なぜ今、改めて調剤報酬改定を語るのか
たいぞーさんは薬局で在宅医療や外来患者対応にあたりながら、新人育成や研修の企画、社内研修の講師なども担っている薬剤師です。
3月末になり、調剤報酬改定の情報が次々と明らかになってきました。各薬局が、それを現場でどう運用していくか頭をひねって考えている頃だと話します。
こうしたタイミングもあり、多くの研修会でこの調剤報酬改定がテーマとして取り上げられています。たいぞーさん自身も現場の薬剤師として、改定をどう捉え、どう現場に落とし込むかを日々考えながら業務にあたっているそうです。
そんな研修のなかで、一つ面白い視点だなと感じたことがあったといいます。今回の放送は、その気づきを共有する内容です。
「どこがプラス改定なのか」という現場の違和感
今回の改定は、薬局の運営にとってなかなか厳しい内容だと、いろいろな場で言われています。
一方で、厚生労働省が出している今回の改定の試算では、前回の令和6年の改定に比べて、収益としてプラスになるような内容になっているとされています。
ところが、実際に中身を見てみると、点数が下がっていく項目が多く目につきます。たいぞーさん自身も点数を見ながら「どこがプラスなのか」と感じていたと率直に語ります。
じゃあ中身を見てみたときに、どこがプラスやねんと思うような、細かな内容であるとか、点数が下がっていく項目が多く目につくことが多いんですけども。
プラス試算の前提にある「今まで通りではない」という条件
研修会で語られていたのは、この厚生労働省のプラス試算が、薬局の業務を今まで通りやってプラスになるという意味ではない、という点でした。
つまり、何も変えなくても収益が増えるという前提での試算ではないということです。たいぞーさんは「確かにそうか」と、改めて気づかされたと話します。
改定内容を見ながら、薬局のいろいろな仕組みを変えていくものだという認識自体はあったそうです。ただ「どこがプラスなのか」という点数への疑問と、その認識がうまく結びついていなかったのかもしれません。
今回の改定は、今まで通りではない、薬局の新たな仕事や患者さんへの関わりを実践することを求める内容に変わっています。だからこそ、今まで通りの運営を続けようとした場合にプラスにならないのは、ある種当然のことだと受け止めたそうです。
点数が下がる項目が多いのに、なぜプラス改定なのかという違和感
今まで通りではなく、新たな業務や患者対応を実践してこそのプラス試算
変わらないまま変化を望むのは「狂気」なのか
たいぞーさんは、ある言葉を引き合いに出します。何も変わらないままで変化を望むことは狂気である、という趣旨の言葉です。
改定内容を見て「どこがプラス改定なのか」と突っ込みたくなる気持ちを持ちながら眺めていること自体が、自分の現状を変えないまま変化を望む姿勢に近いのではないか。そう改めて感じたといいます。
何も変わらないままに変化を望む、狂気の沙汰なのかなというふうにも改めて思いました。
まっさらな視点で、薬剤師の仕事を考え直す
6月からは、新しい改定内容に従って業務を組み立てていくことが求められます。
そこでたいぞーさんが提案するのは、今までの業務のあり方や流れ、患者対応を一旦横に置くという考え方です。まっさらでフラットな視点から、改めて薬剤師が何をすべきかを考え直すことです。
これから薬剤師が何をして、スタッフとどう連携し、薬局運営をしていくのかを、一度まっさらに考え直すことも必要かもしれない。研修を受けるなかで、そう感じたと語ります。
ただし、たいぞーさん自身も「どうしたらいいのか」という明確な答えを持っているわけではないと率直に認めています。
6月の改定施行に向けて、自分の勤める店舗でどう業務を行っていくか、フラットな視点で考えながら進んでいきたいと話します。考えたことや実践したことは、情報発信のなかでも伝えていきたいとしています。
まとめ
今回の調剤報酬改定は、今まで通りの業務を続けてもプラスにはならず、新たな仕事や患者対応の実践を求める内容だと、たいぞーさんは研修会で気づかされたと語ります。だからこそ、一度まっさらな視点で薬剤師の仕事を考え直すことが必要だと提案しています。
- 厚生労働省のプラス試算は「今まで通りでプラス」を意味しない
- 点数が下がる項目が目立つのは、新しい業務への転換を促す改定だから
- 変わらないまま変化を望むのは、現状を変えない姿勢と同じかもしれない
- 今までの業務の流れを一旦横に置き、フラットに考え直すことが提案されている
- たいぞーさんも明確な答えは持たず、模索の過程を発信していくとしている


