委託販売ネットワークの構想は、どう現実になったのか?
Manaさんは以前の配信で、ボードゲームの委託販売ネットワークという構想を話していました。今はゲームマーケット以外にも、日本全国でさまざまなボードゲームの即売会が開かれています。
作者がそのすべてに足を運んで販売するのは大変です。そこでイベント同士が連携し、1箇所に預けた商品が会場から会場へ順繰りに回っていく。作者自身が行かなくても委託品として売れる仕組みがあれば面白い、というのがManaさんの構想でした。
この構想を聞いたイベント主催者から、さっそく連絡が届きます。北海道・札幌で開かれる「水曜ボドゲフリマ札幌ゆこる」というイベントで、11月4日に開催されます。
このイベントは名前のとおり水曜日、つまり平日に開かれる珍しい即売会です。即売会は土日や休日に開かれるものが多いなか、休日に動けない人や平日が休みの人、仕事終わりの人に向けたイベントだといいます。
(委託品の販売を)対応していただけるっていうようなことになりました。早速話がちょっと進んで、面白いな、嬉しいなっていうようなところではあります。
現地に行かずに出展する、委託の仕組みと鬼門
Manaさん自身は札幌の会場へ行くことはできません。それでも作品は会場に並び、当日の販売は現地のスタッフが対応する形での出展になります。
委託の流れは、Manaさん側から商品と店頭用の什器 ── 商品を陳列するための台や棚、スタンドなどの道具の総称。即売会では卓上に作品を見せるために使われます、チラシなどを発送し、現地で設営してもらい、売れ残りを送り返してもらうというものです。
発送
商品・什器・チラシなどを作者側から送る
設営
現地で卓に並べてもらう
販売
当日のスタッフが委託販売を対応する
返送
売れ残った商品を作者のもとへ戻してもらう
Manaさんが鬼門と見ているのは採算です。出展料と送料をすべて含めて、それをペイできるだけの売上が立つかどうかが課題になります。地方の平日開催という条件もあり、どれくらいの来場者があるかは読めないと話しています。
会場は札幌のボードゲームカフェ「ゆこる」の奥にあるレンタルスペースで、卓はおよそ5卓です。その5卓を時間で区切り、さまざまなサークルが入れ替わりで出展する仕組みです。
Manaさんの出展枠は1卓の夜の部で、17時から22時までです。仕事終わりの人をターゲットにしているため、遅い時間まで開かれています。現時点ではホヌゲームズ、ルーンコレクト旅団、33ポケット、北海サピオ、みかんぷらねっと、そしてManaさんの参加が決まっています。
こういうことあったら面白いよね、どう?みたいな発信をすると、すぐリアクションいただけて、実際に話が進むっていうのは、やっぱりちょっと情報発信やってて良かったなっていう点もあります。
採算への不安はあるものの、Manaさんは連絡を受けてすぐに申し込んだといいます。まずはやってみないとわからない、という判断です。
卓上だけで何をどう見せるか、という悩み
委託出展でManaさんが最も悩んでいるのは、何を送るかです。商品を並べるだけで魅力が伝わるのかという迷いがあります。
一方で、現物がその場にあることは通販にない強みだとManaさんは考えています。箱のサイズやコンポーネントの手触り、説明書を実際に確かめられるうえ、小規模なイベントには熱量のある人が集まりやすいからです。
ただし委託では、作者がその場でインスト ── インストラクションの略で、ボードゲームのルールを遊ぶ人に説明することをすることができません。展示物だけでどこまで見せ、どこまで説明するかが重要なポイントになります。
制約も多くあります。現地スタッフに複雑な什器の設営は頼みにくく、イベントのルールでタペストリーやのぼり、床置きの高さが出るものは禁止です。大きいものや重いものは送料がかさみ、委託品を入れる箱のサイズにも上限があります。
Manaさんの使っているテーブルクロスも卓にぴったりのサイズではなく大きめで、送ると一気に重くなるといいます。結果として、卓上でどれだけ表現できるかが勝負になります。
新作「バードブレインコラス」にも課題があります。この新作はゲームマーケットに出られなかったため、什器やPOPが整っていません。過去作と同じ並べ方をすると格差が出て、新作らしく見えないとManaさんは感じています。
絞り込む選択肢もあるなかで、Manaさんは全作品を委託する方向で考えています。札幌ではゲームマーケットに来られない人が多く参加するはずで、前の作品でも新作と同じように公平に見てもらえると考えたからです。
ある意味私を知っていただくっていうような意味合いでも、全作品(委託)販売でお願いしようかなっていうふうに思っております。
とはいえ手元にある作品だけで7作品あり、前回のゲームマーケットでも工夫した設営は大変でした。そのためManaさんは、自分のブースだとわかるよう星のマークであるマナグランのロゴを額縁で卓に立てる程度にし、簡単ルールのアクリルパネルなどは箱詰めとの兼ね合いで考えるとしています。
5卓だけの会場だからこそ手に取ってもらえる
Manaさんは、全作品を実際に手に取って触れられる点が今回の大きな強みだと考えています。同時に並ぶのは5卓分のサークルだけなので、来場者が多くなくても作品を手に取ってもらえる可能性は非常に高いといいます。
来場者が多く、作品に気づいてもらうのも手に取ってもらうのも一苦労
卓が5つほどで、来た人はほぼ全作品を手に取れる量
小規模なイベントなら、来場者が過去作も含めて「こんな作品を作っているんだ」と見て触れて感じられる。出ることには十分な意義があるというのがManaさんの考えです。
混雑していなければ、空いたテーブルでサンプル品を遊んでもらえるかもしれないという期待もあります。できるかどうかはわからないとしつつ、そうした場面が生まれたらうれしいと話しています。
この試みがうまくいけば、全国の小規模な即売会へネットワークを広げたいとManaさんは考えています。理想は商品が会場から会場へ全国を行脚する形ですが、まずは自分のところから発送し、どれくらいのイベントが対応してくれるかを探りながら試していく段階です。
実際にこれ開催し終わった後には、所感ですとか結果、それもレポートとして発信、報告させていただきます。
まとめ
委託販売ネットワークという構想の発信がきっかけで、Manaさんは札幌の平日即売会へ委託品として参加することになりました。採算や展示方法には不安が残るものの、小規模な会場だからこそ全作品を手に取ってもらえるという期待を持って、まずは試してみる段階です。
- 委託販売ネットワーク構想の発信を受け、札幌の「水曜ボドゲフリマ札幌ゆこる」への委託参加が決まった
- 商品を送り、現地で設営・販売し、売れ残りを返送してもらう仕組みで、採算が鬼門になる
- 設営の手間や送料、展示ルールの制約から、卓上での見せ方に悩んでいる
- 5卓ほどの小規模会場では、来場者に全作品を手に取ってもらえる可能性が高い
- うまくいけば全国の小規模即売会へネットワークを広げ、開催後に結果を報告する予定



