ハイブランド好きを隠していた片山さんの「白状」
この回は、片山光祐さんの「白状」から始まります。片山さんはこれまで番組で、ファッションやハイブランドには詳しくない、興味がないという立ち位置を取ってきました。
保呂田直行さんが「ユニクロの人だったね」と振り返ると、片山さんはそのスタンスが「半分ほんまで半分嘘」だったと明かします。
実はあの高校の時から実はちょっとグッチが好きやった。
いや、だからハイブランド好きって言ったら、あの好感度下がるかなと思ってて。
中島静香さんは「ポジティブランディングラボの人が好感度を気にして、自分の好きを打ち消してきた」とツッコみ、保呂田さんも「あんだけ嘘ついちゃいけないって言ってたのに」と笑います。
片山さんは、番組を続けるうちに嘘をついてはいけないと学んだからこそ、今打ち明けるほうがプラスだと考えたと話します。そのうえで、この回はグッチがF1を選んだ話から「ブランドは誰と組むと大きく育つか」を考える、と予告しました。
番組の呼び名を「ポジラボ」に変えた理由
オープニングで中島さんが「ポジラボ始まりました」と切り出すと、保呂田さんが慌てて止めに入ります。番組の正式名「ポジティブランディングラボ」を、呼び名として「ポジラボ」に寄せていくことにしたのです。
保呂田さんは過去のネーミング回に触れ、片山さんは「受け入れられやすい名前」だと補足します。中島さんも、前から長いと思っていたと本音を漏らしました。
だからこの番組ももうそろそろね、2年目に入っていくんで、そういう機会も踏まえて、こう呼び名はポジラボっていう風にしていった方がいいかなと思って。
片山さんは、回を重ねるごとに学んで改善していくこと自体が「実験室」としての番組のプロセスだと位置づけています。メンバー同士はすでに普段から「ポジラボ」と呼んでいたそうです。
リスナーのツッコミで学ぶ、フォントとロゴタイプの違い
番組には感想も届いており、まずはfont回を聞いたクロノスさんのコメントが紹介されました。内容は面白かったとしつつ、デザイナー目線のツッコミが1つあるという投稿です。
fontの回を聞きました。内容は面白かったんやけど、デザイナー目線では1個だけツッコミがあります。前回fontという言葉でいろんなものをひとくくりにしてたけど、実はそこちょっと分けた方がいいです。
例えばブランド名そのものをデザインした文字。バレンシアガとかバーバリーのあのブランド名の見た目ですね。これはロゴタイプの話です。一方で、会社がウェブサイトや広告資料なんかで共通して使う文字はまた別の話です。例えば、SONYにはSSTというSONYのために作られた書体があります。こういうのがコーポレートフォント。
あと、前回出てきた資生堂も、資生堂フォントではなくて、正しくは資生堂書体です。ざっくりした方向性は合ってるんやけど、全部フォントって言ってしまうと、デザイナーが聞いたらそこ一緒にしたらあかんでってなると思います。
コメントで整理された文字の区別は、次のようにまとめられます。
ブランド名そのものをデザインした文字。バレンシアガやバーバリーのブランド名の見た目
会社がウェブサイトや広告資料で共通して使う書体。SONYのSSTなど
デザイナーでもある保呂田さんは「めっちゃわかる」と共感し、何よりプロが番組を聞いてくれていることがうれしいと話します。片山さんは、英語でもタイプフェイス ── 書体のデザインそのものを指す言葉。特定のサイズや形式で使えるようにしたデータを指す「フォント」とは区別されることが多いのように言い分けると補足し、クロノスさんをゲストに招きたいとも語りました。
関西弁の片山さんのほうがキャラが立つ?
