クワガタが確実に捕れるペンションに家族で泊まってきた
今週のテーマは「クワガタと就業規則」です。吉田さんはまず、家族で行ったクワガタ採集のペンションの話から始めます。
吉田さんは神奈川県に住んでいて、5歳の息子が虫の採集にハマっているそうです。ただ、神奈川県は都会なので、公園などではなかなかクワガタが捕れないと話します。
そこで、クワガタがたくさん捕れることを売りにした、地方の山の中のペンションに泊まる家族旅行を企画したそうです。
すごいたくさん捕れるんですよ。さすがって思いました。それを売りにしているペンションだけある。
具体的には、夜に決まった時間にペンションの裏へ集合し、裏山へ案内される仕組みだったといいます。裏山にはクヌギの木があり、都会ではあまり見かけない木だと吉田さんは言います。
そのクヌギの木の割れ目からは、蜜がたくさん出ていたそうです。都会ではまず見られない光景に、家族全員が感動したと話します。
クワガタもそこの蜜がぶわーって出てるところにもう3匹とか集まってるんですね。
息子も妻も吉田さん自身も喜び、山をいろいろ回っても、それぞれのクヌギの木に蜜が出て、クワガタがたくさんついている状態だったと振り返ります。8月後半だったためカブトムシはいませんでしたが、もっと早い時期ならいると言われたそうです。
大人になると気づいてしまう「蜜が出すぎ」の違和感
感動する一方で、ここから吉田さんの視点は経営の話へと移っていきます。開業して5年、いろいろなビジネスの裏側を聞いてきた経験から、ふと違和感を覚えたと言います。
まず蜜が出すぎだなって。こんなにクヌギの木から蜜出る?みたいな。
吉田さんはまず、この蜜はペンションの人が塗っているのではないかと考えました。さらに、蜜に3匹も4匹も集まっているクワガタの数も多すぎるのではないかと疑い始めます。
神奈川県の公園では、仕掛けをしていても1匹か2匹いるかどうかだったため、その差が大きすぎると感じたそうです。
そこから吉田さんは、ペンション側が裏で交配・孵化させたクワガタを、夜の山歩きの前に設置しているのではないかと推測しました。
大人になるとこういうふうに純粋な気持ちで楽しめなくなってくる。
妻に「これって多すぎないか」と伝えたところ、「それは言ってほしくなかった」と返されたそうです。それでもビジネスとしては大成功だと吉田さんは考えます。
息子は「来年も来たい」、だからこそビジネスとして大正解
吉田さんが「来年もここのペンションに来たいか」と息子に聞くと、息子は「来たい」と答えたそうです。吉田さん自身も、絶対にクワガタが捕れるのだから連れてきてあげたいと感じています。
来年もここのペンション来たいか?って言ったら来たいって言ってました。だって絶対にクワガタ捕れるんですもん。
来年は同じ頃にもう少し早い時期を狙ってクワガタを捕りに行きたい、と吉田さんは話します。おそらく裏でいろいろやっているからこそ、来年も期待に応えてくれるだろうと考えています。
帰りの車の中で、息子と妻が眠るなか、吉田さんは会社経営について考えていたそうです。そこで改めて思ったのが、関係する人たちに満足してもらうには、狙ってやる必要があるということでした。
経営計画も就業規則も、すべては「狙ってやる」もの
ここから吉田さんは、経営計画の話へと展開します。以前、とある税理士から聞いた「経営計画を作るときに重要なこと」が印象に残っているそうです。
その先生いわく、経営計画とは、売上がいくらで費用がこれくらいだから利益が出る、だから会社が発展する、だから投資してほしい・お金を貸してほしい・入社してほしい、というストーリーを描くものだといいます。
吉田さんは、その筋書きをいかに作るかが重要で、売上も費用もすべて狙って作るものだと話します。
狙ってやらないと会社経営じゃないんだっていう風に言ってた方がいて、それすごく感銘を受けたんです。
原価比率も人件費比率も、どれだけ売り上げていくのかも、すべて狙ってやるものだと吉田さんは続けます。
一方で、伸びない会社の経営者は、この部分があやふやだと吉田さんは指摘します。「気づいたら売上が上がっていた」「気づいたら残業で人件費が上がっていた」といった話をする経営者は、会社経営が伸びないと話します。
