書籍を出したら、月3〜4本の取材依頼が1年続いた
アイジュさんは、2冊の書籍を出したことで得た良かったことやデメリットを、ドクターK先生に率直に尋ねます。
ドクターK先生が挙げたメリットは、出版後の取材依頼が途切れないことでした。雑誌やメディアからの依頼が、出版から1年経った今も続いているといいます。
本を出して、雑誌とかメディアからの取材依頼は1年経った今でもまだあるので、月3、4本ぐらいは来るかもしれない。
週1回ぐらい。あとはリアルの患者さんも「本を読んで来ました」とか言います。デメリットはそこまでない、今のところは。
上の先生から内容を否定されるような嫌がらせもなく、本業と副業がシナジーを生んでいる状態だと話されています。
東海道線に乗っている間に、Xも記事も全部終わらせる
忙しくなってもライティングを続けられる理由を問われ、ドクターK先生は「ストレスにならない」と答えます。
毎日同じようなことをしていっても、あまりそこにストレスを感じない。反応が得られたかをいちいち確認するわけでもないので。
秘訣は、時間と場所を区切ってしまうことでした。移動区間を決め、その間に書く作業を終わらせるといいます。
東海道線に乗ってる間に、X関連はもう全部終わらす。それ以外の時間では見ない。記事も、ここに乗ったら何も考えないでとりあえずパソコンを開いて書く。
立っていても座っていても書く、というルーティンぶりに、アイジュさんは思わず反応します。
立っててもパソコン、カバンの上に置いて。
時間と場所を決めて機械的に書き切るというやり方が、継続を負担にしない鍵になっているようです。
何から始める? 流行りに「専門性」を一足しするコツ
ライティングに興味を持った人が、まず何から始めればいいのか。アイジュさんは、自分が学んだ医療情報にも価値があると認識することが出発点ではないかと問いかけます。
ドクターK先生は、昔ならXでニュースや関心のあるテーマに引用リポストするところから始めればいいと答えます。今はコミュニティ内のやり取りで反応が見えやすく、そこから役立つテーマの可能性を探すのがきっかけになるといいます。
話題になったのが、点眼薬の使い方の例でした。眼科では「目頭を押さえる」といった知識が、SNSで薬剤師などによって発信されていたものです。
ドクターK先生は、そこに眼科医としての専門的な補足を加えることで、発信の質が変わると説明します。押して余分に出してしまうことのデメリットや疾患との関係を足すと、眼科医ならではのポストになるというわけです。
今流行ってる内容に、自分の領域をちょっと足すと、それでオリジナルになる。掛け合わせじゃないですけれども、専門的なコメントを足すことで、さらに有用な発信になる。
完全なオリジナルは難しいからこそ、流行りのテーマに自分の専門を掛け合わせるという現実的な戦略が語られました。
数と種類をこなす理由と、リライトという書き方
テクニックを磨くには数をこなした方がいいのか、というアイジュさんの問いに、ドクターK先生は自身も数をこなした側だと答えます。
数をこなすべき理由の一つは、媒体ごとにルールが違うことだといいます。全文を書く案件、見出しや構成だけ渡される案件、そしてリライトの案件があると説明されました。
色々なやり方があるので、自分にどれが合ってるのかを確認する意味でも、量と種類を変えて量をやるのはとても大切。
こうした経験の土台があるからこそ、オリジナルの作り方やSNSでの広げ方につながっていくのだと、アイジュさんは受け止めます。記事からポストへ、その逆へと、双方向に展開していくといいます。
時給で見ると割に合わない? 「監修」という近道
ライティング未経験のゆーさんが、率直な疑問をぶつけます。記事1本に2〜3時間かかって単価も低いなら、その時間をバイトで埋めた方が割がいいのではないか、という悩みです。
未経験なら1本数千円で、2〜3時間かけてもその程度の単価。それでも積み重ねてやっていくべきなのか、違う入り口を探した方がいいのか、どうなんだろう。
