ビジネス系YouTubeに登場するボドゲ関連の人たち
番組「ボドゲの天下取り」のこの回のテーマは、ビジネス界隈とボードゲームです。ボードゲームは趣味という位置づけが強いなかで、それがビジネスにどう展開できるのかをMana(マナ)さんが考えます。
Mana(マナ)さんは、ビジネス系のYouTubeを見るのが好きだと話します。具体的には令和の虎 ── 起業家や事業者が虎と呼ばれる投資家に事業プランを提示し、出資を募る形式のビジネス系YouTube番組。志願者と虎のやり取りが人気を集めているやリアルバリューといった番組をよく見ているそうです。
そうした番組には、ボードゲーム業界に携わる人がちょいちょい登場すると言います。Mana(マナ)さんはそこに可能性を感じ、注力して見ているとのことです。
これまで見たなかには、人狼のプロリーグ化を目指す人、防災系カードゲームを広めたい人、ボドゲの大会やイベントを広めたい人、麻雀と大富豪を合わせたようなゲームを持つ人などがいたと振り返ります。
ただし番組上でビジネスプランとして評価されたかというと、結構皆さん撃沈だったとMana(マナ)さんは見ています。夢を語るだけ、あるいは商品を売りたいだけになりがちで、ボドゲをビジネスにするのは難しいのかもしれないと考えていたそうです。
なぜカードショップ社長がビジネス系で発信するのか
そこでMana(マナ)さんが引き合いに出すのが、トモハッピー社長です。元々令和の虎に出演し、最近はリアルバリューに出ている社長で、トレーディングカードゲーム ── ポケモンカードなどに代表される、コレクションや対戦を目的としたカード型のゲーム。近年は高値で取引されるカードもあり、投資対象としても注目されているのショップを大規模に展開している人物です。
トモハッピー社長は年商が何百億という規模で、目指せ1兆円とも話していたと言います。Mana(マナ)さんはここで一つの疑問を持ちました。
カードゲーム屋の社長が、なぜそこまでビジネスインフルエンサーとしてSNSを頑張るのか。番組を見た人が「よし、じゃあTCGを買おう」とはならないのではないか、という違和感です。
全然あの、いわゆるターゲット層が視聴者層と合っていないというような違和感といったものもありました。
本人は業界を盛り上げるためと言っているものの、それだけでは説明がつかないとMana(マナ)さんは感じます。そこで、なぜこの人はこれほど発信するのかという裏側のテーマを考えたところ、大きく3つの戦略があるのではないかと整理しました。
戦略その1、仕入れのための安心感づくり
1つ目の戦略は、仕入れに関わるものです。Mana(マナ)さんは、TCGショップの商売では売ることよりも、ちゃんとした良い商品を仕入れる方が大変なのではないかと見ています。
ポイントは、TCGが今とても高いことです。ポケカが高値で取引されるように、安い遊び道具の売買という状態からは変わってきていて、投資商材のようになっているとMana(マナ)さんは指摘します。
売買される金額は何十万、何百万にもなります。ショップからすれば仕入れですが、カードを持っている人からすれば売る行為にあたります。
この売る人の心理には、ぼったくられないか、詐欺られないかという不安があるとMana(マナ)さんは言います。市場価格が50万円なのに傷を理由に10万円と言われたり、知識のなさから安く買い叩かれたりしないか、という不安です。
そこで効いてくるのが、顔出しをして知名度もある社長という立場です。もし不義理をすれば大炎上し、世間からバッシングを受けます。
つまり知名度が、ある意味で人質のように働くわけです。トモハッピー社長クラスになると、店を畳んで別の店を立ち上げて逃げる、といったこともできません。
そういった知名度みたいなものが、ある意味人質のような状態になっているというふうになります。
その結果、どうせ高額なカードを売るなら、変な小さな店より有名なところに売ろうという心理が働きやすくなります。Mana(マナ)さんは、これが仕入れに寄与しているのではないかと考えます。
高額カードを持つ人はビジネスユーザーが多い
Mana(マナ)さんは、仕入れの話をさらに掘り下げます。何十万もするレアカードを持っているのは、よほど運の良い人か、投資用に買った人、コレクションしていた人で、基本的には金銭的に余裕がある人だと考えます。
金銭的に余裕がある人とはどういう人か。自分で事業をやっていたり、バリバリ仕事をして投資や資産運用に興味があったりする、ビジネスユーザーが多いのではないかとMana(マナ)さんは見ています。
お金があるってことはお金を稼げてるっていうことだと思いますので、お金を稼げてる人ってやっぱりビジネスなのかなみたいな、そういうふうな形になると思います。
ここで話がつながります。カードを持っていそうな人の層を広げると、ちょうどビジネス系YouTubeのターゲット層とフィットするわけです。
令和の虎やリアルバリューの視聴者にはビジネス系で金銭的に余裕のある人が多いと考えられます。つまり、仕入れたい相手に存在を知らせつつ、すでにある知名度を人質として、安心して売りに来てもらう狙いがあるのではないか、というのがMana(マナ)さんの読みです。
ここが結構ビジネス的な肝だと思いますね。
だからこそ、トモハッピー社長は「カードゲームショップやってます、皆さん買ってください」という立ち回りはしていない、とMana(マナ)さんは指摘します。ビジネスユーザーに向けて自分の知名度を上げる、その一点が一貫しているという見立てです。
戦略その2、採用への効果
2つ目の戦略は採用です。求人広告にはお金がかかり、良い人材を取るのは大変ですが、知名度はここでも良い方向に働くとMana(マナ)さんは考えます。
