嘘のタイトルコールと、新コーナーの始まり
この回は、斎藤さんの偽タイトルコールから始まります。カメラメーカー、オリンパスのCMのキャッチコピーを勝手に借りたものでした。
心と体、人間の全部。オリンパス。poweredby COCOSHI。
いやいや、嘘じゃん。
斎藤さんによると、これは十数年前にテレビで見たカメラのCMのキャッチコピーで、宮崎あおいが出ていたといいます。響きが気に入って、10年以上覚えているそうです。
心と体、人間の全部、オリンパス。心身二元論だよ。それが人間の全部だよって。
斎藤さんは、カメラで写せるのは物質だけだが、撮ろうとする人の心があるから写す、という自分なりの解釈も語ります。あくまで斎藤さんの解釈です。
そのうえで、金子さんが今回の本題を切り出します。前回募集した、リスナーの好きな場所やおすすめを紹介するコーナーです。
なんか好きな場所とか。おすすめとか。お気に入りを聞きたいよねみたいな。自分の住んでる場所の。
金子さんは、問いが少し漠然としすぎたかもしれないと振り返りつつ、縛りすぎるのも避けたかったと説明します。まずは試しにやってみる、という位置づけです。
あきのさんおすすめ、小郡の定食屋「だるま」
最初のお便りは、インスタのDMで届いた、あきのさんからのものです。ペンネームは、秋の「秋」にひらがなの「の」で「あきの」だといいます。
おすすめは小郡のだるまっていう定食屋です。いつも水泳した後、飯食ってます。定食はもちろんうまいですが、自分の行く時間帯のせいですが、いつも店内のテレビで面白い番組やってて好きです。
斎藤さんは、店のテレビでいつも面白い番組をやっている店は珍しいと反応します。金子さんは、水泳後という時間帯から、夕方から夜のバラエティ番組の時間帯ではないかと推測します。
お店のチャンネル決めてる人と、あきのさんのテレビの好みがもうバチバチに合ってるってことだね。
斎藤さんは、世の中の飲食店で定食屋が一番好きだと話します。ただ、自分は定食屋をほとんど知らず、妥協点として中華屋に行っていると打ち明けます。
定食屋ほぼ知らなくて。だから妥協点として中華屋さんに行ってる。
金子さんが定食屋の例を挙げると、斎藤さんはやよい軒、日高屋に加え、関西圏のチェーンだという「宮本むなし」を挙げます。「むなし」という店名の付け方に二人でツッコミを入れます。
斎藤さんは、その場でGoogleマップを開いて「だるま」を調べます。9号線から新山口駅の南口(新幹線口)へ向かう途中、川沿いから右折した先のロードサイドにある店だと分かります。
あっこ結構トリッキーな右折するとこじゃないですっけ?僕、二車線かなって思ったら一車線のとこじゃなかった?
その右折地点は路肩が広く、車線だと思ったら車線ではない、紛らわしい場所だといいます。金子さんは、そこで一度ミスして「あわや」という経験をしたことがあると振り返ります。
定食屋が一番好きだが店をほとんど知らず、妥協点として町中華に通う
定食屋は「やよい軒」など何軒か思い浮かぶ
営業時間は11時半から14時までと、17時半から22時まで。定食屋で22時まで営業しているのは珍しいと二人は驚きます。斎藤さんは、自分の食事のタイミングにぴったりだと話します。
あのストライクゾーンど真ん中だわ。
メニューには鯖定食や白身フライのタルタルがけなど魚系もあり、品数も多いようです。二人は、あきのさんが水泳を終えて食事に行くくらいの時間帯を狙って、一緒に行こうと話します。
小郡の町中華「桃花園」と、宮野に現れたネオンの中華屋
だるまの話から、斎藤さんは先週初めて行ったという小郡の中華屋の話に移ります。駐車場がなさそうで行きづらかったが、コープの駐車場に停めて訪れたそうです。
店の名前は「桃花園」。在来線口(北口)を出た飲み屋街のような一角の、一本裏の通りにある、昔からやっていそうな街の中華屋だといいます。
マジで美味しかったですね。
注文したのは酢豚定食。味の感想を金子さんが尋ねると、斎藤さんは満足したと答えますが、感想は「美味しかった」に集約されました。
