一番好きな作品を挙げるなら、迷わずこれです
チムニータウンでは、これまで絵本や映画、ミュージカル、イベントと、たくさんの作品を届けてきました。
その全てに仲間と流した汗があって、傷があって、喜びがあって、僕らが生きた証なんです。
それでも一番好きな作品はと聞かれたら、僕は迷わず映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』を挙げます。
僕が子供の頃に見たかった、そして今ではとんと見ることがなくなった冒険活劇が詰め込まれた、おもちゃ箱のような物語なんです。
一番好きなキャラクターは、間違いなくルビッチです。特別な超能力を持ってるわけでもないし、高く飛べるわけでも足が速いわけでもない。
ただ、嫌なときに嫌なことをやるし、うるさいし、いい子なんですよ。あいつを見てると、もう愛おしくてしょうがないんです。
モフに叱られて、ごめんなさいって言ってから、もう一回頑張る。そういうところが自分の子供の頃と重なりすぎて、動くルビッチを見ると愛おしくてしょうがないんですね。
一打席目は空振り三振。でも負けたのは僕一人です
これだけ好きな作品なので、もし世の中に届かなかったら、僕は作り手として何を信じればいいのかわからなくなるだろうなと思いながら、公開を迎えました。
結果は、願っていたほど興行成績は伸びませんでした。観客動員数でいうと40万人ほどで、初週は4位スタート。
同時期に公開していたドラえもんや名探偵コナン、スーパーマリオと比較されて、爆死とさんざん言われました。
いろいろ思うところはありますが、スタッフやファンの皆様に大きな夢を見せられなかったのは事実です。
だから「ベンチャーとしては健闘してる方でしょ」みたいな開き直りだけは絶対にやらないと決めて、一打席目は空振り三振したと受け入れることにしました。
だけれど、あのときも今も変わらず思っているんですけど、負けたのは制作総指揮としての西野亮廣であって、作品は負けていないんです。
僕が間抜けでのろまだっただけで、スタッフやファンの皆様と一緒に作った映画は負けてないぞと思っています。
公開から半年、まだ毎週会議をしています
光を当てられなかったあの日から、この映画のことを考えなかった日は一日もありません。
どんなに忙しい日でも、ここから絶対にひっくり返してやろうと、毎日思っているんです。
実はチムニータウンでは、この映画を届けるための定例会議が、今なお毎週行われています。公開は3月27日で、今日は9月10日ですよ。
進捗をお伝えすると、まずサブスク配信はすべてお断りしました。最近あった話も断りました。
僕自身はサブスク配信が好きですし、前作もそれで救われています。ですが、この作品でサブスクを始めてしまうと、この先に見据えている打ち手の一つが打てなくなるんです。
一方で、DVDとBlu-rayの予約はスタートしています。これはコアファンの方が手に取ってくださるもので、この先の打ち手とはバッティングしないと思っています。
セカオワのCDを持っているファンが、だからライブに行かなくなるかというと、そうじゃない。むしろ持っているからこそ生で見たくなる。コアファンの行動パターンってそうなんです。僕がそうなので。
そしてクラウドファンディングでは、この映画を子供たちに届けるプロジェクトを走らせ続けています。イベント上映に子供を無料招待するクラファンです。
11月3日には岡山県津山市のベルフォーレ津山で、12月25日には大阪の中央公会堂で上映会をやります。どちらも子供無料です。
やっていることはシンプルで、逆転の芽を摘まないこと。人事を尽くして天命を待つで、やれることを片っ端からやって、その日が来るのを待つんです。
損切りなんてできない。だってうちの子供なんです
そして明日から、兵庫県の豊岡劇場で映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』の上映がスタートします。公開からもう半年ほど経っているのに、やっていただけるなんて本当にありがたい。
そんなふうにやっていただけるなら僕も行きますということで、明日9月11日の金曜日、15時45分から急遽舞台挨拶に行くことになりました。
3月に公開した映画があまり振るわなかったら、大体の人は「今回はダメだった、さあ次」となりますよね。
それを僕はしないと言うんだから、下手な経営者だったら絶対にダメでしょう。損切りしろって話です。
でも、できるわけないんですよ。好きなんだから。うちの子供なんだから。
うちの子供が頑張って生まれてきて、まだ首もすわってないと言うんだから。首がすわるまで一睡もしてなるものかと。一人で歩けるようになるまで見届けると思っちゃうんです。
ちょっとみっともないし、損切りに完全に失敗しています。僕は経営者としては三流なんです。偉そうにビジネス書を書いていますけど、三流でございます。
友達を一生懸命作って、ファンの皆様に応援していただいて、頑張って作ったやつを、はい次とは言えませんよ。
随分みっともないですが、引き続き届け続けます。明日は豊岡劇場に行きますので、よかったらお友達やご家族、会社の同僚の皆様に伝えていただけたらうれしいです。
今日は多田神社のことをオンラインサロンの方で書きますので、興味がある方は西野亮廣エンタメ研究所を覗いてみてください。
それでは素敵な一日をお過ごしください。じゃあまたね。
まとめ
一番好きな映画が興行的に振るわなくても、僕は損切りせず、公開から半年経った今も毎週会議を開き、上映を届け続けています。
- 一番好きな作品は映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』。負けたのは僕一人で、作品は負けていないと思っている
- サブスク配信は先の打ち手を守るためすべて断り、DVDやクラファンでの上映は続けている
- 経営者としては三流でも、うちの子供のような作品を損切りなんてできない
- 明日は豊岡劇場で舞台挨拶に行く。逆転の芽を摘まず、やれることを片っ端からやり続ける


