なぜ転売ヤーが「泥臭いことをしよう」と言い出したのか
国際転売ヤーのちゅんていさんは、海外旅行先で現地のものを仕入れ、日本のフリマサイトで売って旅費を浮かせることをコンセプトに番組を続けています。今回のテーマは「泥臭いことをしよう」という、少しメンタル寄りの話です。
なんかいきなりメンタル面かよって話かと思うんですけども。
きっかけは、ちゅんていさんが前日にChatGPTのWorkを初めて使ったことでした。その結果、ちゅんていさんは「もう自分でパソコン操作する必要ないな」と感じたそうです。
「AIっぽい文章」でも伝われば十分?
ちゅんていさんのPodcastは、音声データをSpotifyやApple Podcastに配信しています。これまでは音声を文字起こしし、その文字起こしをもとにnoteのブログやX、Threadsの投稿を作っていました。
その変換作業は、ちゅんていさんが1つずつGeminiに頼んでいたといいます。それだけでも昔と比べればすごいことだ、とちゅんていさんは振り返ります。
1年前くらいまでは、AIが書いた文章は「AIっぽい」「心がこもっていない」と言われがちでした。ただ、ちゅんていさんは、文才がない人が書くよりAIの文章のほうがよっぽどわかりやすいと考えています。
なんで別にAIってわかってても別にいいんですよ。だってこれ(ブログや投稿の中身)自分自身が喋ってることなんで。
ちゅんていさんが文章で伝えたいのは、自分の考え方や情報です。文章そのもので人を感動させたいなら小説家やエッセイストの領域で、それ以外ならAIに任せて全然いい、というのがちゅんていさんの立場です。
Podcast1本から、note・X・Threadsまで全自動に
とはいえ、Geminiに文章を頼み、Xにはこう、Threadsにはこうと指示を出していく作業は、1回あたり15分から20分かかっていました。そこでちゅんていさんが前日に組んだのが、次のような流れです。
NotebookLM
音声データを保存し、タイトルと説明文を作ってもらう
Spotify
タイトル・説明文・音声をアップロードし、Apple Podcastにも配信される
Pody
Podcastの内容が自動でわかりやすい記事になる
ChatGPTのWork
Podyの記事を渡すと、note・X・Threads用の素材や投稿をまとめて作る
タイトルと説明文づくりには、GoogleのNotebookLM ── Googleが提供するAIノートサービス。自分でアップロードした資料や音声をもとに、要約や質問への回答などをしてくれますを使います。ちゅんていさんは「自分専用のデータを貯めとけるところ」と説明していて、録った音声をそこにも保存しているそうです。
Spotifyに上げた音声は、ちゅんていさんが月額制で使っている「Pody」にも流れます。Podyは、Podcastの内容をわかりやすく記事化するサービスで、ちゅんていさんはサイトの作りがしっかりしていて丁寧に解説してくれると話しています。
XとThreadsで投稿を書き分ける指示とは
Podyでできた記事を、ChatGPTのWorkに「noteとXとThreadsに上げといて」と渡すだけで、あとは自動で進みます。noteでは表紙にあたるアイキャッチ ── 記事の冒頭やSNSでのシェア時に表示される画像。読者の目を引き、記事の内容をひと目で伝える役割があります画像や、記事途中の図解まで作ってくれるようになったそうです。
Xについて、ちゅんていさんは無料会員のため1投稿140字以内という制限があります。そこで、Xの投稿は3〜4個に分け、Threadsは長めの1投稿にするよう指示しています。
3〜4投稿に分割し、情報や内容を重視。前日は「ChatGPTのWorkでメルカリの出品などが全自動になった」という情報を投稿
長くてもよいので1投稿にまとめ、共感を重視。前日は「メルカリの出品ってめんどくさいですよね」という共感寄りの投稿
どちらの投稿も、文章はすべてAIが生成しています。それでもちゅんていさんは、自分が話したことが元になっている以上、これは自分が表現したかったことだと考えています。
一個一個手間だったものが全部もうただポンって投げるだけで全部全自動でやってくれるっていうのはほんと画期的だなと思いました。
話す内容だけ考えればいい時代
自動化のおかげで、ちゅんていさんのポチポチとしたPC作業はだいぶ減り、めちゃくちゃ楽になったそうです。話す内容は考えるものの、どう書けば伝わりやすいかという文章の組み立ては考えなくてよくなりました。
話し方や段落の組み立てを勉強することも大事だと、ちゅんていさんは認めています。ただ、ちゅんていさんにとって話し方は身についた人間性なので今さら変えようがなく、話した内容をわかりやすくしてくれるのがAIのいいところだと話しています。
物販とか情報発信とかに関しては、うーん、ここまで全自動できるようになるとは思わなかったので衝撃でしたね。
