薬剤師が活躍する3つの領域とは
この回のたいぞーさんは、薬剤師が活躍する場面について考えたことを話しています。活躍の場面は多岐にわたるものの、薬局で働く立場から見ると、大きく3つに分かれるといいます。
1つ目は外来での患者対応、2つ目は在宅医療、3つ目はOTC販売です。この3つが、薬剤師が力を発揮できる代表的な領域として挙げられています。
それぞれの領域で薬剤師が担う役割
たいぞーさんは、3つの領域それぞれで薬剤師がどんな役割を担うのかを具体的に挙げていきます。外来では、適切な薬を調剤して患者に渡すことが大切な役割だといいます。
外来での関わりとして、お薬手帳を活用した相互作用のチェックや、患者が抱える疾患に悪影響を及ぼす薬が処方されていないかの確認が挙げられます。これらは安全に薬物治療を進めてもらうために大切だと話されています。
在宅では、そもそも医薬品が患者の手元に供給されないと治療の第一歩を踏み出せない、という前提があります。そのうえで在宅療養では、薬がうまく飲めない、管理が難しいといった課題も出てきます。
そのため在宅では、患者がきちんと薬を使って治療できる環境づくりや、薬の調整も含めて、薬剤師が介入する領域は幅広いと話されています。
OTCについては、数あるOTC薬品の中から患者の症状に応じて適切な薬を選んで販売することが、薬剤師の代表的な役割だといいます。
3つの領域に共通する「適切な薬を届ける」という言葉
3つの領域での関わりを挙げたうえで、たいぞーさんは共通するキーワードを示します。それが「適切な薬を患者さんに届ける」ということです。
ただし、と話は続きます。適切な薬を届けるのが大切なのはわかっても、その「適切」とは一体何なのかと問われると、すぐに答えられないかもしれない、とたいぞーさんは投げかけます。
その適切って一体何なんやろ、って言われた時に、確かに適切って何かなということが、ちょっと一瞬頭にはてなが浮かぶかもしれない。
薬は問題を解決するための道具にすぎない
たいぞーさんは「患者にとっての適切とは何か」を考えるために、まず患者という存在をとらえ直します。薬局や医療機関に来る人は、大なり小なり何かしらの問題を抱えている人がほとんどだといいます。
抱えている問題は、小さなものから命に関わる大きなものまでさまざまです。その問題に対して、薬はそれを解決するための1つのツールになるものだ、とたいぞーさんは位置づけます。
つまり、薬はあくまで道具であって、大切なのは患者の抱えている問題が解決することだという考え方です。
この前提に立つと、「適切」の意味も見えてきます。薬というツールを使うことで患者の問題が解決するかどうか、解決したかどうかが大切であり、それが達成できて初めて適切な薬だったといえる、と話されています。
なぜ「薬は飲んだ後が勝負」なのか
問題が解決したかどうかという視点から、たいぞーさんは印象的な言い回しにたどり着きます。薬を選んで渡す前の関わりも大切だとしつつ、本当に大事な部分はその先にあるといいます。
問題を解決できたかどうかは、薬を体に入れた後、つまり薬を飲んだ後でなければ結果はわからない、というのがその理由です。だからこそ「薬は飲んだ後が勝負どころ」だと話されています。
患者が問題を抱える
薬局や医療機関に来る人はほぼ全員、何かしらの問題を抱えている
薬というツールを使う
問題を解決するための道具として薬を届ける
飲んだ後に結果が出る
体に入れた後でなければ問題が解決したかはわからない
適切だったと言える
問題が解決して初めて「適切な薬」だったといえる
薬学で患者を語るという実践
「飲んだ後が勝負」という場面で薬剤師が患者にきちんと関わるにはどうすればよいか。たいぞーさんは、薬が体にどんな変化をもたらすのかを把握しておく必要があると話します。
さらに、その薬がいつ頃から体に働き始め、どういう時間軸で患者の体に変化を及ぼしていくのかを把握することも大切だといいます。
これらを読み解くために使うのが薬学の知識です。薬理学や薬物動態学、生化学といった知識を使うことで、患者の体で起きていることを読み解けるようになる、というのがたいぞーさんの考えです。
つまり、薬学という専門知識を使って患者の状態を読み解いて語っていくこと、すなわち「薬学で患者を語る」ことが、外来・在宅・OTCのどの領域でも薬剤師が力を発揮するために大事になる、とまとめています。
薬学という軸が薬剤師の介入価値を支える
薬学を使って患者を見ていくと、薬剤師にしか見えない患者の姿が見えてくる、とたいぞーさんはいいます。それが見えると、次に何をすべきかの判断につながります。
たとえば、このまま治療を続けて改善するのか、改善が見られないなら想定している疾患が違うかもしれない、といった見立てです。その場合は医師の診察を仰ぎ、診断や処方の再設計を検討する必要があるかもしれません。
なぜうまくいかないのか、それが薬剤師の介入できることなのかどうかを見極めて、患者により最適な治療が届くよう対策を講じていく。これは薬剤師単独ではなく、地域の多職種と一緒に関わる視点も持ちながら進めることが重要だと話されています。
ただし、それらを行うにも薬剤師が薬学という軸を持っていなければ、薬剤師が介入する価値は大きく薄れてしまうかもしれない、とたいぞーさんは注意を促します。
そのうえで、「薬学で患者を語る」ことを意識しながら、外来・在宅・OTCそれぞれの場面で飲んだ後を見て、患者に継続的に関わっていく。これからの薬剤師にはそれが大切だと考えたのが、今回の話のきっかけだったと締めくくっています。
まとめ
薬剤師が活躍する外来・在宅・OTCの3つの領域には、「適切な薬を届ける」という共通の使命があります。たいぞーさんは、その「適切」とは患者の問題が解決したかどうかで決まり、それは薬を飲んだ後にしかわからないと整理したうえで、薬学を軸に患者を語り続ける実践の大切さを説いています。
- 薬剤師が活躍する場面は、外来・在宅・OTCの3つに大きく分けられる
- 3つに共通する使命は「適切な薬を患者に届ける」こと
- 薬は問題を解決する道具であり、問題が解決して初めて「適切な薬」だったといえる
- 結果は薬を飲んだ後にしかわからないため「薬は飲んだ後が勝負」になる
- 薬理学や薬物動態学などの薬学を軸に患者を読み解くことが、どの領域でも薬剤師の介入価値を支える



