金曜の朝に届ける3本立てのラインナップ
T-STUDIO.voiceは、パーソナリティの神森勉さんが沖縄・那覇のスタジオから、毎週金曜の朝に配信しているPodcastです。テーマはガジェット、ウェブや広報、アクセシビリティ、音楽制作のリアルな話です。
第42回の冒頭で神森さんは、この番組がエピソード21からSpotifyの文字起こしに対応していることを紹介しています。Spotifyのアプリで聴くと、話している内容が文字でも表示されます。
音声だとね、届かない方にも読んでもらえるので、よかったら試してみてくださいね。
神森さんは、平日勤務の人には「あと1日で週末」のタイミング、サービス業やシフト勤務の人には「週末の忙しさに備える」タイミングだと語ります。どちらの人にとっても、この時間がいいスイッチになればと話しています。
今回のラインナップは、iPhone Duoの使用レポートのパート2、「教えて!Webマスター」の第3回、そして前回お届けしたデュエット曲をもう一度、という3本です。
ジンバルなしで追いかけるカメラと、自動で撮る自撮り
Gadget Reportは、メーカー提供ではなく、神森さんが個人で買ったガジェットを紹介するコーナーです。概要欄のリンクもアフィリエイトではないと説明されています。
今回はiPhone Duoが届いてから2週間ほど使った感想を、ちょっと辛口多めで話す回です。最初の話題はカメラ性能でした。
神森さんは写真をそれほどたくさん撮るわけではないそうですが、面白いと感じた機能がいくつかあったといいます。1つ目は、iPhone 18 Proで入ったフォーカストラッキングがiPhone Duoでも使えることです。
被写体をね、ダブルタップすると画面にフォーカストラッキングっていうのが出て、その被写体にね、ピントを合わせ続けてくれます。
以前紹介したInsta360のジンバル「Flow 2 Pro」では、DockKit ── iPhoneを対応するスタンドやジンバルと連携させ、被写体を自動で追いかけるためのApple純正の仕組みです経由で同じような追尾ができていました。iPhone Duoでは、ジンバルなしでカメラアプリだけで使えるようになったといいます。動く鳥やチョウチョを撮るのに良さそう、というのが神森さんの感想です。
2つ目は、iPhone 18 Proにはない、iPhone Duoだけの「スマート撮影」です。本体を置いておくと、みんなの準備ができたところで自動でシャッターを切ってくれる機能で、手に持ったままでも使えるそうです。
角度を変えたりとか、顔の向きを変えたりすると、なんとなくね、自動でシャッター切ってくれるんです。これね、面白いです。
このスマート撮影は、外側のディスプレイで確認しながら背面カメラで自撮りできる「Duoプレビュー」と組み合わせると、うまく使えるといいます。神森さんは、手を挙げるとセルフタイマーが動くRAZR 50 Ultraの外側カメラとは違うものの、iPhone Duoのきれいなメインカメラで自撮りできる点が面白いと話しています。
ただし、iPhone Duoは広げるとかなり大きい端末です。自撮りの持ち方に工夫がいるうえ、Duoプレビューを使うと液晶をベタベタ触ってしまうのが少し気持ち悪い、という本音も出ていました。
ズームの寂しさと、Split Viewの地味な便利さ
iPhone Duoのカメラについて、神森さんがはっきり「残念」と言うのがズームです。望遠レンズがついていないため、光学ズームは光学ズームの上限倍率までしか使えません。
神森さんはこれまでのiPhone 15 Proや16 Proで、真上から見下ろす写真を撮るときによくズームを使っていたそうです。近くで撮るとiPhoneや手の影が入ってしまうため、少し高い位置からズームで撮っていたといいます。
特にiPhone16Proはもう5倍までできたので、これが結構重宝してたんですよね。
続いてはSplit Viewです。開いた状態のインナーディスプレイを横向きにして、画面を分けて2つのアプリを並べる機能です。
神森さんが持っているスマートグラス「Even G2」は、アプリからBluetoothでデータを送ってアップデートします。そのためアプリを表に出しておく必要があり、これまではアップデート中に他のアプリを触れなかったそうです。
アプリを表に出し続ける必要があり、アップデート中は他のアプリを使えない
Split Viewで片側にEven G2のアプリを開いたまま、もう片方で他のアプリが使える
もうひとつ神森さんがよくやっているのが、XとSafariを並べる使い方です。Xのアプリ内ブラウザでリンクを開くと、他のポストが見られなくなってしまいます。
左にX、右側にSafariを置いておいて、気になるポストのリンクを開いたら、それをね、Safariに送って、Xはポストの画面に戻すみたいな感じ。