2通目は、お風呂で番組を聞くことが多いという太郎さんからのコメントです。
お風呂で聞くことが多く、どうしても音がこもってしまうので、メンズばかりだと聞き分けにくいことがありました。だがしかし、女性が入ることによりとても聞きやすくなりました。それでもイケボの片山さんとホロタさんのキャラが被ることがあるので、片山さんは関西弁縛りにしていただけると。笑。
保呂田さんも、片山さんは関西弁のほうがキャラが立つと以前から伝えていたそうです。片山さんは、その助言を受けて途中から標準語で話すのをやめたと明かします。
そうね。だからこれ(関西弁)自分のブランディングも兼ねてるからさ。確かに初めの方は結構こう作った自分みたいな。
片山さんは、番組の初期は好感度を下げたくなくて標準語を選んでいたと振り返ります。冒頭のグッチの白状と同じく、作った自分から素の自分へ戻る話になっていました。
グッチが「アルピーヌF1チーム」のタイトルパートナーに
この回のタイトルは「GUCCIがF1チームに。今ラグジュアリーブランドに何が起きている?」です。F1好きの片山さんにとって、グッチがF1と組むというニュースは「好きなもの同士がつながった」感覚だったといいます。
片山さんによると、グッチは2027年からアルピーヌ ── フランスの自動車メーカー、ルノー傘下のブランド。F1ではルノーのワークスチームの流れをくむチームとして参戦しているF1チームのタイトルパートナーになり、「GUCCIレーシングアルピーヌフォーミュラ1チーム」という名称で参戦する予定です。
ただし片山さんが面白いと感じたのは、なぜグッチがF1なのかよりも、なぜこの相手と、この組み方を選んだのかという点でした。保呂田さんも「F1の車体が革でできてるわけじゃないしね」と応じます。
実は僕らは自分自身について語るだけじゃなくて、誰と並んでいるかでも何者かを判断されているんじゃないかなと。
片山さんは、企業同士のアライアンス、個人事業主が誰と仕事をするか、タレントがどの事務所に所属するかも同じ構図だと指摘します。この回の問いは「あなたは誰と組むことによって何者になろうとしていますか?」と設定されました。
ロゴを載せるだけじゃない、グッチとアルピーヌの関係
中島さんは、グッチとアルピーヌの提携が普通のスポンサーと何が違うのかを尋ねます。片山さんの答えは、単にマシンにグッチのロゴを載せる話ではない、というものでした。
チーム名にブランド名が入るだけでなく、マシンの見た目、チームウェア、商品、イベント、顧客体験にまで広がっていく可能性があると片山さんは説明します。中島さんは参考写真を見て、ドライバーのスーツが「ガチガチのGUCCI」だと驚いていました。
だからGUCCIはF1を広告媒体として使いますっていうことではなくて、このチームと一緒に戦うブランドになりますっていうところまで中に入っていくっていう感覚なんだよね。
中島さんが「仲良しですアピール」と言い換えると、片山さんは「一心同体、運命共同体」のイメージに近いと答えています。
F1とグッチが互いに受け渡す「意味の転移」
片山さんは、F1が持つイメージを「速さ、技術、精密さ、世界最高峰、極限状態で戦う」と整理します。グッチがF1に入ると、その意味がグッチにも重なっていくというのです。
反対に、グッチが持つデザイン、ファッション、クラフト、ラグジュアリー、文化性といった意味も、アルピーヌ側に重なっていきます。中島さんはこれを「お互いのイメージを交換する」と表現し、片山さんは「シェアする」と言い換えました。
F1・アルピーヌからグッチへ
速さ、技術、精密さ、世界最高峰、極限状態で戦うイメージ
グッチからアルピーヌへ
デザイン、ファッション、クラフト、ラグジュアリー、文化性のイメージ
結果
互いの意味が重なり、どちらのブランドの見え方も変わる
保呂田さんは頭の中で「ラグジュアリーなF1、極限状態なグッチ」という大喜利が止まらなくなり、片山さんは「ブランドの思惑通りや」と笑います。
片山さんによると、ブランド論ではこうした現象を意味の転移 ── ある対象が持つイメージや価値観が、組み合わされた相手へ移っていくという考え方。広告では有名人の起用で商品にイメージが移る現象の説明などに使われると考えることがあります。難しく言わなければ、ある人と一緒にいるとその人のイメージが自分にもついてくる、人間関係にもある現象です。
保呂田さんは暴走族の「なんとか連合の総長」と野良のヤンキーの違いを例に挙げ、中島さんは「オシャレな女の子と仲良くすると自分もオシャレになってる」と身近な例を出しました。
それって結局ロゴとロゴを隣に並べるってことじゃなくて、実はブランド同士がお互いの意味をシェアし合っているっていう風に思った方が本質に近いんじゃないかなっていう。
世界中で知られるグッチが、今F1と組む理由は?