反対に、長くビジネスを発展させている人は、売上の計画を持ち、人件費比率や原価率を売上に対して何パーセント以内に抑えるかを明確に持っているといいます。
リピーターが決まる仕組みは、経営として何が正解なのか
この観点から見ると、クワガタのペンションは会社経営として大正解だと吉田さんは評価します。吉田さんの家族は来年も行くと決まっているからです。
新規顧客の獲得コストは非常に高いものの、リピーターであれば来年はルールもわかった状態で来てくれると吉田さんは説明します。お客さんを教育する必要もなくなるといいます。
その結果、新規集客の広告宣伝費を使わずに次のお客さんが来てくれる状態になっている、だから経営的にすごく正解なのだと吉田さんは話します。
クワガタと就業規則がつながる、スタッフの満足も狙って設計する
ここでタイトルの「クワガタと就業規則」がつながってきます。吉田さんは、社労士法人ワンハートで働くメンバーもステークホルダーであり、吉田さん自身もスタッフも、働くことに満足していかなければならないと話します。
スタッフに「この会社で働いてよかった」と思ってもらうためにも、やはり狙ってやることが重要だと吉田さんは言います。
そのために必要なのが、就業規則の整備だと吉田さんは挙げます。自社の働き方や働き方の哲学をきちんと形にしていくことが重要だといいます。
もう一つが、自社で活躍するとどうなっていくのかを、狙って示していくことです。吉田さんは、それが経営者の役割だと考えています。
具体的には、人事評価制度を作り、レベル1からレベル2、レベル3へ上がる要件を定め、その先に管理職や専門職コースがある、という道筋を示す会社を作ることが重要だと話します。
5年目でようやく作れた人事評価制度と、その事業フェーズ
吉田さんの会社では、今年からついに人事評価制度を作ったそうです。開業から5年目でのことで、少し遅くなってしまったと振り返ります。
就業規則は社労士法人として当然、開業してすぐに作っていたそうです。一方で評価制度は、自分たちが何をやりたいのかが定まるまでに意外と時間がかかったと話します。
創業当初は、何をしたいかというより、いただいた仕事を誠実に対応することで時間が過ぎていき、精一杯やるだけの状態が多かったといいます。そのため、自社が何をしたいかをなかなか言えなかったそうです。
前々回ほどでも話したとおり、会社が発展し、自社のカルチャーに合わないお客さんとは話し合って契約を解約できるようになったと吉田さんは言います。そのレベル感に到達したそうです。
そういう事業フェーズになったからこそ、逆に会社が何をしたいのかを明確にしなければならない。それに合わせて人事評価制度を作ったと吉田さんは説明します。
成果を残したいなら「狙ってやる」、ただしやりすぎには注意
今日の話は、クワガタ捕りの旅行の帰りの車の中で思ったことだと吉田さんはまとめます。ビジネスで成果を残したいなら、どうしても狙ってやることが必要だと語ります。
ただし、それをやりすぎると、テレビ局のやらせのようになり、社会的批判を受けてしまうので良くないと吉田さんは付け加えます。
それでも、成果を残すという意味では、狙ってやるっていうのは必要だと吉田さんは締めくくります。
体験
クワガタが確実に捕れるペンションに感動する
気づき
蜜も数も「狙って」用意されているのではと推測する
一般化
顧客満足も経営計画も狙ってやるから成果が出ると考える
自社への応用
就業規則と人事評価制度で働き方と成長の道筋を設計する
まとめ
クワガタが必ず捕れるペンションの体験から、吉田さんは「成果は狙ってこそ出る」という経営の視点を語りました。顧客満足も、経営計画も、スタッフの働き方も、意図して設計することが重要だという回です。
- クワガタが確実に捕れるペンションは、リピーターを生む仕組みとして経営的に大正解だと吉田さんは評価する
- 顧客満足度は勝手に上がるものではなく、上げようとするから上がると考えている
- 伸びる会社は売上・人件費比率・原価率を明確に持ち、そこへ狙って収束させている
- スタッフの満足も狙って設計するため、就業規則の整備と人事評価制度づくりが重要になる
- 吉田さんの会社は5年目で人事評価制度を作り、会社が何をしたいかを明確にする事業フェーズに入った





