調剤事務スタッフの可能性は「無限大」という実感
たいぞーさんは、薬局で在宅医療や外来患者対応に取り組みながら、社内の新人育成や研修企画、講師なども務めている薬剤師です。勉強会やセミナーの開催、オンラインサロンの運営にも取り組んでいます。
今回のテーマは、調剤事務スタッフの多様性とその可能性です。たいぞーさんは日本在宅薬学会の薬局パートナー研究部会に所属し、調剤事務スタッフの活躍の道や、そのための教育について検討していると話します。
たいぞーさんは、調剤事務スタッフの可能性を無限大だと感じていると語ります。前職でも、調剤事務が活躍できる環境を整えることで、薬剤師が専門性を活かす時間や気力を生み出せると考えていたそうです。
「可能性が無限」だからこそ生まれる難しさ
一方でたいぞーさんは、レセコン入力や保険請求といった業務も大切だとしつつ、そこに限定せず可能性の枠を広げていくことが大事だと話します。
ただし、可能性の枠が無限にあることは、そのままメリットになるわけではないとも指摘します。方向性が広すぎると、どこへ進めばいいのかが逆に見えにくくなるというデメリットがあると語ります。
そこでたいぞーさんは、調剤事務の役割を大きく4つに分類できるのではないかと考えた時期があり、今回はその整理を共有すると話します。
自ら患者に関わる「プレイヤー」タイプ
1つ目はプレイヤーとして活躍するタイプです。調剤事務スタッフ自身が直接患者と関わり、薬剤師の専門領域とは別の専門性を発揮して薬局の機能を広げる役割です。
たいぞーさんは具体例として、登録販売者の資格を取得してのOTC販売や、管理栄養士の資格を持つスタッフによる栄養指導を挙げます。
また、患者からの相談対応でも、専門的な資格を取得することで、より注力できるかもしれないとも語ります。スタッフ自身がプレイヤーとして患者に関わることで、薬局としての機能を広げていく役割です。
薬剤師の介入力を上げる「サポーター」タイプ
2つ目はサポーターとして活躍するタイプです。薬剤師と一緒に患者に関わることで、薬剤師が専門性を活かした介入をしやすくする役割だとたいぞーさんは説明します。
具体的には、患者からの事前の情報聞き取りが挙げられます。サポーターが先に聞き取りをしておき、薬剤師がその情報を踏まえてさらに聞き取りを行うイメージです。
たいぞーさんは、病院で医師の診察前に看護師が事前に大枠の情報を確認しておく体制に似ていると例えます。ただし調剤事務は問診の技術を訓練されていないため、そのための訓練は別途必要になると補足します。
在宅医療では、訪問の事前準備として患者情報の収集や整理を支援してもらえると、薬剤師は整理された情報をもとに治療の現状やこれからの方針を考える時間にあてられると語ります。
裏方の「オペレーター」と店舗運営の「マネージャー」
3つ目はオペレータータイプです。たいぞーさんは、これは今の調剤事務スタッフの働きに近いと話します。裏方として薬剤師の負担を軽減する、調剤補助業務や在庫管理、レセコン入力、書類整理などがこれにあたります。
4つ目はマネージャータイプで、店舗運営を担う役割です。たいぞーさんは、今は薬局の店舗運営を薬剤師が担っている企業が多いと指摘します。
一方で、薬剤師は薬学部の教育の中で店舗運営をほとんど学んでいないとも語ります。運営に関しては、薬剤師よりも薬剤師以外のスタッフのほうが優秀な可能性は十分に考えられると話します。
そのため、薬剤師は専門的で患者に関わる部分に注力し、マネジメントは調剤事務などのスタッフに任せるのも1つの選択肢だと、たいぞーさんは考えた時期があったと振り返ります。
4つの分類が示す、これからの薬局のあり方
たいぞーさんは、プレイヤー・サポーター・オペレーター・マネージャーという役割の中で、その人がどこに向いているかを踏まえてマッチングしていくことが大切だと語ります。
そうすることで、薬局で働くスタッフがより生き生きと働け、より良い店舗運営や組織運営が見えてくる可能性があると話します。
今回の放送は、調剤事務スタッフの可能性を分類することで、これからの薬局のあり方を考えるきっかけにしてほしいという言葉で締めくくられました。
まとめ
この回は、調剤事務を「補助」の枠にとどめず、プレイヤー・サポーター・オペレーター・マネージャーの4つの役割で可能性を整理した内容でした。役割を分類することが、スタッフのマッチングとこれからの薬局づくりの手がかりになると語られています。
- たいぞーさんは調剤事務スタッフの可能性を「無限大」と捉えている
- 可能性が広すぎると方向性が見えにくくなるため、4つに分類する視点を提案
- プレイヤーは資格を活かし自ら患者に関わり、薬局の機能を広げる
- サポーターは事前の聞き取りなどで薬剤師の介入力を高める
- オペレーターは裏方支援、マネージャーは店舗運営を担い、適性に応じたマッチングが鍵



