ゲームマーケット前の宣伝合戦を、どう応援する?
Mana(マナ)さんは、自身のX上で「試験的ゲムマ応援企画」を行いました。参加者が作ったボードゲームの宣伝を、Manaさんが応援するという企画です。
背景には、ゲームマーケット ── 国内最大級のアナログゲームのイベント。個人や小さなサークルが自作のボードゲームを出展・頒布する場として知られていますが近づき、X上で自薦・他薦の募集やインフルエンサーへの紹介依頼など、宣伝合戦のような状況が起きていたことがあります。
(作者の)皆さん、なかなかどういうふうに宣伝したらいいのかわからないですとか、新たな宣伝方法といったものを求めているんじゃないのかな。
Manaさんは宣伝の手伝いをしつつ、ゲームマーケット直前の「お祭り騒ぎ」に合わせて、ボドゲ界隈をどれだけ盛り上げられるかを試したかったと話しています。
これまでもManaさんは、リプ欄に作品を連ねる「ブースカットコンテスト」などを開いてきました。界隈にはリポストし合う企画や自薦・他薦の募集もありますが、今回の企画はそれらとは違う、チャレンジングな試みだったといいます。
「ネイティブポスト」と統一フォーマットとは何か
今回の企画の中心は、Manaさんが「ネイティブポスト」と呼ぶやり方です。これはManaさんの造語で、調べても出てこない言葉だといいます。
よくある企画では、スレッドを立ててリプ欄で募集し、それぞれの作者が自分のアカウントで投稿します。一方でネイティブポストは、作者から宣伝文を預かり、投稿するのはManaさん自身という点が大きな違いです。
もう1つのポイントは、投稿文のフォーマットを固定したことです。Manaさんは項目と個数をあらかじめ決めて、作者にそれに沿って書いてもらいました。
フォーマットを決めた理由として、Manaさんはまず、多くの作者が宣伝文の作り方に悩む点を挙げます。形を決めてしまえば書きやすくなるという考えです。
長々語ったとしてもなかなか見られないし、読まれないし、理解もされないっていうところがあります。
さらに、全投稿の形式が揃っていれば、読む側は複数のゲームを比較しやすくなります。気になるポイントは人それぞれなので、どこに何が書いてあるかが揃っているほうが、ユーザーは見やすいとManaさんは話しています。
当初は応募が来るか不安だったものの、実際には意外なほどの応募が集まりました。投稿間隔が近すぎると効果が薄いため、Manaさんは下書きに大量に入れておき、2〜3時間空けて公開する形で回していたといいます。多くの投稿は1000インプレッションを超えたそうです。
Xのアカウントの「強さ」と「属性」とは
伸びた投稿と伸びなかった投稿の違いを説明する前提として、ManaさんはXのアカウントパワーの話をします。アカウントごとに、拡散力や情報の届きやすさのようなものがあるという見立てです。
Manaさんによると、アカウントの強さは、有益なコンテンツを投稿してエンゲージメントを得てきた実績や、X上での活発な活動で決まります。強いアカウントは、少々のことではアカウント停止や凍結になりにくいといいます。
もう1つのポイントがアカウントの属性です。投稿の内容と、そのアカウントが普段何を発信しているかによって、どんな関心を持つ人のおすすめ欄に載るかが決まる、とManaさんは考えています。
これどれも公表されていないので確かかはわからないんですけども、私は体感的にそう感じております。
Manaさんのアカウントは長年ボードゲームの話ばかりで、リプやいいねをくれる人もボードゲーム好きや作り手がほとんどです。そのため、フォロワー数の割に1万を超えるインプレッションを頻繁に出せているといいます。
ボドゲの話題を投稿
アカウントの属性に合った内容を出す
関心のある人に届く
ボードゲーム好きのおすすめ欄に載りやすい
反応が集まる
反応があるとさらに伸びやすい
属性と強さが増す
属性が明確になり、アカウントも強くなる
なぜ作者の代わりに投稿するのか
一方で、ボードゲームを作ったのをきっかけにXを始めた作者も多くいます。Manaさんは、そうしたアカウントは属性がまだ明確でなく、パワーもそこまで強くないと見ています。
その状態で自薦・他薦募集のあちこちに同じ宣伝文をコピペで展開すると、アカウント停止(アカBAN)の恐れがあるとManaさんは指摘します。実際にアカBANになったという投稿も見かけたそうです。
弱いアカウント、属性が明確じゃないアカウントで無理に宣伝をしようとしたとしても、アカBANのリスクがある。
自分で投稿しても、ボードゲーム好きに届くのか、伸びるのかもわからない。それでも宣伝したい作者はたくさんいる、というのがManaさんの見立てでした。
伸びた投稿と伸びなかった投稿の差は何だったのか
