薬剤師教育は今も変わり続けている
薬剤師は現在、6年制の教育課程となっています。大学に入学してから6年間学び、国家試験の受験資格を得る仕組みです。
6年制になって15年、20年が経とうという頃になりました。以前は4年制の教育課程で取得できる資格だったため、20年以上前から現場で研鑽を積んでいる薬剤師の多くは、4年制で資格を取った方だと話されています。
教育課程が変化するのは、薬学部の中で常に起こっていることです。6年制の中でも、教育の根幹となるコアカリキュラム ── 薬学教育の到達目標や学習内容を定めた共通の指針。全国の薬学部が満たすべき基準として位置づけられ、定期的に改定される。が定期的に見直され、6年制になってからすでに2回の改定が行われています。
4年制と6年制、旧コアカリと新コアカリの違い
教育内容は、時代の変化とともにブラッシュアップされ続けています。当然、4年制と6年制では、大学で学ぶ時間も内容も違ってきます。
旧コアカリキュラムと新コアカリキュラムでも、学習内容や学習の届け方は大きく変化していると解説されています。
そうすると、素朴な疑問が浮かびます。教育課程が違うのだから、4年制薬剤師と6年制薬剤師のように、資格の内容にも違いが生じているのではないか、という問いです。
同じ発想で、旧コアカリで学んだ人は「旧コアカリ薬剤師」、新コアカリで学んだ人は「新コアカリ薬剤師」と区別することも、理屈のうえではできなくはないとたいぞーさんは述べます。
なぜ資格は区別されないのか
しかし実際には、こうした教育課程の変化によって資格が区別されることはありません。4年制も6年制も、旧コアカリで取得した資格も、新コアカリで取得した資格も、すべて同列の薬剤師として取り扱われます。
その理由を、たいぞーさんは臨床現場での学びという観点から掘り下げていきます。
4年制から6年制への変化で大きいのは、臨床現場で学ぶ部分です。6年制では実務実習 ── 薬学生が病院や薬局の現場で行う実践的な実習。6年制課程で拡充され、臨床能力の習得を目的として位置づけられている。が11週間行われるようになり、臨床教育が延長した2年間の課程の中で実践されるようになりました。
一方で、4年制薬剤師の方はすでに臨床現場で仕事をしています。その仕事の実践を通して、臨床的な知識や能力を習得できるという前提に立っています。
旧コアカリと新コアカリについても、学ぶ細かな内容には多少の変化があるものの、根幹は同じだと説明されます。臨床現場で学んだことをいかに生かせるか、そうした薬剤師をどう育てるかが、コアカリの大きな趣旨だという見方です。
臨床現場で研鑽を積むことが前提になっている
だからこそ、旧コアカリで学んだ薬剤師も、臨床現場に出て患者さんに関わり、研鑽を積んでいくことができます。その過程で、新コアカリで学ぶような薬剤師像を、自ら現場で実践し実現していくことが可能だと考えられています。
つまり、4年も6年も、旧コアカリも新コアカリも、すべて臨床で力を発揮できる薬剤師という点で共通しているという整理です。この共通点があるからこそ、同じ資格として扱われると解説されます。
この前提は、現場の薬剤師に対して一つの意味を持ちます。教育課程の違いに資格が左右されない代わりに、現場での研鑽が期待されているということです。
日々の実践を学びに変える「薬学で患者を語る」
日々の実践を学びに変える手段の一つとして、たいぞーさんは「薬学で患者を語る」ことをとても有用だと考えています。
患者さんの情報をきちんと捉え、それを薬学的に分析する。そして、大学で学んでいることが現場でこう役立つのだと、実践の中で学び取っていくという流れです。
大学で学んだことは、こう使って役立てられると現場で実感していくことが、カリキュラムの変化に適応した薬剤師として磨きをかけ続けることにつながると述べられています。
これが、資格が区別されずに扱われていることに対して、現場で働く薬剤師が取り組むべきことだという結びになっています。
関連イベントの告知
放送の最後には、いくつかのイベントが告知されています。まず、9月12日の土曜日15時から18時に、薬剤師あゆみの会のウェブセミナーが開催されます。
このセミナーでは、令和8年調剤報酬改定を受けて厚生労働省の井上さんが講演し、改定の全体像に触れます。そのうえで、たいぞーさんを含む薬局3者が、改定を受けた現場での取り組みを紹介する構成です。
続いて、9月26日の土曜日15時から17時に、学生向けのイベント「Tricon」が開催されます。学生と現場の薬剤師が一つの症例に向き合い、患者さんへの介入を検討していくウェブセミナーです。参加は無料とされています。
さらに、10月25日の日曜日には、兵庫県姫路市で日本在宅薬学会のバイタルサイン講習会が開催されます。講習会自体は満席ですが、インストラクター講習会は残り数枠あると案内されています。
まとめ
4年制も6年制も、旧コアカリも新コアカリも、すべて同じ薬剤師として扱われるのは、臨床で力を発揮できる薬剤師という共通点があるからです。だからこそ、現場での研鑽と、日々の実践を学びに変える姿勢が重要だとまとめられています。
- 薬剤師の資格は教育課程の違いで区別されず、すべて同列に扱われる
- 4年制薬剤師は臨床現場での実践を通して臨床能力を習得できることが前提になっている
- コアカリの根幹は、臨床現場で学びを生かせる薬剤師を育てることにある
- 「薬学で患者を語る」ことは、日々の実践を学びに変える有用な手段になる
- 関連イベントとして、9月12日のウェブセミナー、9月26日のTricon、10月25日のバイタルサイン講習会が告知された