情報は右のSafariで読み、タイムラインは左のXで追う。この並べ方を、神森さんは「結構地味に便利」と話しています。
11月5日時点で、アプリはどこまで対応したか
iPhone Duoのアプリ対応状況は、アップデートでどんどん変わります。神森さんは、ここからの話はあくまで11月5日現在のものとして聞いてほしいと前置きしています。
前回は仮対応と話していたGoogleマップは、完全に対応しました。Yahoo系は乗換案内以外がまだ未対応ですが、11月5日のアップデートでYahoo!ショッピングが対応し、インナーディスプレイでも広がって見えるようになったそうです。
いちばんの不満はLINEです。インナーディスプレイだとスタンプが送れない状態が続いていて、11月4日と5日にアップデートが来たものの、どちらもバグ修正程度だったといいます。
うわ、来たと思ったんですが、どちらも肩透かし。
11月5日時点での対応状況を、神森さんの話した範囲で整理すると次のようになります。
| アプリ | 状況 | 神森さんの話 |
|---|---|---|
| Googleマップ | 対応 | 仮対応から完全対応に |
| Yahoo!ショッピング | 対応 | 11月5日のアップデートで対応 |
| LINE | 未対応 | インナーでスタンプが送れない |
| マネーフォワード ME・アメックス | 対応 | インナーでも使いやすい |
| ポケモンGO・ピクミンブルーム | 未対応 | 相変わらず非対応 |
| Apple Store | 未対応 | 開くと真ん中に縦長で表示 |
Apple公式のApple Storeアプリが対応していないことを、神森さんは「何気に笑える」と話しています。全体としてはまだまだで、iPhone Duoを触るたびに、まずアップデートのチェックから入っているそうです。
2週間で見えた本音、iPhone Duoは「開いて使う」端末
2週間使ってみて神森さんが改めて感じたのは、閉じて使うとずっしり重いことです。幅も広めなので、片手で長時間使うのはつらいといいます。
その代わり、両手で持って両手で文字入力する機会が増えたそうです。神森さんは使ったことはないものの、なんとなくBlackBerry ── 物理キーボードを備えたカナダ発のスマートフォン。2000年代にビジネスパーソンの間で人気を集めましたをちまちま触っている気分になる、と笑います。
一方で、iPhone Duoを開くと重さが分散されるのか、あまり重さを感じないといいます。閉じたときと開いたときで、使い勝手がまったく変わるというのが神森さんの実感です。
閉じた状態のiPhone Duoは縦が短く横幅が広いため、縦方向の情報量が圧倒的に少なくなります。サイトを見るときも、アウターよりインナーを縦にして見ることが増えたそうです。
ずっしり重く幅も広い。縦が短く情報量が少ないので、片手で長く使うのはつらい
重さが分散される。ビューワーやブラウジングは圧倒的に見やすい
ただ、快適な状態を作るには「一旦開く」という動作が加わります。神森さんは、これまでのスマホのように縦長の画面を片手で、さっと使ってさっと終えるという使い方はできなくなると話しています。
これはどんなにOSがより最適化されたりとか、アプリが対応したとしても、やっぱり圧倒的に、アウターのディスプレイの情報量が少なすぎるというところが大きいです。
神森さんが以前使っていた初代Pixel FoldやGalaxy Z Foldは、外側のディスプレイだけでスマホとしての操作がひと通りできたといいます。iPhone Duoはそれとは違う端末だと思って使わないと、挫折する人は多いかもしれない、というのが神森さんの見立てです。
もちろん好きですよ。プロダクトとしての魅力は非常にあるので、私はこれからも使い続けていきますが。
折り目については、前回は「ほぼ目立たない」と話していましたが、この数日で目立つようになってきたそうです。以前は画面オフのときに見える程度だったのが、今は画面がついていてもくぼみがわかるといいます。
神森さん自身は「折りたたみだから折り目はある」と割り切っています。ただ、本当に折り目がない画面を期待する人はやめたほうがいいかも、と話しています。
iPhone Duoのバッテリーは2つに分かれています。神森さんは過充電を避けるため80%を上限に充電していて、今のところどちらも充放電回数は10回です。頻繁に使わなければ1日はギリギリ持ちそう、という印象だそうです。
表示できる場所の変わり方は、これまでのiPhoneと比べて本当に大きいといいます。アプリ開発者は大変だろうと思いつつ、なるべく早く対応してほしい、というのが神森さんの本音です。
会社のSNSは「やるか」より「運営できるか」?
