『アソビカイギ』ってどんなお店?
今回はゲストのバーティさんと一緒に、バーティさんが運営するお店『アソビカイギ』について話しました。
場所は福岡県北九州市小倉、旦過市場の近くにあるお店です。旦過市場北九州市小倉にある歴史ある市場。地元では「旦過(たんが)」の愛称で親しまれています。
一応イベントスペース兼バーみたいな形でやってて、セミナーチックなイベントもそうですし、ボードゲームのイベントとか、遊びのイベントもやってるんですけど、そういうのがない時には、普段は基本的にはバーとして営業しているという店です。
立ち上げから今年で8年目。ずっとカツカツの自転車操業で回ってきたと、バーティさんは正直に振り返ります。
クラファンで実現した「機材のアップデート」
老朽化した椅子やテーブルを直したい。もっといろんな遊びやイベントに対応できる幅を広げたい。そう思いつつも、そこに投資する余裕がずっとなかったといいます。
そこで実施したのがクラウドファンディングでした。椅子・テーブルに加えて、音響機材などの細かい備品もアップデートしています。
今回そのアソビカイギでオフラインで3人で対面収録してるんですけど、早速そのクラファンでいただいたご支援で導入した機材を使って収録させていただいてます。
以前はパソコンを使う仰々しい構成で、同じクオリティで録れるのは2本のマイクまででした。今回の導入で、4人まで同じクオリティで収録できるようになったそうです。
音響機材がひらく、北九州のポッドキャスト拠点構想
機材が整ったことで、遊び会議は収録スタジオやコラボの拠点にもなれそうです。前編でも話題に出たポッドキャストラボ福岡には、北九州組もちらほらいるのだとか。
マイクの本数とか音質に限りがあったんで、4本まで録れればある程度は対応できるかなとかいうのもあって。収録スタジオとしてでもいいですし、ポッドキャスト仲間とコラボみたいなのの拠点みたいな風にもなれたらいいなとか。
聞き手の川波さんは、始めるハードルの高さこそポッドキャストの壁だと共感します。バーで一杯飲みながら相談できる場になれば、そのハードルはぐっと下がりそうです。
カウンターの雑談を垂れ流す、新しい番組の構想
いいパスをもらったと、バーティさんが明かしたのが新しい番組の構想です。遊び会議のお店としての番組を作りたいのだとか。
今回導入したのは、パソコンなしで録れるコンパクトなレコーダー。カウンターで飲んでいて面白い話になった時に、サッと取り出して録れるのが狙いです。
カウンターで飲んでる時に何か面白い話になってきたなっていう時にサッと取り出してマイクを立てて、お客さんとの雑談とかスタッフ交えての雑談みたいなやつを垂れ流す番組を始めようと思ってて。
肩肘張らず、ダラダラ飲みながらの雑談を垂れ流す。それはそれで面白いし、ポッドキャストを始めたい人のお試し体験にもなりそうだと二人は盛り上がりました。
そうやりたかったんですよ。実現できそうです。お陰様で。
「アソビカイギ」という名前に込めた願い
店名の由来も改めて聞きました。バーティさんはもともと、ちょっとした遊びでやりたいことがたくさんある人だといいます。
みんなでそれこそ飲みながら、今度こういうのやりたいよねみたいな、それやろうぜみたいに、やってみたい遊びとかをみんなで会議しながら作り出すみたいなことができる箱になったらいいなっていうことで、アソビカイギっていう名前で始めました。
遊びだけでなく「会議」がついているのが特徴だと川波さんは指摘します。自分がやりたいことだけでなく、お客さん側からの提案もみんなでワイワイ考えられる場でありたい。そんな願いが込められています。
「僕、端的に寂しがり屋なんです」という自認
バーティさんの根っこにあるのは、人と何かをしたいという欲でした。相方と配信している『脱線おじさんズ』でも「一人⚪︎⚪︎かっこいい」というテーマで話したそうです。
一人でやることに何も興味がなくて。一人旅とか一人カラオケとか全然興味が湧かないんだよねっていうテーマで話したんですけど、誰かと何かしてたいとか共有してたいみたいな欲が強いんで、端的に寂しがり屋なんですけど。
かっこいい言葉でまとめず「ただの寂しがり屋」と言い切るのが逆に清々しいと川波さん。バーティさんいわく、かっこいい語彙が見当たらず、いろいろ考えて着地しただけだそうです。
この店を始めてから、より強く人と関わっていたいと思うようになったといいます。自分自身がコンテンツになり、いろんな面を出しておくことで、集まってきてくれる可能性が高まる。それも寂しさを紛らわすことにつながっているのです。
人が鏡になる。関わる相手が自分を形づくる