企画の投稿には反応があった一方で、Manaさんは個人的にはもっと伸びてもよかったと振り返ります。そのうえで、伸びた投稿と伸びなかった投稿にははっきりした違いがあったといいます。
Manaさんは募集時から、リプ欄での追加情報や引用リポストを歓迎すると書いていました。さらに投稿のたびに作者へ連絡し、リプ欄での補足と引用リポストでの拡散協力をお願いしていたそうです。この協力の有無が、伸びに大きく影響したといいます。
理由はXのアルゴリズムにあるとManaさんは考えています。投稿が人気だと判定されるアクションには強弱があり、Manaさんの体感では次の順番です。
リプについては、セルフリプでは弱く、別のアカウントがリプをし、それに元の投稿者が返信するところまでが重要だとManaさんは話します。その後のやり取りが何個あっても、効果はあまりなさそうだといいます。
(リプしてくれる人は)投稿に対するお客様みたいなものなんですね。
お客様が来ているのにも関わらず、店員さんがいないってなると、すぐコンテンツって過疎化すると思うんですね。
今回の企画では、Manaさんの投稿に作者がリプで補足し、そのリプにManaさんが返信します。さらにManaさんは作者のリプや引用リポストをリポストでき、元投稿のパワーと拡散の両方にブーストがかかる仕組みです。
作者が自分の投稿で同じことをしようとしても、アカウントが弱いうえ、セルフリプでは効果が出にくいという問題があります。作者じゃない誰か別の人が投稿することで、作者がすぐリプをつけられる点が、この企画の要だとManaさんは説明しています。
誰が投稿しても、作品が知られればいいのでは?
代わりに投稿すると、Manaさんのアカウントばかり伸びるのでは、という指摘も想定されます。これに対してManaさんは、ボードゲームの宣伝は誰が投稿したかより、内容を知ってもらうことが目的だと答えています。
さらに、作者本人の宣伝より他人の紹介のほうが、見る人に響くとManaさんは考えています。
「こういったボードゲーム作りました」
「こんなボードゲームあるらしいよ」のほうがユーザーに響く
どうせなら強い人がいいよね。強い人が投稿してくれたら、それを盛り上げるために協力をし合って拡散していこう。
Manaさんはこれを1つの仮説として立て、実際の投稿結果を分析しています。リプや引用リポストをしっかりしてくれた作者の投稿が伸びていることに加え、投稿時間も影響していそうだといいます。
投稿時間は、夜中のように見られない時間帯は避けつつ、朝・昼・夕方・夜などに分散させて試しているそうです。Xの動きは曜日にも左右されるため、統計は全投稿を終えてから見る予定です。フォーマットが揃っている分、あとはゲーム内容が面白そうかどうかが差になる、とも話しています。
1日5投稿が上限?次回に向けた課題
Manaさんは、作者の宣伝の一助になればと始めた企画が、結果的にさまざまなデータを取れる場にもなったと振り返ります。好評であれば次回もやりたいと考えているそうです。
課題として挙がったのは、応募が多すぎて1日の投稿量が増えたことです。Manaさんの体感では、アカウントパワーを100%活かせるのは1日5投稿までだといいます。
(5件の投稿なら)百、百、百、百かもしれないですね。
それが10件になったら、百、百の割合じゃなくて50ずつのパワーが10件になるだとか、そんな感じな気するんですよ。
今回は募集期間が1週間ほどしかなく、ゲームマーケットに間に合わせるため急いで投稿したといいます。次回はもっと早い時期に始め、投稿を絞るのもありだと考えています。
ただ、早く始めすぎると、ユーザーがまだ何を買うか情報を集めていない可能性もあります。いつ始めるかは悩ましい点として残っています。ブースカットコンテストと絡める案も出ましたが、そちらは単独で伸びているため、別で考えるかもしれないと話しています。
募集はすでに締め切られています。Manaさんは自身のアカウントがさらに強くなれば、もっと作者の宣伝に貢献できると考えており、興味がある人は次回の募集に注目してほしいと呼びかけています。
まとめ
今回の企画は、作者の代わりにManaさんの強いボドゲアカウントから宣伝を投稿し、作者のリプや引用リポストと組み合わせて拡散力を高めるという試みでした。別の人が投稿し、作者が反応するという構造が、伸びる投稿を生む鍵だったと振り返られています。
- 作者の宣伝文を預かり、統一フォーマットでManaさんが代わりに投稿する「ネイティブポスト」を試した
- Manaさんの体感では、投稿を伸ばす力はリプ、引用リポスト、リポスト・いいねの順に強い
- 作者がリプで補足し、Manaさんが返信・リポストする連携をした投稿ほど伸びていた
- 「こんなボードゲームあるらしいよ」という他者からの紹介のほうがユーザーに響くと考えている
- 1日5投稿を超えると1件ごとの力が落ちる体感があり、次回は時期と投稿数の調整が課題





