なぜ同じ研修を「複数回」受けるのか
医療職の学びには、生涯研修という文化が根付いています。薬剤師も含め、多くの人が様々な場に足を運んで学び続けている環境だと、たいぞーさんは話します。
その中でたいぞーさん自身は、バイタルサイン ── 脈拍・血圧・呼吸・体温など、生命の状態を示す基本的な指標。薬剤師も患者の状態把握のために学ぶことがある。の講習会や漢方のセミナーを、同じような研修プログラムであるにもかかわらず何度も受講してきたといいます。
一般的には、研修といえば新しいテーマを次々に学ぶものというイメージがあります。たいぞーさんの学び方は、そことは少し違う視点に立っています。
社内研修で「あえて同じ内容」を繰り返した理由
前職でたいぞーさんは、社内研修の企画・運営を担っていました。学びのテーマになる話題はいくらでもある中で、あえて新しいトピックを避けたといいます。
その方針は、社内研修で徹底的に同じ内容を繰り返し学ぶというものでした。新しさよりも、反復そのものに価値を置いた形です。
もちろん、同じ内容を学ぶと「前にも聞いたのと同じ話やん」という反応になってしまうこともあります。たいぞーさんもその難しさは認めています。
それでも繰り返すのは、同じ内容でも受け取り方が毎回変わってくるという実感があるからだと語られています。
同じ内容にもかかわらず、自分自身の(研修内容の)捉え方であるとか、そこから気づく学びっていうのは毎回変わってくるなと感じます。
バイタルサイン講習を10回以上受けて見えたもの
たいぞーさんは、バイタルサイン講習会を講習だけでも10回以上受講してきました。そのうえで、今は自分自身が開催する側にも立っています。
開催する立場になれるのは、複数回受講したことが土台になっているといいます。何を伝えることが大事か、どこで自分の中に変化が起きたかが、繰り返しの中で見えてきたためです。
「ここではこういうことを伝えるのが大事なんだ」とか、「何回目かの時にここで気づいたこの学びをみんなと共有したい」というものが生まれて、講師として伝える源泉になっています。
新しい知識をインプットしてブラッシュアップすることも、もちろん大切だとたいぞーさんは述べます。そのうえで、繰り返し学ぶ中で理解を深めていくことも、学びの方法のひとつだと位置づけています。
「広く学ぶ」と「深く学ぶ」をどう両立するか
新しい研修を受けに行くことは、新しい学びとして楽しく面白く、実務のスキルを上げるものになります。たいぞーさんはその価値を否定していません。
一方で、ひとつのことを突き詰めて深く学ぶことも、実務の質を上げる学びにつながるといいます。広げる学びと深める学びは、どちらか一方ではないという考え方です。
様々な研修を受けて知識をブラッシュアップし、実務のスキルを上げる
同じ内容を何度も受け直し、そのつど変わる気づきから理解を深める
今回の放送は、研修を受けるにあたって新たな学びを得るとともに、同じ研修を深く学ぶことも大切だという、研修の学び方について考えるきっかけになればという思いで語られています。
まとめ
たいぞーさんは、新しい研修で知識を広げることと、同じ研修を繰り返し受けて深めることの両方を、学びの方法として大切にしています。バイタルサイン講習を10回以上受けた経験が、講師として伝える源泉になっているといいます。
- 医療職には生涯研修という文化が根付いており、学び続ける環境がある
- 同じ内容の研修でも、受けるたびに捉え方や気づきが変わってくる
- 前職の社内研修では、あえて同じ内容を繰り返し学ぶ方針をとっていた
- バイタルサイン講習を10回以上受けた経験が、自分が開催する側に立つ土台になっている
- 新しく広く学ぶことと、ひとつを深く学ぶことは、どちらも実務の質を高める