ドクターK先生は、単価が最初は低いことを認めます。時給で割れば医者のバイトの方が高い、という指摘はその通りだといいます。
一方で、今から始めるなら選び方を変えると話します。時給1000〜2000円のライティングはAIがやってくれるので、そこよりも監修に振るというのです。
今から始めるなら、時給にしたら1000円、2000円ぐらいのライティングはAIがやってくれるので、そこはやらないで、監修の方に振るかなと。
監修は単価が高くなりやすく、時間も早ければ10分、長くても30分程度で終わることが多いといいます。隙間時間や医者バイトと並行してできる点も含めて、条件によっては医者バイトに勝ることもあると語られました。
時給換算では1000〜2000円ほどで、単価は低め。AIが担える領域が広がっている。
専門性を活かせて単価が高くなりやすく、10〜30分で終わることが多い。隙間時間でこなせる。
専門医や博士号があるなら、なおさら監修から始めるのが今の合理的な入り口だと、ドクターK先生は勧めます。
副業ライティングは「労働」であり「投資」でもある
ドクターK先生は、勘違いしてほしくない前提として、ライティングは副業であっても労働だと強調します。書籍がサブスクのように売れ続ける域に達するのは、すぐではないからです。
同時に、向き不向きがはっきり分かれるとも話します。臨床の科と同じで、合う人には合い、合わない人には合わないというわけです。
ここでアイジュさんが、ライティングの魅力を整理します。医療という特殊な知識がそのまま別の労働の形になる点が、医師にとっての強みだと語りました。
自分の医者っていう特殊な知識が、そのまま違う労働の形になる。それを表現できるやり方がライティングだと思うので、一度は試してほしい。
ドクターK先生は、向かない例として、文章は書けても納期に間に合わない人、本数をこなせない人を挙げます。受注が続かず、結局やらなくなってしまうというパターンです。
それでも、医師は自分では文章が下手だと思っていても、一般の人から見れば上手いことが普通にあるといいます。だからこそ、きっかけさえあれば一度書いてみてほしいと締めくくりました。
医師は文章を書くのが得意じゃないと思ってても、一般の方から見たら全然上手かったりすることもある。僕も文章を書けると思って始めたわけではなかったので。
発信は資産になる。書籍は「名刺代わり」になる
一連の話を受けて、ゆーさんは2人の共通点を言葉にします。発信したものが単発で終わらず、資産として積み上がっている点です。
発信してきたものが単発で終わってない。ちゃんと自分の資産になって、書籍を出せばそれは名刺代わりにもなる。
アイジュさんは、ライティングにも複利が働くと表現します。若い頃から積み重ねてきたものが、ドクターK先生の今の活躍として爆発しているという見方です。
アイジュさん自身も、大学時代の恩師から「一度は書籍を世に出してみるといい」と言われたことがきっかけで、電子書籍を出したと明かします。医師向けや看護学生向けの案件も手がけ、今も印税が入ることがあるといいます。
合うかどうかは、まずやってみないとわからない。合わなければ半年や1年でやめてもいいが、向いているなら積み重ねる価値がある、と背中を押しました。
まとめ
書籍出版後も取材依頼が続くドクターK先生の話から見えてきたのは、副業ライティングが労働でありながら、積み重ねが効く投資でもあるという二面性です。まずは自分の専門を流行りに掛け合わせて発信し、合うかどうかを試してみることが第一歩になりそうです。
- 書籍を出すと、出版後1年経っても月3〜4本の取材依頼が続くことがある
- 移動区間など時間と場所を区切り、機械的に書き切ることで継続の負担を減らせる
- 完全なオリジナルより、流行りのテーマに自分の専門を一足しする方が現実的
- 時給の低いライティングはAIに任せ、単価が高く短時間で終わる監修から始めるのも一手
- 発信は資産として積み上がり、書籍は名刺代わりになる。まずは試して向き不向きを確かめるとよい






