実務実習の集合研修で行ったグループワーク
たいぞーさんは、現在進めている実務実習の第3期の受け入れについて紹介します。実習はすでに3分の1ほどが終わったところだといいます。
たいぞーさんは働いている薬局で、現場の仕事に加えて人材育成室という部署にも所属しています。実務実習の学生への教育提供が、この人材育成室の役割の一つです。
今回は10名ほどの学生を受け入れており、その学生たちを集めて定期的に集合研修を行っています。たいぞーさんはその一コマを担当しています。
昨日がその集合研修の日で、「薬剤師の専門性を生かすってどういうことなんだろう」というテーマで、みんなで考えるグループワークを行ったといいます。
なぜ薬剤師は薬の詳しい仕組みまで学ぶのか
大学では薬理学や薬物動態など、薬の働きを詳しく学びます。この学習は本来、患者への介入という専門家としての仕事のために必要な能力として学んでいるはずだと、たいぞーさんは話します。
たとえば、血圧の薬が体の中でなぜ血圧を下げるのか、その仕組みまで薬剤師は詳しく学んでいます。たいぞーさんは学生に、こうした詳しい薬の働きを何のために勉強しているのかを考えてほしいと投げかけました。
学生から出た「説明のため」という共通した答え
学生からは、詳しい薬の働きを知っていることで、薬の説明や、副作用・効能効果に関する説明を正しく行えるという意見が数多く上がりました。
さらに、薬の飲み合わせについての説明もきちんと行えるという意見も出たといいます。学生たちは真剣にディスカッションして考えてくれたと、たいぞーさんは振り返ります。
その結果、学生たちは共通して、薬剤師の専門知識は患者に説明するためのものだという視点で考えをまとめていました。
たいぞーさんは、専門知識が患者への説明に役立つ能力であることは確かだと認めます。ただ、それだけのものなのかという点は、一旦立ち止まって考えたいと学生と話し合いました。
専門知識を「患者の体を診る」ために使う
たいぞーさんは、薬が体の中でどう変化し、どう体に働くのかを知っていることの意味を掘り下げます。
その知識があれば、この薬を飲んだら未来で自分の体がどう変化し、何が起こるのかを予測し、見立てることができます。これは患者の体を診るための能力として生かせると話します。
たいぞーさんは、薬剤師にはこうしたことができるという話を、昨日の集合研修で学生に伝えたといいます。
学生が得た「新たな視点」と情報伝達の価値の変化
学生たちは、自分たちが患者への説明や情報を伝えることに終始してしまっていたことに気づいたといいます。薬剤師の仕事を「説明すること・伝えること」だと捉えていた点に着目してもらえたと、たいぞーさんは話します。
同時に、薬剤師はこんなふうに患者のことを見られるのだという新たな視点を感じ取ってもらえたのではないかと、学生の反応を見ながら思ったといいます。
たいぞーさんは、情報を伝えるという役割は昔は非常に重要だったと振り返ります。一方で、インターネットが発達し、今ではAIで何でも調べられるようになった中で、上手に伝えることの価値は相対的に下がってきているというのが、現場で働きながらの所感だといいます。
たいぞーさんは、伝えることはこれからも大事な役割でありつつも、患者の薬物治療の根幹に関わるような仕事が薬剤師にはできると考えています。
薬の効能・副作用・飲み合わせなどを患者に正しく伝えるための知識として使う
薬による体の変化を予測・見立てし、薬物治療に介入するための知識として使う
学生には残り3分の2の実習が残っています。現場で患者に関わって専門知識を使う経験は、実務実習を除くとなかなかできる機会が少ないと、たいぞーさんは指摘します。
たいぞーさんは、この機会を生かして、専門知識を使って患者を診るということを実習期間で経験してほしいというメッセージも込めて、昨日の集合研修を行ったと語ります。
学生向けオンラインイベント「Tricon」の案内
たいぞーさんは、今月26日の土曜日15時から17時の2時間、学生向けのオンラインイベント「Tricon」をウェブで開催すると案内します。
Triconは、症例検討を学生と現場の薬剤師が一緒に行うという内容のイベントです。今回の放送で話したような、薬の説明ではなく、患者を薬学の専門知識で見立てて薬物治療に介入していくという関わり方を扱います。
たいぞーさんは、そのために薬剤師に何ができて、どんな情報や考え方が必要なのかを、実際に現場で実践している薬剤師と一緒に考える場だと説明します。
薬学部での勉強の意義や価値、現場で働き始めたときの薬剤師としての関わり方を、リアルな現場の薬剤師との症例検討を通して感じ取ってもらう狙いです。将来のイメージを解像度高く持ち、大学での勉強に生かしてほしいといいます。
参加は無料です。たいぞーさんは、興味がある人の参加を待っているとともに、現場の薬剤師にも周りの学生への声掛けを呼びかけています。
まとめ
薬剤師の専門知識は患者への説明のためだけではなく、薬による体の変化を予測して患者を診るためにも生かせる、というのがこの回の中心でした。実習生との集合研修を通して、たいぞーさんはその「新たな視点」を伝えています。
- たいぞーさんは実務実習の第3期で10名ほどの学生を受け入れ、人材育成室として集合研修を担当している
- 集合研修のグループワークで、学生は「薬剤師の専門知識は患者への説明のためのもの」という共通した答えを出した
- たいぞーさんは、専門知識は薬による体の変化を予測・見立てし、患者を診るためにも生かせると伝えた
- AIで何でも調べられる時代、上手に伝えることの価値は相対的に下がり、薬物治療の根幹に関わる仕事に価値があるとする
- 9月26日15時から、症例検討を学生と現場の薬剤師が行うオンラインイベント「Tricon」を無料開催する


