母校トークはなぜルヴァンカップの九州ダービーにつながった?
番組の冒頭、パーソナリティのよしだりょうさんと森田みきさんは、秋が深まって寒くなってきたという季節の話から始めます。森田さんは福岡対鳥栖のナイトゲームに夏用のスーツで出かけ、カイロを2枚買うほど寒かったうえ、そのせいで風邪をひいたと話します。
収録前の2人は、オープニングで何を話すかを30分以上かけて探していたそうです。福岡の話題からソフトバンク、阪神と話が移り、最後はよしださんの出身校に有名人が多いという話になりました。
よしださんの母校には、サッカー選手の奥大介さんや野球選手、芸人の小松さんなどがいるといいます。2人はWikipediaで1人ずつ調べていき、アンクラスとは関係なさすぎるという理由で季節の話題に切り替えたと笑います。
いやいやいや、でもこれ(母校の話)撮っておけばよかったとは思いました。
そこからよしださんが、ルヴァンカップの九州ダービーでも福岡大学出身の選手が活躍したと話を戻します。森田さんによると、鳥栖の先制ゴールは福岡大学の在学生、アビスパ福岡の同点ゴールは福岡大学出身で2年目の橋本優選手が決めました。
スタンドには福岡大学の関係者のほか、アンクラスの選手たちも観戦に来ていました。夫の神山選手が鳥栖のメンバーに入っていた渋澤選手が取ったチケットで、森田さんは鳥栖側の席に座ったそうです。
いや(アビスパの)ユニフォーム着て行ったらイカンよねみたいな。
アビスパサポーターの原虹香選手と野田菜月選手も一緒だったため、鳥栖側でユニフォームは着られなかったといいます。試合はアビスパが負け、鳥栖側は大喜びでした。バックスタンドを開放しないまま、ゴール裏とメインスタンドだけで約1万1000人が入ったそうです。
よしださんは、母校の選手が活躍すると嬉しいものだと話します。森田さんも、出身校を知ると選手の背景がわかって楽しいと応じ、今回のゲストである野沢選手が神奈川大学出身だと紹介します。30分の雑談がインタビューへの前振りになった形で、2人は「意味のあるオープニングでした」と笑い合います。
リハビリを経た復帰と、男の子に混じった少年団時代
インタビューの冒頭で森田さんは、会うたびに出演を誘っていた野沢選手がようやく登場したと喜びます。収録はホーム最終戦を控えた週でした。
野沢選手はシーズン前半、手術とリハビリで離脱していました。5月中旬に復帰すると、ゴールも決めてチームの勝利に貢献します。森田さんは、後半戦のキーマンは野沢選手だとある選手が話していたと紹介します。その選手は大河内選手だったかもしれない、と森田さん自身もあいまいに振り返っています。
野沢選手の出身は茨城県です。サッカーを始めたのは小学1年生のときで、男の子ばかりの少年団に入りました。
4つ上の兄がサッカーしてて。よく練習(の)送り迎えとかついてきて流れで始めました。
兄と同じチームに入った野沢選手は、途中から女の子が2人ほど加わり、同じ学年の女子3人で練習していたといいます。男子の中でも通用したのかと聞かれた野沢選手は、技術面が得意だったと答えます。
家の前でボール蹴ったりはしてました。
中学では部活に入りつつ、女子クラブチームのつくばFCレディースにも所属しました。部活とクラブを両立する2つ上の女子の先輩がいて、同じ道を歩めると思ったのがきっかけです。
ただ、野沢選手は当時からプロを目指していたわけではありません。
みんなやってるからやるか。
地元ではサッカーや野球が盛んで、鹿島アントラーズの試合もよく見に行っていたといいます。埼玉や千葉にも近いため、浦和レッズなど他県のクラブを応援する人もいたそうです。
「ボケっとしてます」と話す選手の、ピッチの外の顔
中学時代の野沢選手のポジションは、ボランチやサイドハーフ、サイドバックなどさまざまでした。森田さんが厳しい部活の話を期待すると、野沢選手は意外な答えを返します。
いや、部活の方は優しかったですね。
森田さんは野沢選手について、優しくて冷静で、ちゃんとしている印象だと伝えます。性格を尋ねられた野沢選手の自己評価は、もっと控えめでした。
静か。です。
ちゃんとしてるかはわかんないですけど。まあ、ボケっとしてます。
森田さんによると、アンクラスにはふわっとした印象の選手が多いそうです。それでもピッチに入ると別人のように変わり、外に出ると穏やかに戻る。森田さんは、そのギャップが魅力だと話します。
