そもそも景表法とはどんな法律なのか
今回のテーマは景品表示法、いわゆる景表法です。鈴木さんはまず、この法律の正式名称から説明を始めます。
今回は景表法の超基礎ということでお話しさせていただくんですけれども、まず景表法というのは、正式名称は不当景品類及び不当表示防止法ということになっています。
鈴木さんによれば、取引に際して提供される景品や、対象商品についての表示は、いずれも取引への誘因効果を持つものだといいます。だからこそ不当な景品や表示があると、消費者が不当に誘引されてしまうと説明します。
そういったことを防ぐために、景品と表示についてルールを定めて消費者保護していくっていうのが景品表示法の概要ということになっています。
聞き手の吉田さんは、第一印象として「なかなか難しい」と率直に反応します。
例えばなんかこういうケースNGですよみたいなのってありますか?
鈴木さんは具体例として、飲んでも痩せるわけではないのに「これを飲むだけでこんなに痩せます」と表示する広告や、取引につける景品の金額がとてつもなく高いケースを挙げ、これらは景表法に違反する可能性があると話します。
景品規制はどこからアウトになるのか
吉田さんは、この法律を「景品の話」と「表示の話」に分けて聞くのがよさそうだと整理します。まず景品規制について尋ねます。
景品の方の規制っていうのはどんな規制があるんですか?
鈴木さんは、事業者が高額な景品を提供することで、消費者が景品に惑わされて品質の良くない商品や割高な商品を買わされてしまいかねない、それが問題だと説明します。
景品というのは、顧客を誘引する手段として取引に付随して提供する経済上の利益ということですけれども、それについて最高額や総額を規制しているっていうのが景品規制の概要になっています。
鈴木さんは単純化した例として、1000円未満のお弁当を買うケースを挙げます。
景品としてつく飲み物が200円までなら、景品規制には特に違反しない
景品の飲み物が200円を超える場合、規制に引っかかってくる
吉田さんは「商品を買ってくれたから何かつけますよ、というのは悪いような気がしない」と素朴な疑問をぶつけます。これに鈴木さんは、全部がダメなわけではないと前置きしたうえで、問題の本質を説明します。
提供しようとしてる商品とかサービスで人を呼ぶ、それを販売提供するのが本来的な役割なはずなのに、その、要はサイドの景品で人を呼ぶようになっちゃうっていうのが、それはやっぱ良くないよねっていう風にされてるんですね。
吉田さんはこれを、メインとサブの逆転として言い換えます。本来はメインである商品で客を呼ぶべきなのに、サブであるはずの景品で客を呼ぶ形になってしまうのが問題だ、という理解です。
すごく極端に言えばそうですね。まさに。
「ずっと安いのにセール」も違反になる表示規制
続いて話は表示の規制に移ります。吉田さんが概要を尋ねると、鈴木さんは代表的な禁止表示を挙げます。
例えば優良誤認表示とか有利誤認表示とかっていうのが、典型的なものとして禁止されています。
鈴木さんは、実際のものと比べて著しく優良であるかのように誤認させる表示かどうかがポイントになると説明します。吉田さんは、よく見る「あるある」な違反例はあるのかと尋ねます。
鈴木さんが挙げたのは、痩せる効果がないのに「これを飲んだだけでこんなに痩せます」とうたう広告や、実際にはそれほどの除菌効果がないのに、すごい除菌効果があるかのように見せる表示です。
通常価格5000円のところ、何月何日まではキャンペーンで3000円にしますみたいな表示をしていながら、実際はもうずっと3000円で売ってますとか、そういうケースも不当表示になったりします。
吉田さんが「最後の例なんてよくありそう」と反応すると、鈴木さんは「閉店セールいつまでやってるんですかね、というのは結構あったりする」と応じます。
吉田さんは、わざわざ嘘をつく人はいなくても、値引きしているように見せる程度なら、罪の意識もなくやっている場合があるのではないかと指摘します。
景表法上はいけないことだとは思うのでダメなんですけれども、実際結構やってらっしゃる方、それなりにいるのかなと思います。
違反するとどうなるのか、措置命令と課徴金
吉田さんは、こうした規制に違反した場合はどうなるのかを尋ねます。鈴木さんは、まず民事・刑事のリスクを挙げます。
鈴木さんによれば、表示を信じて契約したのに実態が違うとなれば、契約を取り消されるリスクがあり、さらに刑事罰を受けるリスクもあります。加えて、行政処分を受けるリスクもあると説明します。