その流れで金子さんは、宮野に新しくできた中華屋の話を切り出します。周囲が暗い一帯に、ネオンで強く主張してくる店が急に現れるのが印象的だといいます。
夜めっちゃ暗いじゃないですか。すごいこう、ネオンで急になんか現れる。
金子さんは、9号線沿いでその明るい店を見つけたときの第一印象を語ります。明るいのに人の気配がなく、少し怖かったといいます。
その時はちょっと怖かった。なんだここ?みたいな。明るい誰?みたいな。
斎藤さんはまだ行っていないものの気になっていると話し、店名は「集合閣」だったと思うと言います。難しい漢字で、ふりがなから「集合閣」と読んだ記憶があるそうです。二人は「集合閣で集合しよう」と、だるまと合わせて行くことを約束します。
リスナーネームは「アイチュー」さん。山口情報芸術センターYCAMのこと
次のお便りは、リスナーネーム「一年中アイスクリーム中毒」さん、通称アイチューさんからです。番組が新コーナーを始め、進化していく様子にワクワクする、という言葉が添えられていました。
金子さんは、この言葉が最初に願っていたことと重なると話します。タイトルを完成させてから始めるより、作り上げていく過程ごと見せたいという思いがあったからです。
私は県外出身で、現在山口市に住んでいるのですが、初めて山口に来た時にいいなと思ったのは山口情報芸術センター、YCAMです。山口市の中心地にありながら広大な面積を使用した作りになっていて、波打つデザインの建築と、その前に広がる中央公園と一体になった大らかな景色にグッときました。YCAMはこういうところですと端的に説明できないのですが、どこの県にもあるようなありふれた施設ではない気がしています。
アイチューさんは、YCAMがどんなところか、二人の思い出も聞いてみたいと書き添えていました。斎藤さんは、県外出身の人だからこそYCAMに驚くのかもしれないと受け止めます。
金子さんが真っ先に思い出すのは、YCAMそのものより、前に広がる公園の広場です。2013年に山口に来た当初、夕方に行くとエモくなっていたといいます。
犬の散歩してる人もいれば、子供たちが遊んでたりとか、カップルがいたりとか、いろいろなことしてる人がこういるじゃないですか。すごい生活をめっちゃ感じるんですよね、あそこ。
金子さんは、関係のない人が生活している姿を、広い芝生の広場で一枚の絵のように見られたことが良かったと語ります。自分が何を考えていようと、それぞれの人がこの街で生活し、この後家に帰っていく。そのことに何とも言えない気持ちになったといいます。
この人たちはみんなこの後家に帰るんだなっていうのが、なんとも言えない気持ちになってたんですよね。
金子さんは、その光景は本来ありふれていて何の意味もないこと、その「何でもなさ」こそが重要なのだと説明します。斎藤さんが感傷的な作品名を引き合いに出そうとすると、金子さんはそれは違うとやんわり否定します。
もう一つ金子さんが挙げるのが、YCAMのCDでした。18、19歳の頃、洋楽の名盤を片っ端から聴いていたそうです。館内のプレーヤーで聴けるコーナーがあったといいます。
そのバンドはこのアルバム聞いときゃいいよみたいなのは、大体なんとなくあったんですよ。それを永遠と聞いてました。
斎藤さんは、半透明のガラスで仕切られたスペースでDVDも見られたことを覚えていました。二人は、図書館入り口の左手あたりに音楽や映像を楽しめるコーナーがあったと記憶をたどります。
図書館で勉強するふり。市図書と県図書の使い分け
斎藤さんは山口市の生まれ育ちで、YCAMといえば図書館だと感覚的に思っていたほど通っていたといいます。高校時代の思い出も図書館が中心です。
勉強するって言って勉強せずに、本を読んで、なんかこうフラフラしたり。
斎藤さんは、市立図書館で勉強するという体で友達とチャリで通い、最初の30分ほどしか勉強せずにフラフラしていたと振り返ります。図書館上の渡り廊下を渡った先にあった自販機が、思い出の場所です。
