コーヒーもお酒も「解像度は高すぎなくていい」?
乾杯のあと、話はビールとコーヒーの味わい方から始まります。夫は、コーヒー豆を国名で表すのはアバウトだと感じているようです。
コーヒーの豆をさ、国名で表現するのも結構アバウトだなって思うよね。だってエチオピアも広いしさ。
妻は、系統みたいなものはあるし、こだわる人は農園の名前まで見ていると返します。ワインが畑ごとに違うように、コーヒーもきっと同じだろう、という話になります。
ただ夫は、味覚やセンスを突き詰めすぎるのはちょっとしんどい、という立場でした。
多少の鈍感力ぐらいの、ふわっと生きてた方が幸せなんじゃないかなと思うことは(ある)。
仕事の美学はこだわりたいけれど、お酒やコーヒー、食事はほどほどの鈍感さでいい。ほどほどの鈍感さを持ってる今の自分も好き、というのがこの日の夫のスタンスです。
今日のテーマは「妻がリピートしている料理ベスト3」
雑談から本題へ。夫はこの日のテーマとして、妻が作ってきた料理のベスト3を挙げます。ただ最初は「お気に入りベスト3」だったのを、二人で言い直していきます。
ナギちゃんが今まで作ってきた料理、リピートしている料理ベスト3は?
夫 さんから
数少ないリピートをしたくなる、なっている(料理)。
妻はそもそも自分は飽き性で、ほとんど同じ料理を繰り返さない、という前提を置きます。そのうえで夫に「じゃあ覚えてる?」と逆質問しました。
夫が挙げたリピート料理と、答えに詰まる場面
夫がまず挙げたのは、きゅうりチャーハンでした。続いて今日食べた冷麺を出しますが、これは季節の料理だと妻に却下されます。
でも最近食べた冷麺も、今日食べた冷麺も2回目、3回目ぐらい(作ってる)。
さらに夫はチンジャオロースを挙げますが、それは夫自身が作ったものでした。結局、それ以上は出てこず、答えに詰まってしまいます。
何ですか?ちょっとわかりません。教えてください。
妻に指摘され、夫自身も苦笑い。冒頭で話していた「解像度は高すぎなくていい」という主張が、ここで自分に返ってきます。
ちょっと解像度が低くて他人に迷惑かけてる悪い事例ですな。
妻が気づいた「なんとかだけ」というリピートの共通点
ここで妻が、自分がリピートする料理には共通点があると気づいたことを話し始めます。それが「なんとかだけ」というシンプルさでした。
何々だけっていうのに私はリピートしたくなる要素があると思っている。
具材が一つだけ、あるいは調味料がシンプルなもの。工程がさらっとしているものにしか、繰り返し作る気にならないと言います。
妻はそもそもレシピを覚えるのが苦手で、これだけ料理をしていても毎回手順を見てしまうのだそう。だからこそ、工程がさらっとしたものだけがリピートされるというわけです。
1つ目「蒸しナスのマリネ」と、メインしか覚えていない夫
最初に挙がったのはナスの料理。ヒントは「ナス」だけで、夫は麻婆ナスかと外します。答えは蒸しナスのマリネでした。
(蒸しナスのマリネは)それでもさ、メインじゃなくない?
この一言に妻が反応します。副菜も汁物も全部料理だ、という当たり前のことを、夫はどこかメイン以外を料理と思っていなかったのではないか、という流れです。
まさかメイン以外料理だと思ってない?
