改定の短冊で気になった在宅分野の変更点
たいぞーさんは今回、調剤報酬改定の短冊が示されたことを受けて、その中で気になった点を率直な考えとして話しています。取り上げるのは在宅医療の分野です。
在宅は今回の改定でも大きな目玉になっている分野だと、たいぞーさんは見ています。医師との往診同行が評価されるようになったことや、在宅薬学総合体制加算の変更などが示されていました。
在宅薬学総合体制加算とは何を評価しているのか
在宅薬学総合体制加算について、たいぞーさんは在宅医療を進める上での収入源として大きな部分になる加算だと説明しています。
この加算では、より高度な体制を敷いている薬局が高い点数を得られる仕組みになっています。その算定要件の中に、施設に住む在宅患者と個人の在宅患者の割合が一定以上かどうかという項目が設けられていました。
たいぞーさんは、施設と個人宅の違いを訪問の効率という観点から整理しています。施設は多くの方が一緒に生活しているため、一度にたくさんの人に対応しやすく、訪問の効率もよいのが特徴だと話します。
効率のよい施設在宅だけに偏らせない狙い
割合の要件が示す意味について、たいぞーさんは効率よくできる施設在宅ばかりに注視するのではなく、個人宅にもきちんと注力することが求められている、と読み解いています。
たいぞーさんは、この要件から日本の社会の課題、医療の課題の一つが見えてくるのではないか、と話しています。個人の自宅で生活している方をきちんと見ることが評価されている、という受け止めです。
施設在宅を手放す薬局が出てくるかもしれない
たいぞーさんは、この要件変更を受けて個人宅に力を入れていく薬局も多いのではないか、と見ています。ただ、それだけではないとも指摘します。
施設在宅は効率よく患者に対応できる一方で、一度に大量の処方箋が来て、それを準備し、施設ごとの状況に応じてオーダーメイドに薬剤を準備していく手間もかかる、というのがたいぞーさんの整理です。
そのため件数が多すぎることが足かせになると、施設在宅を手放して個人宅に人的なリソースを割く、という選択をする経営者もいるかもしれない、とたいぞーさんは話します。
多くの人が一緒に生活しており、一度に対応しやすく訪問の効率もよい。一方で大量の処方箋を施設ごとにオーダーメイドで準備する手間がかかる。
個人の自宅で生活している方をきちんと見る形で、加算の要件で注力が求められている。
施設の患者を担う薬局が重宝される可能性
ただ、たいぞーさんは、そうなったときに施設で生活している方々も薬での治療を継続する必要があり、誰かがそこを担う役割が必要になる、と続けます。
施設が困ってしまう状況が生まれるからこそ、そのお困りごとを解決できる薬局はこれから重宝される可能性がある、というのがたいぞーさんの見方です。
運営の工夫次第では、施設在宅を上手に取り扱う運営形態も一つの形として考えられる、とたいぞーさんは話します。施設在宅そのものはなくなっては困るものだからです。
関係性の面でも変化があると、たいぞーさんは指摘します。これまでは「よその薬局が入っているからお宅はいい」と断られていたところが、「ぜひとも助けてください」となることで、お互いの関係をフラットに作りやすくなる、という見立てです。
施設でこそ活きる薬学の専門性と三方よし
施設在宅の価値について、たいぞーさんは連携のしやすさを挙げています。施設は常にスタッフが患者を見ている部分があるため、患者の情報をしっかり集め、連携を取りながら患者を見ていける、と話します。
そのうえで薬剤師の専門性、薬学のスキルを活かせば、患者の治療をより良くしたり、施設での生活を良いものにしたりできる、とたいぞーさんは言います。薬を上手に使うことでスタッフの負担改善に貢献できる部分もあると考えています。
たいぞーさんが強調するのは、ただ薬を作って持っていくだけではなく、そこでも薬学の専門性を活かして関わるという姿勢です。そうすれば薬局もよし、施設もよし、患者さんもよしの三方よしの医療の届き方が見えてくる、と話しています。
施設の患者も一人の患者、どう救うかを考える
たいぞーさんは、個人宅ももちろん大事だとしたうえで、施設で生活している患者も一人の患者だと語ります。だからこそ、こうした方々にもうまく医療が届く仕組みや運営の形を考えることが大切だ、という立場です。
たいぞーさん自身も会社員として組織に勤めているため、組織の中で自ら考えながら取り組んでいきたい、と話しています。
この放送が、在宅医療が個人の自宅の支援に注力する体制へ向かう中で、施設の患者さんをどう救っていくのかを考えるきっかけになれば、というのがたいぞーさんの締めくくりでした。
まとめ
在宅薬学総合体制加算の要件変更は、効率のよい施設在宅に偏らず個人宅にも注力することを促すものだと、たいぞーさんは読み解きました。そのうえで、手放されがちな施設の患者をどう支えるかにこそ薬学の専門性を活かす余地がある、という視点を示した回です。
- 加算の要件には、施設と個人の在宅患者の割合が一定以上かという項目が設けられている
- 施設在宅は訪問効率がよい一方、大量の処方箋をオーダーメイドで準備する手間もかかる
- 要件変更で施設在宅を手放す薬局が出れば、施設の患者を担える薬局が重宝される可能性がある
- 施設はスタッフとの連携がしやすく、薬学の専門性を活かせば薬局・施設・患者の三方よしにつながる
- 施設の患者も一人の患者であり、医療が届く仕組みや運営の形を考えることが大切だと語られた



