予約受付は本当にメリットだらけなのか
この回のテーマは「予約受付よりも前から集める」です。ボードゲームをどうビジネスとして進めるか、そのヒントを扱う内容になっています。
ボードゲームをゲームマーケットなどで発売する際、一般的なのが予約受付です。予約を受け付けておくと、当日どれくらい売れるのかという確約が早い段階で得られると説明されています。
特に遠方から来る出展者にとって、当日何個持っていけばいいかという販売予測は重要です。予約がどれだけ入っているかを基準に、その予測を立てる人も多いのではないかと話されています。
さらに、予約を受け付けているという告知活動自体がプロモーションになる面もあります。予約の受付数が多いと、それ自体が口コミにもつながると、以前の配信でも触れられています。
予約を受け付けるってめちゃめちゃメリットだらけだと思うんですね。
Mana自身、予約なしで挑んだときは微妙な感じがあったといいます。そのため、予約はぜひとも受け付けたほうがいいという立場です。
予約より「もっと前」から集めるという発想
問題は、予約を受け付けるタイミングです。多くの人は、製品が出来上がってから販売に向けて予約を受け付けます。
この回で提案されているのは、それよりもかなり早く、自分のボードゲームを欲しいと思ってくれそうな人をどんどん集めておくという考え方です。
これは単に、Xでフォロワーを集めれば購入者リストになる、という話ではありません。あくまで、そのボードゲームを買ってくれる可能性のある人をどれだけ集めておけるか、という点が肝になります。
ではどれくらい早くから始めればいいのか。Manaは、そのボードゲームを作り始めた段階、いわば構想段階からでいいと考えています。
構想段階で集めるのは「予約」ではなく「クーポン希望者」
構想段階では、まだ何ができるのかわからない状態です。この段階で予約を募集しても、ほとんど入ってこないと考えられます。つまり、集めるのは「買ってくれる人のリスト」そのものとは少し違います。
では構想段階から集めるべきものは何か。それは「これが出来上がったら何パーセントオフになるクーポン」だと説明されています。
予約の場合は、予約割引や予約特典で、ほぼ買うと決めている人を集める意味合いになります。一方でManaが言っているのは、「ちょっと面白そう」「どうせ買うなら安いほうがいい」という段階の人です。
これに興味がある人はここに登録してください。そうしたらクーポン券を渡します。実際に発売になったら何パーセント割引になりますよみたいな、そういうものでいいと思うんですね。
つまり作り始める段階から、もう集め始めてしまうわけです。もちろんその段階なので実際には買わない人もいますが、買う可能性のある人はクーポンがあればお得に買えるため、登録してくれる可能性があります。
制作過程を発信しながら、飽きさせずに集め続ける
重要なのは、これを単発でやらないことです。ボードゲームづくりは、ゲームジャンルやテーマの構想からスタートし、そこから制作が続いていきます。
作者にすでに信用があれば、構想の段階でクーポンが欲しい人が登録してくれます。まだファンがついていなくても、テーマが決まった、ゲームルールをこう考えている、といった制作過程を随時発信していけば状況は変わります。
発信を続けるうちに、「これ面白そうかも、どうせならクーポンが欲しい、登録しておこう」という人がちらほら出てきます。ゲームが出来上がっていくほど、その数は明確に増えていくと考えられます。
初期段階から登録していた人に対して、飽きさせないコンテンツを定期的に提供できる点も重要です。少しずつ出来上がる様子や、作者が悩んだ末に完成へ近づく過程を、一緒に見ていけるからです。
その悩んだ末、努力した末、苦労の末にこれが出来上がってるんだなっていう過程を一緒に見ていく、いけるわけなんですね。なので、応援しがいもある。
デザインが出来上がってきたら、発信のたびに「クーポンが欲しい人は発売時にお送りするので登録しておいてください」と案内していきます。制作過程を発信するたびに、それを繰り返し伝えていくわけです。
集まったリストは「製造数の予測」に変わる
こうして進めると、いざ印刷にかけようという段になったとき、すでにかなりのリストが溜まっているはずです。クーポンを欲しがっているということは、そのボードゲームを買ってもいいと思ってくれている人たちだと整理されています。
そのリストが何人溜まっているかで、何個製造すべきかという製造予測まで立てられることになります。
しかもこのリストは、単に興味がある人の集まりではありません。申し込んだ後に制作過程を追ううちに期待も理解も深まり、その時点では「買いたい」という状態になっていると考えられます。
そこでできたリストっていったものは、単純に興味がある人だけではなくて、結構な確率で買いたいなって思ってる人たちであると私は思います。
この予測をもとに製造数を決めて実際に製造し、そのうえで従来どおり予約受付をして、当日何個持ち込むかを決める。これが一番きれいな流れだと話されています。
構想段階
クーポン希望者の登録を受け付け始める
制作過程の発信
テーマ・ルール・デザインの進捗を発信し、登録を増やす
製造前
溜まったリストを基に製造数を予測して製造する
発売前
従来どおり予約受付をして当日の持ち込み数を決める
クラウドファンディングにも応用できる仕組み