カードショップは店舗運営なので、働くスタッフが必要です。応募のエントリー数は認知に直結し、全然知らない店より知っている店に勤めたいと思うだろう、という理屈です。
一方で、求人を広めすぎると変な人ばかり応募してきて面接が大変になる、という難しさもあるとMana(マナ)さんは触れます。
その点、トモハッピー社長の認知はビジネスユーザー中心です。今バリバリ稼いでいなくても、ビジネス感度の高い優秀な人が見ていると考えられ、応募してくる人材も有能な場合が多いのではないかと見ています。
ほんとちょっとしたアルバイトカードショップやりたいみたいな感じではなくて、そういったビジネスが好きでみたいな話がわかる人がカードショップに入ってくると。
インフルエンサーとのタッグで直接的な客層へ
採用の話は、インフルエンサーとの連携にもつながります。トモハッピー社長自身が有名になり影響力を持つと、他のインフルエンサーとタッグを組めるようになるとMana(マナ)さんは言います。
例として、すだちゃんという有名なインフルエンサーが社員に入ったという報告があったことを挙げます。知名度かける知名度で相乗効果が生まれ、お互いの知名度が上がるスキームだという見方です。
こうした人はビジネス界隈というより、トレーディングカードゲーム界隈のインフルエンサーです。その発信は、実際にカードを買うお客様、つまり直接的な客層へのアプローチになるとMana(マナ)さんは整理します。
ビジネスユーザーへの認知に加えて、直接的な客層への認知も間接的に取れる。採用と、影響力を持つ存在の獲得が、ビジネス界隈で知名度を上げることで良い方向に動いている、という読みです。
戦略その3、業界全体を盛り上げる大気の効果
3つ目の戦略として、Mana(マナ)さんは業界全体の盛り上がり、大気の問題を挙げます。業界の市場が上がれば、各分野で戦う人たちの業績も上がるからです。
例えば社長が年商を公表すると、なぜあんなにお金を持っているのか、TCG業界は盛り上がっているのか、という印象を与えられます。そこから、TCGはすごい、カードは高く値上がりする、投資効果もある、という認知が広がるという流れです。
そうなると投資目的で買う層にもアプローチできます。先ほどは売ろうという心理でしたが、今度は買おうという心理です。お金を持つ人たちが、どうせ買うなら知っているところから、と手を出しやすくなるわけです。
これらを踏まえてMana(マナ)さんは、どのルートも良い手だと評価します。トモハッピー社長はピエロ的で破天荒な動きをするものの、裏ではちゃんと考えている策士なのではないか、という見立てです。
本人からの引用リツイート、読みは当たっていた
Mana(マナ)さんは、この話の内容をXに投稿してみたと言います。すると、その投稿にトモハッピー社長本人が引用リツイートで反応してくれたそうです。
その内容をMana(マナ)さんが読み上げます。外部で露出し続ける理由として、買取アップ、採用アップ、業界盛り上げは全部その通りだと認めたうえで、さらに複数の目的が挙げられていました。
外部でも露出し続ける理由。買取アップ、採用アップ、業界盛り上げ、全部その通りです。
販売アップ、資金調達力アップ、物件取得力アップ、他経営者や志願者や視聴者コメントからの勉強、何をするにも有用な総合的な発信力投資など、様々な目的とメリットがあります。
Mana(マナ)さんは、自分の読みが当たっていたと振り返ります。そのうえで、回で触れられなかった点にも言及します。
触れられなかったのが資金調達力アップです。これは投資家や銀行から資金を集める力で、知名度による安心感や、投資家とのあいだで何を提供するかという付加価値が関わるとMana(マナ)さんは補足します。
物件取得力も同様で、大家が知っていれば物件を取りやすくなるかもしれません。さらに有名なビジネス系の人物として、他の経営者に会う機会や、志願者のビジネスピッチ、視聴者コメントからの学びも得られる。いいことづくめだという回答に、Mana(マナ)さんはとても腹に落ちたと語ります。
ボードゲーム界隈へ、これからの伸びしろ
最後にMana(マナ)さんは、ボードゲーム界隈への期待を語ります。趣味の世界で市場が小さいという面はあるものの、TCGが盛り上がって市場規模が大きいのと同じように、ボードゲームはこれから伸びていくと考えます。
ボードゲームの伸びしろはまだまだあるとして、ビジネス感度の高い人たちにも入ってきてほしいと呼びかけます。ただの金儲けではなく、良い方向で市場が上がっていくことを願う姿勢です。
ボードゲームが良い方向でどんどん市場が上がっていくと、やっぱりボードゲームを遊ぶって人たちも増えてきて、ボードゲーム作っているっていうような人たちがみんな潤っていくんじゃないのかな。
そのために、ビジネス系の情報発信もみんなで頑張っていけたらと締めくくります。番組がビジネス視点で考察するという趣旨に沿って、ビジネス系YouTubeの話題を引っ張った回でした。
まとめ
この回は、カードショップ社長のトモハッピー社長がなぜビジネス界隈で発信し続けるのかを、Mana(マナ)さんがボドゲ視点で読み解いたものです。仕入れ、採用、業界の盛り上げという3つの戦略を軸に考察し、本人からの反応でその読みが裏づけられました。
- 高額化したTCGは投資商材化しており、売ることより良い商品を仕入れる方が難しいという見方が出発点になっている
- 顔出しと知名度が人質のように働き、高額カードを安心して売りに来てもらう仕入れの安心感につながる
- 高額カードを持つ層はビジネスユーザーが多く、ビジネス系YouTubeの視聴者層と重なる
- 知名度は採用や他インフルエンサーとの連携、業界全体の盛り上げにも寄与する
- 本人の引用リツイートで買取・採用・業界盛り上げは肯定され、資金調達力や物件取得力などの目的も加えられた