中島さんは、グッチはすでに世界中で知られているのに、なぜ改めてF1と組むのかと疑問を投げかけます。片山さんは、知られていることと、今このブランドが欲しいと思われることは違う、と答えます。
片山さんによると、グッチの親会社であるケリング ── グッチやサンローラン、バレンシアガなどを傘下に持つフランスのラグジュアリーグループは、「欲しい、憧れる」と思わせる力であるブランドデジラビリティを高めることを重要な課題にしています。2025年のグッチの売上高は、前年から22%減少したといいます。
ただし片山さんは、売上が落ちたからF1に入ったという単純な話ではないと強調します。あくまで自分なりの解釈だと断ったうえで、F1と組むことで「これからのグッチはどういう世界に属するブランドなのか」を見せようとしているように見える、と話しました。
だから誰と組むかっていうのは、自分をどの文脈に置くのかっていうことを選ぶっていうことね。
保呂田さんの「認知よりも、F1の文脈にグッチが選んで参入しているイメージ」という見立てに、片山さんは「その通りだと思う」と同意しています。中島さんも、自分たちの信念や理念を世に打ち出すためのコラボレーションなのだと受け止めました。
LVMHは「F1そのもの」、グッチは「1チーム」と組んだ
保呂田さんがヴィトンの名前を出すと、片山さんはルイ・ヴィトンの親グループLVMH ── ルイ・ヴィトン、モエ・エ・シャンドン、タグ・ホイヤーなど多数のブランドを抱える世界最大級のラグジュアリーグループの関わり方を紹介します。LVMHはグッチより先に、2025年から10年間、F1自体のグローバルラグジュアリーパートナーになっています。
LVMHは特定のチームを持っているわけではありません。グループ内の複数のブランドが、F1の象徴的な場面でそれぞれ役割を担っているのです。
- ルイ・ヴィトン: トロフィーを運ぶ特製トランク
- タグ・ホイヤー: 公式タイムキーパー
- モエ・エ・シャンドン: 公式シャンパンとして表彰台の祝福に関わる
片山さんは、時間を計る瞬間、勝者が決まる時、トロフィーが渡される時、最後に祝う時に、LVMHのブランドが入っていると整理しました。
F1という競技そのものと関係を作り、格式や儀式の場面に入り込む
アルピーヌという特定のチームと関係を作り、そのチームの勝ち負けまで背負う
片山さんは、どちらが正しいという話ではないとしつつ、同じF1と組むにしても、誰とどんな距離感で関係を結ぶかでブランドにつく意味が変わると述べています。
保呂田さんは、メジャーリーグ全体のスポンサーと、ロサンゼルス・ドジャースのような個別チームのスポンサーの違いに似ていると例えました。片山さんは、F1の場合はそれよりも濃く、LVMHは単なるスポンサーシップではなく「儀式に入っている」感覚だと説明します。
保呂田さんは、F1側もお金を払えばどこでもいいわけではなく、儀式や格式に合う相手を選んでいるのだろうと受け止めました。
有名な相手と組めば成功、ではない
片山さんは、アライアンスは有名な相手と組めばいいというものでは全然ない、と話を進めます。中島さんも、有名な人と組めたら嬉しいと考えがちだと応じました。
ものすごく有名な会社と組んでも、そういう会社が持っている意味が自分と合っていなかったら、むしろブランドがわかりにくくなる可能性もあるかな。
中島さんは、自分の文脈を把握し、どの方向に進みたいのかをわかっておく必要があるとまとめます。片山さんが挙げた考えるべきポイントは、相手と並んだ時に自分は何者に見えるかという視点でした。
中小企業ほど「誰と組むか」が大事な理由