このスキームは、クラウドファンディングにも通用するとManaは考えています。クラウドファンディングは、企画から応援を集めて製造数を決め、製造していくパターンです。
ただし構想段階では、クラウドファンディングでも応援は集まりにくいものです。実際に始める段階では、モックもデザインも完成し、商品が決まっている状態が前提になります。ある意味、予約よりも前の先行予約のような意味合いです。
一方、構想段階から「クーポンが欲しい人」を集めておけば、製造をかけるタイミングでその数を基に一気に製造するだけでなく、そこでクラウドファンディングを行う展開もあり得ます。
早い段階から応援してくれていた人には、クラウドファンディングでも優位性を持たせるべきだと話されています。告知すればそうした人はすぐ応援してくれるため、初速の伸びも良くなると考えられます。
なぜクーポン配布が「ちょうどいい塩梅」なのか
ポイントは、「買ってくれる人を集める」とダイレクトに募集すると、なかなか集まらないことです。そこで、「こういうボードゲームを作ろうと思っている。できたら10パーセントオフにするので、クーポンが欲しい人はここに登録してください」という告知をし続けるだけでいいと説明されています。
この形なら、クーポンを使うかどうかは登録者の自由で、強制力もありません。いければ先行決済までやってもらえるほうがキャッシュフロー的にはいいものの、それはまだ敷居が高いと考えられています。
なので、ちょうどいい塩梅がクーポンの配布ぐらいかなとは思いますね。
新作の割引クーポンが欲しい人はこちら、というものを制作過程とともに発信していく。そうすれば、何個作るか、何個売れるかという予測がやりやすくなり、それ自体がファンを構築するプロモーションの一環にもなります。
この配信では以前からプロセスエコノミー、つまり作る過程を発信すると楽しみにする人が溜まっていくと話されてきました。ただ、それはふんわりとブランディングが積み上がる形にとどまりがちです。
そこで、溜めていく箱をクーポン券と引き換えに用意することで、購入してくれそうな人たちのリストを、より具体的な形で溜めることができると整理されています。
実際にどう募集するか。運用の悩みと具体案
このやり方は、Manaも近々試してみたいと考えています。ただ、どうやって応募を集めるかはまだ悩んでいる段階です。
どういうふうにその応募を集めるのかっていったところがまだちょっと悩んでいますね。
候補として挙がっているのはGoogleフォームです。メールアドレスさえあればよいので、新作クーポンの受付フォームを用意しておく形が考えられています。
実際に発売するタイミングになったら、登録者へメールでクーポンコードを連絡します。当日そのコードを知らせてもらえばさらに割引にする、遠方の人向けに通販にもコードを対応させる、といった運用が必要になると話されています。
Manaが使っているネットショップはBoothですが、クーポンコードの機能がなかったかもしれないといいます。その場合は、通販希望か当日受け取り希望かをアンケートで確認し、通販希望者にはその人しか買えないシークレットの商品ページを案内する方法が考えられます。
- Googleフォームで新作クーポンの受付を用意する
- 発売時にメールでクーポンコードを連絡する
- 当日提示でさらに割引、通販にもコードを対応させる
- コード機能がなければ通販希望者にシークレットページを案内する
リスクはない。だからやっておいて損はない
要は、予約受付よりも早い、作り始めた段階から、興味を持っている人を受け止められる受け皿を作っておく必要があるということです。必要というより、やっておくと良いことずくめだと話されています。
しかも、この方法にはリスクがないと考えられています。仮に応募がゼロ件でも、それは今まで誰もやっていないので、これまでと同じです。普通に予約を受け付ければいいだけです。
応募してきた人に安く渡すのが嫌だという考えもあるかもしれません。ただManaは、早い段階から応援してくれる人には優位性を持たせてもいいという立場です。
やっぱり早い段階から応援もしてくれますし、それに対してやっぱり優位性といったものは持たせてもいいのかなとは思います。
そうした人たちがいるからこそ口コミにもなり、製造数の予測にもつながります。それへのお礼という意味でも、クーポンで安く下ろす形でいいのではないかとまとめられています。
ボードゲームは売るのも作るのも、個人でやるには負担が大きいものです。だからこそ、こうした固い進め方を考えて実行していくことが、長く作り続け、長く売っていくために必要な考え方だと締めくくられています。
まとめ
この回では、予約受付よりも前、構想段階から購入希望者をクーポンで集めるという方法が提案されました。制作過程の発信と組み合わせることで、集客・製造数の予測・プロモーションを同時に進められる点が語られています。
- 予約受付は販売予測・早期の確約・プロモーションの面でメリットが大きい
- さらに前の構想段階から、割引クーポン希望者という形で買う可能性のある人を集めておく
- 制作過程を発信し続けることで、飽きさせずに登録を増やし、期待と理解を深めていく
- 溜まったリストは製造数の予測に使え、クラウドファンディングにも応用できる
- 応募ゼロでも従来と同じでリスクがなく、早くから応援する人への優位性としてクーポンを配る