ちょうどいいこのやさぐれ感があって。癒されるやさぐれスポットでちょうどよかったんですけどね。もう自販機撤去されてしまって。
金子さんも、下松市立図書館で似たようなことをしていたと共感します。夜のある程度遅い時間までいられて、誰も文句を言わず、無料である点が良かったといいます。
いい場所ですよね、図書館って。
話は、市立図書館と県立図書館の使い分けに及びます。斎藤さんによると、県図書は本気で勉強する人が行く場所で、市図書はもう少しライトな位置づけだといいます。
本当にやらないとまずい時は県図書に行くし。まだ大丈夫でしょっていう時は市図書でお茶を濁す。
ライトに入れるが誘惑も多く、「まだ大丈夫」なときにお茶を濁す場所
座席数が少なくガチで勉強する人向け。「やらないとまずい」ときに行く場所
金子さんも、大学時代に論文を書くときは県図書、市図書だと注意散漫になる、という感覚に共感します。市図書には誘惑が多い、というのが二人の共通認識です。
斎藤さんは、この週末にYCAMで開かれた「爆音映画祭」で映画を2本見たといいます。YCAMでやる映画は面白いものがあると気づき、これからアンテナを張りたいと話します。金子さんも、大手の劇場が扱わない作品を上映してくれる点を評価します。
市図書のギャグ漫画で笑いをこらえた話と、部屋を汚さないための「野宿」
YCAMをめぐる思い出として、金子さんは「一個だけ、いや二個くらい話したい」と、自身のエピソードを語り始めます。
一つ目は、市立図書館で漫画を読んでいた話です。金子さんは大学時代、本やCDに加え、暇なときに漫画を読みに通っていたといいます。読んでいたのは「ピューと吹く!ジャガー」でした。
声出して笑うのを我慢しながら、我慢できずに、めっちゃ周りを見ながら、我慢しながらそのピューと吹くジャガーを読むっていうのを大学の時やってました。
斎藤さんは、笑ってはいけない極限の状態でこそ面白さがこみ上げてくると共感します。金子さんは、そのツボにハマると声に出して笑ってしまうほどだったと振り返ります。
二つ目は、YCAM前の公園での「野宿」の話です。大学一年、初めての一人暮らしを始めた当時、金子さんは髪の毛一本落ちているだけでも嫌になる性格だったといいます。
その髪の毛一つ落ちてるだけでも嫌な人間になってたんですよ。
金子さんは、自分がそこに住むから部屋が汚れるのだと考え、しばらく野宿をしていたと明かします。その場所の一つが、YCAM前の公園のブランコの横にある東屋でした。
ただし、金子さんは自分を潔癖ではないと説明します。野宿は平気で、他人の汚い部屋も気にならない。自分が綺麗に保っている空間を、自分がいることで汚してしまうのが嫌だったといいます。
自分自身のエリアだって思ってるところがコントロールできてないのが多分嫌だったんですよ。
精神的にしんどくなった金子さんは、これは部屋の汚れではなく心の問題だと考え、次のアパートからは「あえて汚す」ようにしたといいます。
髪の毛一本でも嫌になり、自分が汚すのを避けて野宿までしていた
次のアパートからあえて汚し、腐らせることも許せるよう慣らしていった
斎藤さんは、この日の別の場面で金子さんの家でゆずが腐っていたことに触れます。金子さんは、それは自分を慣らすための「努力の賜物」なのだと説明します。
許した。私の心を。腐るよね、みたいな。
一方で金子さんは、木工を始めてから、また別の形で神経質さが出ている気もすると話します。動線を大事にするため、移動するときに足が物にぶつかると強くストレスを感じるのだといいます。木工が直接の原因かは分からない、とも付け加えます。
睡蓮さんおすすめ、櫛山遊歩道から見る大海湾と、大海漁港の海鮮
最後は、リスナーネーム睡蓮さんのおすすめです。これはお便りではなく、金子さんが直接会ったときに聞いた話で、記憶をたどりながらの紹介になります。愛媛出身の睡蓮さんですが、おすすめは山口の場所でした。
紹介されたのは、大海方面にある「櫛山遊歩道」。40分ほど、登山というより山道を歩く感覚で進むと堤防があり、そこから大海湾が一望できるといいます。地元の学校行事でも使われる場所のようです。