中島さんが、ここまでの大企業の話を中小企業に当てはめるとどうなるかと尋ねると、片山さんは「むしろ中小企業ほど大事」と答えます。大企業のように全部を自前で持つのは難しく、外部の会社や専門家、フリーランス、異業種と組むのは中小企業にとって日常だからです。
片山さんによると、多くの場合、中小企業は自分たちに足りない機能を補う発想で相手を選んでいます。パンフレットが作れないからデザイン会社と、システムがないからIT会社と、営業力がないから営業会社と組む、という具合です。
片山さんは、その発想自体は間違っていないとしたうえで、ブランド視点ではもう1つ問いを加えたほうがいいと話します。
その人、その会社と組むことで自分たちは何者になるのかってことかなと思ってますよ。
自分たちに足りない機能を補ってくれるのは誰か
その相手と組むことで、自分たちは何者になるのか
ポジラボの3人にも起きている意味の転移
中島さんが具体例を求めると、片山さんは「この番組ですよ」と答えます。片山さんが一人でブランディングを語る番組をやっていたら、今とはかなり違う番組になっていたはずだというのです。
片山さんはさらに、中島さんにも意味の転移が起きていると指摘します。保呂田さんは和牛の仕事を多く手がけて「和牛の人」と言われており、中島さんも番組のパーソナリティとして「ブランディングの人」と思われている可能性がある、という見立てです。
結構ね、私この話いつも面白いから、ポジラボって。会うたび会うたびみんなに話してますよ。
中島さんは、片山さんと保呂田さんは準備の仕方から喋り、観点まで全然違うタイプだと話します。片山さんは保呂田さんを「いい意味でぶっ飛んでいる」と評し、表現が自由で基本的にポジティブだと語りました。
僕一人やったらこの番組やってたらそういう風になってないと思うし、もっと理屈っぽいというか、硬い番組になってたかなっていう風に思う。
保呂田さんは逆に、自分一人なら「こいつ何が言いたいねん」で終わると笑います。中島さんが「能力を補うこともしている」と加えると、片山さんは機能の補い合いと意味の転移の両方が起きているのだろうと答えました。
コラボは「能力の足し算」ではなく「意味の掛け算」
保呂田さんは、中小企業同士の連携でも、一見なぜ組むのかわからない組み合わせに意味の転移があるのだと受け止めます。
中島さんは営業会社を例に、機能を補うだけなら1社に頼めば済むが、意味の転移を考えるなら複数の候補を並べて自分たちの信念に合う相手を選ぶことになる、と整理しました。片山さんは、信念に加えて相手が世間的に持つイメージが合うか、補い合えるかまで考えるとよいと応じています。
片山さんは、共同で商品を作る相手、イベントをする相手、ポッドキャストをやる相手、パートナーとして紹介する相手、一緒に提案する会社の一つ一つが、「私たちはこういう人たちと仕事をする会社です」というメッセージになると話します。
売上や知名度、仕事を紹介してくれることも大事だとしたうえで、片山さんは、この相手と並んだ時に自分がどう見えるかを考えることこそ、中小企業でも十分にできるブランド戦略だと述べました。
カメラマンも同じ。仕事相手がプロフィールになる
中島さんが個人でも同じかと尋ねると、片山さんは「個人でもめちゃくちゃそう」と答え、カメラマンを例に挙げます。撮影技術が同じでも、ウェディングプランナーや建築家、ファッションブランド、企業経営者など、誰と仕事をするかで周囲から見える専門性は変わるといいます。
だから仕事相手がその人のプロフィールにどんどんなっていくからね。怖くもあるし面白くもあるけど。
保呂田さんは、一度で何かが変わるわけではないが、ミルフィーユのようにレイヤーが重なっていった先に自分の姿が作られる、と表現しました。片山さんも、ある業界の仕事を続けていれば、本人が意識しなくても「肉の業界に強い人」のように見られていくと話します。