行政処分は大きく分けて2つあります。
主に再発防止のための措置を講じることや、景表法違反をしていたことを認めて周知することを命じるもの
不当表示などから得た売上の一部を国に納めるよう命じるもの
鈴木さんは、いずれの行政処分も基本的には公表され、事業者名も公表されると強調します。
いずれの行政処分も基本的には公表されます。事業者名とかも公表されることになるので、そういった点からも結構リスクが高いのかなというふうに思います。
吉田さんは、事業者名が公表されれば取引先だけでなく、働いている人も自分の会社に誇りを持てなくなり、採用面でもマイナスになるのではないかと指摘します。鈴木さんも、その点は大きくマイナスになる可能性があると同意します。
吉田さんが有名な処分事例を尋ねると、鈴木さんは具体名は控えつつ、景表法違反で行政処分を受けている有名企業は実はたくさんあると話します。
製薬会社さんとかでステルスマーケティングをしてたとか、そういうケースもあれば、電力会社さんですごいお得になるかのような表示をしていたけど、実際にはそんなにお得にならなかった、有利誤認表示をしていたということで、すごい何億円もの課徴金納付命令を受けたというような事案もあります。
吉田さんは、有利誤認について自分がマーケティング部門にいたらと想像します。一生懸命資料を作るうちにちょっと行き過ぎてしまい、罪の意識もなく有利な資料を作って販売してしまうことは、全然ありそうだと語ります。
労務・人事担当が知っておくべき「管理上の措置」
番組も10分を過ぎ、まとめに入ります。吉田さんは、鈴木さんから伝えておきたいことはあるかと問いかけます。
鈴木さんは、景表法に違反した場合のリスクは大きいため、日頃から勉強して遵守してほしいと述べます。そのうえで、一点特に伝えておきたいこととして「管理上の措置」を挙げます。
景表法はいわゆる管理上の措置とかって言って、自分の供給する商品とかサービスに関して表示をする事業者に対して、不当表示、景表法違反を防ぐために措置を講じなさいということを法律上定めているんですね。
鈴木さんは、その措置の中には、景表法を社内で周知啓発することや、担当者が勉強すること、研修をしっかり行うことも含まれると説明します。労務のラジオという文脈を踏まえ、表示を担当する部署にとって景表法は切っても切り離せない法律だと話します。
吉田さんは、このラジオのリスナーには労務・人事関係の人が多いことを踏まえ、次に会社の中で何をすべきかを具体化します。
吉田さんによれば、もし研修プログラムに景表法の話が抜けているなら、配置換えや新人研修のところにそういった話を追加していくことが必要になるといいます。鈴木さんも、まさにその通りだと同意します。
初のポッドキャスト出演を振り返って
2週にわたるゲスト出演の締めくくりとして、吉田さんはポッドキャストで話すのは初めてかと尋ねます。鈴木さんは初めてだと答えます。
吉田さんが2回を振り返っての感想を聞くと、鈴木さんは短い時間で伝えたいことを伝える難しさを口にします。
やっぱりなかなか短い時間で伝えたいことを伝えるっていうのは結構難しいなっていうのを改めて思いました。
吉田さんは、話している側は短く感じても、計測してみると時間が経っているのは、このラジオの「話す人あるある」だと応じます。そして、また機会があればゲスト出演してほしいと呼びかけ、鈴木さんも機会をもらえればと答えて2週にわたる回を締めくくります。
まとめ
景表法は「不当景品類及び不当表示防止法」の略で、景品と表示という2つの側面から消費者を保護する法律です。景品では主従の逆転、表示では優良誤認・有利誤認が問題となり、違反すれば措置命令や課徴金納付命令などの行政処分と、公表による信用低下のリスクが生じます。
- 景表法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」で、景品と表示の2つを規制する
- 景品規制は、本来メインであるべき商品ではなく、サブの景品で客を呼ぶようになることを問題視する
- 表示規制では、痩身効果や除菌効果を誇張する優良誤認、「ずっと安いのにセール表示」などの有利誤認が禁止される
- 違反すると契約取消・刑事罰のリスクに加え、措置命令や課徴金納付命令が出され、事業者名が公表される
- 景表法は社内の周知啓発や研修などの「管理上の措置」を求めており、人事・労務は研修プログラムへの追加を検討したい