蒸しナスのマリネは料理家・大橋みちこさんのレシピ。妻の説明によると、工程がとにかく楽なのが魅力です。
作り方は、ナスを火が通りやすいようにピーラーで少し皮を剥き、1本ずつラップで包んでレンジで2分ほど加熱。粗熱が取れたら手で裂けるので、包丁もいりません。
実がピーって裂けるんだよ、普通に手で。だから包丁いらずなのね。
あとは、ニンニク・醤油・酢・オリーブオイル・塩コショウを合わせた調味料に裂いたナスを入れて冷やすだけ。普段から料理する人なら家にある材料でできる、というのが妻のおすすめポイントです。
2つ目「小松菜の塩お浸し」でシャキシャキが続く理由
2つ目は、冷蔵庫にタッパーでよく入っている小松菜の塩お浸し。料理家・長谷川あかりさんのレシピです。
これはね、かの有名な長谷川あかり先生なんですね。
作り方は、フライパンに300ccの水を沸かし、小さじ1の塩を入れるだけ。切った小松菜の茎を先に30秒、葉を入れて蓋をして30秒ゆで、大急ぎでタッパーに移します。
妻はもともと、小松菜やほうれん草は火を通しすぎてしなしなにしてしまう苦手意識があったそう。レンジで時短しようとすると、なおさら火が入りすぎてしまっていました。
(葉物は火を)通り過ぎちゃうなっていう印象で。うーんと思ってたんだね、ずっと。
そんな妻が長谷川さんのYouTubeで塩お浸しの解説を見て、短時間でさっとゆでるやり方に納得。数日置いてもシャキシャキが続くことに驚いたと言います。
なんでこんなシャキシャキ保てるの?ってぐらいシャキシャキじゃん。
理屈まではわからないものの、この食感のよさに惹かれて、常備しておきたいと思っちゃったというのが小松菜の塩お浸しでした。
3つ目「醤油だけ唐揚げ」は夫も納得のリピート
3つ目は唐揚げ。これも長谷川あかりさんのレシピで、味付けが醤油だけという「醤油だけ唐揚げ」です。
醤油だけでいいんだわ、あれ。唐揚げが醤油だけだから楽すぎて結構リピートしてる。
作り方は、鶏肉に醤油大さじ2を揉み込み、そこに小麦粉と片栗粉を入れてさらに揉み込むだけ。手も汚れず、妻いわく作るたびに感動するほど楽なのだそうです。
なんで、なんで醤油だけなのにこんな美味しいんだろうみたいな。これでいいじゃん、唐揚げって。
この3つ目には夫も強くうなずきます。唐揚げは何度も食卓に出てきた記憶があり、ここだけは夫も「リピートされている」と納得できたようです。
確かに唐揚げは4回ぐらい出てきたような気がするよ。
家庭料理に名前は必要?覚えられる夫と覚えられない夫
ベスト3を聞き終えて、夫は「メインしか印象にない」と認めます。そして、料理に名前があるかどうかが記憶の残りやすさに関わるのでは、と言い出します。
名前があって、その料理が我々の中で共通認識としてあるからこそ繰り返されてるっていうのがあるんだと思うな、俺は。
これに妻は反発します。夜ご飯を作るたびに料理名を宣言しろというのか、と「世の主婦を敵に回した」とツッコみます。
ちょっとリスナーさん聞いてますか?わざわざ夜ご飯作るたびに、名前を言えと。これ世の主婦みんな敵に回したよ。
妻が挙げた副菜たちは、そもそも決まった名前がありません。ピーマンだけの料理も、長谷川あかりさんのピーマンの酒蒸しで、味付けは塩とごま油だけ。夫はこれには覚えがあり、写真を見れば記憶が蘇ると言います。
もう写真見たらもうバッチリ記憶が蘇りますわ。鮮やかに。
夫は世の男性を代弁するかたちで、作った側と食べた側では記憶や思い入れに差が出てしまう、という非対称性を指摘します。
作った側と食べた側では記憶の残り感とか思い入れ感とか、それは非対称性になるわけですよね。それはもう致し方なしだと思うんだよ。
最後は、そもそも五十嵐家はレパートリーが多すぎて覚えようがない、という話に落ち着きます。カツ丼やカレーのような定番だけを回せば覚えやすいものの、妻は飽きてしまうのだそうです。
私が飽きちゃうんだよね。つまんないもん。
食べても食材すらわからないことがある、と笑い合いながら、二人はリスナーへの問いかけで締めくくります。
皆さんは自分の、名前はないんだけど、定番化している料理あったりしますかね。
まとめ
飽き性の妻がリピートするのは「なんとかだけ」で作れるシンプルな料理でした。一方の夫は、名前のない副菜をほとんど覚えていないことが判明。料理に名前は必要か、というちょっとしたすれ違いから、作る側と食べる側の非対称性まで見えてくる回でした。
- 妻がリピートするのは、具材や調味料がシンプルで工程がさらっとした「なんとかだけ」料理
- リピート3品はいずれも料理家のレシピ。蒸しナスのマリネ、小松菜の塩お浸し、醤油だけ唐揚げ
- 妻はレシピを覚えるのが苦手で、毎回手順を確認しながら作っている
- 夫はメイン料理は覚えていても、名前のない副菜はほとんど記憶に残っていなかった
- 作る側と食べる側では記憶や思い入れに差が出る、という非対称性が話の落としどころに







