子育てと帰省、それぞれの「今しかない」瞬間
番組冒頭は、それぞれの近況から始まります。りょこさんは昨年12月に生まれた息子と暮らしていて、この日でちょうど8ヶ月を迎えました。
話題になったのは、赤ちゃんの歯の成長です。平均より早めに生えてきているようで、下の歯は生後5ヶ月ごろ、上の歯は7ヶ月ごろに生えてきたと話します。
ついこの前歯を拭いてたら、下の歯の残り2本も、前歯2本の横の2本もちょっと頭を出してることに気づいて。
離乳食は2回食に進んでいるものの、まだお腹がいっぱいになる感覚がわからないのか、食べながら「お腹空いた」と泣いてしまうそうです。
一方のきよちゃんは、両親が住む函館への帰省から前日に帰ってきたばかりでした。5年生の息子が先に一人で向かい、甥っ子と一緒に一週間ほど過ごしていたといいます。
いとこ同士のやりとりも見れて、ほっこりしたこの数日だったんですよね。
長野から函館への移動では、高速道路が災害で通行止めになり、飛行機の時間ギリギリになるひやりとした場面もあったと振り返ります。
二人は、子どもの成長を見守る時間そのものが「鼻歌」だと語り合います。今しかない瞬間の貴重さに、話がしみじみと落ち着きました。
「面白かった」しか言えない、感想の悩み
続いてのコーナーは、ため息さんからのお便りです。届いた内容は「ドラマを見ても面白かったとしか感想が言えません」というものでした。
この悩みに、きよちゃんもすぐに共感します。感想を言うのが本当に苦手で、話すだけでなく書いたり表現したりすることも得意ではないと打ち明けます。
感想を言うのが本当に下手くそで。言うだけじゃなくて、書いたり表現することがちょっと本当に得意じゃないですね。
一方のりょこさんは、まさにその感想を書くことを仕事にしています。ドラマのコラムを書くライターとして、感想に客観的な要素を含めつつ文章にする仕事をしているのです。
ただし、りょこさんも最初から書けたわけではありませんでした。仕事にしたいと思って、練習してなんとか書けるようになったと明かします。
嫉妬から始まった「言語化したい」という気持ち
りょこさんがライターを志したきっかけは、好きなドラマの感想を、他のファンが文章にしているのを読んだことでした。ドラマコラムを掲載するメディアで、いろんなライターのコラムを読むうちに、こういう文章を書く仕事があるのかと知ったといいます。
そのコラムを書くことを仕事にしたいと思ったきっかけは?
好きなドラマにハマっていたとき、他のファンが感想を文章にしているのを見て、自分も書きたいと思ったのがきっかけです。それからだいぶ時間が経ってからライターになりました。
りょこさんの原動力は、多くの人に良さを伝えたいという気持ち以上に、自分の感想を言語化したいという思いでした。
自分がコラムを読んでた時に、私の気持ちを言語化してくれているみたいな気持ちになったんですよ。だったら自分もしたいみたいな。
きっかけになったのは2018年のドラマ『おっさんずラブ』でした。ライターデビューは2023年なので、そこから5年ほど経ってからのことです。
さらにりょこさんは、当時の気持ちには嫉妬に近いものもあったと振り返ります。感覚的には理解している感想があるのに、長い文章にできない。その断片をちゃんと文章にしたいという思いが出発点だったと語ります。
「なぜ面白いのか」を突き詰める、言語化のフィルター
では、どうやって今のようにコラムを書けるようになったのでしょうか。りょこさんは、ウェブライティングの勉強を全体的にしたうえで、自分のnote記事に書いたものをメディアに送り、採用されたことで書くようになったといいます。
最初は企画も通らず、編集者から赤字をたくさん入れられたそうです。その一つ一つをクリアしながら、感想を掘り下げる方法を身につけていきました。
面白かったとか可愛いとか、この言葉で説明できないかなとか、どうして面白かったのかみたいなことを突き詰めていくみたいな。
具体的には、表情が良かったのか、セリフの言い方が良かったのか。他の作品と比べてどうなのか。その俳優がこれまでどんな役をしてきたか、といった視点で考えるそうです。
ドラマコラムを書き始めてしばらく経った今では、見ながら自動的に分析が入るようになっているといいます。本数を見ているからこそ、この俳優がこういう役をやるのは珍しい、といったこともわかるようになりました。
きよちゃんは、この話に大きなヒントを見つけます。ドラマに限らず、感想がうまく出てこないときに、いくつかのフィルターを持っておくといいのだと気づきました。
自分の言葉が「上書き」される前に、メモを残す
