映画が退屈になるのは脳のせい?それとも環境のせい?
この回はリスナーからの相談から始まります。映画を見ようとすると長くて退屈になってきて、ショート動画によるドーパミン中毒の影響ではないか、直すにはどうしたらいいか、という質問です。
AIが出した結論は、状況としては良くないけれど、直すべきなのはあなたの脳ではなく、いつでも中断できる環境のまま映画を見ているという構造の方だというものでした。
いやーそうだね。ほんとそう思う。
箕輪さんも映画は見られるものの、最初のセッティングが大事だと話します。ここで話題は、最近行ったというメキシコでの体験に移っていきます。
メキシコの秘境体験で気づいた「スイッチがなければ押さない」
箕輪さんはメキシコで、エクストリームトラベルという変わった体験ツアーに参加したそうです。テマスカルという、2〜3時間熱いところに入り続けて死にそうになる臨死体験のようなものだと話します。
この体験ではお酒が禁止で、スマホも朝から没収。すると、そこに一気に没入できたといいます。
一日中スマホを触れないと、最後の方、本当にもう気にならないって。一日、たった一日で酒もスマホも気になんないっちゃ気になんない。
ただし禁止が解けて出てくると、めちゃくちゃ飲むし、めちゃくちゃツイートしてしまう。でも「どうしてもスマホを」「どうしても酒を」とはならないと箕輪さんは言います。
ニューヨークで2週間スマホなし。観光がむしろ楽しくなった理由
続けてけんすうさんも、自分の体験を語ります。ニューヨークに3週間行っていて、1週間目でスマホを壊してしまったそうです。
eSIMの再発行がauショップに行かないとできず、結局2週間スマホなしで過ごすことになりました。不便だったものの、これがすごく良かったといいます。
写真とかも撮らないわけですよ。つまり。観光地行っても。そうすると、すごい素直に楽しめるし、変に調べてなんかやったりとかしないから、すごい良いなと。
店に入る前にメニューを調べたりしない。その分、物事への没入感が上がると二人はうなずき合います。
箕輪さんもメキシコで渡されたのはペンとノートだけ。気になった参加者の行動をひたすらノートに書いたそうです。
これについてけんすうさんは、面白い指摘をします。もしTwitterがあったら、その観察を抽象化して「こういうやつはこうだ」と言ってしまい、そこで消費されて終わっていたはずだ、というのです。
次のイベントはスマホ没収に?入場時にスクリーンタイムをチェック
ここから話は一気に盛り上がり、次のご神託ラジオのイベントをスマホ没収にしようというアイデアが出てきます。電源を切って持っていてもらう形です。
電源切って見るようなもんじゃないっていうのがいいよね。こんな薄いコンテンツが、ノースマホで二時間見なきゃいけないんだみたいな。
けんすうさんは「こんなに脳が暇なので、この話を聞くしかない」という状況こそ面白いと返します。映画は結局面白いから我慢できるけれど、我慢できないくらい退屈な話をスマホなしで聞くのが本当の修行だ、という話になります。
さらにアイデアは具体化していきます。会場は新宿ロフトプラスワン。参加者は朝からスマホとパソコンを禁止にして、入口でスクリーンタイムをチェックしようという案まで出ました。
入り口でスクリーンタイムをチェックして、触ってる人はダメです。
二人自身も、朝からスマホを触らないでトークに臨んだほうが面白くなるかもしれない、と乗り気になっていきます。
「卵理論」を2、3時間。スマホがない場が人をフラットにする
箕輪さんは、メキシコでスマホがなかったからこそ起きた出来事を語ります。参加者は20人ほど。普段の箕輪さんは主催者的な立場で、スマホをいじりながら少し偉そうに接してしまうところがあったといいます。
ところがスマホがないと、本当にやることがない。そこで若い参加者と、好きな食べ物の話などでひたすら盛り上がったそうです。
卵が一番美味しいんだって。俺の卵理論を二、三時間ずっと卵が何で美味しいかみたいなのを卵食べれないやつにずっと喋ったり。
けんすうさんは、これこそがポイントだと受けます。スマホより楽しくなかったコンテンツで、なんとか場を持たせないといけない状況が生まれるからです。
箕輪さんは、スマホがあるときの自分の心理も正直に振り返ります。LINEで来る大物からの連絡や大きい案件が、目の前の卵の話より「大きいこと」に見えてしまい、どうしてもそちらに気持ちが寄ってしまうのだ、と。
だからこそ、スマホを触れない一日が一番のエンタメだったと箕輪さんは締めくくります。飛行機の時間が楽しみだというけんすうさんに対して、スターリンクで機内も速くなってしまうとリセットされない、という話も出ました。
生成AIへの反感は「収まる」のではなく「聞こえなくなる」だけ?