ここで、保呂田さんがアメリカで有名な寿司職人の横で和牛の寿司を一緒に握る動画の話題になりました。保呂田さんは、日本人が寿司を握ると喜ばれるのだと説明し、片山さんは「その人のブランドを作ってるわけですよ」とまとめています。
タレントと事務所は、互いの意味を背負い合う
中島さんは、タレントの場合はもっとわかりやすいと話を振ります。片山さんはタレント事務所「株式会社セイ」も経営しており、中島さんはそこに所属しています。
片山さんは、所属した瞬間にタレントの歌や喋りが上手くなるわけではないと前置きします。それでも、どんなタレントが所属し、どんな仕事や業界に強く、どう育成し、どんな基準で仕事を受ける事務所なのかという文脈の中に、タレント自身が入っていくのだと話します。
どこの所属集団に所属するかによって、最初に与えられる文脈がちょっと変わってくるかな。
保呂田さんは、逆にタレントのイメージが事務所につくこともあると指摘します。片山さんも、誠実な仕事をするタレントが所属していれば、その事務所はちゃんとしていると見られると同意しました。
だから事務所側も誰を所属させるかは採用じゃなくてブランド戦略でもあるわけ。
保呂田さんは、新卒でどこに入ったかが大きなブランドになるとして、企業の採用も同じではないかと投げかけます。中島さんは、社員が会社の望む振る舞いをすれば会社の顔になり、会社のイメージが広がるという意味では共通すると整理しました。
パートナーを選ぶときに考えたい3つの視点
中島さんが、実際に相手を選ぶときどう考えるかと尋ねます。有名な相手から声がかかれば嬉しいのは前提としつつ、片山さんはブランド視点で3つのことを考えたいと話しました。
1つ目は、相手が持っている意味が自分についてもいいかです。スピード感のある会社、伝統を大切にする会社、安さで勝負する会社など、どれが正しいかではなく、自分たちの進みたい方向と合うかを見ます。
中島さんは、時間にルーズな相手と組んでいいかのように、ネガティブな面にも気をつけたいと付け加えます。片山さんも、マイナスイメージを持つ相手もいるので、そこまで考える必要があると同意しました。
2つ目は、自分が相手にどんな意味を渡せるかです。一方的に相手のブランド力を借りるだけでは長い関係になりにくく、相手にも「この会社と組めば自分たちもこうなれる」と思ってもらえるかが大事だと語られます。
保呂田さんは、ネガティブなイメージがある会社と組んで、こちらがポジティブにしてあげることもあり得ると話します。一方で中島さんは、日本の企業、特に中小企業は「私たちと組めばこんな意味がもたらされる」と言語化できているところが少ないのではないかと問いかけました。
保呂田さんは、それをはっきり言うのはおこがましいので、言葉にせず感じさせることが大事だと応じます。そのうえで、自信を持ってそう示すためにブランディングがあるのだと語りました。
F1と組んだグッチなら「好き」と言える
保呂田さんはここで、冒頭の片山さんの白状につなげます。ハイブランド好きな自分を恥ずかしいと感じていた片山さんが、グッチの話を堂々とできるようになったのは、グッチがF1と組んだからではないか、という考察です。
でもF1と組んだGUCCIってなったことによって、GUCCI好きって言ってええんやって。
片山さんは「めっちゃそう」と何度も繰り返し、だからこの回をやりたかったのだと腑に落ちた様子でした。グッチ好きの片山さん自身が、F1との提携による意味の転移を体験していたことになります。
話は3つ目の視点、どこまで一緒に背負うかへ移ります。関係の深さには段階があり、深くなるほど得られるものも、相手の成功や失敗から受ける影響も大きくなると語られました。
グッチが1つのF1チームに深く入るのは、そのリスクまで引き受けることだと話されます。アルピーヌがボロボロの成績を残しても、それはグッチのイメージになっていくからです。