りょこさんは、文芸評論家の三宅香帆さんの著書『「好き」を言語化する技術』を紹介します。この本には、自分の中で言葉になりきらないうちに人の言葉を読むと、感想が上書きされてしまう、という指摘があるそうです。
自分の中で言葉になりきらないうちに人の言葉を読んでしまうと上書きされちゃうんですよね。
特にSNS時代は危険だといいます。XやnoteでレビューをX先に読んでしまうと、それに上書きされてしまう。だからこそ、メモベースでもいいから自分の中の言葉を先に書いておくことをすすめます。
さらにりょこさんは、自分がいいと思ったのに、偉い人が批判しているのを見ると、書く気がなくなってしまう切なさにも触れます。だからこそ、ここが可愛かった、面白かったとだけでも書き残しておくといいと話します。
きよちゃんは、この話を自分の仕事にも重ねます。カウンセリングなど一対一で話を聞くのは大丈夫でも、大勢の話を聞いた後に総括するのは苦手だと打ち明けます。
いい話が聞けましたねみたいな、薄っすい感想言っちゃったりするから。
りょこさんも、ライターとしてインタビューするとき、絶対に書きたいと思うパンチラインをメモしておくと明かします。二人は、頭の中を流れていく言葉を残しておくことの大切さで一致しました。
『おっさんずラブ』の「余白」が、想像をかき立てた
話は、りょこさんの原点である『おっさんずラブ』に戻ります。きよちゃんは、そのドラマの何をそんなに言語化したかったのかが気になったのです。
りょこさんは、恋愛ドラマとしてよくできていたことに加えて、感情面の余白がしっかりあったことを理由に挙げます。
どうして好きになったのかとかいうのがあんまりしっかり描かれてなかったんですよ。余白があるとそこを想像したくなっちゃうなと思ってて。
セリフで感情がしっかり説明されていると、登場人物の気持ちがそうとしか受け取れません。けれど余白があると、なぜ好きになったのか、どこで好きになったのかを想像したくなる。その過程が楽しかったといいます。
逃げ恥の再来?「神の視点」で楽しむドラマ
ここからは、きよちゃんの好みに合うドラマの話になります。きよちゃんが好きな作品として挙げたのは、『逃げ恥』『古畑任三郎』『踊る大捜査線』、仲間由紀恵さん出演の『TRICK』などでした。
りょこさんがまずすすめたのは、昨年放送された恋愛ドラマ『波うららかに めおと日和』です。当時「逃げ恥の再来」と言われていた作品だといいます。
りょこさんがそう感じた理由は、視聴者が両方の登場人物の心の声を知りながら、二人の恋愛を見守れる点にありました。
視聴者が神の視点で二人の恋愛を見守れるドラマだったと思うんですけど。
『波うららかに めおと日和』は昭和が舞台で、無愛想な帝国海軍の夫と、恋愛が初めてのウブな女性が、お見合いをきっかけに結婚します。結婚生活が恋愛の始まりになる物語です。
心の声を聞いてるからこその可愛らしさをただただ楽しめるっていうドラマなんですけど。この点が逃げ恥と似てるなと思ってて。
きよちゃんは、自分が『逃げ恥』を好きだった理由をまだ言語化していないと気づきます。もしかしたら、神の視点で楽しめたところがその答えかもしれないと考えました。
『波うららかに めおと日和』は2月から2期が始まるため、1期がTVerなどで再配信される可能性があるといいます。今が見るタイミングだと盛り上がりました。
サスペンスやミステリーの話にも及び、二人は怖いだけの作品より、ユーモアやドジな要素が入った作品が好きだという点で意見が合います。
りょこさんは、往年の名作に匹敵する作品として『アンナチュラル』や『MIU404』を挙げます。きよちゃんが『MIU404』を見ていたと知り、二人の好みが近いことを確かめ合いました。
最近の日本の面白いドラマでアンナチュラルを勧めるのはちょっとずるい気がしますね。
『MIU404』と『アンナチュラル』は世界観が繋がっていて、先に『アンナチュラル』があると教わり、きよちゃんは見てみると応じました。感想の言語化から始まった話は、次に見たい作品の共有で締めくくられます。
まとめ
「面白かった」しか言えない感想も、いくつかのフィルターで掘り下げ、他人の言葉に上書きされる前にメモを残すことで、自分の言葉にしていけます。ドラマライターとして感想を仕事にしてきたりょこさんの経験から、感想の言語化に向き合うヒントが詰まった回でした。
- 感想は「なぜそう感じたか」「他と比べてどうか」を突き詰めると言葉になりやすい
- SNSでレビューを先に読むと自分の感想が上書きされるため、メモを先に残すとよい
- 自分がいいと思った気持ちは、批判を見る前に書き留めておくと迷子にならない
- りょこさんの言語化欲は、他人のコラムへの「嫉妬」から始まった
- 『波うららかに めおと日和』は「神の視点」で楽しめる、逃げ恥の再来と評された作品