後半は生成AIの話題に移ります。Xの創作界隈で生成AIへの反感意見をよく見かけるが、この反感は収まると思うか、という質問です。
AIの答えは印象的でした。反感は収まるのではなく、聞こえなくなるだけだと思う、というものです。
けんすうさんは、就活のエントリーシートを生成AIで書く人が出てきている話を例に出します。2000年より前は手書きでないと許されなかった、というのです。
手書きじゃないと相当失礼で、それこそ修正液使うなんて。
箕輪さんは、今でも手書きで書く人がいたら「そういうこだわりね」とはなるけれど、それで内定が決まるわけでも、その小説が読みたくなるわけでもない、と話します。結局はクオリティ勝負で、AIを使おうが使うまいが変わらないだろう、という見立てです。
けんすうさんは、漫画のスクリーントーンも昔は邪道だと言われていた例を挙げます。
写真が登場したときも、小室哲哉が打ち込み音楽を流行らせたときも同じような反発があった、と二人は振り返ります。
AIは差を埋めず「広げる」。ずれた指示のまま謎進化する怖さ
次の相談は、AIと間違った方向でやりとりを続け、トンチンカンな完成品やアイデアを出してくる人がいる、というものです。だからAI時代こそ勉強の価値が上がっている気がするが、どう思うか、と問いかけます。
AIの結論は、その直感は正しく、AIは差を埋める道具ではなく、差を広げる増幅器だというものでした。
箕輪さんも強く共感します。今は誰でもAIに頼めばフォーマットとして完璧なものが早く出てくる。でも最初の指示がずれていると、ずれたまま謎の進化を遂げてしまう、というのです。
自前のズレを訂正できないまま、もっとこうしてとか、もっとこうしてとか、秘密道具みたいに作って、いや全然違うけどみたいなものに謎進化するな。
けんすうさんは、これを仕組みで解決している例を紹介します。まずAIにアイデアを言うと、評価システムが点数をつけてくれる。80点以上になって初めて検討し、作ったものをさらに複数のレビューシステムがチェックしてくれるそうです。
八十点以上になったら初めて検討するんですけど、検討して作ったものをまたレビューシステムが二個ぐらい見てくれて、すごい精度上がったんですよね。
最初の起点がずれていることに気づけず、修正できないまま謎の方向に進化してしまう
点数づけや複数のレビューで方向性をチェックし、精度を上げてから前に進める
AIに全肯定されて狂う人。陰謀論とアルゴリズムの近さ
一方で、けんすうさんはAIに突き詰められて「狂う人」が出てきていると話します。AIは基本的に肯定してくるからです。
例えば社長が、社員は間違っていて自分が正しいという相談をAIとし続け、そのモードに入り込んでしまう。結果として本当に社員を全員クビにし、裁判沙汰になったケースを見たそうです。売上も減ってお金が回らなくなっている、という話でした。
俺はもうAIと融合して神みたいになったみたいに、なんか本当に自分で言い始めて。
箕輪さんは、これをYouTubeのアルゴリズム問題と近いと指摘します。田舎の民族の偉い人の話を聞きに行ったところ、その人が席に戻ってからテレビでYouTubeの陰謀論の動画をずっと見ていたそうです。
その人はおじいちゃんゆえに、画面から流れてくるものが嘘なわけがないと信じてしまう。だからどんどん陰謀論のほうへ引っ張られていく、という話です。
けんすうさんは、恋愛観のような正解のないテーマでは、AIも「それは間違いです」とは言わず、いいところを探してくれてしまう危うさがあると付け加えます。
動画時代にリテラシーの低い人も情報を取るようになって陰謀論が流行った、という箕輪さんの持論を踏まえ、AI時代にはさらに「謎行動する人」が増えるだろう、と二人は見ています。
AIの答えを解説する新しい仕事と、勉強の価値の賞味期限
ここから、AIの答えをそのまま実行してしまう人が増える、という話に発展します。「たくさん働いた方がいい」という部分だけを読み取って突き進むような例です。