一方で、野沢選手の休日はアクティブです。夏は海でサップをしたり、友達と山に登ったりするほか、カフェでゆっくり過ごすこともあるといいます。
サーフィンの、ずっと立ってるバージョン。
野沢選手はサップ ── スタンドアップパドルボードの略。大きめのボードの上に立ち、パドルで水をこいで進むマリンスポーツですをこう説明しました。静かな話しぶりとは裏腹に、外遊びを楽しむ一面が見えてきます。
名門・修徳高校で「絞り上げられた」3年間
つくばFCレディースのユースを経て、野沢選手は東京の修徳高校にスポーツ推薦で進学します。寮には入らず、朝5時半ごろの電車に乗って、7時ごろからの朝練に通っていました。
中学までは自由にやらせてもらってたんですけど、高校ではい、絞り上げられました。
修徳高校には上下関係がしっかりあり、サッカーでもたいてい怒られていたといいます。監督の叱り方について、野沢選手は「愛情がある怒り」だったと振り返ります。
修徳高校は練習だけでなく、ルールも厳しかったそうです。特に印象的なのが、勉強に関するルールでした。
赤点取ったらまず練習は出れないです。
野沢選手は電車での移動中や家で勉強し、練習できないテスト期間には校内の勉強用の建物を使っていました。サッカーをするために勉強も頑張るという姿勢で、部活をしている生徒のほうが成績がよかったかもしれないといいます。
ルール
赤点を取ると練習に出られない
勉強時間の確保
電車の移動中、家、テスト期間中の勉強用の建物
結果
部活をしている生徒のほうが成績がよかったかもしれない
野沢選手の得意科目は世界史でした。日本史は同じ苗字の歴史上の人物が多すぎて苦手だったそうで、森田さんも「徳川がたくさんいる」と納得します。
大学はスポーツ推薦で、面接と作文を経て神奈川大学の経営学部へ進みました。大学の勉強は単位を取るための最低限だったと話しています。キャンパスが田舎にあったため、練習後に川へ行ったり、オフの日に海へ出かけたりして大学生活を楽しんだそうです。
就活せずサッカーを選んだ理由と、つくば・岡山での日々
大学卒業後の進路について、野沢選手は先輩たちの姿を見て決めたと話します。
なんか先輩とか見てて、引退して就職してもやっぱサッカーやっとけばよかったって人が多かったんで、
もう就活はせずにサッカーを選びました。
最初に入ったのはつくばFCレディースで、フルタイムで働きながらのプレーでした。9時ごろから17時半まで仕事をして、19時から21時まで練習する生活だったといいます。
それが当たり前だったんで、その時は。
つくばで2年ほどプレーしたあと、岡山湯郷Belleへ移籍します。岡山では火曜日から金曜日まで、1日5時間ほど働いていました。
| 項目 | つくばFCレディース | 岡山湯郷Belle |
|---|---|---|
| 仕事 | フルタイム(9時ごろ〜17時半) | 火〜金曜に5時間ほど |
| 練習 | 19時〜21時 | 練習環境は厳しかった |
| 生活 | 実家暮らしで余裕があった | 月曜日が何もない日でありがたかった |
アンクラスに加入したのは去年の夏です。岡山ではなかなか試合に絡めず、とにかく試合に出られるところへ行きたいと考えていたときに、縁があって福岡に来たといいます。
杉浦選手のサプライズで涙がこぼれたバーベキュー
現在、野沢選手はアンクラスのスポンサーで、椅子などの家具を手がけるアダルで働いています。同じ職場には杉浦佳子選手がいて、2人の仲がいいことを大河内選手が教えてくれたと森田さんは話します。
森田さんが紹介したのは、夏に選手同士で開いたバーベキューでのエピソードです。途中から杉浦選手がサプライズで現れたとき、野沢選手は泣いていたといいます。
いや、自分でも泣くとは思わなかったです。
当時、杉浦選手は2〜3カ月会社に来ていなかったため、久しぶりに会えて驚いたそうです。杉浦選手には「なんで泣いてるの?」と言われたといいます。シーズン前半は2人ともリハビリ中で、励まし合っていたことも野沢選手は認めています。
普段の2人の会話は、サッカーか食べ物、あるいはかわいい動物の話だそうです。
これ(猫)可愛いよね、これ飼いたいんだけど。