途中まで行ったことある。あまりにも人気がなかったから途中で引き返したんだけど。
睡蓮さんは、遊歩道を降りた後に「大海漁港の直売所で海鮮を食べてほしい」とすすめていたそうです。斎藤さんは、そこの海鮮丼にはよく行くと反応します。
それはめちゃめちゃ食べてる。海鮮丼ね。外の席とかあってすごいいい。
この話は、最近魚釣りに傾倒している金子さんの興味と重なりました。展望台から大海湾の地形を眺めれば、どの辺が釣れそうか分かるからです。
どんな感じになってんのかな、海っていうのを知りたいっていうのが一つと。山道を歩くのは結構好きなんですよ。
遊歩道を歩く
40〜50分ほどかけて展望台まで山道を歩く
展望台から眺める
大海湾を一望し、干潮時の地形を確認する
直売所で食べる
大海漁港の直売所で海鮮を食べる
遊歩道の入り口をめぐって、二人は記憶を照らし合わせます。斎藤さんが途中まで行ったのは相生荘の駐車場からの道でしたが、金子さんによると、睡蓮さんおすすめの入り口は展望台から見て北側にあるようです。
金子さんは、山登りながら海を見られて、降りたら魚も食べられるこのコースが今の自分にぴったりだと語り、二人で行くことを決めます。
てか僕はマジで一人でも行きたいくらいの。
人の好きな場所を聞くと、二人が得をしすぎる説
一通り紹介を終え、金子さんが席を外す一幕を挟みつつ、二人は今回の手応えを話します。教えてもらった場所はどれも自分たちが行けるものばかりで、得しかない、という結論です。
いい情報教えてもらったのに、全部トイレ出ちゃったから。
金子さんは、こうしたおすすめを共有できることの良さを語ります。生の、新鮮な情報だからこそ、行ったことのある人も「もう一回行ってみようかな」となり、初めての人は素直に足を運べるといいます。
関連して、金子さんは大学時代の心境を打ち明けます。周りの人が「山口は何もない」「都会に行きたい」と言うのが嫌で、逆に見つけてやろうと散歩をよくしていたそうです。
そう言われるから逆になんか見つけてやろうって思って、大学の時散歩とかめっちゃしてたんですよ。
斎藤さんも、山口には面白い店や綺麗な景色、文化施設があると応じます。いい場所を教えてもらうと「行ってみよう」となる、その循環がいいのだと二人はうなずき合います。
金子さんは、自分の好きな場所として五重塔前の池を「小出し」に紹介します。真夜中でライトアップも消えた後、風のない池の面に五重塔や空、松が鏡のように映る光景が好きだといいます。
下にあっちの世界あるみたいなくらいめっちゃ綺麗に反射してて。思わずほんと飛び込みたくなるくらい。
ただし、真夜中で暗く、公園なので門もなく入れてしまう場所です。金子さんは、行くなら信頼できる二、三人と一緒に、と繰り返し注意を添えます。
最後に二人は、あきのさん、アイチューさん、睡蓮さんに改めて感謝を伝えます。無理のない範囲で、口頭でもDMでもお便りでも構わないので、引き続き好きな場所を寄せてほしいと呼びかけます。まずは「だるま」に、寝かせずに行くと約束して回を締めます。
まとめ
リスナーが教えてくれた「好きな場所」を読み上げるだけで、二人が行きたい場所が次々に増えていく回でした。だるま、桃花園、YCAM、櫛山遊歩道、大海漁港、そして五重塔前の池と、山口の身近なスポットと二人の思い出が重なり合います。
- あきのさんおすすめは、小郡の定食屋「だるま」。夜22時まで営業し、店内のテレビ番組も楽しめる
- YCAMをめぐる思い出は、前の広場で感じる生活の光景、館内で聴いた洋楽CD、市図書と県図書の使い分けなど、二人それぞれ
- 金子さんは、部屋を汚す自分を許せず野宿していた過去や、木工を始めてからの神経質さを打ち明けた
- 睡蓮さんおすすめは、櫛山遊歩道で大海湾を眺め、大海漁港の直売所で海鮮を食べるコース。釣り好きの金子さんに刺さった
- 人の好きな場所を聞くと二人が得をしすぎる、というのがこの回の実感。おすすめは引き続き募集中