Work Talkのコーナーでは、毎月第1金曜日に届けている「教えて!Webマスター」の第3回が始まります。ひとりでWebを任されている人からの質問に、神森さんが自分なりの考えを話すコーナーです。
会社のWebサイトを担当しております。SNSってやった方がいいんでしょうか?
神森さんは、上司や経営層から「うちもSNSやったほうがいいんじゃない?」と軽く言われた人もいるかもしれない、と想像します。そのうえで、問いの答えは「やるかやらないか」とは少し違うところにあると考えています。
やるかどうかというよりかは、ちゃんと運営できるかどうかじゃないかなと思うんですね。
では、会社のSNSをきちんと運営するには何がいるのか。神森さんは第1回でも話したように、目的をはっきりさせることがすべての出発点だといいます。目的がないまま始めると、そもそも成果を測ることができません。
売上などの成果を狙うなら、マーケティング担当との連携が必須。サイト運営の片手間ではおすすめしない
ブランドを育てる活動なら広報担当と連携し、サイト運営の一つとして進める形でもいい
番組自体も、配信日には朝・昼・夜の3回SNSに投稿しています。朝は通勤、昼はお昼休み、夜は帰宅の時間帯を狙っているそうです。
効果のほどは正直わからない、と神森さんは話します。それでも、SNSをやるうえではある程度ルールを決めることがとても大事で、それも運営の一つだと語っています。
一方で、中途半端にSNSを始めてほとんど更新しないと、見ている人に「この会社大丈夫かしら?」と不安に思われるかもしれません。神森さんは、それなら立ち上げないほうがいいと考えています。
続けられるなら、お知らせを出す程度でも問題はないそうです。ただし、良いことも悪いこともタイミングよく出せるかどうかがとても大事だといいます。
よくあるのがね、一方的にリリースばっかり出していて、何か不都合があった時には黙り込んでしまうというパターン。これは正直信用を損ないます。
PHPの脆弱性騒ぎで見えた、悪いお知らせの出し方
神森さんが「最近わかりやすいことがあった」と挙げるのが、10月にPHPで重大な脆弱性が見つかった件です。この件では、いろいろなサーバー会社がメンテナンスに入りました。
PHP ── Webサイトの動的な処理によく使われるプログラミング言語です。WordPressなど多くのシステムで使われているため、脆弱性が見つかると影響が広がりやすくなりますはWebサイトを動かすのによく使われる仕組みなので、影響を受けた人も多かったはずだと神森さんは話します。そのなかで、普段はSNSで盛んに発信しているのに、メンテナンスについてはサイトでひっそり告知するだけ、というサーバー会社もあったそうです。
神森さんは、サイトには載っている以上、それを非難はしないといいます。それでも、SNSで情報を知る人もいるのに、と感じたそうです。
SNSのアカウントをフォローしてくれてる人って、その会社から出てくる情報を手に入れるっていう、その情報の入り口としてフォローしてくれてることが多いはずなんです。
神森さん自身も、サービスの不具合やメンテナンスのお知らせを出す側だったことがあります。そのときは、いつメンテナンスに入るのかだけでもSNSで出し、詳しくはWebサイトで見てもらう流れを作っていたそうです。
Webサイト担当者にとっての不具合時の流れを、神森さんの話にそって整理すると次のようになります。
サイトで告知
何か不具合が起きたら、まず速やかにWebサイトで告知する
SNSで案内
SNSでも、いつメンテナンスに入るかなどを出し、サイトへ案内する
サイトで詳細
正しい情報はサイトに置き、詳しいことはそこで見てもらう
神森さんの考え方は、正しい情報はサイトに、SNSはその入り口にというものです。
悪いお知らせを出したあとの反応への向き合い方は難しい、と神森さんは認めています。SNSでは厳しいことを言ってくる人もいるため、サイトに案内して収めるのか、返信しない方針にするのかを決める必要もあるかもしれません。
