薬剤師の関わりどころは、大きく2つに分けられる
この回でたいぞーさんが取り上げるのは、薬剤師が患者さんとどこで関わるか、というテーマです。薬局で働いていると、様々な場面で患者さんと関わるポイントがあると、日々の業務の中で感じるといいます。
たいぞーさんは、そうした数あるポイントの中でも、自分にとって大事になるのは2つだと話します。
1つは「薬を飲む前への介入」、もう1つは「薬を飲んだ後の介入」です。この2つの軸で、薬剤師の専門性の活かしどころを整理していきます。
治療を安全にスタート・継続できるかを見極める。飲み合わせや禁忌、腎機能などのリスク評価が中心
実際に飲んで治療効果が出ているか、副作用なく使えているかを見極め、その患者さんに応じた最適な治療を探す
「飲む前」の関わりは、治療のスタートラインを安全に切ること
たいぞーさんは、薬を飲む前の介入について、患者さんが治療のスタートをより安全に切れるかどうかを見るところだと説明します。いわゆるリスク評価が、飲む前の関わりの中心になるといいます。
具体例として挙げられるのは、他の薬との飲み合わせによって副作用リスクが高くなっていないか、疾患に対して飲んではいけない禁忌 ── その薬を使ってはいけないと定められている状態や病気のこと。飲むと重い副作用や症状の悪化につながる恐れがあるため避けますの薬が処方されていないか、といった確認です。
さらに、患者さんの状態も評価の対象になります。たとえば腎機能 ── 腎臓が体内の老廃物や薬の成分を尿として排出する働きのこと。低下していると薬が体に溜まりやすくなりますが低下しているのに、腎臓から排泄される薬が通常量で出ていて、副作用リスクが高まっている場合などです。
こうしたリスクを評価し、問題があればそれを解消した上で、患者さんが安全に治療を開始・継続できるように支援する。たいぞーさんは、これが飲む前における薬剤師の関わりで、薬学の専門性を活かすポイントだと話します。
「飲んだ後」の関わりは、本当に効いているかを見極めること
もう1つの軸である、薬を飲んだ後の関わりについて、たいぞーさんはとても大事な視点だと語ります。
そもそも薬は、患者さんの体で起こる問題を解決するために服用するものです。飲む前にきちんと環境を整えることも大事ですが、本当に大事になるのは、飲んだ後に治療効果が出ているかどうかだといいます。
副作用についても、飲む前に予見して回避できるものはそこで回避します。ただし、どうしても飲んでみないとわからないものも複数あるのが事実だと、たいぞーさんは指摘します。
だからこそ、薬を飲んだ上で治療効果が出て、副作用なく使えているかを見極めながら、その患者さんに応じた最適な治療を探していく。それが飲んだ後の関わりだと整理します。
フォローアップと連携で、飲んだ後の変化を捉える
飲んだ後の関わりを実践するために、たいぞーさんは、その人の体がどう変化するかを予測することが大切だと話します。
そして、予測したポイントをきちんと捉えられるように、フォローアップを行ったり、患者さんと連携しながらやり取りをしていくといいます。
そのための手段として挙げられるのが、電話でのフォローや、フォローアップの後に医師と連携することです。飲んだ後の場面で継続的に関わっていくことも、薬剤師の関わりどころとして大事だと話します。
変化を予測する
薬を飲んだ後に、その人の体がどう変化するかを予測する
フォローアップする
予測したポイントを捉えられるよう、電話フォローなどで患者さんと連携する
医師と連携する
フォローアップで得た情報をもとに、医師と連携して治療を調整する
どちらの軸で関わっているのかを、自分で認識する
たいぞーさんは、飲む前と飲んだ後のどちらがいい・悪いというものではなく、どちらもすごく大切な仕事だと話します。
その上で、両方を患者さんに関わるポイントとして押さえながら、より安全で最適な薬物治療ができるように全力で支援し、そのために薬学の専門性を活かしていくことが大事だといいます。
注意点として挙げられるのが、関わる軸によって視点が少し異なってくることです。だからこそ、自分が今どの軸で患者さんと関わっているのかを認識することが大切だと、たいぞーさんは話します。
どの軸なのかを認識することで、専門性の活かしどころを間違えず、自分たちの持つ力を活かしながら患者さんと関われるようになる、という考えです。
まとめ
この回でたいぞーさんは、薬剤師の関わりどころを「薬を飲む前」と「飲んだ後」の2つの軸で整理しました。飲む前はリスク評価による安全なスタート、飲んだ後は効果と副作用の見極めが中心で、今どちらの軸で関わっているのかを自覚することが専門性を活かす鍵だと語っています。
- 薬剤師の関わりどころは、薬を飲む前への介入と飲んだ後の介入の2つに大きく分けられる
- 飲む前は、飲み合わせや禁忌、腎機能などのリスクを評価し、治療のスタートラインを安全に切れるよう支援する場面
- 飲んだ後は、飲んでみないとわからない効果や副作用を見極め、その患者さんに応じた最適な治療を探す場面
- 飲んだ後の関わりでは、体の変化を予測し、電話フォローや医師との連携で継続的に関わることが大切
- どちらの軸も大切であり、自分が今どの軸で関わっているのかを認識することが、専門性を活かすポイントになる