保呂田さんは、グッチのチームが優勝したら、トロフィーはルイ・ヴィトンのトランクで運ばれてくるのかと想像し、「全身GUCCIでカバンがヴィトン」の大阪のおばちゃんのようだと笑いを誘いました。中島さんは、野球でもチームのスポンサーとリーグのスポンサーが映像の中で混在することはよくあると補足しています。
| 視点 | 問い | 注意点 |
|---|---|---|
| 1つ目 | 相手の意味が自分についてもいいか | ネガティブなイメージも考慮する |
| 2つ目 | 自分は相手にどんな意味を渡せるか | 言葉にせず感じさせる工夫も必要 |
| 3つ目 | どこまで一緒に背負うか | 深いほど相手の成功も失敗も自分に影響する |
1分ラボ:今組んでいる相手を思い浮かべる
この回では「1分ラボ」というコーナーも設けられました。今組んでいる人や会社を1人、1社思い浮かべ、取引先、仕事のパートナー、所属先などについて考えてみる時間です。
保呂田さんは、その相手がどんなイメージを持っているか、その意味が自分にも映っているか、自分は相手にどんな意味を返しているかの3つを考えてほしいと話します。
ここで大事なのは自分に足りない作業をしてくれる人だけで考えないことですよね。その人と並んだ時に自分はどんな存在になれるかまで考えるって感じでね。
保呂田さんは、もっとクリエイティブな会社になりたいのか、経営に近い会社になりたいのか、地域に根差したいのか、海外へ出たいのかによって、組むべき相手は変わってくると結びました。
中島さんが振り返る、自分のプロフィールの作られ方
恒例の「ナカジマノート」で、中島さんは、片山さんだけがテンションの高い回になるのではと不安だったと明かしつつ、自分自身の話として考えられたと振り返ります。
中島さんは以前、ファッションモデルのトークショーのMCを多く担当していた時期がありました。すると別のイベンターと組む場面でも、ファッション系の仕事では中島さんの名前がMC候補に挙がるようになったといいます。
さらに、その現場でうまく仕事ができれば、ファッションのイベントをうまくまとめた人として新たな意味が生まれます。中島さんはこれを、自分ができることをギブしている状態だと捉えました。
誰と並んできたかっていうのが自分の自己紹介やプロフィールになっていくんだなと思いました。
保呂田さんも、ファッションに詳しくない自分だけでは誰も聞いてくれない気がすると、中島さんからギブを受けていると返します。中島さんは、デジタルに疎い自分が今後のAI回で、2人のデジタルの意味を転移させてもらいたいと笑いました。
最後に片山さんは、コラボレーションは能力や顧客の足し算ではなく意味の交換であること、誰と組むかは自分を置く文脈を選ぶことであること、会社でも個人でもタレントでもパートナー選びはブランド戦略になることの3点を振り返りました。
まとめ
グッチとアルピーヌF1チームの提携を入り口に、この回では、ブランドは誰と組むかによって意味が変わるという「意味の転移」の考え方が掘り下げられました。LVMHとの組み方の違いから、中小企業、個人、タレント事務所、そして番組自身にまで話が広がっています。
- コラボレーションはロゴを並べることではなく、ブランド同士が互いの意味をシェアし合うことだと語られた
- 同じF1でも、競技そのものと組むLVMHと、1チームと組むグッチでは、ブランドにつく意味が変わる
- 中小企業や個人ほど、足りない機能を補うだけでなく「組むことで自分たちは何者になるか」を問う価値がある
- パートナー選びでは、相手の意味が自分についてもいいか、自分は何を渡せるか、どこまで一緒に背負うかの3点を考える


