ポジショニングとは「○○といえばこの人」と思い出してもらうこと
今回のテーマは、事業や発信のベースとなるポジショニング戦略です。
ポジショニングとは、「○○といえば○○さん」というように、記憶に残ってもらうことだと説明されています。
会社の中でも「このツールに詳しいのは○○さん」といった状態がありますが、それと同じイメージだと話されています。
企業の発信で言えば、お茶漬けといえば、麻婆といえば、と名前が浮かぶ状態がこれにあたります。
ただしこれはBtoC向けで、CMを何度も流して刷り込む強者の戦略だと指摘されています。
トシさん自身は「WordPressといえばトシさん」「ひとりビジネスのWeb集客ならトシさん」と言ってもらいたい、と話します。
WordPressといえばトシさんとか、ひとりビジネスのウェブ集客ならトシさんとか言ってもらいたいわけですよね。そういうふうに言ってもらうためにはどうすればいいのって話を今日はしていこうかなと思ってます。
大海原では戦わない。ランチェスター戦略との連動
では、どうすればポジショニングを取れるのか。
たとえば「WordPress トシさん」で検索に引っかかりたいと思っても、広いウェブの中で出てくるのはほぼ無理だと話されています。
CMや広告を何度も打てる大手なら成立しますが、それは弱者の戦略ではありません。だから大海原の中では戦えないという結論です。
そこで前回のランチェスター戦略につながります。WordPressという大きな話ではなく、さらにレイヤーを下げて絞り込むことが軸になります。
トシさんの場合はWordPressに加えて、特定の決済システム、さらにその大きな利点にまで絞って発信を続けたと語られています。
事例①タイムチケットで「WordPressといえば」を確立
ここからは、トシさんが実際にやってきた2つの具体例が紹介されます。
1つ目はタイムチケットです。
バンクーバーから帰国したばかりの頃、知り合いに教えてもらって登録したと話されています。
結果として、タイムチケットの中では一時期「WordPressといえばトシさん」と言ってもらえる状況になったそうです。
これは評価と実績を積み重ね、プラットフォームという一つの場の中でポジションを取ったイメージだと説明されています。
当時も同じようにWordPressのお悩み解決系チケットを売る人はいましたが、競合がやっていないことを考えたそうです。
最初は金額を安くしつつ、必ず対面で会って一緒に解決することを約束したと話されています。
当時は、エンジニアの人が直接、こういうプログラムを教えてくれる人ってそんなにいなかった気がするんですよね。だから直接会って、いくらで30分で教えてもらって解決できるっていうのは、やっぱり重宝されたわけですよ。
金額以上の満足度を提供し、競合と差をつけていったと語られています。
戦う場所を選び、そこでとにかく実績を積むことをひたすら続けたそうです。仕事をしながら夜や土日も、依頼があればすぐ対応していたと話されています。
事例②バンクーバーのブログ。「カフェ」に特化して突き抜ける
2つ目は仕事ではなく、12年前のバンクーバーでのワーホリ時代の話です。
当時、ワーホリに行くと多くの人が無料ブログで日記を始めますが、トシさんも始めたものの、あまり見られなかったそうです。
現地では運良くアメリカ人のフリーランスの下で働くことになり、そこで初めてWordPressを知ったと話されています。
ただ日記ばかりでは誰にも読まれません。そこでまず書いたのが、SEOを意識したお役立ち記事でした。
日常で困り、かつ誰も書いていないことを書いたそうです。海外ならではのトラブルを事細かに記事化しました。
たとえば、日本語対応の銀行ではなく英語でしか口座を作れない銀行での手続きや、郵便の送り方などが読まれた記事だったと話されています。
それでも物足りず、次に思いついたのがカフェの記事でした。
バンクーバーはバリスタの世界チャンピオンがゴロゴロいるほどレベルが高く、これはいけるかもしれないと考えたそうです。
競合を調べると、一番多く書いている人でも約40記事で、しかも取材はしておらず、引っ張ってきたような画像だったと振り返ります。
それなら50記事書けばランキングで目立つところに出てくるのではないか、と考えたと話されています。
トシさんは自分の足でいろいろなカフェを回り、5日ずつ記事を増やしていったと話されています。
ブログ発信がリアルな出会いと仕事につながった原体験
記事を重ねるうちに、バンクーバーでカフェといえば有名なサイト、と認知されたそうです。
50記事に届く前、10記事から20記事ほどの段階から変化が起きたと語られています。
カフェに勤めてる日本人の方から「よかったら取材に来ませんか?」みたいな連絡が来たりとか、「毎回読んでます、よかったら今度お会いしませんか?」みたいなこともあったんですよ。
人と会うことが増えていき、これがトシさんにとってブログ発信で人と出会う原体験になったと話されています。
帰国後も1年ほどは、これからワーホリに行く人や一時帰国中の人から「相談に乗ってもらえませんか」という問い合わせが何件か来たそうです。
相手から「このサイト有名ですよ」と言ってもらえたことで、ポジショニングが取れたのだと感じたと話されています。
2つの事例の共通点と、リスナーへの問いかけ
タイムチケットとバンクーバーのカフェ、この2つには共通点があると整理されています。
どちらも広い市場ではなく、狭いところで戦っていた点です。競合はいても、差がない状態から始められたと話されています。
バンクーバーに1年いる人自体が少なく、そこでSEOを意識して記事を書く人はさらに減ります。人と会うために頑張って書くモチベーションの人はそういないからです。
タイムチケットというプラットフォーム、カフェという絞ったテーマを選ぶ
評価を積み重ね、記事数を増やし、量で突き抜ける
小さな市場やテーマを選び、そこで誰よりも発信と実績を重ねる。これが2つの共通点だとまとめられています。
その結果、WordPressならトシさん、バンクーバーのカフェのサイトならこれ、と覚えてもらえる存在になったわけです。
この番組はさまざまな職業のリスナーが聞いている印象があるため、Web寄りの話も自分の仕事に当てはめてほしいと呼びかけられています。
市場もテーマも発信の仕方も自由で、SNSでもかまわないと話されています。
自分だったらどんな市場で一番になれそうかなとか、どんなテーマだったら自分といえばって言ってもらえるだろうかみたいなことを考えてみるだけでも、見せ方が変わってくるんじゃないのかなと思うんですよね。
広い市場でドーンといくのではなく、自分が選ばれやすい場所を見つけ、その中で実績と発信を積み重ねる。その過程でポジショニングが少しずつ出来上がっていく、というイメージが語られています。
まとめ
ポジショニングは特別なテクニックではなく、小さな市場やテーマを選び、その中で発信と実績を積み重ねた結果として「○○といえばこの人」と言ってもらえる状態になる、と語られた回でした。
- ポジショニングとは、「○○といえばこの人」と第一想起してもらう状態のこと
- 小規模事業者は広い大海原では戦えないため、ランチェスター戦略と連動して市場を絞り込む
- タイムチケットでは、対面と実績の積み重ねで「WordPressといえば」のポジションを取った
- バンクーバーではカフェに特化し、自分の足で取材した記事が出会いと相談につながった
- リーンキャンバス、ランチェスター戦略、ポジショニングの3つを組み合わせると、自分らしい戦略が見えてくる
