本に中指を立てた写真は、なぜ本の完売につながったのか?
今回ウミノさんが取り上げたのは、AI漫画家のけいすけさんの著書をめぐる炎上です。ロシア人女性のネムアクネムアクさんが、書店でけいすけさんの本『AI漫画の作り方』書名は『AI漫画のはじめ方』の可能性ありを見かけ、その前で中指を立てた写真をXに投稿しました。
ネムアクさんの投稿は大きく拡散し、ウミノさんによると1500万インプレッションほどに達しているといいます。
普通の人は多分そこで、へこむと思うんですよね。私もへこむかもしれない。
ところが、けいすけさんは炎上を喜ぶだけでは終わりませんでした。自分の本への批判投稿を、Xにお金を払って表示を増やすブースト ── X(旧Twitter)で投稿の表示回数を有料で増やす機能。広告の一種で、より多くのユーザーのタイムラインに投稿が届くようになりますで、さらに広げたのです。
さらにけいすけさんはフォロワーに向けて、「書店で僕の本を見かけたら、中指突き立てるか、ピースサインでぜひ写真撮ってSNSに投稿してください」「全力で拡散します」と呼びかけました。
その結果、けいすけさんの本はAmazonで完売し、デザイン部門のランキングで18位に入りました。Xのコミュニティノート ── X上の投稿に、利用者が背景情報や補足を付けられる仕組み。一定の評価を得たノートが投稿の下に表示されます書き起こしでは「note」には、「中指を立てるポーズに関しては、本ポストの拡散に伴い著者が推奨している行為になりました」という趣旨の説明まで付いたといいます。
初めて見た。中指立てるって普通はさ、嫌がるじゃないですか。なんだけど、推奨してるっていうね。
ウミノさんは、この一連の流れを「健全に煽っていた」と表現し、けいすけさんを「持ってるなあ」と評しています。
投稿
ネムアクさんが本に中指を立てた写真をXに投稿
拡散
反AIの人たちの間で炎上し、約1500万インプレッションに
ブースト
けいすけさん本人が投稿をブーストし、中指写真の投稿を呼びかけ
結果
Amazonで完売、デザイン部門18位に
ネムアクさんが怒った理由について、ウミノさんは推測を交えて語ります。ネムアクさんは絵を描く絵師で、絵の描き方の本を探していた棚に、けいすけさんのAI漫画の本が置かれていたこと自体が嫌だったのではないか、という見立てです。
画像生成の分野では、手で描かずにAIで描くことに抵抗を持つ人が世界中にいます。ネムアクさんの投稿にも、各国から反AIの立場のコメントが集まっていたそうです。
コメントの中には、けいすけさんの本の表紙で目が破綻しているという批判もありました。これについてウミノさんは、本が出たのは去年の11月ごろで、Nano Banana ── Googleの画像生成・編集AIモデルの通称。画像内の文字の描写や一貫性の高さで話題になり、その後改良版も登場しています書き起こしでは「ナノバナラ」の初代の時期だったため、仕方ない面があると話しています。
炎上しても本が売れる、1対2対7の法則
ウミノさんは次に、一見ネガティブな炎上で、なぜけいすけさんの本が売れたのかを考えます。手がかりにしたのが、よく言われる「1対2対7の法則」です。
1対2対7の法則とは、世の中にはある人を嫌う人が1割、好きな人が2割いて、残りの7割はどちらでもない、という考え方です。
ウミノさんは仮の数字で説明します。1500万インプレッションのうち、たとえば500万人が興味を持ったとすると、その1割は反AIで「なんだよこんな本」と感じるかもしれません。一方で2割、つまり100万人ほどは「こんな本あるんだ、面白そう」と受け取り、その中から実際にAmazonで買う人が出てくる、という計算です。
ウミノさんは、けいすけさんもこの構造をわかったうえで炎上を燃やしていたのだろうと見ています。
炎上の価値を、批判の量ではなく好意を持つ2割に届いたかどうかで測る。ウミノさんの見方は、この一点に集約されます。
けいすけさんの本とAI漫画スキルのすすめ
最後にウミノさんは、けいすけさんの本をぜひ読んでみてほしいと勧めています。あわせて、けいすけさんのAI漫画を作るスキルもおすすめだといいます。
ウミノさん自身も、コンテンツ販売プラットフォームのBrainでけいすけさんのスキルを購入し、実際に漫画を作ったそうです。
エピソードの概要欄には、今回の炎上をまとめたXの記事が貼られており、その中にけいすけさんのAI漫画スキルへのリンクも載っていると案内されています。
まとめ
けいすけさんの本への中指写真は1500万インプレッション規模の炎上になりましたが、けいすけさんは投稿のブーストや「中指写真」の呼びかけで流れに乗り、Amazon完売とランキング入りにつなげました。ウミノさんは、その背景を1対2対7の法則で説明しています。
- ロシア人女性の中指写真が拡散し、けいすけさんの本は約1500万インプレッションの炎上に
- けいすけさんは投稿をブーストし、中指写真の投稿まで呼びかけて炎上を追い風にした
- 結果として本はAmazonで完売し、デザイン部門18位に入った
- 1対2対7の法則では、嫌う1割より、好意を持つ2割に届くことが重要になる
- ウミノさんはけいすけさんの本とAI漫画スキルを実際に使い、おすすめしている