こういうことを担当者が一人で決められますかって話です。これはね、完全に担当者だけの責任ではないと思ってます。
SNSでの発信は、会社としての発信として見られます。広報担当がいればその人と、いなければ中小企業では社長と、場合によってはCIO ── 最高情報責任者のこと。会社の情報システムや情報戦略を統括する役職ですと一緒に考えることになるかもしれません。誰がどこまで、どのタイミングで出し、反応にどう返すのかを、ひとりで抱えずに上長と連携して進める必要があると神森さんは話します。
結論として、良いことも悪いことも出していく方針がないならSNSはやめたほうがいい、と神森さんは繰り返します。逆に、その方針さえ決まっていれば、お知らせを出す程度から始めていいそうです。
コーナーの最後には「皆さんの会社のSNSは悪いお知らせもちゃんと出せていますか?」という問いかけがありました。ひとりでWebを任されている人からの質問も、気軽に送ってほしいと呼びかけています。
Suno AIのデュエット「Two of a Kind」、声の受け渡しの聴きどころ
最後のコーナーはSuno AI Labです。今回は新曲ではなく、前回届けたiPhone Duoがモチーフの男女デュエット「Two of a Kind」をもう一度流します。前回は作った話をしたので、今回は曲の中で気に入っているところの紹介です。
神森さんは、Suno ── テキストで歌詞やスタイルを指定すると、ボーカル入りの楽曲を生成できる音楽生成AIサービスですに渡す歌詞の中で、行ごとに「ここは男性、ここは女性、ここは2人」と歌い手を指定しています。その指定がうまく効いたそうです。
一番だと男性が一歩近づくと女性が一歩離れる。女性は近くに来させておいて待たせる。
1番のBメロでは、こうした駆け引きを1行ずつ受け渡し、最後の1行で2人の距離が崩れる構成です。音が広がった感じや、「トントン」から「タタタタ」に変わるリズムも気に入っていて、音数は少なめでも面白い作りになっているといいます。
サビの「One of a kind, you one of a kind」の部分は、2回とも同じメロディーで、上から順に降りて最後の「kind」で下のオクターブのCに落ちるそうです。続く「on my mind」のあたりは、うっすら明るさを感じるパートだと話しています。
神森さんがかっこいいと感じたのは2番のAメロです。男性パートの「your type」「quiet light」「clear and wide」「by your side」のあたりで、後ろに女性の声が重なります。
声もね、メロディーも自分の中では申し分なくて、4分半ほどの曲なんですが、その辺を気にしながらぜひね、ゆっくり聞いてみてもらえると嬉しいです。
曲のあと、神森さんは曲の特定の部分だけを作り直せる「Song Editor」という機能を試していると話しました。サビやAメロ、Bメロだけを指定して雰囲気を変えられるそうで、次回以降に聴いてもらえたらと話しています。
エンディングでは、11月21日に開かれるアクセシビリティカンファレンス福岡に、神森さんも現地参加する予定だと紹介されました。
まとめ
第42回のT-STUDIO.voiceは、iPhone Duoの癖まで含めた2週間の本音と、会社のSNSを「運営できるか」で考える視点、そしてSuno AIのデュエット曲の聴きどころが詰まった回でした。
- iPhone Duoは開くと快適ですが、閉じた画面の情報量が少なく、従来のスマホのように片手でさっと使う端末ではありません
- 使い勝手を左右するのはアプリの対応で、11月5日時点ではLINEなど未対応のアプリも残っています
- 会社のSNSは、目的を決め、良いことも悪いことも出せる方針がないならやらないほうがいい、というのが神森さんの考えです
- 不具合時は正しい情報をサイトに置き、SNSをその入り口にして、対応方針は担当者ひとりで抱えずに決めましょう
- 「Two of a Kind」は、行ごとの歌い手指定による男女の声の受け渡しが聴きどころです