杉浦選手の性格を聞かれた野沢選手は、「面白いし、いいやつ」と答えます。アダルの社員も試合の応援に来て動画を撮ってくれるそうで、最近はゴールパフォーマンスも職場の人と一緒に考えたといいます。
これかっこいいんじゃない?とか。
そのパフォーマンスは、名前を思い出せない海外の男子選手がやっていたものだそうです。会社の人は家族持ちが多く、ホーム最終戦には来られないかもしれないため、野沢選手は決めたら写真を見せたいと話します。
最後に野沢選手は、首位で終盤を迎えたチームへの応援をファンに呼びかけました。
残り2戦勝ちきって優勝を取れるように頑張るので、今年あと少しですが応援お願いします。
神奈川大学の出身者リストから、渡部さんとの食べ歩きまで
インタビューを聞き終えたよしださんは、野沢選手について、ひょうひょうとしてつかみどころがないのに芯のある人だと感想を述べます。森田さんも、話し込んでみると人を思いやる性格のよさが伝わってきたと話します。
ゴールパフォーマンスについて、よしださんは「体の前で手をクロスしてヒラヒラ」させる動きだと言葉で説明します。実際の動きは試合で見てほしいとして、撮った写真や動画をXなどで拡散してほしいと呼びかけました。
よしださんがWikipediaで調べたところ、神奈川大学の出身者には伊東純也さんや遠藤航さんといったJリーガーが多く、その並びに野沢選手の名前もあったそうです。元なでしこジャパンの小野寺さんや矢野喬子さん、作曲家の植松伸夫 ── 『ファイナルファンタジー』シリーズなどのゲーム音楽で知られる作曲家。日本のゲーム音楽を代表する存在の一人ですさんも出身者だといいます。
話はさらに広がり、ニューヨークの島さんやアンジャッシュの渡部さんも神奈川大学出身だという話題に移ります。番組が所属するポッドキャストラボ福岡の理事・樋口聖典さんは、吉本時代にニューヨークと同期だったそうです。
よしださんは以前、仕事のつながりで、渡部さんと1日中食べ飲み歩きをしたことがあるといいます。テレビのロケではなく、渡部さんのオンラインサロンの一環で行われたもので、同じ日に開かれた話し方の講演会も手伝ったそうです。
しゃべりを良くするよりも聞き上手になりましょうみたいな話だったんですけど、その時のテーマは。
森田さんは、こうして話がどんどんずれていくのが2人のオープニング前の雑談そのものだと笑います。最後は「渡部さんの後輩」として野沢選手に改めて感謝を伝えました。
優勝をかけた神村学園戦と琉球さくらとの直接対決
番組の終盤では、アンクラスの今後の予定が紹介されます。今週は海町総合スポーツ公園で神村学園女子サッカー部とのホーム最終戦があり、翌週はアウェイでFC琉球さくらと対戦します。
FC琉球さくらは、すでになでしこリーグ ── 日本の女子サッカーリーグ。WEリーグの下に位置し、アンクラスや琉球さくらが戦うリーグからの昇格先となっていますへの切符を手にしています。森田さんは「むしろ負けたくない」と話し、よしださんも「頂上決戦」と表現しました。
| チーム | 消化試合 | 成績 | 勝ち点 |
|---|---|---|---|
| 福岡J・アンクラス | 12試合 | 10勝2分 | 32 |
| FC琉球さくら | 11試合 | 9勝1分1敗 | 28 |
琉球さくらはアンクラスとの試合後にも試合を残しています。よしださんは、アンクラスが勝っていればおそらく優勝できると見ており、森田さんも残り2試合は絶対に勝たないといけないと力を込めます。
2人は沖縄まで行けるファンにも現地での応援を呼びかけ、番組へのお便りの募集を案内して締めくくりました。
まとめ
野沢真由選手は、兄の影響で始めたサッカーを、修徳高校の厳しい環境やフルタイム勤務との両立を経て続けてきました。静かでおっとりした話しぶりの奥に、仲間を思って自然と涙を流す芯の強さがあることが伝わる回です。
- 野沢選手は4つ上の兄の送り迎えについていった流れで、小学1年生からサッカーを始めた
- 修徳高校では「赤点を取ったら練習に出られない」ルールのもと、サッカーのために勉強も頑張った
- 先輩の後悔を見て就活をせず、つくばと岡山で仕事と両立しながらプレーを続けた
- 同じ職場の杉浦選手がバーベキューにサプライズで現れたとき、自然と涙がこぼれた
- 収録時点でアンクラスは首位で、優勝をかけた最終2戦を控えている






