「必要なツールは?」という質問に、3段階で答える
吉田先生の社労士開業時に必要なツールを教えていただけませんか。これだけは必要、これはなくても良いの意見をお聞かせいただけると幸いです。
この質問に対して、吉田さんは「これだけは必要」「あるといい」「なくてもよい」という3段階に分けて答える形をとっています。
吉田さんによれば、パソコンやスマートフォンは当然必要なので省略するとのことです。ただし1点だけ、Macは避けたほうがよいと話されています。
ただMacはやめといた方がいいと思います。あとあとツールはやっぱりWindows対応なんで。
ツールより先に必要なもの、それは「営業マインド」
ツールについての質問でしたが、吉田さんが「絶対に必要」として最初に挙げたのは、道具ではなく営業マインドでした。
ツールのご質問をいただいた中で、全然違う話をしてしまって申し訳ないんですけれども、絶対に必要なのは営業マインドです。
待っていて仕事が来ることは開業時にはあり得ないため、まずは自分の存在を知ってもらう活動が必要になります。こちらからアクションを起こしていく姿勢が求められるということです。
具体的な最初の一手として、吉田さんは士業同士の交流会での名刺交換を勧めています。資格を持つ人が集まる場なので、しっかりした人が多いからです。
吉田さんによれば、地元の商工会の名刺交換会も選択肢になります。商工会に入っている会社は比較的しっかりした会社が多いと話されています。
有名なところだと例えばBNIさんとかJCさんとか、私は結局両方入らなかったんですけど、そういったところで、とにかく人の輪を増やしていくっていうのは一つ重要かなと思います。
開業時に「これだけは必要」な5つの準備
営業マインドを前提としたうえで、吉田さんが実際に用意して「必要」と感じたものが続きます。
1つ目は顧問税理士との契約です。会社経営はお金との向き合いであり、まず税理士と契約したほうがよいと吉田さんは考えています。
さらに、税理士の先には顧客がいて、その中には労務管理で困っている会社もあります。うまくいけば顧客を紹介してもらえるかもしれないと吉田さんは話しています。
顧問税理士さんに払ってるフィーっていうのは、うまくいけば広告宣伝費みたいになる可能性があるわけですよ。
記帳などの会計処理を自分でやる選択もありますが、吉田さんは丸投げして税理士に任せることで、社労士側が営業に専念できると考えています。
2つ目は労務管理の手続き専用ツールです。相談だけで食べていくのは難しく、手続きや給与計算は発生するため、専用ツールが必要になると話されています。
エクセルでの給与計算やe-Gov・紙だけでの手続きは相当厳しいとして、吉田さんは具体的なサービス名を挙げています。
OFFICE STATIONとか、他のメーカーだとシャロームとかセルズ、シャルフとか、こういったものは必要になるかなと思います。
3つ目は社労士賠償責任保険です。社労士の仕事は責任が重く、損害賠償の話になることもあるため、賠償を肩代わりしてくれる保険に入っておいたほうがよいとのことです。
4つ目と5つ目は名刺とホームページです。対面で自己紹介できないと厳しく、ネット社会でウェブページがなければ事実上存在していないのと同じだと吉田さんは話しています。
ウェブページがないと、今のネット社会の中だと事実上世の中に存在してないみたいな話ですから、コーポレートサイトをちゃんと作った方がいいと思います。
「あるといい」もの、オフィス・相談相手・クラウド電話
ここからは「絶対に必要ではないが、あったほうがよい」ものの話です。
1つ目はオフィスです。自宅開業とオフィス開業の選択があり、自宅開業にはランニングコストがかからず、ワークライフバランスを保ちやすいというメリットがあります。
一方で、会社は信用で取引しているため、住所を調べたときに住宅街より、きちんとしたオフィス街に事務所がある方が取引上有利になると吉田さんは話しています。
吉田さんによれば、単価の高い顧客ほど、オフィスで事業をしている会社との取引を好む傾向があるとのことです。
2つ目は経営の相談相手です。経営顧問がいればありがたいものの、顧問料が払えない場合に吉田さんが勧めるのは、先輩の社労士と仲良くすることです。
同期など同じレベルの人との横のつながりも否定はしないものの、そこからは一段上の発想が生まれにくいと吉田さんは話しています。
先輩の社労士で開業して成功してる人だったら、あなたが持ってる悩みって数年後こうなりますよとかっていうのを教えてくれます。
3つ目はクラウド電話とeFaxです。吉田さんは、これを入れてよかったと振り返っています。
固定電話を引くこともできますが、リモートワークや出張が増える中で、スマホ内で03などの番号を使えるクラウド電話が便利だと吉田さんは話しています。
FAXも同様で、社労士は役所対応でFAXを使うため、FAXなしで事業をするのはできないとのことです。
今から考えると「なくてもよかった」もの
最後は、やらなくてよかったと振り返るものの話です。
1つ目は会社の封筒です。デザイナーに作ってもらったものの、今から考えると不要だったと吉田さんは話しています。
大きな会社ほどデザイン入りの自社封筒を作っており箔はあるものの、電子申請が主流の今は封筒をほとんど使わないためです。
実際使う時ってなんか配達記録が残るレターパックとかが多いんですよ。市販の白い封筒とか、普通の封筒でいいんじゃないって思っちゃいました。
2つ目は勉強会への参加です。学べることはあるものの、勉強会に行って仕事をしたつもりになってしまう点が危険だと吉田さんは指摘しています。
吉田さんによれば、実際に受任してみないと当事者意識が生まれず、本気も出ないのが人間だとのことです。学びとしては実際の受任のほうが深いと話しています。
勉強会に参加してるぐらいだったら、士業交流会とかお客さん紹介してくださいとか言って営業してた方が全然いいかなと思いました。
会社封筒(電子申請主流で出番が少ない)、勉強会への参加のみで満足すること
士業交流会や顧客紹介の依頼など、実際の受任につながる営業活動
まとめ
社労士の吉田優一さんが、開業時に「これだけは必要」「あるといい」「なくてもよい」の3段階で準備を振り返った回です。ツールの前にまず営業マインドが必要だという点が繰り返し語られました。
- 質問はツールについてだったが、吉田さんが「絶対に必要」と最初に挙げたのは営業マインドだった
- これだけは必要なのは、顧問税理士との契約、手続き専用ツール、社労士賠償責任保険、名刺、ホームページ
- あるといいものは、オフィス、経営の相談相手(特に成功している先輩社労士)、クラウド電話とeFax
- なくてもよかったのは会社封筒と、勉強会への参加だけで満足してしまうこと
- 学びは勉強会より実際の受任のほうが深く、その時間があれば営業したほうがよいと振り返っている






