月に一度の「染め会」をしながらの収録
この回は、いまむらゆいさんとひとみさんが担当するハナウタラジオです。
番組は「ため息の中にあるポジティブな鼻歌を一緒に探す」というコンセプトで進みます。
今回は月に一度の「染め会」の日にあたり、実際に草木染めの作業をしながら収録されています。
作業の音が入ってしまうかもしれませんが、許してください。
作業しながらの収録なので、包丁の音や煮出す様子も交えつつ、会話が進んでいきます。
寄せ書きを取りまとめて感じた「鼻歌な気持ち」
最初のコーナーは、最近ルンルンした「鼻歌エピソード」の共有です。ひとみさんは、お世話になった人のお祝いに寄せ書きを企画した話を挙げました。
ちょっとお世話になった人にお祝い事があって、「おめでとう」みたいな寄せ書きをしたんですよ。私がちょっと取りまとめて、「やりませんか?」って皆さんに言って。
ひとみさんが印象的だったのは、プレゼントが喜ばれたこと以上に、そのために自分の時間と手間をかけられた、という点でした。
誰かのために、言うなれば手間をかけて、自分の時間をかけてそれをする。でも誰かに喜んでもらえるような行動をできたこと、みたいなところに鼻歌な気持ちになって。
ひとみさんは、こうした誰かに喜んでもらえる行動をどんどんしていきたい、と続けます。ゆいさんも、相手のためにできている自分に対しても嬉しくなる、と共感します。
ひとみさんは、会社員時代は我慢強く頑張るタイプだったと振り返ります。ただ、そうではなく、自分がハッピーになれることをして周りもハッピーになる循環がいい、と改めて感じたと話しました。
ゆいさんは、仕事の「与える」という表現について、与えるというより自分から溢れ出てしまう感覚かもしれない、と言い添えます。それを相手にとって自然にやりたいと思える流れが、仕事の本質かもしれない、と話しました。
農園のためにレシピを作った午前中
ゆいさんの鼻歌エピソードは、この日の午前中の出来事でした。ゆいさんは週に一回、小川町の風農家ファームという農園で働いています。
今週末、その農園や小川町の野菜を「地酒祭り」のブースで販売することになり、ゆいさんは売り子として参加する予定です。
そのお野菜を販売する中で、レシピをつけてお野菜セットを販売しない?みたいなことを農園さんから言ってもらって。
ゆいさんは午前中、どんなレシピがいいかとワクワクしながらレシピ作りと撮影をしていた、と話します。自分ができることで野菜に付加価値をつけ、販売を盛り上げられることが嬉しかったといいます。
地域のことにも触れてみたかったし、野菜のお仕事をできる喜びもあるし、お料理を作る喜びもある。
ただしゆいさんは、いつもそう思えるわけではない、とも語ります。時間に追われる時もあるけれど、この人のため、この農園のため、と本質的に考えながら物作りをできることは幸せだと話しました。
手しごとは「何から始める」といい?
続いてはお便り紹介のコーナーです。「ためゆきさん」から届いたのは、手しごとについての相談でした。
手仕事に興味がありますが、何から始めると良いですか?
ゆいさんの手しごとといえば、野菜染めや、最近は野菜顔料作りです。この染め会も、ゆいさんとひとみさんが毎月10日にオンラインでつながって続けているものです。
ふたりは、始めてからすでに1年以上経っていることに気づいて驚きます。そしてゆいさんは、このゆるさこそ手しごとに重要かもしれない、と話します。
いやでも、多分このゆるさが手仕事にも重要かもしれない。
ひとみさんも、やらなきゃと準備を頑張って力を入れてやると続かない気がする、と応じます。ゆいさんは、手しごとは絶対にやらなきゃいけないものでも急ぎの用事でもないから、後回しにできてしまうと語ります。
だからこそ、ふたりは毎月10日という時間をあらかじめ確保していることを、続ける工夫として挙げました。ひとみさんは、仲間を見つけることも最初のいいアドバイスになりそうだ、と話します。
何をするかを決めてなくても、とりあえずこの時間を何かするみたいな感じでしちゃうのもいいかもしれない。
染め会では、染め物でなくても縫い物や絵を描くこと、仕込みでもよい、とふたりは言います。作る内容を決めていなくても、まず時間を確保することから始められる、というわけです。
キンカンを染めながら味わう、工程そのものの楽しさ
この日ふたりが染めているのは、キンカンです。ゆいさんは間引きのキンカンを丸ごと、重曹を入れた水で煮て色を出しています。一方ひとみさんは、キンカンを切ってから煮て、その違いを比べようとしています。
