかと話します。伏見さんも最初はそうだったと認めつつ、その後は互いの話に関心が移っていったと振り返ります。
乗り場で待っていた女性は地方から来ていて、伏見さんたちは「どういうスケジュールなんですか?」「この後どうするんですか?」と尋ねたそうです。
困ってたとこからスタートしたけど、それぞれが持ってきたストーリーというかさ、その場に集まったストーリーを、みんなちょっとずつ話して。
最初に会ってから会場に着くまで、小1時間ほど。到着すると「行くだけで疲れたし、まず乾杯しましょう」となり、ステージを待つ間もずっとおしゃべりが続いたといいます。
バス乗り場がわからず、ひとりで不安と焦りを抱えていた
推しが同じ仲間ができ、乾杯してステージ待ちの間もおしゃべりを楽しんだ
初対面で会話がうまく回るのはなぜ?
イトウさんは、3人とも知らない人と話せるタイプだったからではないかと考えます。知らない人同士だと、片方だけが一方的に話す形になりがちだからです。
伏見さんも、誰かだけが話しすぎることはなく、バランスよく会話が回っていたと振り返ります。相手の話を聞き、自分も気になったことを聞く。子どもが「ねえねえママあっち」と茶々を入れる場面もありつつ、会話は自然に続いたそうです。
大人になってさ、知らないところで知らない人と仲良くなるってなかなかもうないから、すごく貴重な(出会い)だなと思って。
「みんなでお茶しません?」と言える人のありがたさ
伏見さんは以前、女性向けウェブメディアの仕事でイベント運営を担当していました。ひとりで来た読者やインフルエンサー同士を、年齢や好きなブランドが近そうだと思ってつなぐこともあったといいます。
編集の仕事の座談会でも、ひとりずつ来た参加者が最後に「みんなでお茶して帰りません?」となる場面をよく見てきたそうです。伏見さんは、それを女性同士の仲良くなる力として話します。
これにイトウさんは、誰かが声をかけてまとめないと、自分はもじもじしてしまうタイプだと打ち明けます。
例えばお茶したいなって思っても、自分からはなかなか言い出せなくて、誰かが言い出してくれたらいいのになって思っちゃうタイプなのよ。
よかったらこの後みんなでとか、そういう風に言ってくれる人の存在ってめちゃくちゃなんかありがたい。
伏見さんは、スタッフ側として初対面の人たちが仲良くなる場面を見てきた経験が生きて、今は自分が「言い出せる側」になったのかもしれないと受け止めます。
会話のバランス感覚は大人になって身につく?
伏見さんは、昔から声をかけられるタイプだったかには自信がないといいます。ひとりで話しすぎず、会話のバランスが回るほうがみんな過ごしやすいという感覚は、10代ではあまりわからなかったと話します。
だんだんみんなが心地よくいられるのって、こういうバランス感なのかなとかを学べてからできるようになった気がする、私は。
伏見さんは、10代の女の子同士の仲間外れのようなことがある世代を通ってきたことや、仕事でスタッフをしてきた経験を通じて、みんながなんとなく心地いい過ごし方を学んだ感覚があるといいます。
10代は、会話のバランスがみんなの過ごしやすさにつながることがよくわからなかった
仲間外れのある世代やイベントスタッフの経験を経て、心地よい距離感を学んだ
大人ならではの、ちょうどいい場の過ごし方
伏見さんは、フェスのバスの中でMC役をしていたつもりはないと話します。自分だけでなくほかの2人も、この出会いをいい感じで過ごしたいと思ってくれたのかもしれないと振り返ります。
バスの中では、誰も黙り込むことはなく、かといってずっと話し続けていたわけでもありませんでした。流れていく景色を見て「そろそろかな」とキョロキョロしたり、話し出せば「キッチンカーも結構出てますね」と情報をシェアしたりしたそうです。
大人ならでは感があったのかもしれない。
約束なしで1日一緒に過ごし、推し友に
イトウさんは、1日一緒にいたのは約束したからなのか、自然な流れだったのかを尋ねます。伏見さんによると、「一緒にいて大丈夫ですか?」と気遣ってくれる人がいたそうです。
子ども連れのママさんは別の待ち合わせがあって途中で離れ、伏見さんは乗り場で待っていた女性とほぼ1日一緒に過ごしました。その女性は「一人で回りたかったら言ってくださいね」と声をかけてくれていたといいます。
2人とも推しが同じで、しかもこれまで推し友達がいなかったことも、話が弾んだ理由のひとつです。SNSで推し友を探すことも珍しくない時代ですが、2人はそうしたつながりをわざわざ作るタイプではありませんでした。
積極的に推し友達とかを作ろうとは思ってなかったけど、自然に推し友達ができたのであれば喋りたいみたいな。
次のライブで、また会えますね
イトウさんが、今後一緒にライブへ行く話になったのかと尋ねると、伏見さんは「そうなの」と答えます。ただし改めて誘ったわけではなく、お互い次に行くライブがすでに同じだとわかったのだそうです。
相手は遠方に住んでいて、普段行くエリアは違います。それでも同じチケットが取れているとわかったので、一緒に見るというより、見る前後に少しご飯に行けそうですね、という話になりました。
いや、それすごい理想じゃない?なんかそんな風にして仲良くなることなんてないよ、大人になって。
伏見さんが「バス乗り場は分かりにくかったんだけども」と笑うと、イトウさんは「それがなかったら出会いがない」と返します。淡々とひとりで回るつもりの装備で行ったのに、まったく違う過ごし方ができたと伏見さんは振り返ります。
帰りはそんなちょっと、今日何だったんだろう、不思議な日だったなみたいな感じで帰ってきた。
LINEではなくインスタを交換した理由
伏見さんがいいなと思ったのは、連絡先として交換したのがLINEではなくインスタだったことです。
伏見さんには以前にも、フェスで見ていたエリアが近かったことから、ママとパパと3歳くらいの子ども、20代くらいの男の子と仲良くなった経験がありました。そのときも交換したのはインスタでした。
伏見さんは、インスタのストーリーズ ── Instagramで投稿した写真や動画が24時間で消える機能。フォローしている相手の日常を、気軽に眺められるのが特徴ですで時々近況が流れてくるくらいの距離感がいいと感じ、今回も「インスタやってます?」と声をかけたといいます。
ストーリーズで時々近況が流れてくる、ゆるい距離感でつながれる
今回は選ばなかった方法。伏見さんはインスタの距離感のほうがいいと感じた
一行はインスタのDMグループを作り、「また会いたいですね」と言って別れました。イトウさんは、いい距離感で続いていけたらすごくいいと話し、最後まで「羨ましい」と繰り返します。
まとめ
ひとりで出かけたフェスで、伏見さんはバス乗り場に迷ったことをきっかけに、同じく困っていた人たちと仲良くなりました。会話のバランスを大切にしながら互いのストーリーを聞き合い、推し友として次の再会まで自然につながっていく様子が語られています。
- ひとりでフェスに参加する人は意外と多く、椅子とシートがあれば自由に過ごせる
- バス乗り場に迷った者同士が声をかけ合ったことが、新しい出会いにつながった
- 誰かが話しすぎず、聞き合うバランスが初対面でも心地よい場をつくる
- 「みんなでお茶しません?」と言い出してくれる人は、もじもじしがちな人にとってありがたい存在
- インスタで近況がときどき流れてくるくらいの距離感が、大人の友だちづくりにちょうどいい