月2万円の外注が、月3000円のAIに置き換わる
物販の世界でも、ちゅんていさんは大きな変化を感じています。メルカリで売る人には無在庫販売 ── 手元に在庫を持たず、注文が入ってから仕入れ先で商品を買って発送する販売方法。仕入れ先の売り切れや価格変動への対応が課題になりますはそれほど多くないものの、eBayやShopeeで海外輸出をしている人は、ほとんどが無在庫販売だといいます。
これまでも、出品を楽にするツールや、仕入れ先で売り切れたら自動で出品を取り下げるツールは有料で出ていました。ちゅんていさんによれば、今はChatGPTやCoWorkを使えば、月額3000円でそうした仕組みを自分で作れてしまいます。
5〜7年前、ちゅんていさんは出品、価格調整、在庫切れの取り下げを外注さんに頼み、1人あたり平均4000〜5000円ほどを毎月払っていました。さらに、お客さんとのメッセージのやり取りを任せる翻訳さんにも月5000円を払っていたそうです。
当時もGoogle翻訳はありましたが、日本語と英語を行き来させると日本語のニュアンスが変になることがあったため、翻訳は人に頼んでいたといいます。
出品・価格調整・在庫切れの取り下げ・翻訳の4つを外注し、報酬は合計で月2万円ほど
ChatGPTのWork(月額3000円)を入れれば、4つの外注はいらなくなる
パソコン内で動くから、取り下げも出品もおまかせ
ChatGPTのWorkには、たとえば毎日出品した商品を順番に確認し、仕入れ先で売り切れていたらeBayから取り下げる、といった指示も出せるそうです。
ちゅんていさんによると、この仕組みはクラウド上ではなく、自分のパソコンに入れたアプリが動かしています。ログインIDやパスワードは一定期間ごとに求められるものの、一度ログインしてしまえば、ChatGPTがパソコンを操作して取り下げまでしてくれます。
いちばん面倒な出品作業も、写真を撮ってお願いすれば、タイトル、説明文、カテゴリー、値段まで決めてくれるといいます。そのあと、スプレッドシートの在庫管理表や利益計算表にも入力し、Notionのようなノートアプリとも連携できるそうです。
たったChatGPTにこれこれこういうことできる?って聞いたら、あ、できるよつってくれるようになったので。
以前なら一から調べて操作を覚える必要がありました。今は一度お願いすれば、継続的な作業はほとんどパソコン操作なしでできる、とちゅんていさんは話しています。
誰でも使えるAIの先で、何が差になるのか
ただし、この仕組みは月額3000円払えば誰でも使えます。ちゅんていさんは、土俵はみんな同じで、遅かれ早かれ全員がやるようになると見ています。
無在庫販売なら、あらゆるサイトから売れ筋を大量にピックアップして大量に出品することが、誰でも軽い気持ちでできてしまいます。その結果、価格競争が起きて薄利多売 ── 1つあたりの利益を小さくして、たくさん売ることで全体の利益を確保する商売のやり方の道へ進んでいく、というのがちゅんていさんの見立てです。
AIの普及
月額3000円で誰でも自動出品できる
大量出品
売れ筋を誰もが大量に出品する
価格競争
同じ商品で値下げ合戦が起きる
薄利多売
利益の薄い商売になっていく
実店舗の中古仕入れが勝ち筋になる理由
一方で、中古仕入れは事情が違います。実際にお店へ行かないと何が売っているかわからず、ネット上にまだ出てきていない商品がたくさんある、とちゅんていさんは話します。
前日も、ちゅんていさんはリサイクルショップに行き、お店が一昨日仕入れた商品が店頭に並んでいるのを見つけました。調べると利益が取れる商品だったので、すぐに買ったそうです。
実店舗の商品がネットに出るまでにはタイムラグがあります。誰でも簡単に出品できるようになった今、そのタイムラグは縮まっていくし、店舗が全品をネットで売れば「それはそれでおしまい」だと、ちゅんていさんは認めています。
それでも、そうなるまでにはまだ少し時間がかかる、とちゅんていさんは見ています。だからこそ、泥臭く実店舗で有在庫で仕入れて売ることが、今のAI時代の勝ち筋だと結論づけています。
まとめ
ちゅんていさんは、ChatGPTのWorkで発信作業も物販の外注業務も自動化できた一方、誰でも同じ道具を使える時代だからこそ、実店舗へ足を運ぶ泥臭い仕入れが差になると話しています。
- NotebookLM、Spotify、Pody、ChatGPTのWorkをつなげ、1本のPodcastからnote・X・Threadsの投稿まで全自動にしました
- 伝えたい中身が自分の言葉なら、文章がAIっぽくても伝わればいい、という考え方です
- 月2万円ほどかかっていた出品・価格調整・取り下げ・翻訳の外注は、月額3000円のAIで置き換えられるようになりました
- 誰でも使えるAIで無在庫販売は価格競争と薄利多売に向かうと、ちゅんていさんは見ています
- ネットに出る前の商品を実店舗で見つけて有在庫で売ることが、今のAI時代の勝ち筋だと話しています


