そもそもディレクターの武器は「言葉」だという話
ディレクターの武器は言葉だ、というのは僕がいつも言っていることです。
ただ、これはチャットやメール、企画書だけでやりとりするという意味ではないんですよね。
お客様と膝を突き合わせて、かんかんがくがくいろんな話をして、その中でブラッシュアップしていく。
会話や会議、つまりコミュニケーション全般が、仕事を進めていく中ですごく大きな要素を占めていると僕は思っています。
テレビ会議とリアルの、埋まらない差
もちろん僕もテレビ会議はいっぱい使っています。初対面の方でも時間がなければテレカンでやりますし、距離の問題があればなおさらです。
でも、案件を進めていく中でエンジニアやデザイナー、クライアントと話をするときって、今のテレビ会議の仕組みだとどうしてもタイムラグが出るじゃないですか。
コンマ何秒ずれるとか、同時に喋ってしまってお見合いになって「どうぞどうぞ」になるとか。
全員がその場でリアルに話していると、話が被ったときに「今はそっちかな」「今は僕が喋るかな」みたいに、なんとなく空気を読める。
だからディレクターの仕事は、リアルで話す時間が一定量ないと難しいんじゃないかな、というのが僕のタイプなんです。
冷遇じゃなくて、フルリモートしづらい仕事なだけ
ディレクターって、要件定義をして、ファシリテーションをして、落としどころを見つけて、最終的にジャッジしていく仕事だと僕は思っています。
だから、この人が納得してないなと思ったら、その場で話すのか別で話すのか。僕の言葉が足りないなら、言葉を尽くして説明する。
そういうことをやろうとすると、顔が見えない中では難しいんですよね。
だから冷遇されているというより、フルコミットでテレビ会議だけというのが仕事の質として難しい、というだけの話なんじゃないかと思います。
コロナも5類に移行して、会おうと思えば会える状態になりました。そうなったときに、ディレクターがどう仕事をすればよりバリューがあるのか、を考えたいんですよね。
僕にとっては、リモートでやるかどうかは手段の一つでしかありません。この人とは会った方がいい、この人とは会わなくてもできる、ただそれだけの話なんです。
進行管理だけなら、報酬はそこまで期待できないかもしれない
もし川上さんがフルリモートでやりたいなら、進行管理の部分やドキュメントを書くところは、正直やれると思います。
ただ、お客様とああだこうだ話すのではなく、バックログなどのツールで「完了したか」「進行中か」「ドキュメント書きました」というだけなら、他の人でもできてしまうんですよね。
僕は過去にやってきたウェブディレクター育成講座でも、ディレクターに大事にしてほしい要素として「パーソナル」を挙げています。
「あなたと仕事がしたい」と思っていただけるか。「ナムラさんと一緒にやりたい」と言ってもらえるかどうか、というところです。
これはやっぱり、文字やバックログの中だけでは伝わらないと思うんですよ。
仕事における報酬は、その人の希少性が大きな要素です。純粋に作業をこなすだけになると、報酬もそれほど期待できるものにはなりにくい。
だからフルリモートじゃなくてもやるか、と思っていただくのも一つの選択肢だと思います。
ちなみに僕自身は、逆にフルリモートが本当に苦手なんですよね。人に見られてないとサボっちゃうタイプなので、ほぼオフィスにいたいんです。
まとめ
フルリモートが少ないのは冷遇ではなく、ディレクターという仕事がそもそもリアルなコミュニケーションと切り離しにくい、というのが今の僕の考えです。リモートはあくまで手段の一つ。フルリモートにこだわるのか、それとも会うことも含めて仕事のバリューを上げるのか、その塩梅で考えてみてもいいんじゃないかなと思います。
- ディレクターの武器である「言葉」は、チャットやメールだけでなくコミュニケーション全般を指す
- 今のテレビ会議はタイムラグやお見合いがあり、リアルの会話の呼吸には及ばない
- フルリモートで進行管理だけをこなすと、希少性が下がり報酬も期待しづらくなる
- リモートかどうかは手段であり、この人とは会う・会わないを見極めるだけの話