もう今、部屋中がキンカンのいい香りに包まれております。
ゆいさんは、染め物のいいところは完成品だけではない、と語ります。煮出すときの香り、切りものをする時間、色が染まっていく様子、何色になるかというワクワクなど、楽しみのポイントが凝縮されているといいます。
ふたりは、この時間そのものを「鼻歌タイム」ならぬ「鼻うタイム」と名づけて盛り上がりました。
この染めたバッグを今日使おうかなみたいにするのも楽しいし、楽しみポイントがすごいいっぱいある。
ひとみさんは、そもそもつまみ細工が趣味で、その布を作りたくて草木染めをしているといいます。作品の完成そのものより、作る間の時間や、一から作り上げる喜びを大事にしているそうです。
色から自分で作れたら、より自分でゼロから作り上げる要素が増えるから、楽しいって思いながらやってます。
ひとみさんは、失敗しても構わない、それ自体が楽しいから白紙のところからできるものに喜びを感じる、と語ります。ゆいさんも、色から自分で作ると愛着が湧き、一つのものからストーリーが生まれる、と応じました。
赤紫蘇ジュースにシロップ、食べ物系の手しごとも
話題は、染め物以外の手しごとにも広がります。ゆいさんは子どもたちと赤紫蘇ジュースを作った話を挙げました。農園でもらった赤紫蘇でジュースを作ったところ、下の子が気に入ってよく飲むようになったといいます。
その後、家の前の畑に勝手に生えていた紫蘇を分けてもらい、子どもたちと茎から葉を外す作業をして、煮込んでレモン汁と合わせ、赤紫蘇シロップを作ったそうです。
子供たちと一緒に茎から葉っぱを外す作業を一緒にやって、それを煮込んで、レモン汁とかと合わせて赤紫蘇シロップを作ったりして。
ゆいさんによると、紫蘇ジュースは意外と子ども向けではないと思っていたものの、色がきれいで子どもたちが興味を持ち、飲ませてみると気に入ってくれたそうです。
ゆいさんは、赤紫蘇から色素が抜けて葉が緑になり、リンゴ酢やレモン汁など酸性のものを入れると色がパッと明るくなる、という工程も楽しいと話します。理科の実験のような色の変化を、子どもたちも面白がってくれるといいます。
その季節も楽しめるし、小川町に戻ってきて自然が溢れる中で、そこら辺に生えているものを楽しめる喜びもある。
食べられなくなった農産物を、顔料や絵の具に活かす
ゆいさんは手しごとの例として、梅干しや味噌を仕込むことも好きだと話します。まずは直売所をチェックして、その時並んでいるものを見ることが、食べ物系の手しごとの一歩になりそうだといいます。
まずはこういう直売所をチェックして、その時並んでるものを見るみたいなのも、食べ物系の手仕事だったらまず一歩かもしれない。
この日ゆいさんが煮ていたキンカンは、染め物ではなく顔料にするのが目的でした。重曹を入れて煮出した液を中性になるよう酸性の液で調整すると、色の元が沈殿して顔料化するといいます。
その沈殿を漉して水気を切り乾燥させると粉になります。ゆいさんによると、顔料は水に溶けない固体の状態になるため、絵の具などにも活用できるそうです。
ゆいさんが作った絵の具セットとかあって、みんなでお絵描きしたら楽しそう。
ゆいさんは、間引きのキンカンのほか、天候被害で食べられなくなってしまった農産物の活用も少しずつ模索していると話します。それを顔料や染めの製品にして、どうお役立ちができるかを考えているそうです。
ひとみさんは、これが最初の寄せ書きの話につながっていったようだ、とまとめます。誰かの喜びが自分の喜びになるということを、ゆいさんは手しごとを通して実現している、というわけです。
まとめ
手しごとを始めるには、力を入れて準備するより、まず時間を確保し、仲間と気負わず続けることが大切だと語られた回でした。染めやシロップ作りは、完成品だけでなく、香りや色の変化といった工程そのものにも喜びが詰まっています。
- 手しごとは急ぎの用事ではないため後回しになりやすく、時間を先に確保することが続けるコツになる
- 作る内容を決めていなくても、毎月の「染め会」のように仲間と時間を共有することから始められる
- 染めやシロップ作りは完成品だけでなく、香り・切りもの・色の変化など工程そのものが楽しみになる
- 食べ物系の手しごとは、直売所で並んでいる旬のものを見ることが最初の一歩になる
- ゆいさんは、食べられなくなった農産物を顔料や絵の具に活かす活用も模索している