箕輪さんは、そこから新しい仕事が生まれるかもしれないと言います。AIのアンサーが本当に正しいかどうかを、ポイントごとに軌道修正する仕事です。
AIカウンセラー的な。見せて、ChatGPTとか、なんかやりとり。で、修正してくれる。
一方で箕輪さんは、勉強の価値が上がっているといっても、それは「この3年ぐらい」の話ではないか、とも問いかけます。今はどう指示を出すか、発想の起点が何かが鍵だけれど、そこ自体をAIがスキップしてしまう気もする、というのです。
けんすうさんは、ClaudeのモデルやツールがFableのような段階になってからは、それを強く感じると応じます。細かい指示より、ざっくり伝えて余計なことを言わないほうがいい、と。迷ったらCodexに相談してもらっているそうです。
ただ、ここ間違ってましたとか、こういう意見がありましたとか、こっちの意見の方がいいので採用しますっていう。
Claude Codeとは何か。パソコンを操作できるAIの衝撃
ChatGPTしか使っていない箕輪さんが「遅れている?」と不安を漏らすと、けんすうさんはClaude Codeについて説明を始めます。
けんすうさんは、箕輪さんのYouTubeや本、noteの記事などをAIに読み込ませ、「箕輪先生はこんな感じで文章を書く」という特徴のファイルを作らせている、と話します。それをもとに、Claudeに箕輪的なチェックを入れさせる仕組みです。
僕のノートに今からアクセスしてくださいと。あの記事を全部コピペしてきてくださいと。それを見て特徴っていうのを掴んで作ってください。
けんすうさんいわく、Claude Codeのすごいところは「パソコンを触れること」。弟子にパソコンを操作させるように、ブラウザを立ち上げてコピペするような作業までやってくれるといいます。
じゃあ俺がそれこそ地球を破壊してって言ったら破壊できちゃうじゃん。
もちろん地球は破壊できませんが、箕輪さんのパソコンでできることは大体できるとけんすうさんは言います。Amazonで本をカートに入れておく、といったことも可能で、決済など大事な操作は確認してくれるそうです。
SNSの次はAI。箕輪さんの「勝負時」宣言と、規制が生まれる皮肉
話は、箕輪さん自身のキャリアと重なっていきます。SNSを食わず嫌いせずにやってきたから今の自分がある、だからAIも斜に構えず踏ん張り時だ、という宣言です。
けんすうさんは、箕輪さんはAIと相性がいいと言います。YouTubeや本などの素材が豊富だからこそ、それを読み込ませて「箕輪的な文章」を作りやすいからです。
一方で箕輪さんは、自分が上の世代に「SNSなんて使いやがって」と言われたのと同じことを、これからは20代の編集者にAIでやられるのではないか、と危機感を口にします。
そこから話は一気に脱線し、AI出版協会を作って参加しない編集者を排除しよう、既得権益を作ろう、という冗談まじりの展開になります。
AI出版協会作って、まずそこに入らないと認めないってしよう。
けんすうさんは笑いながら、こうやって規制や妨害が生まれていくのだ、といい例だと締めくくりました。次回はパソコンを持ち込んで、実際にClaude Codeを一緒に触ってみようという約束で、この回は終わります。
まとめ
脱スマホも生成AIも、この回に共通していたのは「意志で我慢する」より「環境と仕組みで変える」という考え方でした。スマホを没収する場を作れば没入でき、AIも評価やレビューの仕組みに乗せれば精度が上がる。一方で、ずれた指示や全肯定にそのまま乗ってしまう危うさも語られた回です。
- 直すべきは自分の脳ではなく、いつでも中断できる環境や構造のほう
- スマホがない場は人をフラットにし、卵の話で2、3時間盛り上がれるほどの没入を生む
- AIは差を埋めるより広げる増幅器で、ずれた指示のまま謎進化する怖さがある
- AIは基本的に肯定するため、正解のないテーマでは全肯定に飲まれる危険がある
- Claude Codeはパソコンを操作でき、自分の文章の特徴を学ばせて育てられる







