苦手だった漢方を学び直すことになった経緯
たいぞーさんは、薬局で在宅医療や外来患者対応に取り組みながら、社内研修の講師や勉強会の開催なども手がける薬剤師です。今回は、漢方をめぐる自身の学びの話が語られました。
たいぞーさんが漢方を体系的に学んだのは、12年前、薬剤師1年目のときでした。大学にも漢方の授業はありましたが、正直まったくわからず、単位が取れるかどうかも危ういほどだったといいます。
そのため漢方は好きになれず、むしろ苦手で得意ではないという感覚のほうが強い分野でした。学びたいという熱意も特になかったと振り返ります。
きっかけは、セミナーを開催する講師の先生から直接、参加の打診の連絡をもらったことでした。声をかけてもらえるならと、学んでみることを選んだといいます。
まあそうやってお声かけいただけるんやったらということで、ちょっと学んでみるかということで、漢方を学ぶという選択をした。
大学でわからなかったことが「腹落ち」した瞬間
実際に漢方を学んでみて、たいぞーさんはすごく良かったと感じたそうです。大学時代にわからなかったことが、セミナーを受けたことで理解できるようになりました。
「大学ではこういうことを勉強していたのか」と過去の学びとつながり、知識が自分の中にストンと腹落ちする感覚があったと、今でも思い出すと語っています。
大学の授業では漢方がまったくわからず、単位も危うい苦手分野だった
セミナーを受け、大学時代の学びとつながって知識が腹落ちした
漢方より大きかった「患者が見える」という学び
漢方の知識をしっかり学べたこと自体はもちろん価値がありました。ただ、たいぞーさんがそれ以上に良かったと感じたのは、別のところにありました。
それは、漢方を学んだことで患者さんのことがよく見えるようになったこと、今まで見えていなかった患者さんの姿を知ることができるようになったことです。
たとえば「こういう漢方を使う人はこういう状態にある」と学ぶことで、今飲んでいる薬がその状態に影響しているのではないか、という見方ができるようになります。
あるいは、漢方を使う前に、そもそも今の薬の調整をしたほうがいいのではないか、という視点も持てるようになったといいます。
どの漢方が適切かを考えるだけでなく、今行っている治療そのものがどうなのかにも気づけるようになりました。自分の持つ薬学の専門性を生かして患者を見ることが、よりしっかりできるようになったと話しています。
バイタルサインの学びと似た「読み解く視点」
この感覚は、たいぞーさんにとって初めての経験ではありませんでした。バイタルサイン講習会を受けたときにも、同じような感覚を持っていたといいます。
バイタルサイン ── 脈拍、血圧、体温、呼吸などの生命に関わる基本的な数値のこと。患者さんの状態を客観的に把握する手がかりになりますの数値から患者さんの状態を捉え、それを薬学的な視点で読み解く。この経験が、漢方の学びとよく似ていると振り返ります。
バイタルから患者さんを読み解く視点と、漢方という角度から患者さんの状態を捉える視点。この2つが合わさることで、患者さんをより的確に理解できるようになったといいます。
数値から患者さんの状態を捉え、薬学的に読み解く
漢方という角度から患者さんの状態を捉える
その結果、体に起こっている薬の影響をより精度よく読み解き、次の戦略を立てていける患者さんへの関わりができるようになったと語ります。
今年から始める、8回講座での学び直し
たいぞーさんは、漢方の学びの場からしばらく離れていました。そこで今年、改めて漢方のセミナーを受講し直し、自分の中の知識や学びを整理する時間を取ろうと考えています。
今年からは8回講座、8か月間かけて、また勉強するそうです。学んだ視点を自分の中でしっかり使いこなせるように落とし込みたいと話しています。
現場で漢方を生かすことはもちろん、患者さんをきちんと見て、より良い治療を届けていける。そんな仕事ができるように、また今年も学びながら実践していきたいと語りました。
まとめ
苦手だった漢方を1年目に学び直したことは、たいぞーさんにとって漢方の知識以上に「患者が見える」という財産になりました。バイタルサインの視点と合わさることで、薬学の専門性が現場で生きる関わりへとつながっています。
- 漢方は大学では苦手分野だったが、セミナーで学び直して腹落ちした
- 最大の学びは漢方の知識よりも、患者さんの姿が見えるようになったこと
- 漢方を使うかだけでなく、今の治療そのものを見直す視点が身についた
- バイタルサインと漢方、2つの視点が合わさり患者理解が的確になった
- 今年から8回講座で改めて学び直し、現場での実践に落とし込もうとしている