話は「自分を知る」というこの番組のテーマにも及びました。バーティさんは、自分を知ることも他者との関わりだと考えています。
いろんな人に自分を映してもらうみたいな。人は鏡みたいなことありますけど、その角度が多いほど、自分を知るみたいなことにもつながるかなとか思ってたりはする。
たとえば物心つく前に無人島に一人で放置されたら、優しいのか、足が速いのか、比べる対象がない。関わっている人たちが自分を形作るという考え方です。
自分は優しいのかって比べる対象もないし、自分は足が速いのかって比べる対象もないしとかっていう時に、その人の存在とかをどうやって知るんだろう、定義するんだろうみたいなのは極論として結構思ってる。
この考え方は、バーティさん自身の経験にも重なります。店を始めた頃にバンドのメンバーが脱退し、コロナもあって数年ほぼ活動していない時期がありました。その間に知り合ったお客さんからすると、彼にバンドの要素は一切なかったのです。
バンド活動、新しいメンバー入って再開してるんですけど、バーティさんって本当にバンドやってたんですねみたいな人も一方でいる。今は僕を映してくれる鏡の人たちがいっぱい増えているっていうのは面白いなと思ってる。
番組を始めるのは「自分を追うカメラを増やす」こと
この「面が増える」感覚を、パートナーの永田さんは分かりやすい例えで表現しました。番組を始めることは、自分を追うカメラを増やすことだというのです。
いろんな面、もともとみんな持ってるんだけど、その追うカメラみたいなのが増えていくのかなっていう。始めるとそれが1個ずつ増えていくイメージ。
バーティさんもこの例えに納得します。バンドのライブでも、客席からの定点カメラ1台と、手元やドラムを映すカメラが加わるのとでは、受け取れる情報がまるで違うからです。
見る角度が増えることで情報も増えてる。いい例えな気がする。
川波さんは、番組が「領域展開」になる面もあると話します。プライベートでは遠慮して話してくれない人も、「この時間はこれについて話す時間」と設定すると、思いがけず本音を出してくれることがあるのだそうです。
一人で楽しめるか、共有したいか。三者三様の距離感
話題は3人それぞれの「一人と共有」の距離感へ。永田さんは一人で遊ぶのも好きで、自分一人でも完結できるタイプだといいます。
川波さんは、一人の時間も必要だけれど、アニメや歴史上の人物から勇気をもらうタイプ。『葬送のフリーレン』の勇者ヒンメルを例に挙げました。葬送のフリーレン魔法使いフリーレンを主人公にしたファンタジー作品。勇者ヒンメルとの旅の記憶が物語の軸になっています。
私もヒンメルならそうしたっていうようにやる方をできるだけ選びたいなっていう。
一方でバーティさんは、コンテンツそのものよりも「誰とやるか」に重きを置くタイプでした。
何をやるかより誰とやるかなところがあって。こんだけバンドをやって好きな音楽あるくせに一人でライブ行ったことなくて。一緒に体験する、共有するとかの方が僕は大事で。
一人で映画館に行くのも嫌で、終わった後は隣の席の知らない人に話しかけるかもしれない、とまで。まさに三者三様の距離感が浮かびました。
「選択肢の一つ」でいい。アソビカイギの間口
最後は「こんな人に来てほしいか」という問いへ。バーティさんの答えは意外にも、特にないというものでした。
看板も表に出しておらず、間口は広くない。それでも、興味が湧いた人にはとりあえず来てみてほしいといいます。お店は、お客さんにとっても数ある選択肢の一つだからです。
今日はケタケタ笑い飛ばしてほしいっていう時には元気なおじさんがやってるバーに行くし、しっとり話を聞いてほしいみたいな時にうちが選ばれたりする時もあるし。その選択肢はあるに越したことはない。
何もしなくても、ただいたいからいる。それでも全然いい。一人で来て窓際のテーブルで大学の課題をやる人もいれば、小一時間、店主と二人で喋らず携帯を触っている時もある。そんな自由さがこのお店にはあります。
まとめ
『アソビカイギ』は、バーティさん自身の「寂しがり屋」という自認から生まれた、人と関わるための場所でした。クラファンでのアップデートを機に、そのあり方はさらに広がっていきそうです。
- 『アソビカイギ』は北九州・小倉のイベントスペース兼バーで、今年で8年目
- クラウドファンディングで椅子やテーブル、4人まで収録できる音響機材をアップデートした
- カウンターの雑談を垂れ流す新番組や、北九州のポッドキャスト拠点構想も進んでいる
- バーティさんは「関わる人たちが自分を形づくる」と考え、人と関わることに楽しさを見出している
- 一人と共有の距離感は3人それぞれ違い、お店は「選択肢の一つ」であればいいというスタンス





