寺子屋道場の準備で気づいた、薬学という下地の力
たいぞーさんは、先日行った寺子屋道場での発表準備を振り返ります。運動機能への薬の影響を考えるなかで、体のメカニズムについて細かく調べ、勉強し直したといいます。
そのとき感じたのは、断片的な情報を集めても、薬学部で学んだ基礎知識があるからこそ、「これがこうなっているということは、ああなってこうなる」と自分のなかでつながって理解できていく感覚でした。
情報を収集することで理解して、情報を読み取ることができるというのは、薬剤師がきちんと学んできたからだなと思いながら準備をしていました。
たいぞーさんは、専門的な下地があるからこそ、少し難解な体の中の話でも情報を読み解けるのだと実感したと話します。
今回はあえてAIを使わなかった理由
発表の準備をするなかで、たいぞーさんはAIの利用を何度も考えたものの、結局使わなかったといいます。
一般的な情報であれば、検索するとまとまった内容が複数出てきて、AIを使えばうまく整理され、理解しやすくなっただろうと考えていました。
しかし今回知りたかったのは、調べても断片的な情報しか出てこない領域でした。うまく整理できずに困っている状態で、下手に整理されると、かえって理解が難しくなるのではないかという懸念があったといいます。
これ(欲しい情報)が下手な整理をされてしまうと、余計に理解を難しくしてしまうんじゃないかと懸念して、今回は使いませんでした。
情報が溢れていて、AIやテクノロジーの力を借りると理解しやすくなる
情報があやふやだったり、まだ断定できる結論が見つかっていない。簡単に整理できない
仮説の領域は、簡単には調べてわからない
たいぞーさんは、専門領域になるほど情報があやふやになり、はっきり断定できる結論がまだ見つかっていないものがあると指摘します。
今回の発表内容も、あくまで理論上考え得る仮説にすぎないといいます。こうした臨床上の仮説は、AIで出力したり、一般の人も含めて簡単に調べてわかるものではない領域だと話します。
そして、簡単に理解できないところを理解しようとすれば、それなりに勉強して、下地になる知識を身につける期間が必要になります。すぐに身につくものではないのです。
簡単には身につけられないものは、時間も労力もかかります。たいぞーさんは、これをいわゆるタイパ・コスパが非常に悪いものだと表現します。
タイパ・コスパが悪いものだからこそ残る価値
一方でたいぞーさんは、タイパ・コスパのいいものは、誰でも簡単に手に入ってしまうものでもあると考えます。
だからこそ、タイパ・コスパは悪くても、簡単には理解したり手に入ったりしないものにこそ、自分のなかに確かな価値として身につき、残っていくものがあるのではないかと語ります。
タイパ・コスパは悪いけども、簡単には手に入らないものだからこそ、自分の中に確かな価値として残っていくものがあるんじゃないか。
たいぞーさんは、これを体や薬のことを勉強し直すなかで、改めて感じたと話します。
相対的に小さくなる、薬剤師の価値への危機感
たいぞーさんは、薬剤師の専門性も同じような性質を持っていると考えます。薬の情報も、今は簡単にたくさん、わかりやすい形でアクセスできるようになっています。
多くの人が薬や病気、体への理解を深められること自体は良いことだといいます。ただし、薬剤師がその誰でも届く領域にとどまっていては、薬剤師の価値は相対的に小さくなっていくのではないかと危惧します。
一方で、薬剤師は大学で専門教育を学ぶ時間を経ているため、専門的な下地が必ずみんなに備わっているとたいぞーさんは話します。
一歩踏み出す勇気が、やりがいの扉を開く
たいぞーさんは、難しく大変な領域だからこそ、そこに価値のあるものが眠っていると語ります。それを自分自身で認識することが出発点になります。
タイパ・コスパは悪く、しんどくても、その道に一歩踏み出す。たいぞーさんは、その一歩踏み出す勇気こそが薬剤師の価値を高めると話します。
一歩踏み出す勇気こそが、薬剤師としての仕事のやりがいと面白さの扉を開ける一歩につながっていく。
たいぞーさんは、タイパ・コスパが悪いものに飛び込んでみることが、自分自身の可能性を開く扉になると呼びかけます。
難しい領域を認識する
簡単には理解できない、価値が眠っている領域だと自分で気づく
一歩踏み出す
タイパ・コスパは悪くても、勉強して下地を身につける道に踏み出す
薬剤師の価値が高まる
簡単には手に入らないものが、確かな価値として自分に残る
やりがいの扉が開く
仕事の面白さとやりがいにつながっていく
学生向けイベント「Tricon」の告知
最後にたいぞーさんは、学生向けのオンラインイベント「Tricon」を告知しました。現場で働く現役の薬剤師と一緒に、患者さんの症例を検討するイベントです。
専門知識があるからこそ見えてくる患者さんの姿を見極める。そうしたことを、体感しながら理解できる内容だといいます。
薬学部で学んだ、時間と労力をかけた、タイパ・コスパの悪い、自分の中に身についている価値のあるものを、ぜひ感じ取っていただきたい。
学生は無料で参加でき、申し込みを募集中です。たいぞーさんは、現場で働く薬剤師にも、実務実習で来ている学生などへイベントを伝えてほしいと呼びかけました。
まとめ
たいぞーさんは、寺子屋道場の準備を通して、AIでは簡単に調べきれない仮説や専門領域にこそ、薬剤師の価値が眠っていると感じたと語りました。タイパ・コスパが悪いものに一歩踏み出す勇気が、やりがいの扉を開くという話です。
- 専門的な下地があるからこそ、断片的な情報もつなげて理解できる
- 断定できる結論のない仮説の領域は、AIや簡単な検索ではわからない
- 簡単に手に入らないものだからこそ、確かな価値として自分に残る
- 薬剤師が誰でも届く領域にとどまると、価値が相対的に小さくなる
- タイパ・コスパが悪いものに踏み出す勇気が、やりがいと可能性の扉を開く



