ブレストへの違和感から始まる回
ポーキーが持ち出したのは「ブレストうんこ」というテーマでした。
ポーキーは大学生の頃、いわゆる意識高い系の界隈にいて、ワークショップや思考のフレームワークに触れていたと話します。
その中で流行っていたのがブレスト、つまりブレーンストーミングでした。
一方、みっこは美大出身で、意識高い系の方向性が違ったと振り返ります。ポーキーは、その美大の話も後で回収すると予告しました。
当時、ブレストが流行ってて、ミーティングしたらブレストをするわけですよ、大体。イベントをやろうとつった時にさ。
100個出してもダメな理由
ブレストは「否定しちゃダメ」「どんなクソのアイデアでもいいから言っていこう」というルールで進みます。実現可能性を考えず、思考を柔軟に広げて出すのが狙いです。
しかしポーキーは、これがずっと嫌いだったと明かします。
みっこは、コピーライターが100個出すと言うのを引き合いに出します。ただしポーキーは、それは自分の中から出すものだと区別します。
コピーライターが自分で千本ノックやるとか、企画百本ノックするとか、あれとブレストは全然似て非なるものなの。
ブレストは何でも言っていい分、無駄な時間が消費され、実現可能性のない案が出てくるだけだとポーキーは指摘します。
自分がひねくれているから嫌いなのだと思っていたところに、AI時代が来て確信に変わったと話します。
批判されるのが怖いから出さないアイデアだったら、最初から出すな。
AIに「案を10個出して」「100個出して」と頼んでも、出てくるのはいまいちなものばかりだったという体験がその裏付けです。
美大生はブレストしない
ここでポーキーは美大の話に戻ります。自分の手を動かし、魂を込めてものづくりをする人はブレストをしないと言います。
みっこも、自分がいた学科やゼミにはブレストはなかったと答えます。
いい企画作りたいから、みんなでブレスト手伝ってくれる?なんてやらないじゃん。
自分で考えろよ。なんのために美大来たんだよってなる。
もし良いものを作るためにブレストが必要なら、美大でもやるはずだ、というのがポーキーの論理です。
誰かのアイデアに責任を持てるか
起業家もほとんどブレストで起業しないとポーキーは言います。理由は、出たアイデアに最後まで責任を持って魂を込められるか、という点にあります。
ブレストして出たアイデアに、最後まで自分が責任持って魂込められますかっていう話なの。
自分が時間をかけて研ぎ澄まし、やっと見つけた形だからこそ、そこに賭けられる。ポーキーはそう考えます。
だからブレストのように薄めてしまうと頓挫する、と続けます。本当のものづくりは、誰か一人のパッションや熱量が中心にあり、それに惹かれた人が集まって形にするのが美しいと語ります。
AIとコンテキスト共有
話はAIの使い方に移ります。ブレストだけさせると質が落ちる一方、出力を上げるにはコンテキストを渡すことが有効だとポーキーは言います。
前提条件や自分の考え、環境や条件を多く共有するほど、AIの回答の精度が上がるという体感です。
これって何をやってるかっていうと、アイデアを出してるんじゃなくて、文脈を共有してるのよ。
複数人のものづくりでも、全員の熱がこもるのは、アイデアではなく前提となる考え方や思いを共有しているときだと振り返ります。
その文脈を作ったうえで、誰かが責任を持って形を掘り出すと一番気持ちいい、というのがポーキーの実感です。
みっこも共感します。アイデアだけ渡されて「形にしてください」と言われても、やりたくないと話します。
なぜそこに至ったかのストーリーがないと、やってる感じしない。デザイン作ってるな、絵描いてんなって感じしないかも。
なるべく客に会って、なぜ作りたいのか、これを通してどうなりたいかを知りたい、と続けます。それがないと身が入らない。だから美大にはブレストがいないのだと二人は納得します。
クソみたいなアイデアをテーブルに乗せる時間。責任も熱もこもりにくい
前提や思いを分厚くしていく時間。誰かが責任を持って形を掘り出す
ブレストに代わる新提案(?)
後半、ポーキーはブレストに代わる言葉を作ってほしいとみっこに投げかけます。全員でコンテキストを深めていく時間を指す呼び名が欲しいのです。
みっこは「グループワーク」を提案しますが、上位概念すぎると却下されます。次に出したのが「パッション相撲」でした。
パッション相撲とかどう?
ポーキーはセンスを認めつつ、相撲という語がセクハラになりかねないと難色を示します。二人は笑いながら、後半の語に問題があると盛り上がります。
多分ね、その、社会では使えない。セクハラになる。
その後も「バイブス相撲」「コンテキストドットコム」「ディープバイブス道場」などが飛び出しますが、どれも決め手を欠きます。
ポーキーは、動作を表す言葉にしてほしいと注文をつけます。ブレインストーミングが「脳の嵐」なのだから、というわけです。
行為とか動作にしてよ。ブレインストーミングなんだから。
みっこは「ブレインブルーム」、つまり脳が開花するという案を出します。ポーキーは最終的に「コンテキストストーミングでいい気がしてきた」と口にします。
それでもみっこは、これだけ考えたのだからと「パッション相撲」を推し続けたまま、回は締めくくられました。
まとめ
ブレストへの違和感から出発し、アイデアの数より、文脈と個の情熱を共有することの価値へとたどり着いた回でした。呼び名は決まりませんでしたが、二人の視点の違いが噛み合う雑談になっています。
- ブレストは「何でも言っていい」ゆえに実現可能性のない案が並びやすいと二人は捉える
- AIも大量に案を出すより、コンテキストを渡すほど回答の精度が上がるという体感が語られた
- ものづくりの本質は、誰か一人のパッションや責任があり、それに人が惹かれて形にすることにあるとされた
- ブレストに代わる呼び名として「パッション相撲」などが飛び出したが、結論は保留のまま終わった




